バラの実の種類|ローズヒップとの違いも解説
山田智美
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バラの実の種類を写真付きで紹介。さらにローズヒップとの違いや、品種についても解説します。
目次
バラの実とは
バラの実とは、バラ科バラ属の樹木の果実のこと。バラの花が咲いたあとにできる実のことを指します。バラには一重咲き、八重咲き、木立性、つるバラ、半つるバラなど、多くの種類がありますが、実る果実はすべてバラの実です。
ローズヒップとバラの実の違い
ドッグローズの実
ローズヒップ Rose hip とは、バラの実を意味する英語です。ローズヒップとしてハーブティーやジャム、化粧品などで利用されているのは、主にワイルドローズ(野ばら)の一種であるドッグローズの実を指します。
ドッグローズとは
- 学名:Rosa canina inermis
- 英名:Dog rose
- 原種
- 原産:ヨーロッパ、北アフリカなど
ドッグローズは、バラ科バラ属の常緑低木。ヨーロッパの広い範囲に分布する、最も一般的な野生のバラです。花は白かピンクの一重で、枝にはトゲがあり、イバラの茂みを作ります。秋に赤く熟す果実はローズヒップと呼ばれ、ハーブティーやジャム、健康食品、化粧品などに利用されてます。鮮やかな赤色と、ビタミンCが豊富なことから、日本でも人気があります。
バラの実の種類
バラの実は、すべてのバラに実るわけではありません。主に原種系のバラに多いようです。ただし、モッコウバラなどには実は実りません。実がつくバラの種類を、日本の品種と海外の品種に分けて紹介します。
日本原産のバラ7種
アズマイバラ
- 原種
- 原産:日本
アズマイバラは、日本に自生する野生の品種。春に一重咲きの白い花を咲かせ、秋に赤い小さな実をつけます。
ツクシイバラ
- 原種
- 原産:日本
ツクシイバラは、ノイバラの変種と言われる品種。淡いピンクの一重の花を咲かせ、秋に赤い実をつけます。花も株も大ぶりで、茎には腺毛があります。けっこうな太さの毛なので、ちょっとひるみます。
テリハノイバラ
- 別名ハイイバラ、ハマイバラ
- 原種
- 原産:中国、日本
テリハノイバラは、海岸や野原など身近な場所で見られる野生の品種。花は白の一重で芳香があり、秋に小さな実をつけます。欧米に渡り、現在のつるバラの基となった品種でもあります。
ノイバラ
- 原種
- 原産:東アジア、日本
ノイバラは、山野、藪など、日本中のいたるところで見られる品種。花は白の一重咲きで花径2~3cm、芳香があります。春に花を咲かせた後、秋に小さな赤い実をつけます。真赤に熟した実は、切り花でも流通します。多くの改良種の基となった品種です。
ミヤコイバラ
- 原種
- 原産:日本
ミヤコイバラは、日本の山野に自生する日本固有種の品種。春に、白く一重の小さな花がたくさん咲き、円錐花序となります。秋には真赤な実をたくさん実らせます。
モリイバラ
- 別名ハコネイバラ
- 原種
- 原産:日本
モリイバラは、関東以西で見られる野生の品種。花は白く一重で小さく、花びらはハート型をしています。秋に小さな赤い実をつけます。
ヤブイバラ
- 原種
- 原産:日本
ヤブイバラは、関東以西で見られる野生の品種。花は白の一重咲きで、芳香があります。よく枝分かれするので、たくさんの花を咲かせ、秋にはたくさんの真赤な実をつけます。
海外原産のバラ8種
ポミフェラ
- 別名:アップルローズ
- 原種
- 原産:ヨーロッパ、西アジア
ポミフェラは、ピンクの一重咲きの原種のバラ。秋に縦に長い卵型の実をつけます。実には線毛があるのが特徴です。
レディ・ペンザンス
- 原種
- 原産:中国、その他
レディ・ペンザンスは、サーモンピンクの一重咲きの品種。花にも芳香がありますが、葉に強い芳香があるのが特徴です。秋に卵型の実をつけます。
アンリ・マルタン
- 原種
- 原産:ヨーロッパ
アンリ・マルタンは、モスローズ系の品種で、別名レッドモス。濃い花色と苔のような線毛が特徴で、実にも線毛があります。ダマスク系の芳香がします。
キネンシス・ミニマ
- 英名:Fairy rose
- 原種交雑種
- 原産:中国
キネンシス・ミニマの花
キネンシス・ミニマは、高さ30cmほどの矮性種の品種。現在のミニバラの基となった品種です。花茎は3~3.5cm、花色は白、ピンク、赤、一重や八重で、秋に小さな実をつけます。
ケンティフォリア
- 交雑種
- 原産:オランダ
ケンティフォリアは、見事なクォーターロゼットのピンクの花を咲かせる品種。秋に縦長の卵型の実をつけます。
ジュード・ジ・オブスキュア
- 交雑種
- 原産:イギリス
ジュード・ジ・オブスキュアは、明るい黄色の花が美しい品種。秋に小さな赤い実をつけます。
ブルボン・クイーン
- 交雑種
- 原産:フランス
ブルボン・クイーンは、八重カップ咲きの品種。ピンクに濃いピンクの筋、花びらは縮れ、芳香があるのが特徴です。秋に縦に長い卵型の実をつけます。
モーツァルト
- 原種交雑種
- 原産:ドイツ
モーツァルトの花
モーツァルトは、鮮やかなピンクの一咲きの品種。花も実も小さく、かわいらしいバラです。
バラの実の使い方
バラの実の食べ方
お庭で収穫したバラの実を食用にするのは、ちょっと難しそう。ジャムにするにしても果皮も固く、なかに小さな種があるので、とても手間がかかるようです。
市販のローズヒップティーを利用して、ゼリーを作ってみてはいかがでしょう?鮮やかな赤色がきれいなゼリーが出来上がります。おもてなしにもぴったりの一品です。
ドライフラワーにして
秋が深まるにつれて、赤みを増していくバラの実。お庭のバラの実がきれいに色づいたら、切って花瓶に挿しておくだけで絵になります。また、ドライフラワーにもできるので、リースやスワッグにしたり、そのまま吊るしておくだけでも鮮やかな赤色が部屋に暖かみのある色どりを与えてくれます。お庭にバラがなくても、切り花でも流通しているので、気軽に手に入ります。
バラの実の種類を紹介しました。何色のバラでも、バラの実は一様に赤く色づくようです。春には花を、秋には真赤な実を、愛でて楽しんで、育ててみてはいかがでしょうか。
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