シデコブシ(ヒメコブシ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- シデコブシ(ヒメコブシ)
- 学名
Magnolia stellata
- 英名
- Star magnolia
- 和名
- 四手辛夷、幣辛夷、姫辛夷
- 別名・流通名
- マグノリア、ベニコブシ
- 科名
- モクレン
- 属名
- モクレン
- 原産地
- 日本(岐阜、愛知、三重の一部地域)
シデコブシ(ヒメコブシ)の特徴
シデコブシは、岐阜、愛知、三重のごく限られた低地や低湿地に自生する日本の固有種の植物です。現在は開発などで数が減少し、レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)で準絶滅危惧(NT)に指定されています。
園芸種も数多くあり、シデコブシの名の他、ヒメコブシという名で流通しています。コブシより樹高が小ぶりなので、庭園や公園樹の他、個人宅の庭木としてよく利用されています。
シデコブシ(ヒメコブシ)は、モクレン類の中では開花が早く、3月~4月に白やピンクの美しい花が開花し、花にはほのかな香りがあります。コブシの花弁数は6枚であるのに対して、シデコブシ(ヒメコブシ)は花弁の枚数が多く、園芸種は八重咲き種もあります。切り花としても親しまれ、つぼみや花つきの枝ものが冬に流通しています。
シデコブシ(ヒメコブシ)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 1~8m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 3月~4月 |
シデコブシ(ヒメコブシ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け(厳寒期を除く落葉中) | ||||||||||||
剪定 |
シデコブシ(ヒメコブシ)の栽培環境
日当たり・置き場所
シデコブシ(ヒメコブシ)は、日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりは花付きに影響します。
用土
湿り気のある肥沃な土を好みます。よほどのやせた土地でなければ問題なく育ちます。
シデコブシ(ヒメコブシ)の育て方のポイント
水やり
植え付け後、根付いてからの水やりは基本的には降雨に任せて問題ありません。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。
肥料
自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても毎年開花します。
与える場合は、寒肥(1月~2月)と花後の5月に緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を株元に与えましょう。
病害虫
カミキリムシに注意が必要です。幹に小さな穴を見つけたらカミキリムシの食害が始まっている可能性があるので、対策を取りましょう。
シデコブシ(ヒメコブシ)の詳しい育て方
選び方
葉の色つやが良く、主幹がしっかりとした枝ぶりの良い苗木を選びましょう。たくさんの園芸品種があり、シデコブシ、ヒメコブシ、ベニコブシ、マグノリアなどの名前で流通しています。
コブシとシデコブシの交雑種もあり、品種によって樹高に違いがあります。植え付け場所にあった品種を選びましょう。
植え付け
シデコブシ(ヒメコブシ)の植え付けは、厳寒期を除いた落葉中に行います。枝が広がるスペースを考慮して植え付け場所を決めましょう。
根鉢のサイズの倍の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。
植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。
剪定・切り戻し
自然樹形が美しい木のため、必ずしも剪定が必要ではありませんが、混みあった枝、根元から出るヒコバエ、徒長枝があるようなら剪定しましょう。
剪定は、花後の4月~5月または落葉中の1月までが適時です。
花
マグノリア・キングローズ
3月~4月に花が開花します。
冬越し
秋に落葉し、冬は休眠期です。特に必要な冬越しの作業はありません。
1月ごろになると、つぼみがはっきりと確認できるようになります。ふわふわとした柔らかい毛に包まれているのは、冬の寒さからつぼみを守るためだと考えられています。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
実生で増やすことができます。秋に種を採取したら、果肉を取り除き、よく洗います。種が乾かないうちにすぐに小粒の赤玉土にまき、土を乾かさないように管理すると、順調にいけば春に発芽します。ただし、開花までに年月がかかります。