サヤエンドウ(絹さや)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- サヤエンドウ(絹さや)
- 学名
Pisum sativum
- 英名
- Pea
- 和名
- さやえんどう
- 別名・流通名
- 絹さや、ぶんこ、さやまめ、さんどまめ
- 科名
- マメ科
- 属名
- エンドウ属
- 原産地
- 中央アジアから中近東
サヤエンドウ(絹さや)の特徴
サヤエンドウ(絹さや)は、エンドウの未熟な莢を食用とする場合の呼び方です。大きく2つに分けると、草丈200cmほどのつるあり種、草丈40~100cmほどのつるなし種があります。
エンドウは大きく分けて、若い莢(さや)を食用とする「サヤエンドウ」と、未熟な豆を利用するグリーンピースのような「実エンドウ」、完熟した豆を乾燥させて利用する「エンドウ豆」があります。最近リボベジとしても人気なスプラウトの一種「豆苗(とうみょう)」も、エンドウの若芽です。
エンドウ豆は歴史が古く、紀元前7000年頃から南西アジアで栽培されていました。エジプトの有名なツタンカーメンの墓から出土するなど古代ローマやギリシャで栽培されるほど、歴史的にも大変古く重要な作物だったようです。後にインドから中国へ伝わり、日本へ入ったのは8~10世紀頃と言われていますが、日本でエンドウが食べられるようになったのは江戸時代。関東地方では「絹さや」関西で「サヤエンドウ」と呼ばれることが多いようです。その他にも、ぶんこ、さやまめ、さんどまめ……など、地域によって様々な呼び方があります。
サヤエンドウ(絹さや)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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草丈・樹高 | 40~200cm |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白、紅色 |
サヤエンドウ(絹さや)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 |
サヤエンドウ(絹さや)の栽培環境
日当たり・置き場所
サヤエンドウ(絹さや)は、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
用土
プランター栽培のサヤエンドウ(絹さや)は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のサヤエンドウ(絹さや)は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
サヤエンドウ(絹さや)の育て方のポイント
水やり
乾燥気味に育てましょう。
畑栽培は降雨を基本に、よほど乾燥したときは様子を見て与えましょう。
プランター栽培は、鉢の表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。
肥料
マメ科の植物は、根粒菌といって根に共生する根粒菌が窒素分を作ります。そのため、追肥等は控えめにします。肥料を与えすぎるとつるボケといって枝葉ばかりが大きくなり、実がつきづらくなるので注意しましょう。
1回目…支柱を立てる時期に施します。
2回目…春に花が咲いたタイミングで与えます。
3回目…収穫が始まった頃施しましょう。
病害虫
ハモグリバエ:サヤエンドウ(絹さや)の大敵はハモグリバエです。被害の状況は葉に絵を描いたように白い線が現れるので、エカキムシとも呼ばれます。日ごろ注意深く葉を観察し、もし白い線の先に幼虫を見つけたら指で葉ごと潰してください。被害の場所が葉の全体に及ぶ時は葉ごと処分しましょう。主な発生時期は4月~11月です。春になり、収穫が始まり出す頃から注意してください。
うどんこ病:うどん粉病とは植物が発症する病気の代表格でもあります。被害の状況として、茎や葉などにうどん粉をまぶしたような白いカビが生えます。被害が進むと株全体に広がり、最終的には枯れてしまいます。病気が発生する要因として、比較的冷涼で乾燥すると発生します。まずは、うどん粉病にかからないような環境づくりを心がけることから始めましょう。
種まきの時点で、株の間隔をしっかりと空け、日当たりや風通しが良い環境を作りましょう。窒素肥料を与えすぎると発生しやすいので、3回の追肥は施しすぎることのないように気を付けましょう。
サヤエンドウ(絹さや)の詳しい育て方
選び方
サヤエンドウ(絹さや)は、苗でも流通しています。つるが伸びすぎていない、葉の色がきれいな苗を選びましょう。
大きく2つに分けると、草丈200cmほどのつるあり種、草丈40~100cmほどのつるなし種があります。支柱の高さの目安になるため、必ず確認しましょう。
種まき
サヤエンドウ(絹さや)の種まきは、畑に直接まくか、ポットにまいて育苗してから植え付ける方法があります。いずれも種をまいたあとは、水をたっぷりと与えましょう。
①直まき
種のまき方は、3~4粒ずつの点まき、株間を30cmほど空けましょう。
マメ科の野菜は種をまいたときに鳥に種を狙われやすいため、寒冷紗などで種を守りましょう。
②ポットにまく方法
ひとつのポットに3粒程度の種をまき育苗し、発芽したら定植します。
種は早くまきすぎない!
サヤエンドウ(絹さや)は冬越しをさせる作物なので、種まきの時期が最大のポイントとなります。幼苗は寒さには比較的強く、しっかり冬越えしますが、早くまきすぎて株が大きくなりすぎてしまうと寒気で傷みやすくなります。小さく育てて冬の寒さを乗りきりましょう。
植え付け
苗で購入したものやポットに種をまいたものは、つるが伸びすぎる前に植え付けましょう。あまり伸びすぎてからの植え付けは、つるが絡まり作業に手間がかかります。
間引き
本葉が3枚ほど展開したら、強そうな2本を残し、残りはハサミで根元から切り取りましょう。
3月以前に株が十分に生長していないうちに花がついてしまった場合は、株の体力温存のためにも花は早めに摘み取りましょう。
仕立て方
サヤエンドウ(絹さや)の茎は自立しないため、這わせる支柱が必要です。つるあり種とつるなし種があり、性質によって丈が違います。選んだ種類に合わせた支柱を用意しましょう。
支柱の立て方は、直立式、円錐型、円柱型などの方法があります。フェンス、オベリスクなどを利用してもよいでしょう。
花
サヤエンドウ(絹さや)の花の色は、白または紅色です。冬の低温に当たることと長日条件で、花芽ができる性質があります。
収穫
種まきから半年ほどたった頃の4月以降が収穫のスタートです。サヤエンドウ(絹さや)は、実が膨らむ前が収穫のタイミングです。小さな莢の状態でもスナップエンドウのように実が膨らむことがあります。莢の長さで判断せず、厚みで収穫時期の判断をしましょう。