ユリ(百合)とは?特徴、種類、花言葉、季節、香り、由来や歴史まで
山田智美
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ユリ(百合)の花について、特徴や種類、花言葉などを紹介します。高嶺の花の代表のようなユリ(百合)をもっと身近に感じてもらえますように。
目次
ユリ(百合)とは?基本情報と特徴
- 学名:Lilium
- 科名・属名:ユリ科ユリ属
- 分類:多年草(球根植物)
ユリ(百合)の特徴
ユリは、ユリ科の多年草。球根植物で肉厚の鱗茎がいくつも重なった球根を持っています。ユリの球根は、根の塊ではなく茎が肥大化したものです。
球根の中心から茎を伸ばし、頭頂に大きく印象的な花を咲かせます。花は漏斗やラッパのようなフォルムで、中心からしべが飛び出すようについています。
非常に種類が多く、咲き方、色、香りと多様です。花色は、白、ピンク、黄色、オレンジ、赤などがあります。
ユリのなかでも真白な花を咲かせるマドンナリリーは、聖母マリアの花として有名で、清らかさや純粋さを象徴するとされています。
ユリ(百合)の名前の由来
ユリという名前の語源は、茎に対して花が大きく、風が吹くと揺れることに因んでいると言われています。また漢字の百合という名前は、鱗茎が何重にも重なっていることが由来とされています。
ユリ(百合)の花言葉
百合(ユリ)の花言葉は「純粋」「無垢」
色別のユリ(百合)の花言葉
白のユリ(百合)の花言葉は「純潔」「威厳」
オレンジのユリ(百合)の花言葉は「華麗 」
ピンクのユリ(百合)の花言葉は「虚栄心 」
黄色のユリ(百合)の花言葉は「陽気」
種類別ユリ(百合)の花言葉
ヤマユリの花言葉
テッポウユリの花言葉
マドンナリリーの花言葉
オニユリの花言葉
ササユリの花言葉
ユリ(百合)の花咲く季節
ユリの花が咲く季節は、初夏から夏です。長く伸びた茎の頭頂に1個から数個の花を咲かせます。花は横向きに咲く種類や、うつむくように咲く種類があります。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という慣用句にもある通り、山の中の斜面でもすっと茎をのばして大きな花を咲かせているユリは、美しい人を思わせるような優雅さです。
こんなにあるユリ(百合)の種類
カサブランカ
- 学名:Lilium ‘Casa Blanca’
カサブランカは、日本のヤマユリなどを親に作出されたオリエンタルハイブリッドと呼ばれるユリです。花は真白で大輪、香りが良く華やかなことから、花嫁のブーケにも好まれます。
ヤマユリ
- 学名:Lilium auratum
ヤマユリは、日本原産のユリ。山林の中などで見かけます。大きな花は香りが良く、白い花びらの内側に赤や褐色の斑点があるのが特徴です。球根は食用にできます。
テッポウユリ
- 学名:Lilium longiflorum
テッポウユリは、日本原産のユリ。花は白く、漏斗のようなフォルムをしています。マドンナリリーの代わりとして使用されることもあります。
スカシユリ
- 学名:Lilium maculatum
スカシユリは、海岸などに自生するユリ。花色は、オレンジ色で上向きに咲くのが特徴です。香りはほとんどありません。多くの園芸種の親となっているユリです。園芸種には、オレンジ色の他に、黄色、赤、暗い赤、ピンク、白などの花を咲かせるものがあります。
ササユリ
- 学名:Lilium japonicum
ササユリは、日本原産のユリ。本州から九州にかけて自生しています。淡いピンク色の花を咲かせます。名前の由来は、葉が笹の葉に似ているから。ヤマユリやテッポウユリに比べるとずっと小ぶりで、楚々とした野花のような雰囲気の可憐なユリです。
カノコユリ
- 学名:Lilium speciosum
カノコユリは、日本原産のユリ。花の基部に鹿子のような模様が入ることが名前の由来とされています。花色は濃いピンク色、花びらが反り返るようなフォルムをしています。かつてシーボルトが美しさを絶賛し、ヨーロッパに広めたと言われています。
オニユリ
- 学名:Lilium lancifolium
オニユリは、東アジア原産のユリ。日本や中国、韓国などアジアの国では球根を食用とします。花色はオレンジ色、花びらが反り返るようなフォルムで、内側には茶褐色の斑点があります。
ヒメユリ
- 学名:Lilium concolor
ヒメユリは、大陸からやってきたとされているユリ。花色は赤や濃い赤、花は上向きに咲きます。花径は3~4cmと小ぶりなユリです。
ユリ(百合)は日本原産?由来や歴史
ユリ(百合)は日本原産?
ユリは、非常に種類が多く、100種類以上が北半球の温帯から亜熱帯、亜寒帯に分布しています。日本にはそのうち13種が自生しているとされています。すべてのユリの原産地は日本ではありませんが、日本原産のユリはたくさんあります。
ユリ(百合)の由来や歴史
カサブランカ
日本のユリがヨーロッパで愛されてきた歴史は古く、1800年代にまで遡ります。日本原産のユリは、香りが良く、見た目も美しいものが多いのが特徴。シーボルトを始めとする昔の植物学者が、日本で発見したユリをヨーロッパに持ち帰ったことからヨーロッパで人気となりました。
1840年に初めてヨーロッパで開花したテッポウユリは、その美しさから瞬く間に人気となり、マドンナリリーに代わってキリスト教の宗教行事に使用されるようになったそうです。
カノコユリは、シーボルトに「最高に美しいユリ」と評され、ラテン語で「美しい」という意味の「speciosum」が種小名になったと言われています。
さらに日本のユリから改良されて作出されたユリは、オリエンタルハイブリッドと呼ばれ、世界中で人気があります。
オリエンタルハイブリッドの代表種であるカサブランカは、日本原産のヤマユリ、ササユリ、カノコユリなどを親としてオランダで作出されました。
私たちが海外の花だと思っている美しいユリの由来は、実は日本原産あることが多いようです。身近なものほど、その美しさを見逃してしまうのかもしれません。
ユリ(百合)の香りの秘密
ユリの魅力の1つは香りです。なかでも香りにかけてはオリエンタルハイブリッドのカサブランカに勝るものはないほどです。
香り成分は、リナロールやシスオシメンなど。リナロールは、沈丁花、クチナシ、キンモクセイを始めとする香りの良い花の多くに含まれる成分です。熟した桃のようなフレッシュな香りと言われています。
また、ユリの香りは夜になると強くなると言われています。夜に香りが強くなる花の多くは、蛾など夜間に活動している虫を呼び寄せるためだと考えられています。
受粉のために、夜間に甘い香りで虫を呼び寄せながら、私たち人間も魅了するユリ。姿も香りも美しい花です。
ユリについて、知っているようで知らなかったこともあったのではないでしょうか。
ユリの多くは日本原産。初夏から夏に山野を散歩すると、思いがけず美しいユリの花に遭遇することがあります。高嶺の花だなんて敬遠しないで、野に咲くユリの姿を見に行ってみませんか。
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