ブドウの育て方|おしゃれなブドウ棚の作り方とおすすめの種類
山田智美
このライターの記事一覧
ブドウについて、花言葉や育て方、剪定、ブドウ棚の作り方、おすすめの種類、ブドウの木の特徴など。ブドウについて詳しく紹介します。
目次
ブドウとは?基本情報
- 学名:Vitis
- 科名・属名:ブドウ科ブドウ属
- 分類:落葉つる性木本
ブドウの特徴
ブドウはブドウ科の落葉つる性木本。つるを伸ばし、周囲の木々やフェンスに絡みつきながら3m以上大きくなります。
学名の「Vitis」はブドウという意味のラテン語に由来するとされています。
ブドウは大きく分けて2種類、湿気が苦手で寒冷地を好むヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)と、湿気に強いアメリカブドウ(Vitis labrusca)があります。さらにこの2種の交配種も作成されています。
ブドウはとても古くから栽培されてきた果樹。果汁の多い瑞々しい果実は生食のほか、ジュースやブドウ酒として飲用されてきました。
ブドウの歴史
ブドウは昔から私たちの身近にあった果樹でした。
古代エジプトではブドウ酒作りが行われていたようです。ギリシャ神話のディオニュソスはブドウ酒の神でもあります。
ブドウ酒は旧約聖書にも登場します。修道院にはブドウ園があり、ブドウ酒が作られ、儀礼には欠かせないものでした。
漢詩の涼州詞に「葡萄の美酒、夜光の杯」とうたわれているように、中国でも古くからブドウ酒が作られていたことがわかります。日本でも奈良時代には栽培が始められていたと言われています。
さらには世界中にブドウ唐草の文様があるように、美術の世界でもブドウは魅力ある存在だったようです。
ブドウの花言葉
ブドウの花言葉は、「つながり」、「酔う」、「陶酔」、「流れに乗って」、「友情」、「成長」、「機会」、「再生」です。
ブドウ酒の原料になる果実であり、風に揺れながらつるを伸ばして生長していくブドウらしい花言葉です。
ブドウの旬の時期
- ブドウの旬:8月~10月
ブドウの旬の時期は8月~10月。ブドウは初夏に花を咲かせ、夏の間に果実が熟していきます。品種により差はありますが、8月の半ばごろから食べごろを迎えます。ブドウ園でブドウ狩りが始まるのもこのころからです。
ブドウの木とは?特徴を紹介
ブドウの木は落葉樹です。つる性で3m以上生長します。枝の先の方は柔らかいグリーンで、華奢な巻きひげを数回枝分かれさせながら周囲に絡みつき枝を伸ばしていきます。生長するにつれ、枝は茶色くしっかりとした木になっていきます。
ブドウの木は灰褐色で、幹の表面はささくれだったように樹皮がめくれている箇所もあります。
生長期の若芽の柔らかいグリーン、夏にたわわに実る果実、秋の紅葉まで美しい果樹です。
おしゃれなブドウ棚の作り方
ブドウ棚はDIYで作ることができます。ホームセンターなどで扱っている鉄パイプを組み立てて自作のブドウ棚を作ってみるのもよいでしょう。
ブドウが生長して棚全体を覆うことで、パイプは見えにくくなり、ナチュラルでおしゃれなブドウ棚になっていきます。
最初からおしゃれなブドウ棚を楽しむなら、果樹用のパーゴラが市販されています。アイアン製や木製など、素材、デザイン共にたくさんのものがあるので、お庭の雰囲気に合わせて好みのデザインを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。
おしゃれなブドウ棚を作るために注意すること
ブドウがしっかりとした木に生長するまでは台風や強風の被害で倒れてしまう心配があります。基礎をしっかりと作るようにしてください。
また、たくさんの果実を収穫するためには日光が欠かせません。全体に日が当たるように、天井が平面になっているものをおすすめします。
おしゃれを重視するあまり、不安定で日照面積の少ないブドウ棚になってしまっては台無しです。
おすすめのブドウ6種
おいしくて育てやすいブドウの品種を紹介します。
デラウェア
デラウェアは小粒で種のないブドウ。アメリカブドウ系の品種です。果皮は赤紫色、果肉は明るいグリーンをしています。育てやすい品種です。
スチューベン
スチューベンは黒い果皮が特徴のアメリカブドウ系の品種。酸味が少なく甘味が強いブドウです。育てやすい品種です。
甲斐路
甲斐路は赤褐色の果実が美しいブドウ。日本で作られたヨーロッパブドウ系の品種です。果実は卵型で大きいのが特徴です。
巨峰
巨峰は黒い果皮と大粒な果実のブドウ。日本で作られたヨーロッパブドウ系の品種です。瑞々しく甘味が強いのが魅力です。
ネオ・マスカット
ネオ・マスカットは日本で作られたヨーロッパブドウ系の品種です。明るいグリーンの果実は酸味がなく、香りが良いのが特徴。露地で育てやすい品種です。
マスカット・ベリーA
マスカット・ベリーAは黒い果皮が印象的な中粒のブドウです。日本で作られたヨーロッパブドウ×アメリカブドウの交雑種。生食もできれば、醸造もできます。強健で育てやすい品種です。
ブドウの育て方
場所・用土
日当たり、水はけ共に良い場所を好みます。鉢植えは市販の培養土で問題なく育てられます。
水やり
庭植えのブドウは根付いてからは降雨に任せます。乾燥が続くようなときは様子をみて水やりを行ってください。鉢植えのブドウは表土が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりします。
肥料
植え付け時に元肥を施します。植え付け後は秋にお礼肥、休眠期の1~2月頃に有機肥料を施すようにしましょう。加えて、鉢植えは生長期に月に1回程度、液体肥料を施します。
肥料の与えすぎは枝葉ばかり伸びて果実が実らない原因になります。過肥にならないように気をつけてください。
病害虫と対処法
べと病やさび病、うどん粉病などが発生することがあります。葉が変色したらすぐに取り除くようにしてください。落ち葉から感染することもあるので、こまめな掃除を心がけましょう。特に梅雨の多湿になる時期に発生しやすくなるようです。早期に発見して駆除するためにも日々の観察と手入れが大切です。
誘引
つるが伸びたら風で暴れないように、適宜誘引します。枝全体に日光が当たるように、まんべんなく誘引するように心がけましょう。
ブドウの剪定
ブドウの剪定時期は休眠期の1月~2月。弱い枝や不要な枝を整理し、樹形を整えるように剪定しましょう。
ブドウは枝のどこで切ってもほとんどの枝から新芽が出ます。翌春以降に各芽から伸びた一年枝(新梢)に結実します。
花の剪定
花が多いと一つ一つの花に栄養が届かず結実に至らないということがあります。確実にブドウの果実を収穫するために花の剪定を行いましょう。
花房ができたら開花する前に、先端を1cmほど切り落とします。花房が付いている位置から8~10cmを残して、その先を思い切って切り落とすようにしましょう。
ブドウは昔から世界中で愛されてきた果物。たおやかなつる、葉のフォルム、少しささくれだった樹皮、瑞々しく宝石のような果実、秋の紅葉と、すべてが美しい果樹です。
ブドウを育ててみませんか。窓の外に広がる優雅な景色を楽しむことができるようになります。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「ブドウの育て方|おしゃれなブドウ棚の作り方とおすすめの種類」の記事をみんなにも教えてあげよう♪