育てやすいベリー類14種類!ベリーの意味、英語やフランス語の名前、食べ方
山田智美
このライターの記事一覧
ベリー類とは?ブラックベリーやラズベリーなど、ベリーと名の付くフルーツは可愛いものばかり。ベリーと言われる果物についてベリーの意味から、家庭菜園で育てやすい種類、ちょっと珍しいベリー、フランス語の名前、ベリーの食べ方など、ベリー類について紹介します。
目次
ベリー類とは?ベリーの意味
ベリ―類とは、主に水分を多く含む小さな果実のことを指します。英語の「berry」が語源です。「液果」と訳されることもありますが、厳密には液果だけでなく偽果や集合果も含まれます。また植物学的には液果なのにberryと呼ばれない果実もたくさんあります。ブドウやさくらんぼ、梨なども液果です。
ベリー(berry)類の定義はとても曖昧です。ベリーと呼ばれる植物には、バラ科もあればツツジ科、クワ科などの果実があります。
せっかくですから、今回は英名に「berry」と名の付く果実たちを紹介します。
液果とは
液果は簡単に言うと、胚芽の周りの果皮が水分の多い多肉質となっているものです。種の周りに瑞々しい果肉のあるもの、さくらんぼや梨、オレンジ、トマトなども液果です。
集合果とは
集合果とは簡単に言うと、ブラックベリーやラズベリーのように小さな実が集合して一つの果実となっているものです。
イチゴは?
イチゴは花托が肥大した部分を果肉として食用にしている偽果です。イチゴの種は外側のツブツブとした部分です。
ベリー類の魅力!色や栄養は?
小さくて瑞々しいベリー類は見ているだけで楽しい気分になれる果実です。食べておいしいだけでなく、見た目にも美しいベリー。ベリーの魅力を紹介します。
ベリーの色
ベリーの魅力は何と言ってもその色。透き通るような赤やマゼンダカラー、ピンク、黒、ブルーなど、はっと目を奪われる宝石のような色に溢れています。
プラムやカシス、オレンジなど、果物の名前は、とかく色の名前に使用されやすいもの。中でもベリーカラーと呼ばれる色は、カシスをもっと明るくしたような、マゼンダよりは紫に近い微妙な色です。具体的に特定のベリーを指しているわけではありません。赤でもなく紫でもない、ベリーのイメージというところでしょうか。
ベリーの栄養
色鮮やかなベリーには魅力的な栄養がたくさん含まれています。例えばブラックベリーには抗酸化作用のあるポリフェノール、ラズベリーにやフラボノイド、他にも様々なベリーにビタミンCやビタミンB群、カリウム、マグネシウムなどが含まれます。栄養分や含有量はそれぞれのベリーによって異なります。
ドライフルーツにすると栄養や味が変わるのもベリーの魅力。好きな食べ方で楽しみましょう。
家庭菜園におすすめ!育てやすいベリー10種類
家庭菜園で気軽に楽しめるベリー類を紹介します。
イチゴ (ストロベリー)
- 学名:Fragaria×ananassa
- 英語:Strawberry (ストロベリー)
- 科名:バラ科
- 収穫期:4月~6月
イチゴは瑞々しく甘みの強い果実です。ハウス栽培のものが一年中流通していますが、家庭菜園で育てるなら春から初夏にかけてが収穫期です。プランターでも育てやすいので初心者にもおすすめのベリーです。
▼イチゴの詳しい育て方はこちら
ジューンベリー
ジューンベリーは和名をセイヨウザイフリボクと言い、Juneberry(ジューンベリー)という英名の通り6月に真赤な果実を実らせる落葉樹です。春に咲く白い花も可愛らしく、初夏の果実、秋の紅葉まで楽しめる果樹です。ジューンベリーはあまり手入れの必要もなく毎年実を付ける、育てやすい果樹です。
▼ジューンベリーの詳しい育て方はこちら
グミ (シルバーベリー)
- 学名:Elaeagnus
- 英名:Silver berry (シルバーベリー)
- 科名:グミ科
- 収穫期:5月~7月、9月~11月
グミはグミ科の果実の総称で、英名はsilver berry(シルバーベリー)です。アキグミのように秋に収穫できる種類と、ナワシログミのように初夏に収穫できる種類があります。果実は楕円形で赤く、熟すと酸味と甘みがあり食用になります。ナワシログミは常緑なので、生垣にも利用できます。
▼グミの詳しい育て方はこちら
桑 (マルベリー)
- 学名:Morus
- 英語:mulbery (マルベリー)
- 科名:クワ科
- 収穫期:5月~6月
桑は英名をmulbery(マルベリー)と言い、初夏に黒く色付いた果実を実らせる果樹です。葉は蚕の幼虫の餌になることでも有名です。黒く熟した果実は甘みが強く、生食の他ジュースやジャムとしても楽しめます。桑は寿命が長く、育てやすい果樹の一つです。雌雄異株の品種が多いので植え付け時に確認しましょう。
▼桑の詳しい育て方はこちら
スグリ(グーズベリー)
- 学名:Ribes uva-crispa
- 英語:Gooseberry (グーズベリー)
- 科名:スグリ科
- 収穫期:6月~7月
グーズベリーは和名をスグリ、セイヨウスグリとも言い、初夏に色とりどりの半透明な果実を実らせる落葉樹です。グーズベリーの色は紫、赤、グリーンなどがあり、いずれも宝石のような美しさです。酸味が強く生食には向きませんが、果実酒やジュース、ジャムにして楽しめます。
▼スグリの詳しい育て方はこちら
フサスグリ(アカフサスグリ)
- 学名:Ribes rubrum
- 英語:Red currant (レッドカラント)
- 科名:スグリ科
- 収穫期:6月~7月
フサスグリは、初夏に赤いキラキラとした実をつけるスグリ科の落葉低木です。酸味が強く、どちらかというと生食よりは加工用として使われますが、最近はお菓子の飾り付けなどには生で使用されています。ベリーのタルトにはラズベリー、ブルーベリー、フサスグリなどのミックスが飾られていることが多いようです。キラキラした実がとても美しく、名前にベリーはついていませんが、ベリーの仲間として流通しています。
▼フサスグリの詳しい育て方はこちら
ブラックベリー
ブラックベリーは春に咲く花と初夏に熟す黒い果実が可愛らしいつる性落葉樹です。つると言ってもみずから絡みつくことはないので誘引が必要です。ブラックベリーの果実は甘く、生食できる他、ジャムやジュースにしても楽しめます。あまり手間をかけずとも毎年収穫を楽しめる、とても育てやすい果樹です。
▼ブラックベリーの詳しい育て方はこちら
ラズベリー
ラズベリーは甘く香りの良い果実が魅力のつる性落葉樹です。生食の他、ジャムや果実酒にしても楽しめます。寒冷地を好むので、夏は風通しの良い場所で管理しましょう。ブラックベリーの近くに植え付けるとどちらかが枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
▼ラズベリーの詳しい育て方はこちら
ブルーベリー
- 学名:Vaccinium corymbosum
- 英語:Blueberry(ブルーベリー)
- 科名:ツツジ科
- 収穫期:7月~9月
ブルーベリーは夏に青黒い果実を実らせる落葉低木です。スズランのような花も、秋の紅葉も美しい果樹です。ブルーベリーの果実は生食やジャム、ジュース、果実酒にして楽しめます。ブルーベリーは、同一系統の異品種を近くに植え付けると結実しやすくなります。
▼ブルーベリーの詳しい育て方はこちら
クランベリー
- 学名:Vaccinium macrocarpon
- 英語:Cranberry (クランベリー)
- 科名:ツツジ科
- 収穫期:9月~12月
クランベリーは和名をツルコケモモあるいはオオミノツルコケモモと言い、秋から冬に赤い果実を実らせるつる性常緑低木です。地面を這うようにつるを伸ばして生長します。クランベリーの果実は酸味が強く生食には向きません。ドライフルーツの他、ジュースやジャムにして楽しみます。
▼クランベリーの詳しい育て方はこちら
ちょっと珍しいベリー4種類
ヤマモモ(ワックスベリー)
- 学名:Myrica rubra
- 英語:Waxberry( ワックスベリー)
- 科名:ヤマモモ科
- 収穫期:6月~7月
ヤマモモは英名をWaxberry (ワックスベリー)と言う、常緑高木です。庭木として育てられます。雌雄異株で雌株に果実が実ります。初夏に赤黒く熟した果実は少しの酸味と甘みがあり、生食の他ジャムやジュースなどにして楽しめます。直径1~1.5cm程度の小さな果実の中には硬くて大きなタネが入っているので勢いよく噛まないように気を付けましょう。
▼ヤマモモの詳しい育て方はこちら
ナワシロイチゴ (ジャパニーズラズベリー)
ナワシロイチゴの英名はJapanese raspberry(ジャパニーズラズベリー)。日本に自生する野イチゴの一つです。庭植えや鉢植えで育てられます。5月頃に咲く花はピンク色で花びらが開かないのが特徴です。茎や葉に小さなトゲがあります。ナワシロイチゴの果実は6月頃に赤く熟し、食べ頃を迎えます。宝石のように美しい実にはわずかな酸味と甘みがあります。
アロニア (チョークベリー)
- 学名:Aronia
- 英語:Choke berry (チョークベリー)
- 科名:バラ科
- 収穫期:10月~11月
アロニアは英名をChoke berry(チョークベリー)と言うバラ科の果樹です。庭植えで育てられます。赤い果実を実らせる品種と黒い果実の品種とがあります。生食には向かないので、ジャムやジュースに加工して楽しみます。
▼アロニアの詳しい育て方はこちら
ガマズミ(ジャパニーズブッシュクランベリー)
- 学名:Viburnum dilatatum
- 英語:Japanese bush cranberry(ジャパニーズブッシュクランベリー)
- 科名:レンプクソウ科
- 収穫期:10月~11月
ガマズミは英名をJapanese bush cranberry(ジャパニーズブッシュクランベリー)と言う、落葉高木です。庭木としても人気の果樹です。初夏の白い花と秋に真赤に熟す果実が美しい果樹です。ガマズミの果実は酸味が強く生食には向きません。果実酒やジュースにして楽しみます。
▼ガマズミの詳しい育て方はこちら
ベリー類のフランス語の名前7種類
ベリー類のフランス語の名前を紹介します。ご参考までにどうぞ。
イチゴ(ストロベリー)
- フランス語:Fraise(フレーズ)
ジューンベリー
- フランス語:Amélanchier(アメロンシェ)
桑(マルベリー)
- フランス語:Mûre(ミュール)
スグリ(グーズベリー)
- フランス語:Groseille à maquereau(グロセイユ・ア・マクロー)
フサスグリ(アカフサスグリ)
- フランス語:Groseille(グロセイユ)
ラズベリー
- フランス語:Framboise(フランボアーズ)
ブルーベリー
- フランス語:Myrtille(ミルティーユ)
クランベリー
- フランス語:Canneberge(キャンヌベージュ)
ベリー類の食べ方
ベリー類の代表的な食べ方を紹介します。
生食
ブラックベリーやラズベリー、イチゴ、ジューンベリー、桑、ブルーベリー、ヤマモモ、ナワシロイチゴなどは生食が可能です。
まずは摘みたてのフレッシュなベリーをそのまま楽しんでください。
ジャム
ツルコケモモやグーズベリーのように酸味が強いものは、砂糖を多めに加えて煮詰めてジャムにすると食べやすくなります。出来上がったジャムは、アイスにかけたりケーキに添えたりして楽しめます。
果実酒
ガマズミのような酸味が強く水分が多いものは、果実酒に向いています。ホワイトリカーと砂糖で漬け込めば、色のきれいな果実酒を楽しめます。
冷凍
取れすぎたベリー類は、種類によっては冷凍保存もできます。イチゴやブラックベリー、ラズベリー、ブルーベリーなどは冷凍が可能です。冷凍したベリー類は解凍してもフレッシュの瑞々しさは損なわれているので、ジャムなどにして楽しみます。
ベリー類は可愛らしく、食べておいしいものがいっぱい。ラズベリーやブラックベリーなど、お店では手に入りにくいものも自宅で育てれば簡単に楽しめます。もっと生活にベリー類を取り入れてみませんか。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「育てやすいベリー類14種類!ベリーの意味、英語やフランス語の名前、食べ方」の記事をみんなにも教えてあげよう♪