人気のハーブ!ローズマリーとは?育て方や楽しみ方、枯らさないコツ
山田智美
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ローズマリーは香りが良く常緑で一年を通して楽しめるハーブです。鉢植えでも庭植えでも楽しめるローズマリーについて、ちょっと詳しくなってみませんか。ローズマリーの育て方から植え替え方法、ハーブとしての楽しみ方、ローズマリーが枯れてしまった原因と対処方法など、詳しくご紹介します。
目次
- ローズマリーとは?
- ローズマリーの花と香り
- ローズマリーの育て方|植え替えや挿し木の方法
- ローズマリーが枯れた?原因と対処方法
- ローズマリーのハーブとしての使い方、楽しみ方
- ローズマリーと似て非なる植物
ローズマリーとは?
ローズマリー
- 科名:シソ科
- 学名:Rosmarinus officinalis
- 英名:rosemary
- 分類:常緑低木
- 原産地:地中海沿岸
- 花期:4~11月(気候が良ければ四季咲き)
ローズマリーは乾燥気味で日当たりの良い場所を好むハーブです。日本の夏の高温多湿が苦手ですが、風通しを良くするように管理すれば問題ありません。育て方は比較的簡単なハーブです。
常緑で冬でも香りの良い葉を青々とつけているので、寂しいお庭の中でアクセントになります。
ローズマリーの花と香り
ローズマリーには木立(こだち)性と匍匐(ほふく)性がある?
ローズマリーには真直ぐに上に伸びる「木立(こだち)性」と地面を這うようにくねくねと伸びる「匍匐(ほふく)性」があります。木立性と匍匐性で見た目は変わりますが、香りなどに大きく違いはありません。
ローズマリーのお花
ローズマリーのお花は四季咲き性です。春から初夏にかけて咲きます。そのあと真夏は少し休んで、日当たりが良ければ晩秋まで咲き続けます。ローズマリーのお花はブルーや青紫色です。うっかりしていると見過ごしてしまうかもしれないくらい小さなお花です。
この時期になるとミツバチがローズマリーの蜜を求めて寄ってきます。ローズマリーの花からはたくさんの蜂蜜が取れるのです。ローズマリーの蜂蜜にはあの独特な葉っぱの香りはしません。ローズマリーの香りを期待してそのローズマリーの蜂蜜を口に入れると拍子抜けしますよ。
ローズマリーの香り
ローズマリーといえば香りが特徴のハーブです。なぜか懐かしい気持ちになる人もいるようです。これは、男性用化粧品にローズマリーが使われていることが多く、小さな頃の父親やおじいさんの記憶と結びつくからだという説もあります。
ローズマリーの人気の理由となっているこの香りは、実はローズマリーの花の香りではなく葉茎全体の香りです。
ローズマリーが庭木として人気の理由に香りともう一つ、常緑であるという特徴があります。香りが良く葉の形も特徴的で、さらに常緑ですから一年中その香りと姿を楽しめる素晴らしいハーブです。
ローズマリーの育て方|植え替えや挿し木の方法
ローズマリーは地中海沿岸の植物です。強い日差しと海からの強風が特徴の地中海性気候が肌馴染みの良い植物です。日本の夏の直射日光や強い風などにも耐性があります。
ローズマリーは日当たり良く乾燥した場所を好みます。痩せ地でもよく育ちます。過度な肥料と多湿を嫌います。乾燥気味で管理しましょう。地植えであれば特に追肥の必要はありません。鉢植えで管理している場合は、土が痩せたら土壌改良剤などで補ってあげると良いでしょう。
鉢植えのローズマリーの育て方
植え付け
ローズマリーを鉢植えで管理するなら、まだ若い苗木のうちに購入します。若いローズマリーは柔軟です。買ってきた苗よりも2回りくらい大きなサイズの鉢に植え替えましょう。いきなり大きな鉢に植え替えると根っこばかり伸ばして生長が悪くなります。
植え替え
根元の方の葉が茶色くなって落ちてきているのに、枝の先端の方の葉は元気ということがあります。こうなったら根詰まりを起こしているので、適宜植え替えを行いましょう。2~3年に一回、鉢が小さくなってきたら植え替えをします。ローズマリーは移植が嫌いです。根鉢を崩さないように、そっと新しい鉢に入れてあげてください。
置き場所・水やり
ローズマリーは日当たり、水はけ共に良い場所を好みます。夏は鉢の下にポットフィート(ポットフット)などを置いて鉢の下の風通しを良くするのもいいでしょう。
加湿が苦手で乾燥気味を好みます。表土が白っぽく乾いたら、たっぷりと水やりをします。
地植えのローズマリーの育て方
植え付け
ローズマリーは移植を嫌う植物であることを念頭に置いて、植える場所を決めてください。ローズマリーは日当たりと水はけが良く、風通しの良い場所を好みます。
木立性のローズマリーは上に生長します。ほふく性のローズマリーは地面を這うように横に広がっていきます。広めにスペースを確保してください。
植え替え
ローズマリーは移植を嫌う植物です。地植えにしたローズマリーを、根付いてから引き抜いて移動させようとしても枯れてしまいます。地植えのローズマリーは植え替えをする必要のないように植え付けしてください。
水やり
加湿が苦手で乾燥気味を好みます。庭植えのローズマリーは根付いてからは特に水やりの必要はありません。乾燥が続き、ローズマリーの葉の先端が俯くようになってきたら、たっぷりと水やりをします。
ローズマリーの挿し木の方法
ローズマリーは挿し木で増やせます。挿し木は真夏と真冬を避けた、春か秋の暖かい日に行いましょう。ローズマリーは発根しやすく挿し木が容易な植物です。ローズマリーの枝を10㎝くらいにカットし、下の方の葉を取り除きます。1~2時間水につけて十分に水を吸わせてください。
あとは水はけの良い土に枝を挿して発根を待つだけです。土は赤玉土やバーミキュライトが向いています。根が出てくるまではマメに様子を見ながら、表土が乾いたら水やりをします。
ローズマリーが枯れた?原因と対処方法
ローズマリーを育てていて突然枯れてしまったということはありませんか。ローズマリーが枯れてしまう、良くあるケースと対処方法をご紹介します。
ローズマリーの謎!植え替えは嫌い
ローズマリーという植物の一番気難しい特徴は、「植え替えされるのは嫌い、でも挿し木は大丈夫」というところではないでしょうか。「ローズマリーが枯れてしまった」場合の一番多い理由はこれです。
ローズマリーは移植を嫌います。若い苗木のうちはまだいいのですが、根付いてからは根を動かすと枯れてしまいます。地植えのローズマリーは移植しないようにしてください。鉢植えのローズマリーは根鉢を動かさないように植え替えます。
ローズマリーは挿し木で容易に増やせる植物です。地植えのローズマリーを移植するよりも、挿し木で増やしていきましょう。
極度の乾燥
ローズマリーは加湿が苦手で風通し良く乾燥気味を好みます。とは言え「まだ大丈夫」などと水やりをサボってしまうと、あっという間に乾燥してカリカリになってしまうような気難しさも持ち合わせています。乾燥気味に管理はしますが、あまり乾燥した日が続いたら、様子を見て水やりを行ってください。目安はローズマリーの葉の先端が俯くように下を向き始めたら、水やりをしましょう。
ローズマリーのハーブとしての使い方、楽しみ方
せっかくローズマリーを育てるならフレッシュで楽しみたいですよね。自宅で摘んだローズマリーを活用するなら、やっぱりお料理ではないでしょうか。基本のブーケガルニには必ず入れたいハーブです。
ローズマリーの香りをオイルに移して調理した、ローズマリーポテトも子供が喜ぶメニューです。アクアパッツァなどの魚介の煮込み料理、豚肉をローストする際に香りづけに加えたり、ローズマリーとトマトでマリネした鶏肉もみんな大好きな料理です。
フレッシュでおすすめしないこと
ローズマリーは非常に灰汁が強く、煮出すと油分の強い灰汁が出てきます。という特徴から、フレッシュのローズマリーをお風呂に入れるのはおすすめしません。お庭でフレッシュな香りのいいローズマリーを摘んだらお風呂に入れてみたくなります。あとあとお風呂の掃除が大変になるのでやめた方がいいでしょう。料理で使う場合も乾燥させたものを使った方が、灰汁もえぐみも出てきません。
ローズマリーと似て非なる植物
ローズマリーにそっくり、でもローズマリーではない植物をご紹介します。時々プロのお花屋さんでもローズマリーだと勘違いしている人がいるくらいですから、覚えておいても損はないと思いますよ。
ウェストリンギア(オーストラリアンローズマリー)
- シソ科
- オーストラリア原産
- 常緑低木
ローズマリーによく似た花と葉を持ち、グリーン単色から斑入り種まであります。生長が早く良く茂るので、生垣など低い位置の目隠しに役立ちます。
見た目がローズマリーによく似ているので混同されがちですが、全くの別種ですので、間違って食べてしまわないように気をつけてください。もしも間違って食べたとしても毒性があるわけではないのでご安心を。
人気のハーブ、ローズマリーの楽しみ方や枯らさないコツをご紹介しました。自宅でローズマリーを育てている方、これからローズマリーにチャレンジしようと思っている方、皆様の参考になれば幸いです。
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