イチゴノキとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- イチゴノキ
- 学名
Arbutus unedo
- 英名
- Strawberry tree
- 別名・流通名
- ストロベリーツリー
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- イチゴノキ属
- 原産地
- ヨーロッパ
イチゴノキの特徴
イチゴノキは、イチゴのような果実がつくことから名前がつけられましたが、イチゴの属するバラ科ではなく、ツツジ科の常緑低木です。別名、ストロベリーツリーという名前で流通していることもあります。
11月~12月に同じツツジ科のドウダンツツジやブルーベリーの花に似た、白くて小さな壺型の花が開花します。果実になるのは翌年の秋で、実になるまでに1年近くかかります。そのため、花と実を同時に見ることができる珍しい花木です。ツツジ科の植物は酸性土壌を好むのが一般的ですが、イチゴノキはアルカリ土壌でも植栽可能です。
比較的ゆっくりと生長しますが、最終的には5m近くの樹高になることもあります。育てやすく、花も実もかわいらしいため、近年、マンションのエントランスの植栽などでも見かけるようになりました。
イチゴノキの詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
---|---|
草丈・樹高 | 2~5m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 11月~12月 |
イチゴノキの種類
ヒメイチゴノキ
イチゴノキの矮性種で背丈が1m~3m程度
赤花ヒメイチゴノキ
ヒメイチゴノキの赤花品種
イチゴノキの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
結実 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
剪定 |
イチゴノキの栽培環境
日当たり・置き場所
明るめの半日陰程度が適しています。西日が強い場所への植栽は避けましょう。
用土
乾燥した土地を好むので、水はけの良い土に植え付けましょう。一般的にツツジ科の花木は酸性土壌を好みますが、イチゴノキはアルカリ性土壌でも植栽可能です。
地植えにする場合は、水はけが良ければ土質は特に選びません。
鉢植えは、草花用か花木用の培養土で問題なく育ちます。
イチゴノキの育て方のポイント
水やり
地植えは、根付いてからの水やりは必要ありません。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。極端に乾燥させないようにしましょう。
肥料
2月~3月に緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を株元に施しましょう。
病害虫
目立った病害虫の害はありません。
イチゴノキの詳しい育て方
選び方
葉の色がきれいな緑色をした枝ぶりの良い苗木を選びましょう。場合によっては5m以上に生長することもあります。あまり背丈が高い木を好まない場合は、1m~3mの矮性種、「ヒメイチゴノキ」を選びましょう。一般的なイチゴノキの花は白ですが、ピンクの花の咲く種類もあります。
流通上、ヒメイチゴノキをイチゴノキとして販売されていることもあるようです。どちらかを確実に入手したい場合は、両者を販売しているお店で選ぶと安心です。
植え付け
庭への植え付けは、春か秋が適時です。
3~4号の小さなサイズの苗木を購入した場合は、いきなり地におろさず1~2年鉢植えで育てて大きくしてから植え付けた方が根付きやすくなります。
イチゴノキは根が深く張るので土を深めに掘って植え付けましょう。根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、腐葉土や堆肥を掘った土に混ぜ込みながら植え付けます。深植えにならないように注意しましょう。植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。
仕立て方
剪定しなくても自然にブッシュ状に生長します。常緑なので目隠しをかねた生垣などに利用することもできます。
剪定・切り戻し
自然に樹形が整うので大幅な剪定は必要ありません。果実が落下した後の2月~3月に枯れた枝や徒長した枝、混みあった枝を剪定する程度で十分です。
植え替え・鉢替え
鉢植えは、2~3年に一度、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
花
11月~12月に壺型の白い花が開花します。
花の開花後、一年近くかけて9月~11月に実になります。そのため、花と実を同時に楽しむことができる珍しい花木です。
実の色は最初は黄色~オレンジ、次第に赤く色づきます。開花時は、花の白、実の黄色~オレンジ、赤の色あいで華やかな雰囲気になります。
収穫
果実は赤くなったら収穫時です。イチゴノキの実は生食可能ですが、味がないためジャムなどの加工用として利用される程度で、一般的には鑑賞用として普及しています。
冬越し
苗が若いうちは寒風で苗木が痛みやすいので、ある程度の大きさになるまでは鉢植えで育てるのが安全です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
挿し木で増やすことができます。