ハナミズキ|秋の実や紅葉が美しい木

金子三保子
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ハナミズキ
トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「ハナミズキの実と紅葉」。ハナミズキは、初夏の花だけでなく、秋の紅葉や実も素敵なミズキ科の落葉樹です。
東京都建設局のデータ※によれば、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキ。続いてイチョウ、サクラ類、トウカエデ、ケヤキの順だそうです。街路樹だけでなく、シンボルツリーや庭木として、個人宅でも人気の花木です。
街路樹の中で最も早く紅葉が始まるのがハナミズキ。東京都内だと、早い年は10月の半ばくらいには色づき始めます。その分、落葉するのも落葉樹類の中では最も早い木のひとつではないでしょうか。
グリーン~オレンジ~赤へと順に色が変化するハナミズキの紅葉は、モミジ(カエデ)のような真っ赤というよりは少し落ち着いた鈍い赤。しっとりと美しい秋色です。
紅葉と同じ時期に実るつやつやとした赤い実は、発色の良い赤で華やかな雰囲気です。毒性こそありませんが、食用には不向きだそうです。
表側も素敵ですが、木の下から見る葉の裏も美しいですね。
撮影するためにいつもよりじっくりと葉や枝を眺めていたら……来春の花芽がもうできていました。空を向いて、先がとがっている小さな丸い実が翌年の花芽です。こうして着々と次の季節の準備をしているのですね。
※街路樹の主な樹種と本数(東京都)
東京都建設局
▼編集部のおすすめ
- ハナミズキはミズキ科の落葉樹で、桜(ソメイヨシノ)が咲き終わるころ、白やピンクの美しい花が開花します。北米原産でアメリカを代表する花のひとつで、別名「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。 昔は桜やイチョウなどが多かった街路樹ですが、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキです。樹齢が古くなると10m以上まで生長しますが、桜やイチョウほど大きくならないのも最近の街路樹として利用される原因かもしれません。現在は全国各地に分布し、極端に寒さの厳しい地域以外なら栽培可能です。寿命は桜と同じく80年程度と言われています。 花だけでなく、花が終わった後に出てくる葉も美しく、枝は横に広がるように生長します。 秋になると赤い実がなり、紅葉した後に落葉します。落葉樹の中では、色づきだすのと葉が落ちるのが早いほうです。自然樹形が美しく、花、葉、実、紅葉、樹形と、一年を通して見どころの多い樹木なので、街路樹のほか庭木にもよく利用されます。