ツワブキ(石蕗)|花咲く季節や特徴、名前の由来、種類について紹介
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ツワブキ(石蕗)の花咲く季節や特徴、名前の由来、種類、似た花との見分け方などを紹介します。ツワブキ(石蕗)は、花も葉も美しく、愛好家も多い植物です。
目次
- ツワブキ(石蕗)とは?基本情報
- ツワブキ(石蕗)の名前の由来、季語について
- ツワブキ(石蕗)の花咲く季節と特徴
- ツワブキ(石蕗)に似た花とは?
- こんあにある! ツワブキ(石蕗)の種類
- ツワブキ(石蕗)の食べ方
- ツワブキ(石蕗)の育て方
ツワブキ(石蕗)とは?基本情報
- 学名:Farfugium japonicum
- 科名・属名:キク科ツワブキ科
- 分類:多年草
ツワブキ(石蕗)の特徴
ツワブキは日本や中国が原産のキク科の常緑多年草です。フキに似た常緑の葉とキクに似た花が特徴です。葉はフキに似ていますが、フキに比べて厚みがあり、表面には光沢があります。フキに似ていますが、フキとは別種の植物です。
ツワブキは海岸の崖や岩場に自生していますが、海岸だけでなく庭でも容易に育てられます。斑入り種などの観賞価値の高い品種も多く、強健で育てやすいので園芸植物としても人気です。
ツワブキの若い葉は柔らかく食用にもされています。その昔は薬草としても重宝されていたというほど、私たちにとって身近な植物です。
ツワブキ(石蕗)の花言葉
ツワブキの花言葉は「謙遜」「困難に負けない」
秋から冬にかけて明るい黄色の花を咲かせ、寒い冬でも常緑の葉を絶やさない、ツワブキらしい花言葉です。
ツワブキ(石蕗)の名前の由来、季語について
ツワブキ(石蕗)の漢字の名前の由来
ツワブキは漢字で石蕗と書きます。草姿がフキに似ていて、海岸の岩場などに自生していることが由来だと言われいます。
ツワブキ(石蕗)の名前の由来
名前の由来は、葉に光沢(ツヤ)があることから、ツヤブキが訛ってツワブキになったとされています。
ツワブキ(石蕗)が季語となる季節
ツワブキは、俳句では石蕗と書いて「つわ」とも読まれます。「石蕗の花(つわのはな)」は冬の季語です。
ツワブキ(石蕗)の花咲く季節と特徴
ツワブキ(石蕗)の花咲く季節
ツワブキの花が咲くのは、10月~12月初旬。花が少なくなる秋から冬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせます。光沢のある葉と、明るい黄色の花のコントラストが美しく、庭の中でアクセントのような役割を果たしてくれます。
ツワブキ(石蕗)の花の特徴
ツワブキは30~40㎝伸ばした茎の先に黄色い花を咲かせます。ツワブキの花は一重のキクに似ています。マーガレットやヒマワリの花のように、中心には筒状花(とうじょうか)と呼ばれる部分、周囲に舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれる花びらが広がっています。色はどちらも明るい黄色をしています。
ツワブキ(石蕗)に似た花とは?
メタカラコウ
メタカラコウは、6月~9月黄色いツワブキによく似た花を咲かせるキク科の多年草です。主に湿った山林に自生します。草丈20~30㎝、葉に光沢はありません。花が咲く季節が違うので見分けがつきます。
ヨメナ
ヨメナは、秋に薄紫色のキクに似た花を咲かせる野草です。ツワブキと花が咲く季節が近いので、混同されやすいようです。ツワブキの花は黄色なのに対し、ヨメナの花は薄紫色なので、花色で見分けがつきます。
フキ
フキは、ツワブキに似た葉を持つキク科の多年草です。フキに似ていることからツワブキと名づけられたというくらい葉が似ています。見分け方は、ツワブキは葉に厚みと光沢があり、秋から冬に黄色の花を咲かせます。フキは葉に光沢がなく、春にフキノトウを出します。
▼ツワブキとフキの違いについて詳しく紹介しています。
こんなにある! ツワブキ(石蕗)の種類
ツワブキには自生種、園芸種共にたくさんの種類があります。一時期は観賞用に斑入り葉の園芸品種が多く作出されました。昔から日本で愛されてきた観葉植物です。
また斑入り葉ばかりが注目されて、花は黄色の一重咲きからほとんど改良されていないのもおもしろい特徴です。
リュウキュウツワブキ
リュウキュウツワブキは沖縄本島、奄美大島、西表島の海岸に自生する品種。葉が扇形なのが特徴。草丈1mにまで生長する大型のツワブキです。
オオツワブキ
オオツワブキは九州の海岸に自生するツワブキです。食用として栽培もされます。
カンツワブキ
カンツワブキは屋久島や種子島に自生する品種です。他のツワブキと違い、主に山林に自生します。葉のふちにギザギザがあるのが特徴です。
キフツワブキ
キフツワブキは葉に明るい黄色の斑が入ったツワブキです。まるで木漏れ日が当たっているかのような明るい雰囲気が特徴です。
牡丹獅子(ぼたんじし)
牡丹獅子は葉の縁が縮れたように波打っているのが特徴の園芸品種です。
浮雲錦(うきぐもにしき)
浮雲錦は葉に大きな白斑が入った園芸品種です。半日陰を好みます。
ツワブキ(石蕗)は食べられる?
ツワブキの若い葉は柔らかく、昔から食用にされてきました。九州では食用としても生産されています。特にキャラブキと言って、ツワブキの葉柄(茎のように見える部分)を佃煮にした料理が有名です。あくが強いので、調理前にしっかりとあく抜きをしましょう。
ツワブキ(石蕗)の育て方
場所・用土
ツワブキは日向から明るい半日陰を好みます。特に斑入り種は直射日光で葉焼けを起こすことがあるので、落葉樹の下のような明るい半日陰に植えるようにしましょう。
水はけの良い土壌を好みます。鉢植えのツワブキは市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
水やり
庭植えのツワブキは根付いてからは、特に水やりの必要はありません。鉢植えのツワブキは表土が乾いて白っぽくなったら、たっぷりと水やりしましょう。
肥料
ツワブキは特に追肥の必要はありません。植え付け時にしっかりと元肥を与えるようにしましょう。
病害虫と対処法
キクスイカミキリの被害があります。茎の中を伝って地下で食害するので見つけにくく、被害の疑われる株を引き抜く程度しか対策がありません。予防として周辺に同じキク科の雑草を生やさないようにします。
植え替え
ツワブキの植え替えは、真夏と真冬を避けた気候のいい時に行います。
株分け
ツワブキの株分けは春か秋の植え替えのタイミングで行いましょう。根を掘り上げて、手で割れそうな部分からハサミやナイフでカットして分けます。株分けしたものの植え付け後は、根付くまで水切れを起こさないように管理しましょう。
ツワブキ(石蕗)は増え過ぎる?
ツワブキは地下茎で増えていきます。増え過ぎて困るというほど広範囲に増えていくことはありませんが、株が大きくなってスペースを占めるようになってきたら、適宜株分けを行うようにしましょう。
ツワブキはとても強健で育てやすい植物。秋には明るい黄色の花で庭の景色を明るくしてくれて、冬は緑を絶やしません。春の新芽は食用にもなります。何より昔からたくさんの園芸品種が作出されてきたくらい、人気の観葉植物です。
身近なところで見かけるツワブキに詳しくなって、もっと魅力を見直してみてはいかがでしょうか。
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