沈丁花|春を知らせる甘い香りの小さな花
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沈丁花は、早春のまだ花が少ない時期に香り高い花を咲かせます。風に乗ってくる香りで春の訪れを実感する方も多いのではないでしょうか。春を知らせる沈丁花の特徴や香りの魅力、育て方、楽しみ方を紹介します。
目次
沈丁花の特徴と香りの魅力

沈丁花は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。早春に香り高い花を咲かせることで有名な花木です。
特徴
原産地は中国ですが、自生地は確認されていません。室町時代以前に日本に渡来したとされています。
樹高は1~1.5m程度、葉は4~10cmほどの細長い楕円形、表面に光沢のある濃いグリーンで放射状に展開します。前年の秋ごろから葉の中心に小さなつぼみが確認できるようになり、2月~3月頃に20個ほどの小花が毬のようなかたまりになって咲きます。花の外側は赤紫色、内側は白色なので紅白のつぼみと花が混じり合っている様子を楽しめます。

花の外側も内側も白一色の「シロバナジンチョウゲ」という品種もあり、こちらは清楚な印象を受けます。他にも外側が淡いピンクの「ウスイロジンチョウゲ」があります。
また、葉に黄斑や白い斑が入った品種もあり、こちらは花が咲いていない時期も明るい葉色を楽しむことができます。
名前の由来と香りの魅力
沈丁花という名前は、花の香りが沈香(じんこう)という香木に似ていること、花のフォルムが丁子(ちょうじ)に似ていることに由来します。中国名は「瑞香」、学名は Daphne odora で、種小名の odora は、「香りが良い、芳香がある」という意味のラテン語です。沈丁花は、夏のクチナシ、秋の金木犀と並んで「三大香木」や「三大芳香花」として有名です。
中国では「七里香」という別名も付けられているとか。なんでも「沈丁花の華やかな香りが風に乗って七里先まで漂っていくから」だそうですが、一里= 4kmと考えると少し大げさなようにも思えます。
沈丁花の香り成分は、リナロールやシトロネロール、ゲラニオールなど100種類以上が混じり合っているそうです。リナロールはラベンダーなどにも含まれるフローラルな香りで、心を落ちつかせる効果があるといわれています。香水や香料などに沈丁花の香りのものは少なく、咲いている時期しか楽しむことができないというのも、魅力のひとつなのかもしれません。
沈丁花には実が付かない?
日本ではほとんど実をつけないため「沈丁花は雌雄異株で、日本にはほぼ雄株しかない」といわれていますが、実は雌雄異株ではありません。ひとつの花におしべとめしべがある両性花であることが確認されています。では、なぜほとんど結実しないのかについては、わかっていないそうです。これから研究が進むことを期待しましょう。
まれに赤い実を付けることがありますが、全草に毒を含んでいるので口に入れることのないように気をつけてください。
沈丁花の育て方

場所や用土
日当たりが良い方が花付きが良くなります。半日陰から日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
水はけが良い土を好みます。地植えにするなら、先に赤玉土をすき込むなど、土壌改良を行うとよいでしょう。
水やり
根付いてからは降雨に任せて問題ありません。夏季など、高温乾燥が続いて、葉がしおれてくるようなことがあったら、早朝か夕方にたっぷりと水やりしましょう。鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。
肥料
開花後の4月と生育期である9月に緩効性肥料を施します。開花前の2月に寒肥を施すとよいでしょう。
病害虫
病害虫の被害の少ない庭木ですが、春にアブラムシが付くことがあります。見つけ次第駆除するようにしましょう。風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。風通し良く管理することを心がけてください。
植え替え
移植を嫌うので、植え替えの必要がない場所を選んで植え付けるようにしましょう。根をいじられることを嫌い、傷つけると枯死してしまう恐れがあります。
鉢植えは、同じ鉢に植えっぱなしにしておくと、根詰まりを起こして生育が悪くなります。鉢底から根が見えてきたら根鉢を崩さないようにして、一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
剪定
自然樹形でこんもりと丸い形に整うので、特に剪定の必要はありません。混み合った枝や、暴れた枝は、開花後早めに剪定するようにしましょう。ただし、強剪定を好まず、花が咲かなくなったり、株が弱る原因となるため、不要な枝を摘み取る程度にしておきましょう。
挿し木
実を付けないので、挿し木で増やす方法が一般的です。4月~7月頃に切り取った枝を十分に吸水させてから、鹿沼土や赤玉土に挿し、水を切らさないように管理して、新芽が確認できたら鉢に植え替えて育てます。
冬越し
常緑ですが、耐寒性はそれほど強くありません。寒冷地ではマルチングを施して、根の凍結を防ぐようにしましょう。
沈丁花を暮らしに取り入れよう

沈丁花の中国名「瑞香」の瑞は、おめでたいことや吉兆という意味です。早春に芳香を放つ沈丁花の花は、春の訪れを知らせる縁起の良い木だったようです。
葉の密度が高く常緑であることから、生垣として人気があります。樹高が低いので目隠しの役目は果たせませんが、香りの良い花が咲く生垣として楽しむことができます。
花言葉
沈丁花の花言葉は「栄光」「勝利」「永遠」「不死」「不滅」です。
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