クリスマスローズの植え替え|時期、土、地植えと鉢植えのポイント
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クリスマスローズの植え替えの適切な時期、手順、地植えと鉢植えのそれぞれのポイント、株分けについて、わかりやすく解説します。クリスマスローズは長く楽しめる多年草。毎年咲かせて楽しみましょう。
目次
クリスマスローズを植え替えする理由と時期
クリスマスローズを植え替えする理由
クリスマスローズはとっても生育旺盛な植物。植え替えをしないとどんどん鉢の中で根が生長し、根詰まりを起こしてしまいます。根詰まりを起こすと、花が咲きにくくなるほか、株自体も貧弱になっていきます。健やかなクリスマスローズを育てて、たくさんの花を楽しむためにも、1~2年に1度は植え替えを行うようにしましょう。
クリスマスローズの植え替え時期
クリスマスローズの植え替えに適した時期は、10月~12月と3月~4月です。
クリスマスローズは花を咲かせる時期に勢いを増し、株が元気になります。植え替え、植え付け、株分けはこの時期に行うと株への負担が少なくて済みます。ただし、1月~2月の厳寒期は負担をかけてしまう心配があるので避けるようにしてください。
クリスマスローズの特徴
クリスマスローズは、キンポウゲ科の常緑多年草。厳密にはクリスマスの頃に咲くニゲル( H.niger )という品種をクリスマスローズと呼びます。一般的には、初春に咲くレンテンローズ( H.orientalis )やフェティダス( H.foetidus )などもクリスマスローズと呼ばれ親しまれています。
クリスマスローズは常緑なので、一年中グリーンの葉を絶やしません。花が咲いていない時期も葉を観賞できる植物です。株がある程度生長するまでは花が咲きませんが、生長が早いので小さなポット苗で購入しても3年もすれば立派な花を咲かせてくれるようになります。
クリスマスローズの植え替え
クリスマスローズの植え替えは、鉢から取り出して2回り程度大きな鉢に植え替えるという作業です。広々とした鉢に、新しくて栄養のある土を使って植え替えることで、根を伸ばして生長できるようになります。
植え替え手順
1. クリスマスローズを、根を傷つけないように掘り上げる
2. 庭なら2回り程度大きな穴を掘る、鉢なら2回り程度大きな鉢と鉢底石、鉢底ネット、培養土を準備する
3. 鉢底の穴を鉢底ネットでふさぎ、鉢底石を敷き、数cm培養土を入れておく
4. 根鉢の下の方を手でほぐし、黒ずんで傷んだ根があったらハサミでカットする
5. 掘った穴や新しい鉢に、ほぐした根が広がるようにクリスマスローズを入れて、培養土を入れていく
6. 鉢植えは、縁から1~2cm低い位置まで培養土を入れる(ウォータースペースの確保)
7. 土の中に空気が入ってしまうと根を伸ばせなくなってしまうので、割りばしなどで突いて土をしっかりと沈める(この時根を傷つけないように気を付ける)
8. 最後に根と土をなじませるイメージで、たっぷりと水やりをして完了
土の深さの目安
深植えせず、写真のように芽が隠れない程度の深さがベストです。浅植えにしすぎると根が露出してしまうので注意しましょう。
土の中に空気が入らないように、土を沈ませるのも大切なポイント。空気が入ってしまうと、根を伸ばせなくなり生長を妨げてしまうだけでなく、株が弱ってしまう原因にもなります。
植え付けが終わったら、最後に優しい水流で鉢底から水が流れ出るくらい水を与えましょう。水やりで土が沈み、しっかりと根と馴染むようになります。根が露出したら土を追加し再度水やりを行いましょう。
クリスマスローズの植え替えの土
植え替えの土は、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。クリスマスローズは水はけ良く肥沃な土壌を好むので、腐葉土を少し加えてもよいでしょう。
他にも自分で土を作るなら、赤玉土小粒に腐葉土を多めに入れて、水はけを良くするためにバーミキュライトを加える配合もおすすめです。
地植えの植え替えのポイント
クリスマスローズの植え替えは、地植えも10月~12月と3月~4月が適期です。庭に株よりも2回り程度大きく穴を掘り、クリスマスローズを植え付けます。
根の下の方をほぐして広げるように植え付けるのがポイント。根の張りが良くなり、健康な株に生長します。また、植え付ける前に培養土や腐葉土をすき込んで、土壌を肥沃にしておくのもおすすめです。
クリスマスローズは、夏の直射日光と高温多湿が少々苦手。地植えのクリスマスローズは、落葉樹の下のような、夏は半日陰、冬は日が当たるような場所を選ぶとベストです。
鉢植えの植え替えのポイント
植え替えの数日前から水やりを控えて土を乾燥させておくことで、鉢から抜きやすくなります。クリスマスローズ以外の植え替えにも活かせるコツです。
クリスマスローズは生育力が強いので、鉢植えの植え替えは、必ず2回り程度大きな鉢にすることがポイント。鉢の中でゆったりと根を伸ばし、生長できるようにしてあげましょう。鉢のサイズが小さいと根詰まりを起こし、花付きが悪くなる原因となります。ただし、急激に大きなサイズの鉢に植え替えると、株に対して土の量が多いことから土が乾きにくくなり、加湿の状態になってしまいます。加湿は根腐れの心配があるほか、株自体が弱ってしまったり、花が咲かなくなる原因にもなります。大きい鉢に植え替えればいいというものでもないので気を付けましょう。
株分け方法
クリスマスローズの株分けは、植え替えと同じ10月~12月と3月~4月が適期です。株分けしたいクリスマスローズの根をぬるま湯で洗い、根をほぐします。うまく手で分けられるところを見つけて、あとは清潔なハサミで切り分けるようにします。注意することは、あまり細かく分けるとその後の生長が悪くなること。株元を確認して、2~3個ずつ新芽が付いているくらいのサイズに分けます。
株分けをすることで、増やすことができるほか、大きくなり過ぎた株のサイズをコンパクトにしたり、病害虫の被害にあった場合も全滅を避けることができます。分けた株は、他の場所に植え替えたり、鉢植えにしたりして楽しめます。親しい人に譲ってあげるのも素敵です。
クリスマスローズの植え替えは、健やかに育てて、たくさんの花を楽しむためにも必要な作業です。大きくなったら適宜植え替えをして、育てていきましょう。冬から初春に咲く美しい花を長く楽しんでください。
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