モンステラとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
モンステラ
学名

Monstera

英名
Monstera
和名
モンステラ
科名
サトイモ科
属名
モンステラ属
原産地
熱帯アメリカ

モンステラの特徴

モンステラはサトイモ科の常緑性多年草。室内に飾る観葉植物としてとても人気があります。南国の雰囲気があり、アロハシャツにもよく描かれています。自生地では、葉茎のサイズが1回りも2回りも大きく育ち、環境が合うとサトイモ科特有の形の花が咲いて実もなります。

熱帯アメリカに生息するつる性(または半つる性)の植物で、20~40種類あると言われています。葉は生長するにつれ、縁から切れ込みが入ったり穴が開いたり独特な形になります。乾燥に比較的強く耐陰性もあり、明るい室内でたまに水やりをするだけでも綺麗に育つので、総じて観葉植物としては育てやすい品種のひとつです。

モンステラは葉の縁に水孔(すいこう)と呼ばれる排水器官があるため、朝方モンステラの葉を見ると葉の縁に水滴が付いていることがあります。これは、サトイモ科の植物によく見られる現象で、そのように水滴が付いているのはモンステラが状態良く育っている証拠です。水が足りなくなると葉がふにゃっとなるのでわかりやすいです。モンステラは水が大好きなので葉水(霧吹きで葉っぱに水をかけること)をしましょう。

モンステラの詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 30cm~2m程度
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
花色
開花時期 6月~9月(環境が合えば)

モンステラの花言葉

 

モンステラの茎から何か出ている!?

モンステラ

モンステラの茎から出ているのは、気根(きこん)です。

気根は邪魔なら切っても発育に影響はありませんが、モンステラの特徴のひとつなのでそのまま育てるのも面白いです。気根は空気中の水分や養分を吸収したり、支柱の役割もしています。

モンステラという名前の理由

モンステラ

モンステラの学名・英名の「Monstera」は、ラテン語の「monstrum(奇怪・異常)」が語源となっていて、葉に大きな切れ込みが入ったり穴があいたりする、独特で不思議な葉の形からきています。

 

モンステラの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
肥料

モンステラの栽培環境

日当たり・置き場所

【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも育てられます。しかし、日光が当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置きましょう。室内においても直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てます。

【置き場所】
高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動させましょう。

温度

高温には強い植物ですが、低温には弱いので霜に当たらないように気を付けましょう。屋外で育てている場合は、肌寒くなってきたら室内に取り込みます。

用土

モンステラは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。そのため、出来るだけ水はけの良い土を使いましょう。

自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整します。また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生をある程度防ぐことが出来ます。

モンステラの育て方のポイント

日常の管理

モンステラの葉は大きくてホコリが積もりやすいため、定期的に水で濡らした布で拭き取りましょう。また、枯れた葉なども取り除きます。

水やり

モンステラは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が高いとき】
主に春~秋の生長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が低いとき】
モンステラは気温が低くなってくると生長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりを行いましょう。モンステラを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。

肥料

基本的に肥料は無くてもよいのですが、与えた方が生長がはやくなります。

冬場の生長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の生長期に与えるようにします。肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えましょう。

室内で育てる場合は、有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

ハダニ
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがモンステラの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

ダンゴムシ
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにモンステラを置いている場合は注意が必要です。

バッタ
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。見つけ次第捕殺しましょう。防虫ネットも有効です。

モンステラの詳しい育て方

選び方

葉が大きくてきれいな色で、茎がしっかりしているものを選ぶとよいでしょう。

モンステラを買う時は必ず病害虫に注意しましょう。ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

種まき

モンステラの種を入手したらピートモスや種まき用の土を使って種をまきます。種まきをする時期は4月~6月の暖かい時期がおすすめです。常に土の表面が湿ってるようにして半日陰の風通しの良い場所で管理しましょう。

植え付け

植え付けは5月~9月の暖かい時期に行います。挿し木(茎伏せ)は湿度の高い6月頃がおすすめです。根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしましょう。

剪定・切り戻し

モンステラの剪定は非常にシンプルで、古くなってきた葉や邪魔な葉を葉の付け根から切るだけです。

小さいころに展開した葉で、切れ目が少なく弱ってきています。このような葉は切ってしまって問題ありません。

葉の付け根からハサミやナイフなどで切り取ります。モンステラは非常に強健なので、邪魔な葉は切ってしまって構いません。しかし、全部の葉を切ってしまうと光合成が出来なくなってしまうので、数枚は残しておきましょう。

植え替え・鉢替え

植え替えは、5月~9月の暖かい時期に行います。

モンステラは生長がはやいので、植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになって根詰まりを起こしてしまいます。そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。水はけの良い土と鉢底石を使って植え替えましょう。

モンステラ 花

モンステラはあまり開花しませんが、環境が合って大きく生長すると極まれに白い花を咲かせることがあります。

モンステラの花の形はサトイモ科の花の形そのもので、肉穂花序(にくすいかじょ)を包む仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる襟を持っています。この仏炎苞が花の本体だと思われがちですが、実は仏炎苞に包まれている円柱状の肉穂花序がいわゆる花の本体になります。花は芳香性で、甘酸っぱい香りを漂わせます。また、雌雄同株なため、結実することがあります。

収穫

モンステラ

開花後に結実することがあります。そのまま放置しておくと実を収穫することができます。モンステラの実は食用とされており、結実後約1年経つと完熟し、甘酸っぱい香りを漂わせます。南方の島ではモンステラの実が販売されることがあるようです。モンステラの実は徐々に完熟していき、表面の硬い皮の部分を剥がして中身の柔らかい部分を食します。

夏越し

屋外で育てる場合、猛暑日は日陰に移動させましょう。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えます。午前中に行うと暑くなり蒸れてしまうことがあります。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が低くなったら生長が止まるので、水やりを2週間に1度に減らします。霜に当たると枯れてしまうので、当たらないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温しましょう。ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意します。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

モンステラの増やし方

モンステラは茎の部分を土や水に入れることで増やすことができます。茎挿し(挿し木の一種)と茎伏せという少し変わった2通りの増やし方があるのですが、最後の工程以外は同じやり方なので、途中までまとめて説明します。

まずはじめに、モンステラの茎を切り取ります。今回は剪定の意味合いが強いので、根元から切ってしまいます。

気根が土に張っている場合は切ってしまいましょう。

まだ黄色で、土に張っていない気根は切らずに残しておきます。残しておいた方が新芽が出てきやすいです。

1節~2節を残して茎を切り分けます。赤丸で囲ってある部分が節になります。

青丸で囲った少し盛り上がっている部分から気根が生えてきます。

今回は茎挿しを2節単位、茎伏せを1節単位で切っていきます。赤い線の場所でハサミやナイフを使って切ります。

思い切って切断しましょう。

今回は3つに分けることができました。

葉が付いていると蒸散(葉から水分が出ること)によって茎が乾燥しやすくなってしまうので、すべて切り落とします。
次に土を用意します。モンステラは高温多湿を好みますが、水切れにも強いです。あまりに保水性の高い土を使ってしまうとカビやコバエが発生する原因にもなるので、排水性と保水性を兼ね備えている土がおすすめです。

今回は観葉植物の土2に鹿沼土1、赤玉土1を混ぜたものを使用します。土を用意したら、茎挿しと茎伏せで方法が変わってきます。まずは茎挿しを紹介します。

茎挿しのやり方

茎挿しは非常にシンプルで、切り取った茎を土に植え込むだけです。新しい気根が付いている場合は茎挿しがおすすめです。

少し大きめの鉢を用意し、鉢底石を入れます。鉢底石を入れないと通気性が悪くなってしまうので、必ず入れましょう。

鉢の半分程度まで土を入れます。

茎をバランスが良くなるように配置し、周りに土を入れていきます。

最後に水をたっぷり与えれば完成です! 根がしっかりと出て、新芽が出てくるまでは土が乾かないように注意しましょう。

茎伏せのやり方

茎伏せとは、切り取った茎を土や水苔に平に置いて発根させる方法です。まずは土を使った茎伏せです。

鉢底に鉢底石を敷きます。通気性を良くするためですので、必ず敷いてください。

次に、茎挿しで使った土と同じものを鉢に入れていきます。

土を入れたら茎を平置きにして、茎の下半分が埋まるように土を入れていきます。切り取った葉の切り口が上になるようにしてください。

あとは新芽が出てくるまで土を乾燥させないように管理すれば完成です!

土の他に水苔を使うことが出来ます。やり方は全く同じで、水で戻した乾燥水苔を茎の下半分が埋まるように入れるだけです。こちらも水苔が乾燥しないように注意しましょう。

茎挿しと茎伏せの適期

茎挿しや茎伏せは、気温が20℃以上となる5月~7月頃が適期となります。中でも湿度が高い6月が最適期です。秋や冬の間は休眠してしまうので行いません。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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