ベリーの種類一覧|ベリーの意味、育て方や食べ方
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ベリーの種類一覧と、ベリーの意味や定義、特徴、育て方や食べ方まで紹介します。
目次
ベリーとは?意味や定義
ベリ―とは、英語の「berry」が語源となっている、水分を多く含む小さな果物のこと。日本語では「液果」と訳されることもありますが、厳密には液果だけでなく偽果や集合果も含まれます。また植物学的には液果なのに、ベリーと呼ばれない果実もたくさんあります。ブドウやさくらんぼ、梨などは液果ですが、ベリーとはいいません。ベリーの定義はとても曖昧。ベリーと呼ばれる植物には、バラ科もあればツツジ科、クワ科などの果実があります。
せっかくですから、今回は英名に「berry」と名の付く果物たちを紹介します。
液果(えきか)とは
液果とは、胚芽の周りの果皮が水分の多い多肉質となっている実のことです。簡単にいうと、種の周りに瑞々しい果肉のあるもののこと。さくらんぼや梨、オレンジ、トマトなども液果です。
集合果(しゅうごうか)とは
集合果とは簡単にいうと、ブラックベリーやラズベリーのように小さな実が集合して一つの果実となっているものです。
イチゴは偽果
イチゴは、花托が肥大した部分を果肉として食用にしている偽果(ぎか)です。イチゴの種は外側のツブツブとした部分です。
育てやすいベリーの種類
家庭菜園で気軽に育てて楽しめるベリーの種類を紹介します。
イチゴ (ストロベリー)
- 学名:Fragaria×ananassa
- 英語:Strawberry (ストロベリー)
- フランス語:Fraise(フレーズ)
- 科名:バラ科
- 収穫期:4月~6月
特徴と育て方
イチゴは、バラ科の多年草。赤く、みずみずしく甘みの強く、大人からも子供からも愛される果物です。余談ですが、果物とは木になる果実のことを指すので、イチゴは本当は野菜に分類されますが、果物として流通しています。
ハウス栽培のものが一年中流通していますが、育てて楽しむなら、収穫期は春から初夏です。プランターでも育てやすく、家庭菜園初心者にもおすすめのベリーです。用土は野菜用の培養土が向いています。日当たりの良い場所で管理し、たくさん光合成をさせることで、甘く熟したイチゴの味を楽しめるようになります。
食べ方
イチゴは、生食の他、ジャムやコンポート、果実酒、ドライフルーツにして楽しむことができます。
ジューンベリー
- 学名:Amelancher
- 英語:Juneberry(ジューンベリー)
- フランス語:Amélanchier(アメロンシェ)
- 科名:バラ科
- 収穫期:6月
特徴と育て方
ジューンベリーは、和名をセイヨウザイフリボクというバラ科の落葉高木。Juneberry(ジューンベリー)という英名の通り、6月に真赤な果実を実らせます。春に咲く白い花も可愛らしく、初夏の果実、秋の紅葉まで楽しめる果樹です。庭植えでも鉢植でも栽培可能で、あまり手入れをしなくても毎年実を付ける育てやすい果樹です。
ジューンベリーの食べ方
ジューンベリーは、生色の他、ジャムやコンポートにして食べられます。たくさん収穫できたらコンポートにして、タルトやパイを作って楽しんでみてはいかがでしょうか。
グミ (シルバーベリー)
- 学名:Elaeagnus
- 英名:Silver berry (シルバーベリー)
- 科名:グミ科
- 収穫期:5月~7月、9月~11月
特徴と育て方
グミは、グミ科グミ属の総称で、アキグミのように秋に収穫できる種類と、ナワシログミのように初夏に収穫できる種類があります。英名は silver berry(シルバーベリー)。果実は楕円形で赤く、熟すと酸味と甘みがあり、生食できます。あまり土壌を選ばず、手間もかからない、育てやすい果樹の一つです。グミのなかでもナワシログミは常緑なので生垣にも利用できます。
グミの食べ方
グミは甘酸っぱい果実。生食できますが酸味が苦手という方は、コンポートや果実酒もおすすめです。
桑 (マルベリー)
- 学名:Morus
- 英語:mulbery (マルベリー)
- フランス語:Mûre(ミュール)
- 科名:クワ科
- 収穫期:5月~6月
特徴と育て方
桑は、クワ科の落葉低木。英名を mulbery(マルベリー)といい、初夏に黒く熟す、ブラックベリーに似た実を付けます。葉は蚕の幼虫の餌になることでも有名です。寿命が長く、育てやすい果樹の一つです。雌雄異株の品種が多いので植え付け時に確認しましょう。
桑の食べ方
黒く熟した桑の実は甘みが強く、生食の他、ジュースやジャム、コンポートにして楽しめます。
スグリ(グーズベリー)
- 学名:Ribes uva-crispa
- 英語:Gooseberry (グーズベリー)
- フランス語:Groseille à maquereau(グロセイユ・ア・マクロー)
- 科名:スグリ科
- 収穫期:6月~7月
特徴と育て方
グーズベリーは、和名をスグリ、セイヨウスグリともいい、初夏に色とりどりの半透明な果実を実らせる落葉低木です。グーズベリーの色は紫、赤、グリーンなどがあり、いずれも透き通るような質感が宝石を思わせる美しさです。夏の高温多湿が苦手なので、水はけの良い用土で植え付け、風通しの良い場所で管理しましょう。
スグリの食べ方
スグリの実は、酸味が強く、生食には向きませんが、果実酒やジャム、コンポートにして楽しめます。
フサスグリ(アカフサスグリ)
- 学名:Ribes rubrum
- 英語:Red currant (レッドカラント)
- フランス語:Groseille(グロセイユ)
- 科名:スグリ科
- 収穫期:6月~7月
特徴と育て方
フサスグリは、初夏に赤いキラキラとした実をつけるスグリ科の落葉低木です。キラキラした実がとても美しく、名前にベリーはついていませんが、ベリーの仲間として流通しています。透き通るような赤い実は宝石のような美しさで、ケーキなどの飾りに使われます。高温多湿が苦手なので、水はけの良い用土で植え付け、風通しの良い場所で管理しましょう。
フサスグリの食べ方
生食できますが酸味が強いので、苦手な方はヨーグルトやチーズと一緒にはちみつやシロップをかけて食べる方法もおすすめです。
ブラックベリー
- 学名:Rubus
- 英語:Blackberry(ブラックベリー)
- 科名:バラ科
- 収穫期:5月~7月
特徴と育て方
ブラックベリーは、春に咲く花と初夏に熟す黒い果実が可愛らしいつる性落葉樹です。つるといってもみずから絡みつくことはなく、暴れるように枝を伸ばすので、トレリスやフェンスなどへの誘引が必要です。誘引は、伸ばしたい方向に枝を広げて、麻紐などで括り付けるだけ。それほど手間をかけなくても、毎年収穫を楽しめる育てやすい果樹です。
ブラックベリーの食べ方
ブラックベリーの果実は甘く、生食できる他、ジャムやジュースにしても楽しめます。
ラズベリー
- 学名:Rubus idaeus
- 英語: Raspberry(ラズベリー)
- フランス語:Framboise(フランボアーズ)
- 科名:バラ科
- 収穫期:5月~6月
特徴と育て方
ラズベリーは、甘く香りの良い果実が魅力のつる性落葉樹。流通が少ないので、自宅で育てて楽しみたいベリーの一つです。寒冷地を好み、高温多湿が苦手なので、夏は風通しの良い場所で管理しましょう。ブラックベリーの近くに植え付けると、どちらかが枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
ラズベリーの食べ方
ラズベリーは、生食の他、ジャムや果実酒にしても楽しめます。赤く香りの良い実は、ケーキの飾りにも使用されます。
ブルーベリー
- 学名:Vaccinium corymbosum
- 英語:Blueberry(ブルーベリー)
- フランス語:Myrtille(ミルティーユ)
- 科名:ツツジ科
- 収穫期:7月~9月
特徴と育て方
ブルーベリーは、夏に青黒い果実を実らせる落葉低木。春のスズランのような壺型の白い花も、秋の赤く紅葉する葉も美しい果樹です。ブルーベリーは、同一系統の異品種を1対にして植えると結実しやすくなるという特徴があります。酸性の土壌を好むので、植え付け前に調整するか、市販のブルーベリー用の土を使って植え付けましょう。
ブルーベリーの食べ方
ブルーベリーは、生食やジャム、ジュース、果実酒にして楽しめます。
クランベリー
- 学名:Vaccinium macrocarpon
- 英語:Cranberry (クランベリー)
- フランス語:Canneberge(キャンヌベージュ)
- 科名:ツツジ科
- 収穫期:9月~12月
特徴と育て方
クランベリーは、和名をツルコケモモあるいはオオミノツルコケモモと言い、秋から冬に赤い果実を実らせるつる性常緑低木です。地面を這うようにつるを伸ばして生長します。酸性の土壌を好むので、植え付け前に調整するか、市販のブルーベリー用やツツジ用の土を使って植え付けましょう。
クランベリーの食べ方
クランベリーの果実は酸味が強く生食には向きません。ドライフルーツの他、ジュースやジャムにして楽しみます。
珍しいベリーの種類
ヤマモモ(ワックスベリー)
- 学名:Myrica rubra
- 英語:Waxberry( ワックスベリー)
- 科名:ヤマモモ科
- 収穫期:6月~7月
特徴と育て方
ヤマモモは、英名を Waxberry (ワックスベリー)という、常緑高木。庭木や街路樹、公園樹として身近な場所で見かけます。雌雄異株で、雌株に果実が実ります。大きくなる木なので、植える際はスペースを確保しましょう。
ヤマモモの食べ方
初夏に赤黒く熟したヤマモモの実は少しの酸味と甘みがあり、生食の他ジャムやジュースなどにして楽しめます。直径1~1.5cm程度の小さな果実の中には硬くて大きなタネが入っているので勢いよく噛まないように気を付けましょう。
ナワシロイチゴ (ジャパニーズラズベリー)
- 学名:Rubus parvifolius
- 英語:Japanese raspberry (ジャパニーズラズベリー)
- 科名:バラ科
- 収穫期:6月~7月
特徴と育て方
ナワシロイチゴの英名は、Japanese raspberry(ジャパニーズラズベリー)。日本に自生する野イチゴの一つで、5月頃に咲く花はピンク色で花びらが開かないのが特徴です。ナワシロイチゴの果実は6月頃に赤く熟し、食べ頃を迎えます。宝石のように美しい実にはわずかな酸味と甘みがあります。あまり土壌を選ばず、庭植えや鉢植えで育てられます。茎や葉に小さなトゲがあるので、触る際には注意が必要です。
ナワシロイチゴの食べ方
ナワシロイチゴの実は生食できます。実のほとんどは水分で、ちょっと力を込めるだけで潰れてしまうので、そっとつまんで口に入れます。舌で潰すと甘い果汁を楽しめます。
アロニア (チョークベリー)
- 学名:Aronia
- 英語:Choke berry (チョークベリー)
- 科名:バラ科
- 収穫期:10月~11月
特徴と育て方
アロニアは、英名をChoke berry(チョークベリー)というバラ科の果樹です。庭植えや鉢植えで育てられます。アロニアには、赤い果実を実らせる品種と黒い果実の品種とがあります。
アロニアの食べ方
アロニアの実は生食には向かないので、ジャムやコンポート、ジュースにして楽しみます。
ガマズミ(ジャパニーズブッシュクランベリー)
- 学名:Viburnum dilatatum
- 英語:Japanese bush cranberry(ジャパニーズブッシュクランベリー)
- 科名:レンプクソウ科
- 収穫期:10月~11月
特徴と育て方
ガマズミは、英名をJapanese bush cranberry(ジャパニーズブッシュクランベリー)という、落葉高木です。初夏の白い花と秋に真赤に熟す実が美しく、庭木としても人気があります。
ガマズミの食べ方
ガマズミの実は、酸味が強く生食には向きません。果実酒などにして楽しみます。小さな実の中には、さらに小さな種が入っているので、場合は裏ごしの手間がかかりますが、ジャムにすることもできます。
ベリーの食べ方
ベリーの代表的な食べ方を紹介します。
生食
ブラックベリーやラズベリー、イチゴ、ジューンベリー、桑、ブルーベリー、ヤマモモ、ナワシロイチゴなどは生食が可能です。摘みたてのフレッシュなベリーをそのまま楽しむ他、ヨーグルトに入れたり、蜂蜜やシロップをかけたりして楽しみます。
ジャム
ツルコケモモやグーズベリーのように酸味が強いものは、砂糖を多めに加えて煮詰めてジャムにして楽しむことができます。出来上がったジャムは、パンはもちろん、アイスにかけたりケーキに添えたりして楽しめます。
果実酒
ガマズミのような酸味が強く水分が多いものは、果実酒に向いています。ホワイトリカーと砂糖で漬け込めば、色のきれいな果実酒を楽しむことができます。
冷凍
取れすぎたベリーは、種類によっては冷凍保存もできます。イチゴやブラックベリー、ラズベリー、ブルーベリーなどは冷凍が可能です。冷凍したベリーは解凍してもフレッシュの瑞々しさは損なわれているので、ジャムやコンポートにして楽しみます。
ベリーは可愛らしく、食べておいしいものがいっぱい。ラズベリーやブラックベリーなど、お店では手に入りにくいものも自宅で育てれば簡単に楽しめます。みずみずしく宝石のように美しい実を、暮らしに取り入れてみませんか。
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