キンモクセイ(金木犀)の剪定は11月がおすすめです!

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小野寺葉月

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キンモクセイ(金木犀)を剪定(せんてい)しよう。そもそも剪定とは?

樹木の枝を切ることで形を整えたり、風通しを良くしたりすることの総称です。

庭木のお手入れの中のひとつで、6つの利点があります。

①全体のバランス揃えてを見た目を美しくする

②不要な枝を落として木が栄養を効率よく吸い上げられるようにする

③古い枝を落とし、新しい枝に更新する

④病気になった枝や葉を取り除いて木の健康・美観を保つ

⑤風通しを良くして病害虫の繁殖を予防、木の内側にも日差しがあたるようにする

⑥花付き・実付きをよくする

剪定時期はいつ?

剪定に適している時期は、木の種類によって異なります。冬に樹木が休眠している時期、春に備えて形を整える剪定をする場合が多いです。花を楽しみたい樹木は、花芽を落としてしまわないように、花が咲いた後から次に花芽を付ける前までに剪定したほうがいいとされます。

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キンモクセイ(金木犀)はいつ剪定するの?

キンモクセイ(金木犀)の剪定は2月、3月と11月

キンモクセイ(金木犀)の剪定時期は2月3月と花が終わった後の11月です。花が咲いた後に少し軽めに剪定をして、2月~3月に樹形を調える剪定を行います。キンモクセイ(金木犀)は1年間に15cmほど伸びる生長の早い木ですが、目立って樹形が乱れるわけではありません。キンモクセイは常緑小高木なので、樹高が5m以上、大きいものになると8m(だいたいマンションの3階くらいの高さですね)にもなります。そうなってしまうと、なかなか自分で剪定するのは至難の業。また、キンモクセイは枝が両側に伸びる対生という生え方なので、枝が込みやすい傾向にあります。枝が込むということは枝の数が物理的に増え、うっそうと茂ってしまい風通しが悪くなってしまうのです。

風通しが悪くなると

風通しが悪くなると庭木は病害虫が発生しやすくなります。キンモクセイ(金木犀)はメイガやイラガがアブラムシ、カイガラムシなど発生しやすくなります。病気ではうどん粉病にかかることがあります。剪定をするときは虫がいないかどうかも同時に確認しながら作業を進めるようにしましょう。

キンモクセイ(金木犀)の開花時期はこちら

キンモクセイ(金木犀)を剪定してはいけない時期

一般的に花を楽しむ庭木は、庭木が花芽をつけてからは剪定できません。花芽を付けた後の剪定は独特の芳香があるオレンジの花が咲くと秋の訪れを感じることができるキンモクセイ(金木犀)ですが、春先から夏にかけて花芽を付け、花を咲かせる準備が始まります。花芽をつける時期に剪定をしてしまうと、花数が減ってしまったり、咲かなくなってしまうことがあります。春から夏にかけては剪定を避けるようにしましょう。なお、花つきを気にしなければ一年中剪定は可能です。

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キンモクセイ(金木犀)を剪定してみよう!

樹齢約30年のキンモクセイ(金木犀)。枝の密度も濃く、元気よく茂っているように見えますが・・・昨年はあまり花付きが良くなかったとのこと。花つきが悪いのは、日照不足が原因??枝が込み入りすぎて、花が付く新芽に日があたらなかったのかもしれません。

樹齢約30年のキンモクセイ(金木犀)。枝の密度も濃く、元気よく茂っているように見えますが……昨年はあまり花付きが良くなかったとのこと。花つきが悪いのは、日照不足が原因??枝が込み入りすぎて、花が付く新芽に日が当たらなかったのかもしれません。

 

大体このくらいのサイズにしたい場所にあたりをつけます。オレンジのマルで囲ってあるところが剪定仕上がりのイメージです。

大体このくらいの仕上がりサイズにしたい場所にあたりをつけます。オレンジのマルで囲ってあるところが剪定仕上がりのイメージです。

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キンモクセイ(金木犀)の剪定するべき枝とその名前

まず外側から、と行きたいところですが、慣れてない場合は内側や幹周辺から生えている不要な枝から落としていきましょう。剪定時期や剪定方法は種類によって異なりますが、剪定するべき枝はほとんど同じです。剪定するべき枝のことを「不要枝(ふようし)」「忌み枝(いみえだ)」などといいます。金木犀(キンモクセイ)は枯れ枝も残りやすいですが、新芽がついているものもあるので気を付けて切っていきます。

画像左上から、反時計周り順で説明します。  ①懐(ふところ)枝  幹付近から伸びた枝。日が当たりにくく、空気もこもりがちなため、害虫の温床になりやすい。  ②徒長枝  枝から真上に伸びすぎてしまった枝。雨風などで折れやすいことと、害虫の温床になりやすい。  ③かんぬき枝  主幹をかんぬきのように横に貫いて左右対称に生えている枝。全体の樹形のバランスを見ながら、左右どちらかを剪定する。  ④交差枝  他の枝と交差してしまっているもの。樹形を考慮して、不要な枝を剪定することが必要。  ⑤からみ枝  その名のとおり、枝が絡み合ってしまっているもの。  ⑥下がり枝  垂れ枝ともいい、横に伸びた枝から下に向かって伸びている枝。  ⑦胴吹き枝  幹吹きともいい、幹の根元付近から上に伸びた枝。樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまうため、早めの選定が必要です。  ⑧ヤゴ・ひこばえ  樹木の根元から生えてくる枝。樹形の見栄えが悪くなるとともに、胴ふき枝同様、樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまう。また、躓きやすくなる。  ⑨立ち枝  通常横に広がるはずの枝がまっすぐ伸びてしまったもの。樹形に悪影響があります。  ⑩車枝  枝の一部分から多数の枝が出ているもので、車輪状に枝が伸びているもの。  ⑪平行枝  複数の枝が平行に伸びてしまっている枝。そのままにしておくと下の方の枝の日当たりが悪くなってしまう。  ⑫腹切枝  幹と交差する太い枝のことを言います。  ⑬逆さ枝  幹に向いて生えてしまっているもの。

画像左上から、反時計周り順で説明します。

①懐(ふところ)枝

幹付近から伸びた枝。日が当たりにくく、空気もこもりがちなため、害虫の温床になりやすい。

②徒長枝

枝から真上に伸びすぎてしまった枝。雨風などで折れやすいことと、害虫の温床になりやすい。

③かんぬき枝

主幹をかんぬきのように横に貫いて左右対称に生えている枝。全体の樹形のバランスを見ながら、左右どちらかを剪定する。

④交差枝

他の枝と交差してしまっているもの。樹形を考慮して、不要な枝を剪定することが必要。

⑤からみ枝

その名のとおり、枝が絡み合ってしまっているもの。

⑥下がり枝

垂れ枝ともいい、横に伸びた枝から下に向かって伸びている枝。

⑦胴吹き枝

幹吹きともいい、幹の根元付近から上に伸びた枝。樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまうため、早めの剪定が必要です。

⑧ヤゴ・ひこばえ

樹木の根元から生えてくる枝。樹形の見栄えが悪くなるとともに、胴ふき枝同様、樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまう。また、躓きやすくなる。

⑨立ち枝

通常横に広がるはずの枝がまっすぐ伸びてしまったもの。樹形に悪影響があります。

⑩車枝

枝の一部分から多数の枝が出ているもので、車輪状に枝が伸びているもの。

⑪平行枝

複数の枝が平行に伸びてしまっている枝。そのままにしておくと下の方の枝の日当たりが悪くなってしまう。

⑫腹切枝

幹と交差する太い枝のことを言います。

⑬逆さ枝

幹に向いて生えてしまっているもの。

以上の不要枝を落とすだけでも、すっきりすることがあります。

剪定技法のいろいろ

透かし剪定

不要枝を落としたあと、まだ込み入っている枝がある場合は、全体が均一になるように透かし剪定をしていきます。

 

透かし剪定とは、伸びすぎたり混みすぎたりしている枝を適度に透かす剪定方法です。枝の密度を適度にすることで、日当たりや風通しが改善できます。風通しを良くすることで病害虫の予防にもなり、また樹形を良くすることも出来ます。大きくなり過ぎた樹木を小さくすることを目的とした強剪定と、枝先の不要な枝をおとす弱剪定があります。

透かし剪定とは、伸びすぎたり混みすぎたりしている枝を適度に透かす剪定方法です。枝の密度を適度にすることで、日当たりや風通しが改善できます。風通しを良くすることで病害虫の予防にもなり、また樹形を良くすることも出来ます。大きくなり過ぎた樹木を小さくすることを目的とした強剪定と、枝先の不要な枝をおとす弱剪定があります。

キンモクセイ(金木犀)の剪定方法

キンモクセイ(金木犀)は今年伸びた枝の剪定をします。枝は三つ又になることが多いので、真ん中の枝は根元から切り、両サイドの枝は別れたところから1,2節のところで剪定します。

赤いラインのところで剪定します。  残す枝の先端を上記のように剪定し、その後全体的に形を整えていきます。遠くから眺めつつ、残す枝と落とす枝を決め、少しずつ手を入れていきます。

赤いラインのところで剪定します。

残す枝の先端を上記のように剪定し、その後全体的に形を整えていきます。遠くから眺めつつ、残す枝と落とす枝を決め、少しずつ手を入れていきます。

キンモクセイ(金木犀)の剪定ができた

全体的に透けるような感じになり、形も小さくなりました。  秋の花つきを見ながら、毎年少しずつ手を入れるのがきれいに保つコツです。

全体的に透けるような感じになり、形も小さくなりました。

秋の花つきを見ながら、毎年少しずつ手を入れるのがきれいに保つコツです。

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キンモクセイ(金木犀)を剪定するときにもう一つ見てほしいこと

それは、虫の卵と、繭。キンモクセイ(金木犀)にはメイガの幼虫などが付くのですが、たまにイラガが発生することがあります。イラガは、発生した木で繭になることも多いため、剪定ついでにイラガの繭も一緒にチェックしておきましょう。万が一、入っている繭を発見した場合は、捕殺しておきましょう。イラガの幼虫には毒針がありますが、繭になった時には毒は抜けているので、手でつぶしても大丈夫です。ちなみにイラガの繭(の中身)はタナゴなどのつり餌に最適なんだとか。

イラガの繭は木のまたや枝元など、見つかりにくい所に作られます。見つけたら捕殺するようにしましょう。

イラガの繭は木のまたや枝元など、見つかりにくい所に作られます。見つけたら捕殺するようにしましょう。

 

 こちらは去年の繭のようで、中はカラでした。この抜け殻がある木はまた発生する可能性があるので、お庭のお手入れの際には気を付けてみるようにしましょう

こちらは去年の繭のようで、中はカラでした。この抜け殻がある木はまた発生する可能性があるので、お庭のお手入れの際には気を付けてみるようにしましょう

▼イラガの記事はこちらから

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キンモクセイ(金木犀)を剪定するときにお手本にしてほしいもの

自分で剪定するときは、自然に生えている木(自然樹形)をお手本にするとよいです。また、里山(人の手が入っている山)はお手本としては理想的です。近くに山などがない場合は、公園などでもいいですし、植木屋さんが剪定した後の木を参考に見るのもよいでしょう。

剪定に必要な道具

剪定バサミ

花卉の茎から直径1.cmくらいまでの枝なら剪定が可能。手になじみが良いもので、軽めのものを選ぶようにしましょう。通常サイズより1回り小さい女性用のものや、左利き用のハサミもあります。

植木バサミ

刃先がとがっており、刃部分も細いため、剪定バサミより細かい作業に適しています。込み入った枝の剪定などに。無理に太い枝を切ろうとすると刃がこぼれやすくなるので気をつけましょう。

刈り込みバサミ

生垣やトピアリーなどの広い面積を刈り込むのに適しています。柄は真中程を持つようにします。

高枝切りバサミ

高いところの枝を切るためのハサミです。慣れない場合はグリップを握って使用するタイプが使いやすいです。

高枝ノコギリ

高枝切りバサミのハサミ部分がノコギリになっているタイプです。ハサミタイプよりも太い枝の時に使用します。その際は、枝が自分の方へ落ちてこないよう、注意しながら進めます。

脚立

あると何かと便利な脚立。使用する場合は切りたい枝の真下に置くのではなく、少し手前に引いた位置に置くこと。切りたい部分を斜めに見上げるようにして使います。

▼剪定についての記事はこちらから

 

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剪定は植物をきれいに楽しむためには必要な知識です。剪定をするようになると、植物のことおのずと観察するようになるので、きっとたくさんの発見があると思います。剪定は毎年少しずつするのがおすすめです。キンモクセイ(金木犀)の花つきをよくするためにも、ぜひ春先の剪定を試してみてください。もし剪定が大変なときは、一番最初は植木屋さんにおねがいして、次年度から自分でやってみてもいいかもしれませんね。

 

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小野寺葉月

中高短で美術を学び、卒業後観葉植物も扱う雑貨店で店長、バイヤーを担当。産後LOVEGREEN編集部で季節や庭木、虫の記事担当しつつ、説明や挿絵などで再び絵を描き始める。Botapiiでもエディブルガーデン他のイラストを担当。縁あって現在はフィリピンのセブ在住。ダイビングリゾートで広報も担当している為、海の中やマクロダイビングの世界に夢中。魚より珊瑚やホヤ、海藻など植物寄りの世界が好き。勘と勢いで生きている。

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