春を知らせてくれる花木、マンサク

金子三保子
このライターの記事一覧

マンサク
トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「マンサク」
近所の街路樹のマンサクが咲き始めました。梅や蝋梅と同じく、花木類の中では、いち早く春を知らせてくれる落葉低木です。
枯れ木のような状態が、開花すると急に華やか。晴れた日は、黄色と空の青のコントラストが美しくて人をひきつけます。
マンサクの名前の由来は諸説あるようですが、「春一番に咲く→まず咲く」が東北の訛りで「まんず咲く」となり、マンサクになったのが一説です。また、漢字名の満作は、その年の花数によって、作物の豊年満作を占う花木として使われていたことからだそうです。
マンサクのつぼみ
つぼみがいくつか固まってつきます。
花はユニークな形で、ひものように細い花弁は4枚。固まって咲くので花弁の多いひとつの花のように見えます。
マンサクには日本に自生するマンサクのほか、中国原産のシナマンサクがあり、シナマンサクの方が開花が若干早く1月頃、マンサクは2月に入ってから開花します。両者を掛け合わせた園芸品種もあり、花色は黄色のほか、赤やオレンジなどもあります。
名前にマンサクがつくトキワマンサクと白花マンサクは、マンサク科ですが属は違うため、分類的にはマンサクとは違う植物です。
トキワマンサク
開花は4月~5月。トキワマンサクは常緑樹で、白花もあります。マンサクと同じ様な細い花弁です。
白花マンサク(フォサギラ・マヨール)
開花は4月~5月で、ブラシのような白い花を枝一面に咲かせます。
前年の枯葉が落ち切らない中で花が咲くのも特徴のひとつです。1月から咲き始めるシナマンサクの方が、マンサクより枯葉が多くついている中で開花します。今回は2月中旬に撮影していますが、それでも結構な数の枯葉がついています。
たくさん花が咲いているので豊作でしょうか。
立春を過ぎて光が春めいてきました。豊かで穏やかな一年となるといいですね。
▼編集部のおすすめ
- マンサク(満作)は、まだ寒さが残る2月頃から、はっとするような黄色い花を咲かせ、いち早く春の訪れを教えてくれる日本原産の落葉低木。日本各地の山林にも自生していて、紅葉も美しい樹木です。 花びらは長さ約2㎝ほどの線形で、遠くまで良い香りが漂います。葉より先に花が咲くため、満開時は木一面を花が覆いつくします。派手さはありませんが、あたりの木々がまだ落葉している中での花はとても目立ちます。 マンサク(満作)は生長が遅く、狭い場所への植え付けにも向きます。耐寒性に優れ、病害虫の害も少なく育てやすいため、庭木のほか街路樹としても植栽されています。 マンサク(満作)の名は、春一番に咲く「まず咲く」という言葉が変化してつけられたと言われています。また、マンサク(満作)はたくさんの花をつけるので、作物の豊年満作を占う植物として古くから親しまれてきました。そのことから豊年満作を祈願して名前が付けられたとも言われています。