黄色い花が咲く春の花木11選

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金子三保子

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春に黄色い花が咲く木をご紹介します。白やピンクを優しく引き立てる淡い黄色や青空に生える華やかな黄色。次のお散歩は黄色い花に注目してみませんか。

目次

早春に黄色い花が咲く木

蝋梅(ロウバイ)

蠟梅(ロウバイ)

開花時期:1月~2月

蝋梅は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。ほかの木々が休眠中の冬から早春に、いち早く咲き始めます。名前に梅とありますが、分類的には梅ではありません。品種がたくさんあり、基本種の蝋梅は花弁が細めで中心が茶褐色、よく見かけるソシンロウバイは花弁全体が黄色です。英名ではWinter sweet。寒い冬に甘い香りを放つ蝋梅にぴったりの名前がついています。

蝋梅(ロウバイ)

  • 蝋梅(ロウバイ)は、中国原産のロウバイ科の落葉低木です。初春に蝋(ロウ)でコーティングしたような質感の淡い黄色の花が開花し、花には芳香があります。蝋梅(ロウバイ)と名がついていますが、梅の仲間ではありません。花の少ない1月~2月頃に明るい黄色の小花が枝の先に開花し、葉は花の後に出てきます。 蝋梅(ロウバイ)の仲間は園芸品種も数種あります。従来の蝋梅(ロウバイ)は、花の中心部が赤黒くなっているのが特徴です。園芸品種の中には花芯まできれいなクリーム色の蝋梅(ロウバイ)もあります。   非常に強健で、あまり土壌を選びません。半日陰くらいでも花を咲かせ、昔から庭木として人気があります。

マンサク

マンサク

開花時期:1月~2月

マンサクは、マンサク科マンサク属の落葉低木。マンサクの花はユニークな形で、ひものように細い花弁は4枚。固まって咲くので、花弁の多いひとつの花のように見えます。

マンサクには日本に自生するマンサクのほか、中国原産のシナマンサクがあり、シナマンサクの方が開花が若干早く1月頃、マンサクは2月に入ってから開花します。両者を掛け合わせた園芸品種もあり、花色は黄色のほか、赤やオレンジなどもあります。

開花が早いため、前年の枯葉が落ち切らない中で花が咲くのも特徴のひとつです。1月から咲き始めるシナマンサクの方が、マンサクより枯葉が多くついている中で開花します。

マンサク(満作)

  • マンサク(満作)は、まだ寒さが残る2月頃から、はっとするような黄色い花を咲かせ、いち早く春の訪れを教えてくれる日本原産の落葉低木。日本各地の山林にも自生していて、紅葉も美しい樹木です。 花びらは長さ約2㎝ほどの線形で、遠くまで良い香りが漂います。葉より先に花が咲くため、満開時は木一面を花が覆いつくします。派手さはありませんが、あたりの木々がまだ落葉している中での花はとても目立ちます。 マンサク(満作)は生長が遅く、狭い場所への植え付けにも向きます。耐寒性に優れ、病害虫の害も少なく育てやすいため、庭木のほか街路樹としても植栽されています。 マンサク(満作)の名は、春一番に咲く「まず咲く」という言葉が変化してつけられたと言われています。また、マンサク(満作)はたくさんの花をつけるので、作物の豊年満作を占う植物として古くから親しまれてきました。そのことから豊年満作を祈願して名前が付けられたとも言われています。

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春に黄色い花が咲く木

ミツマタ

ミツマタ

開花時期:2月~3月

ミツマタは、ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。三つに分かれた枝の先に蜂の巣のような形の下向きにつく花は、外側から開花し徐々に球状になります。花に見える部分は正確には花ではなく、萼(がく)が変化したものです。黄色のほか、赤花ミツマタという品種もあります。

ミツマタ

  • ミツマタは、ジンチョウゲ科の落葉低木です。枝が必ず三つに分岐する特徴が名前の由来です。強い繊維質の樹皮は和紙の原料として使われるほか、明治時代に初めてお札の原料として採用され、現在も利用されています。 ミツマタの花は、梅の花が咲く頃の2月後半から3月上旬に咲き始めます。新芽が出る前に、三つに分かれた枝の先に咲く蜂の巣のような形状の下向きにつく花は、徐々に球状になります。花に見える部分は、正確には花ではなく、萼(がく)が変化したものです。花色は明るい黄色で芳香があり、オレンジがかった赤色の赤花ミツマタという品種もあります。

サンシュユ

サンシュユ(山茱萸)

開花時期:3月~4月

サンシュユは、ミズキ科ミズキ属の落葉高木。春に咲く花木類の中では比較的開花が早く開花します。背丈のある木の枝一面が黄色に染まり、開花時はとても華やかです。

 

サンシュユ(山茱萸)

サンシュユの花は、黄色い小花が30個ほど集まって直径2~3㎝くらいの小さな花序になって咲きます。

サンシュユ(山茱萸)

  • サンシュユ(山茱萸)は、春に葉が出るより先に花を咲かせ、株全体を鮮やかな黄色に染めるミズキ科の落葉高木です。春に咲く花木類の中では比較的開花が早く、周囲の木々が芽吹く前か芽吹きだした頃のため、黄色に染まった木はとても目を引く存在になります。花は、黄色い小花が30個ほど集まって直径2~3㎝くらいの小さな花序になって咲きます。 サンシュユ(山茱萸)は春一番に黄金色の花を咲かせることから「春黄金花(ハルコガネバナ)」とも呼ばれます。秋にはグミの実に似た真っ赤な実をつけ、その実が珊瑚のようにも見えるため「アキサンゴ」の別名もあります。 サンシュユ(山茱萸)は中国と朝鮮半島が原産で、江戸時代の中頃に薬用植物として日本に渡来したと言われています。サンシュユ(山茱萸)の赤い実は、滋養強壮などの生薬として広く使われてきましたが、日本では黄色の小花や赤い実、薄茶色の幹肌が好まれ、観賞用の花木として庭木や公園樹木、切り花に多く用いられています。

ミモザ

3月4月の花 ミモザ

開花時期:3月~4月

ミモザは、ギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称です。ここでは日本で最もよく見かけるギンヨウアカシアを紹介します。

樹木として人気のミモザは、春の花屋さんでもよく見かける切り花でも人気の花です。銀色がかったグリーンの葉と、明るい黄色の花のコントラストが美しい樹木です。

ミモザ(アカシア)

  • 「ミモザ」はギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称です。シルバーリーフと呼ばれる銀色がかったグリーンの葉が特徴的な半落葉~常緑高木です。本来の「ミモザ(mimosa)」はオジギソウの学名ですが、黄色の房状の花が咲くアカシアの仲間の呼び名として使われています。 ミモザ(アカシア)は庭木としても人気です。銀色がかったグリーンの葉と、春先に咲く明るい黄色の花のコントラストが美しい樹木です。ただしミモザ(アカシア)は庭植えにすると非常に大きくなるので、植える場所を考える他に毎年の剪定が必要になります。 3/8は国際女性デーといって、女性の政治的自由と平等を訴える日として国連が制定しています。この日はイタリアでは「女性の日」とされ、女性への日頃の感謝を込めて、男性から女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣があります。日本でも「ミモザ(アカシア)の日」とされ、女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣が定着しつつあります。

キブシ

キブシ

開花時期:3月~4月

キブシは、キブシ科キブシ属の落葉低木。ソメイヨシノより少し早い時期に長さ5~10cmくらいのクリームイエローの房状の花が、枝からぶら下がるように開花する姿は印象的です。

キブシ(木五倍子)

  • キブシ(木五倍子)は日本の山野に自生する雌雄異株の落葉低木です。キブシ(木五倍子)という名前の由来は、染料に使われていたフシ(五倍子)の代用品とされたことに因んでいます。 春先、桜より少し早い時期に長さ5~10㎝くらいの房状の花を、枝から下げるように咲かせる姿が特徴的です。淡いクリーム色の花は地味ですが、山野の趣があり、茶花としても使用されます。キブシ(木五倍子)は、その花の咲き方から「キフジ」と呼ばれることもあります。あまり見かけませんが赤花種もあります。

ヒュウガミズキ

ヒュウガミズキ

開花時期:3月~4月

ヒュウガミズキは、マンサク科トサミズキ属の落葉低木。3月~4月にかけて淡い黄色の花がうつむいたような姿で開花します。派手さはありませんが楚々としてかわいらしい花です。

 

ヒュウガミズキ

葉はハートのような形で、花が開花した後に芽吹きます。初夏の青葉、秋の紅葉とも美しく目を引きます。

ヒュウガミズキ

  • ヒュウガミズキは、マンサク科トサミズキ属の落葉低木です。耐寒、耐暑性ともに優れ、自然樹形で育てられ手間がかからないため、公園や川沿いなどの公共空間の植栽にも植栽されています。自然樹形の他、刈り込みに堪えるので生垣にもできます。 ヒュウガミズキの花は、3月~4月にかけて淡い黄色の花がうつむいたような姿で開花します。派手さはありませんが楚々としてかわいらしい花です。葉はハートのような形で、花が開花した後に芽吹きます。初夏の青葉、秋の紅葉とも美しく目を引きます。 ヒュウガミズキは枝もの花材としても流通し、年末~年始は芽吹き枝、2月頃には花つきの枝ものとして出回っています。

トサミズキ

トサミズキ

開花時期:3月~4月

トサミズキは、マンサク科トサミズキ属の落葉低木で、高知(土佐)に自生することが名前の由来です。3月~4月にかけて淡い黄色の花がうつむいたような姿で開花します。

よく似ているトサミズキとヒュウガミズキの見分け方は、花穂が長いのがトサミズキ、短めなのがヒュウガミズキです。どちらも低木に分類されますが、トサミズキの樹高は3~4mくらいになるのに対して、ヒュウガミズキは1~2m。刈り込んで生垣としても使われます。

 

トサミズキ

開花後の若葉の芽吹きや青葉の時期も見ごたえがあります。

トサミズキ

  • トサミズキは、マンサク科の四国原産の落葉低木で、高知(土佐)に自生することが名前の由来です。古くから盆栽、庭木、公園樹などとして親しまれています。 3月下旬~4月にかけて、1cmに満たない淡い黄色の小さな花が7~8個程度集まって、ぶら下がるように開花します。よく似た木のヒュウガミズキは、花の数が1~3個なので見分けることができます。花の開花後、葉が芽吹き、若葉の芽吹きや青葉の時期も見ごたえがあります。

レンギョウ

レンギョウ

開花時期:3月~4月

レンギョウは、モクセイ科レンギョウ属の落葉低木。まずはじめに花が咲き、花が終わるころに葉が出てきます。地際から多くの枝を出し、枝一面に黄色の花が咲くため、開花時はとても華やか。遠くからでもレンギョウが咲いているなと気づきます。レンギョウは複数の種類があり、種類によって樹形に違いがあります。

レンギョウ(連翹)

  • レンギョウは、春の訪れを黄金色の花で華やかに告げる落葉低木。地際から多くの枝を出し、2~3mの高さで株立ちする性質から、刈り込んで生垣に仕立てられることもあります。長く伸びた枝先は垂れさがり、地面に付くとそこから根をおろす性質があります。早春に萌芽するより先に、前年枝に黄金色の花を咲かせ、花冠は直径2.5cmほどで4つに深く裂けるように分かれます。花が終わるころから葉が展開します。 同じレンギョウ属に類似種が多数ありますが、枝が空洞なことから区別が出来ます。中国やヨーロッパ各地でもレンギョウ属は多く植栽され、春の訪れを感じる花として人気があります。

ヤマブキ

ヤマブキ

開花時期:4月~5月

ヤマブキは、日本全国に自生しているバラ科ヤマブキ属の落葉低木。春から初夏にかけて明るい黄色の花を枝一面に咲かせます。

 

3月4月の花 ヤマブキ

ヤマブキの黄色は少しオレンジがかった黄色で、山吹色という色の名前にもなっています。株立ちで2~3mくらいに生長し、枝垂れた枝一面に花が咲いたときは圧巻です。最近は枝もの花材として、バニライエローの「バニラスター」という品種も流通しています。黄色以外では、白い花のシロバナヤマブキもあります。

山吹(ヤマブキ)

  • 山吹(ヤマブキ)は、春に美しいオレンジ色に近い黄色の花を咲かせる落葉低木です。北海道から本州に自生しています。 山吹色という色の名前はこの山吹(ヤマブキ)の花の色が由来です。春に山吹色の花を枝一面に咲かせる姿はとても美しく見事です。株元から伸びたそれぞれの枝は、自然に弓なりになり、枝一面に花をつけます。花は一重の他、八重もあります。また白い花が咲く白花山吹もあります。 とても強健で育てやすい植物です。植え付け後は乾燥さえ気を付ければ、ほとんど手間がかからず、毎年株元から新しい枝が出て大株に生長します。放っておくと大きな茂みになるので、剪定や株分けで整理します。

マグノリア・エリザベス

マグノリアエリザベス

開花時期:4月~5月

マグノリア・エリザベスは、マグノリア・アクミナータというキモクレンとハクモクレンを交配してできたモクレンです。一般的なモクレンやハクモクレンの開花より1か月ほど遅い晩春に、クリームイエローの大輪の花が開花します。つぼみが開き始めたときは緑がかった色、咲きだすと徐々にクリームイエローに変化します。

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百花繚乱、美しい花木が次から次へと開花する春。今度のお散歩では、色に注目して歩いてみませんか。

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金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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