ジニア(百日草)とは?育て方、種まきやたくさんの花を楽しむための摘芯や切り戻し
金子三保子
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ジニアの育て方をご紹介します。色あいや丈のバリエーションが豊富、暑い夏も休みなく咲き続けるジニアを庭や花壇に取り入れませんか。たくさんの花を咲かせるコツもお伝えします。
目次
- ジニア(百日草)とは?
- ジニア(百日草)の入手方法~種まきと苗の流通
- ジニア(百日草)の植え付けと置き場所
- ジニア(百日草)の土と肥料
- ジニア(百日草)の水やり
- ジニア(百日草)の病害虫
- ジニア(百日草)の日々の手入れ・花がら摘み
- ジニア(百日草)の摘心・切り戻し剪定
ジニア(百日草)とは?
- 学名:Zinnia
- 科名:キク科
- 属名:ヒャクニチソウ属
- 分類:草花(一年草)
ジニアは、和名で百日草(ヒャクニチソウ)と呼ばれ、夏から秋までの百日という長い間咲き続ける草花です。最近ではジニアの苗は、5月ごろから流通するので、5月~11月と百日どころではない長い期間花が咲き続け、花壇や寄せ植えに大活躍の一年草です。
最近ジニアの新品種が続々と登場し、ビビッドな色からシックな色、また単色だけでなく複色カラーも多いので、とても色幅が多いのも魅力です。また、ジニアは咲き方もダリアのような咲き方やカクタス咲きなど色々、丈も高性から矮性までとたくさんの品種があります。
ジニアは苗以外でも、切り花としても色々な種類のジニアが流通しています。毎年新しい品種のジニアの切り花が流通し、今後、ますます人気が出てくるのではないかと思う草花のひとつです。
ジニア(百日草)の入手方法~種まきと苗の流通
ジニアは、種をまくか、ポット苗で購入します。ジニアのポット苗の流通は4月ごろから始まります。
ジニアの種まき
種まきの時期
ジニアは種が大きめのサイズなので、種まきをしやすい草花です。発芽適温は20℃なので4月から6月がまき時です。20℃より低い気温だと発芽までの日数がかかるため、東京だと4月の後半以降にまいた方が確率が上がります。
ジニアは直根性のため、庭やプランターに直接種をまく、直まきが簡単な種のまき方です。
苗として育苗してから植え付ける場合は、発芽した芽を移植する際は根を傷つけないように注意しましょう。ポット苗に種をまいて、良い芽を残して間引いてから育苗すると移植の手間が省けます。
ジニアの種は嫌光性
ジニアの種は嫌光性です。種には5ミリ程度覆土して、発芽まで土を乾かさないようにして管理しましょう。種の袋は通常たくさんの種が入っているので、一度にまかずに何度かに分けてまいてみるのもよいでしょう。
発芽してしばらくしたジニア
ジニアの流通
4月ごろからジニアの花つきの苗が出回り始めます。葉っぱの色が生き生きとした緑色で、茎がぐらぐらとしていないつぼみがついた苗を選びましょう。最近、ジニアの花の新種が続々登場しています。ポップでカラフルな色からシックな色まで種類がとても豊富で、今後ますます新しい品種が登場すると思われる夏の花のひとつです。
ジニア(百日草)の植え付けと置き場所
ジニアは日当たりと風通しの良い場所で育てます。梅雨の季節にうどんこ病になりやすいので、鉢植えのジニアは雨が頻繁に当たる時期になったら軒下に置くのもよいでしょう。地植えのジニアは、マルチングをするなどして雨による泥の跳ね返りを防ぐのもおすすめです。
ジニアは直根性
植え付ける上で一番覚えておきたいことが、ジニアは直根性の性質であることです。移植を嫌うので、何度も植え替えたりすることはできないと思った方がよいでしょう。また、植え付けの時は根を触らないように注意して植え付けます。
直根性とは・・・
根っこが地中深く枝分かれすることなく、まっすぐに伸びていく性質のことをいいます。地中深く伸びた後に分岐するものもありますが、基本的には太い根が下に伸びていく性質をいいます。そのため直根性の植物は、太い根を少しでも痛めてしまうと植物のダメージが大きくうまく根付きません。このことから植え替えの時に注意が必要な植物と言えます。
ジニア(百日草)の土と肥料
ジニアは水はけが良く、通気性のある有機質に富んだ土を好みます。鉢植えの場合は、草花用の培養土で問題なく育ちます。肥料は、植え付け時に緩効性の肥料を元肥として施します。開花期間が5月~11月と、とても長い草花なので定期的に肥料を追肥するのが大切です。
ジニア(百日草)の水やり
乾燥には強いジニアですが、水やりは乾いたらたっぷりと与えるようにします。特に真夏の水やりは、朝または夕方以降の涼しい時間帯にたっぷり与えましょう。朝にたっぷりと与えても、真夏は夕方にもカラカラになってしまう場合があります。その場合は、朝と夕方の2度の水やりをしましょう。
高温多湿の時期なので、葉に水をかけると病気に感染しやすくなります。水は株元に与えることを意識して水やりをしましょう。
ジニア(百日草)の病害虫
ジニアの病害虫で一番多いのが、梅雨や秋の湿度が高い時期になる、うどんこ病です。その他、立ち枯れ病、灰色かび病などになる場合もあります。いずれも理由は、株が蒸れると発生しやすい菌からの病気なので、常に風通し良く育てることと、水やりは葉に水をかけず株元に与えるようにするのがポイントです。
なお、ジニアの品種の中で、リネアリスやプロフュージョンの系統はうどんこ病に強い品種です。
もし発見したら、すぐに病気になっている部分を取り去りましょう。苗が全体的におかしい場合は、他への感染を防ぐため苗ごと焼却処分します。
春と秋にヨトウムシの被害が出ることがあります。夕方あった花が朝になくなっていたなら、ヨトウムシの仕業かもしれません。夜行性の虫なので、夜に見回ると見つけられることがあります。見つけたらすぐに捕殺しましょう。また昼間は鉢の裏に潜んでいることもあります。鉢底を見てみると発見できることもあります。
うどんこ病にやられたジニアの葉っぱ。すぐに取り去りましょう。
▼初期のジニアのうどんこ病なら重曹スプレーが効果がありました!興味のある方はご覧ください。
ジニア(百日草)の日々の手入れ・花がら摘み
ジニアだけでなく、長くたくさん咲く花の手入れで一番大切なのが「花がら摘み」。花がらとは終わった花のこと。終わった花を早めに摘み取り、次の花を咲かせることにエネルギーを回すようにします。
ただし、リネアリスとプロフュージョンの系統のジニアは、花がら摘みをしなくても開花し続けるように改良された品種です。そのため毎日手入れができない公園の花壇などにはこの系統がおすすめです。もちろん、この系統でも終わった花はまめに摘み取った方が見栄えがするので、一般的なジニアと同様の手入れをしても問題ありません。
ジニアの終わった花の見分け方
ジニアの咲き始めは黄色やオレンジ色の中心の色をしています。写真のように茶色っぽくなって花びらの色がワントーン褪せた花色になってきたら摘み取りましょう。
摘み取るのはジニアの花だけでなく、★印の葉も切ります。切る位置は指で挿している部分です。
ジニア(百日草)の摘心・切り戻し剪定
摘心や切り戻しをする理由
ジニアは摘心や切り戻しをすることによって、脇芽の生長を促し、切ったところから花茎が倍に増えるので、花数の多いしっかりとした株に仕立てることができます。種をまき、本葉が10枚前後になったら行います。そのあとは適時様子を見て摘芯していくと、脇枝が伸びて花数の多いしっかりとした株に育ちます。
▼摘心についてはこちらで詳しくご紹介しています。
ジニアの切り戻し剪定の時期
切り戻しは、ジニアのように開花期間が長い草花にしかできない剪定方法です。なぜならどんな花でも切り戻しをした後、20~30日くらいは花が咲かなくなるためです。花の開花期間が1か月というような短期間、花が開花する植物は、花がら摘みのみの作業となります。
また、ジニアのような開花期間が長い花も、切り戻しは開花期間の前半にするようにします。例えば、5月~11月開花のジニアだったら、7月くらいまでに行います。開花後半の10月に切り戻しをしてしまうと、せっかく花が返り咲いてきれいな秋に花がなく、再び咲き始める頃に寒さで花が開花するのに必要な温度にならず終わってしまうということになるからです。
ジニアのような夏の開花期間の長い花は、一度も切り戻さず猛暑の時期も花を咲かせていると、秋に疲れ気味な株姿になってしまうことが多いです。梅雨や猛暑の時期に切り戻しを行うとすっきりと短めで風通しの良い株になるので、一時的に花はなくなりますが、結果的に秋以降に切り戻しの効果を実感することができます。
ジニアの剪定位置
ジニアは摘芯でも剪定でも切る位置は、ピンクの線を引いた部分の脇芽が出ている上で剪定します。そこから両脇に脇芽が出て花芽になります。
剪定したジニアは生けて楽しみましょう。最近は切り花のジニアも品種が豊富に流通しています。
ジニアは初夏から晩秋まで長く咲き続ける開花期間が長く暑さに強い草花です。また色合いも豊富なので、夏の花壇や寄せ植えにジニアを取り入れてみませんか?
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