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金木犀、銀木犀の違いと見分け方

秋に香りの良い花を咲かせる金木犀と銀木犀。この2種類の特徴や、違いと見分け方、英語の名前、似ている種類などを紹介します。うっとりするような秋の香りの良い花について、ちょっと詳しくなってみませんか。

目次

金木犀、銀木犀の違いと見分け方

金木犀と銀木犀の違い

金木犀、銀木犀の違い

金木犀と銀木犀の違いは、同じモクセイ科モクセイ属の異なる品種であるということです。

金木犀の学名は「Osmanthus fragrans var. aurantiacus」、銀木犀は「Osmanthus fragrans var. fragrans」と、種小名が違います。var. というのは変種のこと。金木犀の aurantiacus はラテン語で「オレンジ色や橙色」という意味なので「木犀のオレンジ色の花が咲く品種」であること、銀木犀の fragrans は同じくラテン語で「香る」という意味なので「香りの良い花を咲かせる品種」であることがわかります。この2種の違いは、同属異種、つまり近縁種だということです。

さらに、日本では金木犀の雌株は確認されていません。これは、金木犀が銀木犀の突然変異から生まれたからではないかという説と、ウスギモクセイという近縁種から作出されたからではないかなどという説があります。

金木犀、銀木犀の見分け方

金木犀、銀木犀の見分け方

金木犀と銀木犀を見分けるポイントは、花色、葉の特徴、それから香りです。

花が咲いている時期であれば、色と香りで見分けられます。色がオレンジで強い芳香があれば金木犀、色が白や黄色でほのかな芳香があれば銀木犀です。

葉で見分けるなら、葉の幅が狭く薄く鋸歯がないのが金木犀、葉に厚みがあり先端に鋸歯があれば銀木犀です。

ただし変異も多いので、葉だけで見分けるのは難しいと思います。見分け方のポイントを整理したので、ご参考までにご覧ください。

花の見分け方ポイント

  • 金木犀:オレンジ色で強い芳香がある
  • 銀木犀:白に近い黄色や淡い黄色、黄色で、控えめな芳香がある

葉の見分け方ポイント

  • 金木犀:銀木犀に比べて幅が狭く薄く、鋸歯はない
  • 銀木犀:厚みがあり全体あるいは先端にギザギザとした鋸歯がある

金木犀、銀木犀の特徴

金木犀の特徴

金木犀とは?基本情報

  • 学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus 
  • 科名・属名:モクセイ科モクセイ属
  • 分類:常緑高木
  • 花期:9月~10月
  • 花色:オレンジ色

金木犀は、秋に香りの良いオレンジ色の小花を枝いっぱいに咲かせる常緑高木。とても印象的で強い芳香があり、香りに気がついて周囲を見渡すと花が咲いていたというくらいです。

葉は楕円形で光沢があり、椿のような厚みと硬さがあります。花は直径4~5mm程度と小さく、金を思わせるようなオレンジ色で4枚の花びらが合着したようなフォルムをしています。

日本には雄株しか存在しないので、実ができて種から発芽することはありません。クローン(挿し木など)で増やされています。

銀木犀の特徴

金木犀、銀木犀(とは?

  • 学名:Osmanthus fragrans var. fragrans
  • 科名・属名:モクセイ科モクセイ属
  • 分類:常緑高木
  • 花期:9月~10月
  • 花色:黄色がかった白か淡い黄色、黄色

銀木犀は、秋に香りの良い花を咲かせる常緑高木。花には控えめな芳香があります。葉は楕円形で光沢があり、椿のような厚みと硬さがあります。

花は直径4~5mm程度と小さく、色は白、淡い黄色、黄色などの変異があります。銀色ではありません。公園や庭園など身近な場所で見かけるので、それほど珍しい庭木ではありません。

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金木犀、銀木犀の香りの違い

金木犀、銀木犀の香りの違い

金木犀は、香りでその存在に気づくくらいの圧倒的な芳香を周囲に放ちます。金木犀の香りで秋が来たことを実感することも多いほどです。対して銀木犀の香りは控えめ。鼻を近づけて確認しなければわからないくらいです。

どちらも華やかな香りですが、金木犀のほうが熟れた果物を思わせるような豊潤さを感じる香りで、香りが強いという点が違います。

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金木犀、銀木犀に似ている種類

金木犀、銀木犀に似ている種類

薄黄木犀の果実

金木犀、銀木犀に似ている種類で、薄黄木犀(ウスギモクセイ)や柊木犀(ヒイラギモクセイ)があります。

薄黄木犀は、秋に淡い黄色の花を咲かせる常緑高木。控えめな芳香があります。雌雄異株で、花が咲いた翌春にオリーブに似た楕円形の果実を実らせます。金木犀は、この薄黄木犀から作出されたという説もあります。

柊木犀は、葉の縁にヒイラギのような鋸歯があるモクセイ科の常緑高木です。柊と銀木犀の交雑種だといわれています。花色は真白で芳香があり、銀木犀よりも少し遅れて咲き始めます。

金銀ときたら銅もあるのでは…と考えてしまいそうですが、残念ながら銅木犀という植物は今のところ存在しません。

薄黄木犀の特徴

ウスギモクセイ(薄黄木犀)基本情報

  • 学名:Osmanthus fragrans var. thunbergii
  • 科名・属名:モクセイ科モクセイ属
  • 分類:常緑高木
  • 花期:9月~10月
  • 花色:淡い黄色

柊木犀の特徴

柊木犀(ヒイラギモクセイ)

  • 学名:Osmanthus × fortunei
  • 科名・属名:モクセイ科モクセイ属
  • 分類:常緑高木
  • 花期:10月~11月
  • 花色:白

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金木犀、銀木犀の英語の名前、オスマンサスとの違いは?

金木犀も銀木犀も英語の名前は、Fragrant olive のようです。モクセイの仲間はオリーブに似た果実を実らせるものが多くあるので、香りの良い花を咲かせるオリーブに似た木という意味合いから、この名前がついたのではないかと想像できます。

または、学名の Osmanthus がそのまま英語の名前として使われています。海外から入ってきている金木犀の香水や精油などは、Osmanthus(オスマンサス)という名前で流通しています。

オスマンサスとの違いは?

オスマンサスというのは、モクセイ科モクセイ属を総称した学名であり、英語の名前でもあります。つまりオスマンサスとは金木犀や銀木犀のことです。

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金木犀と銀木犀は花色や香りに違いのある近縁種。どちらも香りの良い花を咲かせる庭木です。この機会に色を確認したり、香りを楽しんだりと違いを観察してみてください。

秋はお散歩が気持ちの良い季節、ゆっくり時間をかけて眺めてみてはいかがでしょうか。

 

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