アジサイの種類によって違う剪定! アジサイ、カシワバアジサイ、アナベル、ノリウツギの剪定方法
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アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイ、アナベル、ピラミッドアジサイ……アジサイの種類はたくさんありますが、花の開花後に待っている「剪定作業」のルールは、種類によって違います。アジサイ類の剪定時期と方法を種類別にご紹介します。
目次
アジサイの種類の花の付き方|旧枝咲きと新枝咲き
アジサイ類は、種類によって、花の付き方が大きく分けて二通りに分けられます。
1.旧枝咲きのアジサイ
-前年の秋以降に花芽が作られ、年を越えて徐々につぼみが生長して6月に咲く-
-6月に開花した花は、その翌月の7月中に剪定-
旧枝咲きのアジサイは、今年伸びた枝の下に位置する、昨年伸びた枝の付け根に秋に花芽をつけます。そのため、今年伸びた枝に2年越しで花が咲くという流れになります。6月から開花した花は、翌年の花芽ができる秋より前の7月中に剪定することが、来年の花のために必要な作業となります。
旧枝咲きのアジサイは、アジサイ、ヤマアジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイです。
2.新枝咲きのアジサイ
-春に伸びた枝先に花芽ができてその年中に咲く-
-花の開花の翌年の3月までに剪定-
新枝咲きのアジサイは、春に伸びた枝先に花が咲きます。花芽が出てから開花までがワンシーズンで完結するのが新枝咲きのアジサイの特徴です。新枝咲きのアジサイの花芽のつく時期は4月なので、剪定は花の開花後から年を越えて3月までに行えば初夏に花が開花します。アジサイが咲かない原因のひとつとして、切りすぎたなどの剪定の仕方に問題があることが多いのですが、新枝咲きのアジサイは剪定がとても簡単なので、時期の限度さえ守れば毎年開花します。このようなことから、初心者の方が最初に育てるアジサイとしておすすめの花木です。
新枝咲きのアジサイは、アナベル、ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)です。
旧枝咲きのアジサイの剪定方法と剪定時期
アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイの剪定時期
旧枝咲きのアジサイは、花が終わる7月くらいまでには剪定を済ませるようにします。
アジサイは終った花が自然に散ることがないので、花を取り去る作業が必要です。
旧枝咲きのアジサイの花は、7月に入れば通常は花が終わる時期ですが、仮に花がきれいでも時期が来たら剪定し、切った花は切り花として楽しむ感覚で、7月までには剪定を済ませます。アジサイはいつでも剪定をしていい花ではなく、気温が低くなる秋に花芽が形成されるので、秋以降に剪定してしまうと来年の花芽を切ってしまうことになり、翌年花が咲かなかったということになります。
アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、カシワバアジサイの剪定方法
花がついている枝は、すべて剪定します。花が終わったら、花から2~3節下の脇芽が出ている上でカットします。(ピンク部分)時期的には7月までには剪定します。まだ花が終っていなくても、切った花は切り花として楽しむために利用するなどして、剪定の時期は守ったほうが翌年の花のためになります。また剪定した枝を使って挿し木にチャレンジするのもいいですね。
▼アジサイの挿し木について詳しくご紹介しています。
アジサイ
ガクアジサイ
カシワバアジサイ
葉っぱが柏の葉に似たアジサイ科の落葉低木、カシワバアジサイ。アジサイの仲間ですが、アジサイの花が丸いのに対して、カシワバアジサイの花はピラミッド型の形をしています。花の咲き始めは、グリーンがかった色、そこから徐々に白に変化していきます。
カシワバアジサイは、秋の紅葉も素敵です。カシワバアジサイも旧枝咲きのアジサイです。剪定はアジサイと同様、7月半ばまでに花から2節下の脇芽が出ている上でカットします。
秋色になったカシワバアジサイ
カシワバアジサイは、地域にもよりますが、花のあとに徐々にきれいな秋色に変化するアジサイです。剪定しないで、そのまま秋色に移り行く様子をゆっくりと眺めていたいところですが、カシワバアジサイは旧枝咲きのアジサイ。晩秋まで花を楽しんでから剪定すると、来年の花芽を切り落としてしまう可能性があります。7月までには剪定を済ませましょう。どんな秋色に変化するかを見てみたい!という方は、何本かを切らずに残してみるというのもひとつの手ですね。
▼旧枝咲きのアジサイの剪定を詳しくご紹介しています。
▼カシワバアジサイの育て方はこちらをどうぞ!
新枝咲きのアジサイの剪定方法と剪定時期
アナベル
アナベルとノリウツギの剪定時期
新枝咲きのアジサイ、アナベルとノリウツギは、花が終わった後から冬まで剪定の時期が自由です。いつまでに切ればよいか?というと、花芽は4月以降にできるので、一番遅くて2月~3月までに剪定しておけば大丈夫です。
アナベルとノリウツギの剪定方法
新枝咲きのアジサイは新枝に花が咲くため、剪定に決まりがありません。弱剪定、強剪定のどちらの剪定も可能です。仕立てたい花の丈や花のサイズをイメージして剪定することができます。強く切るか、弱く切るかによって、咲く花の丈と花のサイズに違いが出てきます。
強剪定
強剪定の場合は、地際2~3節でばっさりと切り詰めます。春に伸びる枝の数が限定されるので、花数は少し減りますが、枝に勢いが出て、花が大きくなります。雪があまり積らないエリアは、強剪定、弱剪定を選べますが、雪が積るエリアの新枝咲きのアジサイは、強剪定で剪定します。これは雪の重みで枝が折れてしまう可能性があるからです。また、公園などの公共スペースのような、決まった時期にしか手入れができない場所は一度でばっさりと切る強剪定が一般的です。
弱剪定
弱剪定の場合は、花の後に花だけ切って、さらに秋以降~冬にかけて、充実した芽の上で軽く剪定します。弱剪定の魅力は、古い枝を残すので、そこから新しい枝がたくさん出ます。その分、花数は多くなりますが、枝が多いのでエネルギーが分散されて、花のサイズは小さめになります。
アナベル
アナベルは、アメリカアジサイやアメリカノリノキの別名を持つアジサイの仲間の落葉性低木です。初夏に20~30cmの大きな花が開花し、花の色は、最初はグリーン、咲き進むにしたがって白くなる色の変化も素敵で、最近とても人気のある品種です。グリーン~白の花色が、どの花色とも色合わせがしやすいので、様々な草花と一緒に花壇に植栽すると魅力的な空間に仕上がります。
秋色になったアナベル
新枝咲きのアナベルは、秋色になるまでゆっくりと色の変化を楽しめます。
▼アナベルの剪定について詳しくご紹介しています。
ノリウツギ・ライムライト
ノリウツギは別名ピラミッドアジサイとも呼ばれる、アジサイ科の落葉低木。花の形がピラミッド型のアジサイの仲間です。ノリウツギの開花時期は、西洋アジサイより少し遅い7月頃から開花が始まります。
ノリウツギは、花も大きいので庭に植えるととても見栄えのする花木です。最近多く流通しているのは「ライムライト」、「ミナヅキ」などの園芸種ですが、本来のノリウツギはもう少し素朴な雰囲気のする花木です。ノリウツギは地域にもよりますが、特に寒冷地では、咲き始めから秋にかけて美しい秋色に変化します。花の形が似た旧枝咲きのカシワバアジサイと違って、新枝咲きのノリウツギは、夏に急いで剪定をする必要がありません。そのため、晩秋まで秋色に変化していく様をゆっくりと楽しむことができます。アナベル同様、初めてアジサイを育てる方におすすめしたい花木です。
今回買った「ノリウツギ・ライムライト」の鉢の株元の剪定を確認してみました。緑の丸印が剪定した部分です。地際で剪定されていますね。
株が元気だと、株元からも新しい茎が出てきます。(ピンクの丸印)
アジサイは種類がたくさんあって、それぞれ剪定時期、方法がまったく違います。来年、たくさんの花を楽しむための剪定作業の参考にしてみてください。
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