ニンニクを育ててみた!|畑栽培の記録(収穫まで約7か月)
とまつあつこ
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ニンニクを畑で育てた様子(元肥と畑の土の準備、食用のニンニクと種用のニンニクの違い、植え付け、水やり、追肥、病気、摘蕾、収穫、保存方法など)を家庭菜園ならではの視点で詳しくレポートします!念願の国産ニンニクが収穫できました。(^^)
撮影協力/アグリス成城
目次
ニンニクを植える畑の準備
ニンニクを植え付ける前に、土を耕す作業が必要です。
畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに植え付けができます。
耕した際にでこぼこになった土は、レーキなどで平らに整えます。畑作業する時に通り道になる場所を掘って畝を作り、再び軽く整地しましょう。
私が借りている菜園では、スタッフの方が年に一度、土のメンテナンスを行ってくれるので、自分で石灰や堆肥の混ぜ込みはせず、菜園指定の有機元肥を混ぜ込んですぐに植え付けることができます。そのあたりは貸菜園によって規則が異なるので、石灰などを混ぜ込む場合は事前に管理者に確認しましょう。
ニンニクの種について
ニンニクの種はどんな形?
ニンニクの種は、見た目は八百屋さんで売っているニンニクと同じです。分球をていねいにばらして1片ずつにして植えます。
食用のニンニクと種用のニンニクの違い
八百屋さんで売っている食用のニンニクを植えて育てることはできますが、食用のニンニクは芽が出にくいように処理されていることがあるため、しっかり育てたい場合は種用に販売されているものがおすすめです。
種用のニンニクは病害虫対策のために薬剤処理されていることがあるため、「食用としても使用できる」という記載が無い時は食用にすることはおすすめしません。
育てる地域により適する品種が違う
大まかに分けて寒地で育てやすい品種(ホワイト6片など)と暖地で育てやすい品種(平戸、嘉定など)があり、育てる地域の気候に適した品種を植えるとよく育ちます。関東地方は中間地のため両方の品種が栽培されています。
ニンニクの植え付け
植え付け適期はいつ?
関東地方では、9月下旬~10月中旬頃が植え付け適期です。まだ暑さが厳しいうちに植えてしまうと病気にかかりやすくなったり、逆に寒くなりすぎてから植えると根の張りが悪く、ニンニクが大きく育ちません。地温が20℃前後になった頃を目安に、時期を見極めて植え付けましょう。
10月13日
土を耕して有機元肥を混ぜ込んで整地し、15cm間隔くらいで深さ10cmくらいの穴を掘ります。
今回はホワイト6片の種を使い、1片ずつに分けて、大きい粒を優先的に使い、皮はむかずに植え、土をかぶせてたっぷり水やりをしておきました。植え付け後は週に1回畑に行き、芽が出るまでは土が乾いていたら水やりしました。
11月28日
芽が出て順調に育っています。種が分球して1か所から芽が2本出ることがあるので、そんなときは1本かき取ると大きいニンニクに育つそうです。
また、うっかりしていると周りに雑草がたくさん生えてくるので、雑草に栄養が奪われないように雑草が小さいうちに抜き取るように心がけました。
ニンニクの水やり・追肥
11月28日
固形の有機肥料を株の周りに追肥して水やりをしました。その後は、年明け1月初めに追肥と水やりをしました。芽が出てからは水やりは追肥したときにしかせず、雨にまかせました。
3月5日
春になり、葉がきれいな緑色になりました。雑草を取り、追肥して水やりしました。
4月2日
イキイキとして株がしっかり育ってきました。
ニンニクの病気
4月30日
葉先が少し茶色くなって「さび病」が出始めているように見えます。
さび病は、カビ(糸状菌)の一種である「さび病菌」に感染することで発生する病気です。空気及び水伝染性の病害です。加湿な状況や肥料の与え過ぎ、または肥料切れで生じることが多いといわれていて、ニンニクはさび病が発生しやすい野菜の一つです。
なるべく無農薬で栽培したい気持ちから予防剤などは使っておらず、肥料を適量施し、風通し良く加湿にしないように育ててきた中での病気の発生は仕方ないかなと思いつつ、菜園のスタッフに相談してこれ以上広がらないようにカリグリーンという殺菌剤をスプレーしてもらいました。
▼さび病についてはこちら
ニンニクの摘蕾
写真を撮りのがしてしまったのですが、5月10日頃にとう立ちして蕾が伸びてきたため、摘み取りました。摘み取った蕾は食べられるのですが、今回は地上部にさび病が発生してしまったため食べませんでした(泣)
ニンニクの収穫
5月21日
5月~6月くらいで茎葉が2/3ほど枯れてきた頃が収穫の目安です。さび病が進んだのか、収穫適期の合図なのかわからないのですが、これ以上の生長は無いと思い収穫してみることにしました。
5月21日
引き抜いてみると、根元にニンニクができていました!
5月21日
直径6cm位の大きさのニンニクがたくさん収穫できました。
5月21日
根を切り外側の皮をむくと、きれいな真っ白のニンニクが出てきました!食用にするニンニクの部分には、さび病の影響は特にありませんでした。(^^)
ニンニクの保存方法
家庭菜園で収穫したニンニクは湿気がある場所に置くとすぐにカビが生えます。なるべく早急に料理に使うか、新聞紙の上に並べて数日陰干しし、適切な方法で保存すると長く使うことができます。
私は、すぐ使うものと冷凍保存するものに分けて使いました。冷凍してあると使いたいときにすぐ使えて、包丁でサクサク切れるので便利です。家庭菜園のニンニクなので大きさにばらつきはありますが、国産のニンニクは貴重なのでほくほくしながら使っています♪これは毎年の収穫がやみつきになりそうです。
常温保存
常温で保存したい時は、ネットに入れて風通しの良い直射日光の当たらない場所に吊るして乾燥させて保管しましょう。この方法では2週間くらいなら保存できます。
冷蔵保存
新聞紙で包み、冷蔵庫で保管します。1か月以内を目安に食べきりましょう。
冷凍保存
皮を残して1片ずつバラバラにして、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。冷凍後は、凍ったまま両端を切って皮をむき、刻んだりすりおろしたりして普通に使えます。状態が良ければ半年くらい保存できます。冷凍すると繊維が壊れるため、料理に使う時にニンニクの風味が溶け出しやすくなったり、味が染み込みやすくなります。
▼新ニンニクとニンニクの違いはこちら
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