金木犀(キンモクセイ)を育てましょう。剪定や病害虫、実がつかない不思議

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山田智美

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香りが良く、たくさんの人から愛される金木犀(キンモクセイ)を育ててみませんか。金木犀(キンモクセイ)の剪定方法や病害虫とその対処法、実がつかない不思議についてご紹介します。

目次

金木犀(キンモクセイ)とは?

金木犀(キンモクセイ)とは?基本情報

金木犀(キンモクセイ

  • 学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus 
  • 科名属名:モクセイ科モクセイ属
  • 分類:常緑高木
  • 原産地:中国
  • 花期:9月末から10月
  • 植え時:3月~5月、9月~10月

金木犀はその圧倒的で魅惑的な香りと、小さなオレンジ色の花が魅力の常緑小高木です。ふわりと風に乗って甘く懐かしい香りがしてきたら、季節は秋です。辺りを見回してください。光沢のある深いグリーンの葉の中に、オレンジ色の小さな小花の集合体が見つかるでしょう。

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金木犀(キンモクセイ)の香り

金木犀(キンモクセイ)の香り

金木犀の香りには、何故か人の心を強く惹きつけて止まない魅力があります。学名の Osmanthus は、ギリシャ語の香り(osm)と花(anthos)に由来し、香りの良い花であることを表しています。

香りは風に乗って遠くまで届くことから、九里香や千里香という別名もあります。秋になるとどこからともなく香りがしてきて、周りを見渡してから花を見つけたという経験はありませんか。

花姿が地味で記憶に残りにくい上に、開花期間が短く、さらに芳香が遠くまで飛んでいくという特徴があるため、特に香りが強く記憶に残るようです。金木犀の香りがすると何故か懐かしい気持ちになるという人が多いのはこのせいかもしれません。

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金木犀(キンモクセイ)を育てる前に

金木犀は日本の風土になじみやすく、とても育てやすい庭木です。土壌を選ばず、少しくらい日当たりが悪い場所でも花を咲かせるので、庭の北側に植えられているのを見かけます。

あまり条件を選ばない庭木ですが、風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなるので、不要な枝を整理するなどの剪定が必要です。また、大きくなるので、植え付け時にスペースを確保しておいた方がよいでしょう。

常緑で、葉の密度が高いので、目隠しの植栽として役立つ反面、下の方の草花に日光や雨が当たりづらくなるというデメリットもあります。周囲の植栽との調和も考えるようにするとお庭にまとまりが出ます。

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金木犀(キンモクセイ)の育て方|剪定

金木犀(キンモクセイ)

生長が早く、高さも放っておくと5mくらいまで大きくなります。あまり大きくしないで楽しむつもりであれば、1年に1回、面倒でも2年に1回くらいは剪定しましょう。

金木犀は、春に新芽を作って秋に花を咲かせます。剪定を行うのであれば秋の花が終わったあと、厳寒期を避けた冬の間がチャンスです。樹形を整える意味も含めてこの時期に少し強めに剪定しましょう。

金木犀(キンモクセイ)の剪定方法

金木犀はとても大きくなるので、あまり大きくしたくないのであれば、高さを止めてしまいましょう。ストップさせたい高さで樹をカットしてしまいます。それでもすぐに脇枝が伸びてきて、上に伸びていくのでまた剪定してください。鉢植えもこの方法で管理できます。

常緑で葉も枝も密度が高いので、冬の間に風通しを良くする意味も含めて、古い枝も間引くように落としましょう。風通しをよくすることは病害虫対策にもなります。

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金木犀(キンモクセイ)の育て方|病害虫と対処法

金木犀の育て方

金木犀はとても丈夫で、病害虫の被害にあいにくいという優れた特徴があります。香りに含まれる成分が、害虫の類を寄せ付けない効果を発揮するのだとも言われています。それでもたまには被害にあうことがあります。見つけ次第対処してください。

カイガラムシ

カイガラムシは日当たりと風通しの悪い場所に発生しやすい傾向にあります。幹や枝の裏側など、日頃から日が当たりにくい場所は時々チェックしましょう。カイガラムシは樹の養分を吸い取り枯らしてしまうので、見つけ次第除去しましょう。

まだ柔らかいうちであれば、歯ブラシなどでこそぎ落とします。地面に落ちたカイガラムシは、もう上がってきません。固くなっているようであれば、根気よくナイフやハサミなどを使ってこそぎ落とすか、薬剤を散布します。

ハダニ

乾燥が続くとハダニが発生することがあります。発生すると葉が黄ばんで枯れていきます。ハダニは葉の裏側に密集するようにつくので、色の悪くなった葉の裏を確認すればわかります。ハダニが発生したら、傷んだ葉は取り除きましょう。あとは乾燥が続くような時期はたっぷりと水やりをして、葉にも水をかけるようにしてください。水枯れを起こさないように管理することがコツです。

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金木犀(キンモクセイ)は実がつかない?

金木犀(キンモクセイ)

金木犀には実がつかないことにお気づきでしたか。雌雄異株の植物で、日本には雄株しか存在しません。そのため、結実することがありません。

ということは、現在日本で育っている金木犀は、みんな挿し木などで増えているものだということになります。日本に存在しているものはみんなクローンだなんて!びっくりしますね。これは、金木犀が突然変異から生まれた種を増やし続けたからではないかと言われています。そう考えると、あまり個体差なく、一斉に開花するのも納得がいきます。

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金木犀(キンモクセイ)の食べ物や飲み物

魅力的なキンモクセイの香りを、体の内側にも取り込んでみたいと思いませんか。キンモクセイの香りを飲んだり食べたり楽しみましょう。キンモクセイの香りの食品をご紹介します。  桂花醤(ケイカジャン) キンモクセイのジャムです。キンモクセイの花を水あめやシロップで煮詰めたもので、とてもいい香りがします。そのままパンに付けても楽しめます。煮込み料理の甘味料として使うと、香りもついて独特な風味のある仕上がりになります。

金木犀の香りの食品をご紹介します。飲んだり、食べたりして楽しみましょう。

桂花醤(ケイカジャン)

花を水あめやシロップで煮詰めたもので、とてもいい香りがします。そのままパンに付けても楽しめます。煮込み料理の甘味料として使うと、料理に香りがついて独特な風味のある仕上がりになります。

桂花陳酒

花を白ワインに漬け込んで香りを移したお酒です。糖度も高く飲みやすいので、女性やお酒に弱いという人にも人気があります。唐の玄宗皇帝が楊貴妃の為に作らせたお酒とも、楊貴妃が好んで飲んだお酒とも言われています。

桂花茶(ケイカチャ)

花を乾燥させたものなので、金木犀そのものの香りがします。桂花茶のみでも香りを楽しむことは出来ますが、ウーロン茶などに混ぜて飲むと、奥行のある香りを楽しめます。

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香りだけでなく、育てやすいのも魅力の金木犀。自宅で甘い芳香を楽しめるなんて、とっても贅沢です。秋の優しい香りの花を楽しんでください。

 

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植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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