手入れのいらない庭木|低木、目隠しやシンボルツリーにおすすめ34種

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山田智美

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手入れの少ない庭木としておすすめの樹種を低木、落葉樹、常緑樹、おしゃれな庭木に分けて34種と、シンボルツリーや目隠しにもなる庭木の選び方も紹介します。気になる庭木が見つかりますように。

目次

手入れのいらない庭木とは?

手入れのいらない庭木とは?

手入れのいらない庭木とは、ローメンテナンスであるということ。つまり維持のための手間が少ない庭木のことを指します。

手間が少ないというのは、剪定や施肥、病害虫対策などの手間があまりかからないということです。あくまで手間が少なくて済むという意味であって、手間が皆無ということではありません。

庭木は植物です。草花のように生長は速くありませんが、生きている以上は生長し、姿を変えるのは必然です。手入れの頻度やかかる時間とライフスタイルのバランスを考えて、手間がかからず、管理しやすい庭木を選びましょう。

シンボルツリーになる手入れのいらない庭木とは?

シンボルツリーになる手入れのいらない庭木とは、自然樹形で整いやすく、病害虫の被害も少ない庭木のこと。常緑樹、落葉樹は問いません。

エゴノキやスモークツリー、ソヨゴなど、お庭のシンボルとしての存在感があり、手間のかからない樹種が向いています。

目隠しになる手入れのいらない庭木とは?

目隠しになる手入れのいらない庭木とは、目線の高さまで生長する常緑樹で、枝葉の密度が高い庭木のこと。

一年中緑の葉を絶やさない常緑樹は外からの気になる視線を遮断してくれます。さらに自然樹形で整いやすく、病害虫の被害も少ない樹種がおすすめです。

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手入れのいらない庭木|低木12種

ジンチョウゲ

手入れのいらない庭木|ジンチョウゲ

  • 樹高:1.5m
  • 花期:3月~4月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら適宜剪定

ジンチョウゲは春に香りの良い花を咲かせる常緑低木。自然樹形で丸く整いやすく、さらに剪定をしなくても翌年も花を咲かせるので、手間のかからない庭木です。葉が込みあうと病害虫が発生しやすくなるので、適宜剪定するようにしてください。

沈丁花(ジンチョウゲ)

  • 沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます。沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に小さな花が毬のような塊になって枝先に咲きます。花が白い品種を「シロバナジンチョウゲ」、花の外側が淡紅色になっているものを「ウスイロジンチョウゲ」と言います。ちなみに、葉の外側に斑が入っているものを「フクリンジンチョウゲ」と呼びます。 沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴と言えば香り高い花。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。沈丁花(ジンチョウゲ)の原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。 沈丁花(ジンチョウゲ)の樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。沈丁花(ジンチョウゲ)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。日本で流通している沈丁花(ジンチョウゲ)の多くは雄株なので、実を見る機会はめったにありませんが、赤い可愛らしい実を付けます。ただし、実は猛毒ですので口に入れないように注意しましょう。

ヒュウガミズキ

手入れのいらない庭木|ヒュウガミズキ

  • 樹高:2~3m
  • 花期:3月~4月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら適宜剪定

ヒュウガミズキは春に明るい黄色の花を咲かせる落葉低木。自然樹形が美しい庭木なので剪定の手間はかかりません。枝葉が込みあうと病害虫が発生しやすくなるので、適宜剪定するようにしてください。

ヒュウガミズキ

  • ヒュウガミズキは、マンサク科トサミズキ属の落葉低木です。耐寒、耐暑性ともに優れ、自然樹形で育てられ手間がかからないため、公園や川沿いなどの公共空間の植栽にも植栽されています。自然樹形の他、刈り込みに堪えるので生垣にもできます。 ヒュウガミズキの花は、3月~4月にかけて淡い黄色の花がうつむいたような姿で開花します。派手さはありませんが楚々としてかわいらしい花です。葉はハートのような形で、花が開花した後に芽吹きます。初夏の青葉、秋の紅葉とも美しく目を引きます。 ヒュウガミズキは枝もの花材としても流通し、年末~年始は芽吹き枝、2月頃には花つきの枝ものとして出回っています。

ミツマタ

手入れのいらない庭木|ミツマタ

  • 樹高:2m程度
  • 花期:2月~3月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら花後に剪定

ミツマタは初春に砂糖菓子のようなかわいらしい花を咲かせる落葉低木。花色は黄色と朱色があります。どこまでも枝が3つに分岐していくのが名前の由来。自然樹形で整うので、あまり手間がかかりません。

ミツマタ

  • ミツマタは、ジンチョウゲ科の落葉低木です。枝が必ず三つに分岐する特徴が名前の由来です。強い繊維質の樹皮は和紙の原料として使われるほか、明治時代に初めてお札の原料として採用され、現在も利用されています。 ミツマタの花は、梅の花が咲く頃の2月後半から3月上旬に咲き始めます。新芽が出る前に、三つに分かれた枝の先に咲く蜂の巣のような形状の下向きにつく花は、徐々に球状になります。花に見える部分は、正確には花ではなく、萼(がく)が変化したものです。花色は明るい黄色で芳香があり、オレンジがかった赤色の赤花ミツマタという品種もあります。

クロモジ

手入れのいらない庭木|クロモジ

  • 樹高:3m程度
  • 期:3月~4月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら落葉期に剪定

クロモジは枝葉に芳香を持つ落葉低木。最近では精油も人気があります。シンボルツリーにおすすめです。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝葉が込みあってきたら落葉期に剪定します。

クロモジ

  • クロモジ(黒文字)は、3月~4月に淡い黄色の小さな花を咲かせる落葉低木です。お茶の席で出される和菓子などに使われる、皮がついたままの爪楊枝は、クロモジ(黒文字)が材料となっています。西日本では、爪楊枝の事を黒文字と呼ぶ地域もあるようです。 クロモジ(黒文字)の名前の由来は、樹皮に黒い斑点があり、その斑点がまるで文字が並んでいるように見えたことからと言われています。 クロモジ(黒文字)の葉や枝には爽やかな香りがあり、お茶として飲用される他、精油(アロマオイル)の原料にもなっています。 クロモジ(黒文字)の楚々とした雰囲気は、和風の庭やナチュラルガーデン、雑木風の庭に相性が良い樹木です。クロモジ(黒文字)の枝は、切り花としても流通していて、生け花やフラワーアレンジの花材としても使われます。派手さはありませんが、若葉、青葉、花、紅葉と見どころのある樹木です。

カルミア

手入れのいらない庭木|カルミア

  • 樹高:1~3m
  • 花期:5月~6月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら花後に剪定

カルミアは初夏に白やピンクの金平糖のような花を咲かせる落葉低木。自然樹形で整うのであまり剪定の手間はかかりません。枝葉が込み合うと病害虫が発生しやすくなるので、花後に剪定するようにしてください。

カルミア

  • 原産地では樹高10mほどになりますが日本では1m~3mほどにとどまる常緑低木でその花とつぼみの姿が特徴的です。つぼみは金平糖のような、チョコレート菓子のアポロに似た形で花が開くと五角形の皿型になります。晩春につぼみが膨らみ開花期間は初夏から梅雨入りにかけて約1カ月ほどと長く、終わった花は散らずに茶色くなって残ります。葉は長さ7~10cmの光沢のある革質の濃い緑色で通年鑑賞できます。葉がシャクナゲやローレルに似ていることから別名アメリカシャクナゲやハナガサシャクナゲ、アメリカン・ローレルと呼ばれています。

ユスラウメ

ユスラウメ

  • 樹高:2~3m
  • 花期: 3月~4月
  • 収穫期:6月~7月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら落葉期に剪定

ユスラウメは初夏に赤くサクランボのような果実を実らせる落葉低木。春に咲く小さな梅のような花もかわいらしい庭木です。自然樹形で整うので、あまり剪定の手間がかかりません。枝葉が込みあってきたら、落葉期に剪定します。

ユスラウメ

  • ユスラウメは、春に梅や桜に似た美しい花を枝いっぱいに咲かせ、初夏にさくらんぼのような真っ赤な小さな果実を実らせる落葉低木。新芽の明るいグリーンも美しく、花も実もない時期も楽しめます。丈夫で育てやすいため、庭木としてもおすすめの果樹です。 熟した果実は生食でき、甘酸っぱい味がしてジャムなどに用いられます。また、ユスラウメは漢方薬としても使われます。 ユスラウメの名は、花が梅の花に似ていることや枝の上部に繁茂して風が吹くと揺れやすいこと、枝を揺さぶって実を落とすことなどからその名が付いたと言われています。また、江戸時代に日本に渡来したときの名「ゆすら」が残り、梅に似ていることをプラスしてユスラウメになったという説もあります。

シロヤマブキ

シロヤマブキ

  • 樹高:1~2m
  • 花期:4月~5月
  • 主な手入れ:枝の元気がなくなったら基部から剪定

シロヤマブキは春に白い花を咲かせ、秋に黒い果実を実らせる落葉低木。特に剪定等の手間はかかりませんが、枝の寿命が短いので、勢いがなくなってきた枝は基部から切りとるようにします。

シロヤマブキ(白山吹)

  • シロヤマブキ(白山吹)は、春にヤマブキ(山吹)の花に似た白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。花が同じ季節に咲くヤマブキ(山吹)の花に似ていることから名づけられました。 適度な湿気を好むので、夏に西日が当たりすぎるような場所に植栽するのは不向きです。適した場所に植栽すれば丈夫で育てやすく特別な手間が必要ないので、庭木の他、公園樹としても植栽されています。

ムラサキシキブ

手入れのいらない庭木|ムラサキシキブ

  • 樹高:2~3m
  • 花期:6月
  • 観賞期:10月~11月
  • 主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

ムラサキシキブは初夏のピンクの小花と秋の紫色の果実が魅力の落葉低木。シンボルツリーにおすすめです。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝が伸びて暴れてきたら落葉期に剪定します。

ムラサキシキブ(紫式部)

  • ムラサキシキブ(紫式部)は、秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。葉の色は実がなりだす初秋は緑、秋が深まってくると徐々に黄色く色づき、紫色の実と葉の色合いが目を引きます。その美しい実から英名ではJapanese beautyberryとも言われています。実は葉が落葉した後もしばらくついていますが、冬に自然に落下します。 ムラサキシキブ(紫式部)の近縁にコムラサキがあり、流通上はコムラサキも含めてムラサキシキブ(紫式部)として販売されています。園芸店で販売されているムラサキシキブ(紫式部)はコムラサキの方が多いため、個人宅や公園などの公共スペースの植栽で見られるのはほとんどがコムラサキです。それぞれは樹高や実の付き方に違いがありますが(下記参照)、育て方に違いはありません。

ツリバナ

手入れのいらない庭木|ツリバナ

  • 樹高:3m程度
  • 花期:5月~6月
  • 観賞期:9月~11月
  • 主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

ツリバナは変わったフォルムの果実が印象的な落葉低木。華奢な枝が美しいのでシンボルツリーにおすすめです。。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝が暴れてきたら落葉期に剪定してください。

マユミ

手入れのいらない庭木|マユミ

  • 樹高:3m程度
  • 花期:5月~6月
  • 観賞期:9月~11月
  • 主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

マユミは秋の紅葉と、果実が美しい落葉低木。シンボルツリーにおすすめです。熟すとピンク色の果皮が割れて、なかから朱色の種子が現れます。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝が暴れてきたら落葉期に剪定してください。

ナツハゼ

手入れのいらない庭木|ナツハゼ

  • 樹高:1.5~2m
  • 花期:5月~6月
  • 観賞期:10月~11月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ナツハゼは新緑から秋の紅葉まで楽しめる落葉低木。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。2mほどまで生長するので、小さなお庭のシンボルツリーにおすすめです。

キンカン

手入れのいらない庭木|キンカン

  • 樹高:1~2m
  • 花期:7月~8月
  • 収穫期:1月~5月
  • 主な手入れ:枝が伸びて暴れてきたら収穫後に剪定

キンカンはミカン科の常緑低木。金色の果実は、果皮が甘く、果肉は酸味が強いのが特徴です。キンカンは放っておいても枝が暴れないので、剪定の手間がかからない庭木です。枝葉が込みあうと病害虫が発生しやすくなるので、収穫後早めに剪定します。

キンカン(金柑)

  • キンカンはミカンの木に似ていますが葉はミカンの葉より小さく、7月から8月頃に小さな白い花が咲く樹木です。常緑低木なので樹丈が1~2m位です。楕円形の形をしているキンカンの葉は、冬の間でも付いています。キンカンの実はミカンのようにオレンジ色で、鶉の卵位の大きさです。実の中には種が入っており キンカンの一番の特徴は、家庭の庭で簡単に育てて楽しむことができ、果物の生る樹木であることです。実だけでなく、皮まで食べられます。耐寒性があるので育てやすく、病害虫にも比較的強い果樹です。キンカンの種類は沢山ありますが、鑑賞用と食用に分けられます。

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手入れのいらない庭木|常緑樹5種

常緑ヤマボウシ

手入れのいらない庭木|常緑ヤマボウシ

  • 樹高:3m~5m
  • 花期:5月~7月
  • 収穫期:9月~11月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら適宜剪定

常緑ヤマボウシは初夏に咲く白い花、秋の果実が美しい落葉高木。枝をあまり横に広げず、樹形が乱れにくいので剪定等の手間が少ない庭木です。常緑樹で目線以上の高さに生長するので目隠しにも向いています。

ヤマモモ

手入れのいらない庭木|ヤマモモ

  • 樹高:5m~10m程度
  • 収穫期:6月~7月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら適宜剪定

ヤマモモは高く生長する常緑高木。夏に実る果実は甘く、生食できます。大きくなるのでシンボルツリーに向いています。

ヤマモモ(山桃)

  • ヤマモモ(山桃)は、ヤマモモ科の常緑高木。日本の暖地や中国、フィリピンなどに自生し、初夏に熟す果実は食用になります。庭木のほか、公園や街路樹としても植えられ、身近な場所で見かける樹木です。 樹高5~20mほどになり、葉は5~10cmで細長く、表面に光沢があり、冠状に広がります。花は地味であまり目立たず、咲いていても気づかないほどです。雌雄異株なので雄株と雌株では花の形状が違います。 ヤマモモ(山桃)の実が熟すのは、6月下旬~7月です。葉の間に丸く赤い実を数個まとめて実らせます。瑞々しく甘酸っぱい実は生食できますが、日持ちしないため市場に出回ることはほとんどありません。

カクレミノ

手入れのいらない庭木|カクレミノ

  • 樹高:3~5m
  • 観賞期:10月~11月
  • 主な手入れ:枝葉が込みあってきたら適宜剪定

カクレミノは光沢のある葉、冬に実る青みを帯びた黒い果実が美しい常緑高木。葉が大きいので目隠しに好まれます。あまり樹形が乱れないので、手間のかからない庭木です。

金木犀(キンモクセイ

手入れのいらない庭木|金木犀(キンモクセイ)

  • 樹高: 5~6m
  • 花期: 9月~10月
  • 主な手入れ:大きくなり過ぎたら適宜剪定

金木犀(キンモクセイ)は秋に咲く香りの良い花が魅力の常緑高木。シンボルツリーとして人気があります。また、葉の密度が高いので目隠しとしても好まれます。大きく生長するので、数年に一度強剪定を行うようにしましょう。すぐに生長し、翌年にはまた花を楽しめるようになります。

金木犀(キンモクセイ)

  • 金木犀(キンモクセイ)は、秋に甘い香りを漂わせながらオレンジ色の小花が開花するモクセイ科の常緑樹です。庭木としての他、公園や街路樹としても利用され、甘い香りのする花は秋の訪れを知らせてくれるような存在です。金木犀(キンモクセイ)のオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。 金木犀(キンモクセイ)の名付け親は、植物学の父と呼ばれ、NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者の牧野富太郎博士で、学名にもMakinoの名があります。また、遠くまで香りが届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていました。 金木犀(キンモクセイ)の花は食用にもなり、原産地・中国では花を砂糖漬けやシロップ、リキュールなどに利用します。中国茶の桂花茶(けいかちゃ)は、金木犀(キンモクセイ)の花を乾燥させたお茶です。

ソヨゴ

手入れのいらない庭木|ソヨゴ

  • 樹高:5~10m
  • 花期:5月~6月
  • 観賞期:10月~11月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら適宜剪定

ソヨゴは光沢のある葉と、晩秋に赤く色づく果実が美しい常緑高木。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。目隠しとしてもシンボルツリーとしても活躍する庭木です。

ソヨゴ

  • ソヨゴは漢字では「冬青」と書く日本から中国中南部の山地に分布する常緑広葉樹です。樹高は一般には5~10mで生長はやや遅く、樹皮は灰褐色で滑らかです。早期に樹形が整い剪定の手間があまりかからないので野趣のある庭木として人気があります。葉は4~8cm前後で卵状の楕円型をしていてやや薄い革質で艶があり縁が大きく波打ちます。雌雄異株で5月~6月に目立たない白い花をつけ、雄花は散形状に3~8個開き、雌花は1~3個開きます。8mmほどの果実は球形で秋に赤く熟して果柄が長くぶらさがり、実は冬まで残ります。が黄色く熟す変種もあります。果実は野鳥の好餌でもあります。

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手入れのいらない庭木|落葉樹10種

河津桜(カワヅザクラ)

手入れのいらない庭木|河津桜(カワヅザクラ)

  • 樹高:5~10m
  • 花期:2月~3月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら適宜剪定

河津桜(カワヅザクラ)はピンクの花色が美しい早咲きの桜。シンボルツリーにおすすめです。生長がゆっくりで自然樹形が美しいので剪定の手間の少ない庭木です。枝葉が込みあってきたら、適宜整枝するように剪定します。

河津桜

  • 河津桜はサクラ属の落葉高木です。静岡県の河津町で発見されたのが名前の由来です。河津桜は早咲き種で、関東では2月頃から咲き始めます。桜の代表として一般的に有名なソメイヨシノよりも1~2ヶ月早く開花します。さらに、河津桜はソメイヨシノよりも花色が濃いピンクをしていること、ソメイヨシノに比べて花期が長いことも特徴として挙げられます。 河津桜は園芸品種ではなく自然交雑種だと言われています。つまり人によって改良され作り出された品種ではなく、自然の産物です。オオシマザクラとカンヒザクラの交雑種ではないかと推定されています。 河津桜は、関東ではまだ寒い早春の2月頃から開花し、春の訪れをいち早く報せてくれる桜です。色も濃く明るいピンクであることも併せて人気が高く、最近では個人の庭や公園、街路樹などにも多く利用されるようになってきました。

モクレン

手入れのいらない庭木|モクレン

  • 樹高:5m
  • 花期:3月~4月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

モクレンは春に咲く赤紫色の花が美しい落葉高木。シンボルツリーにおすすめです。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。花も樹形も美しいのでシンボルツリーにおすすめです。枝が込みあってきたら、落葉期に整枝するように剪定します。

木蓮(モクレン)

  • モクレン(木蓮)は早春に鮮やかな紫やピンクの花を咲かせるモクレン科の落葉樹です。その花が蓮を連想させることから「木蓮」と書かれるようになりました。 一般的にモクレン(木蓮)というと、紫色の木蓮(モクレン)をさすことが多く、樹高が10~20mになる白いモクレン(木蓮)はハクモクレンと呼ばれています。花びらの枚数はモクレン(木蓮)は6枚、ハクモクレンは9枚の違いがあります。 開花中に出てくる葉は、花の終わりごろには花を隠してしまうくらいになります。樹丈は5m前後位で横に広がりやすい樹形です。 モクレン(木蓮)は生長が早いので、植え付けをしてから数年で4~5m位まで生長します。暑さ、寒さに強いので育てやすく、園芸種も多数あります。 木蓮(モクレン)は、マグノリアという名前で流通していることがあります。マグノリアとは、モクレン類の学名で、シモクレン、ハクモクレン、コブシ、シデコブシ、キモクレン、タイサンボクなどを含んだ総称です。

ハナミズキ

手入れのいらない庭木|ハナミズキ

  • 樹高:10m
  • 花期:4月~5月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ハナミズキは春に咲く花、新緑、秋の紅葉と果実と、四季を通して美しい落葉高木。シンボルツリーとしても人気があります。枝が込みあってきたら、落葉期に整枝するように剪定します。

ハナミズキ(花水木)

  • ハナミズキはミズキ科の落葉樹で、桜(ソメイヨシノ)が咲き終わるころ、白やピンクの美しい花が開花します。北米原産でアメリカを代表する花のひとつで、別名「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。 昔は桜やイチョウなどが多かった街路樹ですが、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキです。樹齢が古くなると10m以上まで生長しますが、桜やイチョウほど大きくならないのも最近の街路樹として利用される原因かもしれません。現在は全国各地に分布し、極端に寒さの厳しい地域以外なら栽培可能です。寿命は桜と同じく80年程度と言われています。 花だけでなく、花が終わった後に出てくる葉も美しく、枝は横に広がるように生長します。   秋になると赤い実がなり、紅葉した後に落葉します。落葉樹の中では、色づきだすのと葉が落ちるのが早いほうです。自然樹形が美しく、花、葉、実、紅葉、樹形と、一年を通して見どころの多い樹木なので、街路樹のほか庭木にもよく利用されます。

エゴノキ

手入れのいらない庭木|エゴノキ

  • 樹高:7~8m
  • 花期:5月~6月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

エゴノキは春の白い花と樹形が美しい落葉高木。存在感もあるのでシンボルツリーとして人気です。枝が込みあってきたら、落葉期に整枝するように剪定します。

エゴノキ

  • エゴノキとは、樹高は7~15m前後になる落葉高木で日本にも広く分布しています。雑木林などにも自生している他、庭木としても親しまれています。樹皮は暗紫褐色でつるんとしてなめらかです。 エゴノキの葉は長さ4~8cmで互生します。5~6月頃に直径2cmほどの5弁の白い花が鈴なりにぶら下がって咲き、独特の美しさがあります。エゴノキの花の散り方は、花びらを散らさずに、咲いていた形のままで落下していきます。白い花がくるくると回りながら落ちていく姿は、とても可愛らしい趣きがあります。秋早めに果実が熟して、1果に1つだけ入っている種を出します。 株立ちのエゴノキは華奢な幹と風が抜けるような涼し気な姿が美しく、シンボルツリーとして人気があります。暑さ、寒さに強い丈夫な樹種で自然樹形のままで整うのも、庭木として人気の理由です。緑陰樹にはなりませんが花が美しいので公園や緑地にも植えられます。ピンクの花が咲く品種もあります。

シャラノキ

手入れのいらない庭木|シャラノキ

  • 樹高:10~15m
  • 花期:6月頃
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

シャラノキは夏にツバキに似た白い花を咲かせる落葉高木。木肌、花、樹形ともに美しい庭木です。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。シンボルツリーにもおすすめです。

夏椿(シャラの木)

  • 夏椿(シャラの木)は、6月頃にツバキに似た白い花を咲かせるツバキ科の落葉高木です。夏椿(ナツツバキ)という和名は、ツバキに似た花を夏に咲かせることから名付けられました。 9月~10月頃には小さな実ができ、熟すと先が裂けて種子が出ます。   夏椿(シャラの木)は日本原産で、東北以南の山地に自生しています。葉の形は先がとがったタマゴ形、葉は明るい黄緑色で葉脈がはっきりして、新緑や紅葉も楽しめる樹木です。幹は灰褐色でなめらかでサルスベリに似ています。 シャラの木(沙羅の木)という名は、この植物がお釈迦様が入滅するときに近くに生えていたサラソウジュ(沙羅双樹)に似ていることに由来すると言われています。サラソウジュは寒さに弱く日本では育ちにくいため、日本の寺院などにはサラソウジュに似ているシャラの木が植えられてきた歴史があるそうです。最近は、花や葉、幹の美しさからマンションのエントランスの庭木、個人宅のシンボルツリーや庭木としてもよく使われています。

ニワトコ

手入れのいらない庭木|ニワトコ

  • 樹高:3~10m
  • 花期:5月~6月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ニワトコは樹形が美しい落葉高木。枝葉が込みあうと中の方の枝に日光が当たらなくなるので、落葉期に剪定します。樹形が美しいのでシンボルツリーにおすすめです。

ネムノキ

手入れのいらない庭木|ネムノキ

  • 樹高:10m
  • 花期:6月~7月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ネムノキは羽毛のようなピンク色の花がかわいらしい落葉高木。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。大きくなるのでシンボルツリーにおすすめです。枝葉が込みあってきたら落葉期に剪定します。

ねむの木(ネムノキ、合歓木)

  • ねむの木(ネムノキ)はマメ科ネムノキ属の落葉高木です。地植えにしておくと10mくらいにまで大きくなります。日本の風土に良く合い丈夫なことから、庭木の他、公園や寺社などにも好まれて使用されます。山野に自生していることもあります。 ねむの木(ネムノキ)の特徴は、水鳥の産毛のようなふわふわとした花と、葉の就眠運動です。花は花芯近くの白から、花びらの先端に向かって淡いピンクへとグラデーションが付いているのが印象的です。ふわふわとした淡いピンク色の花が高木の上の方の枝に咲いている姿は愛らしく、いつまでも眺めていたくなります。 もう一つの特徴である葉の就眠運動とは「ねむの木(ネムノキ)」の名前の由来にもなっているものです。ねむの木(ネムノキ)の葉は、鳥の羽に似た形状の羽状複葉(うじょうふくよう)です。羽状複葉とは葉柄の両側に小さな葉が羽のように広がっている様子を言います。ねむの木(ネムノキ)の名前、は夜になるとこの葉を眠るように閉じることから付けられたと言われています。「合歓木」という漢字も、中国ではこの葉を閉じる様子を夫婦円満に見立てて名付けられたと言われています。

ナツメ

手入れのいらない庭木|ナツメ

  • 樹高:5m以上
  • 花期:5月~6月
  • 収穫期:9月~10月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ナツメは晩夏から秋に実る果実がおいしい落葉高木。果実が青いうちは青リンゴのようなシャリシャリとした食感が楽しめ、赤くなるとふかふかとした食感に変わります。インパクトのある木なのでシンボルツリーにおすすめです。枝葉が込みあってきたら落葉期に剪定します。

ナツメ(棗)

  • ナツメ(棗)は、果実を食用にするクロウメモドキ科の落葉高木です。栄養効果が高いことで有名なデーツはナツメヤシの果実であり、ナツメ(棗)とは別種です。ナツメ(棗)の果実は、青い時は青リンゴに似た甘味と食感があります。完熟すると茶に近い赤色となり、果肉は柔らかく変化します。 ナツメ(棗)は、枝に鋭い棘があるのが特徴です。葉が繁っている期間は見えづらいので、幹に触れるときは注意が必要です。ナツメ(棗)を収穫する際には軍手を着用するようにしましょう。 雌雄同株ですので、1本で結実します。ナツメ(棗)の果実は生食も出来ますが、乾燥させたものが漢方では生薬として扱われています。日本ではナツメを果物として食べる習慣はあまりなく、出回りはあまりありません。    

ザクロ

手入れのいらない庭木|ザクロ

  • 樹高:3~5m
  • 花期:6月~7月
  • 収穫期:9月~10月
  • 主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

ザクロは秋に実る果実が印象的な落葉高木。硬い果皮が割れて、なかから宝石のような果肉が現れます。夏のオレンジ色の花も美しいのでシンボルツリーにおすすめです。枝が暴れてきたら、落葉期に剪定します。

ザクロ(石榴・柘榴・ざくろ)

  • ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。夏に咲くオレンジ色の花も、秋に熟す果実も観賞用とされています。果実は食用にもなります。生食ができる他、ジュース果実酒にして楽しめます。 私たちがよく見かけるザクロの実は、直径5~10cmほどのオレンジ色のボールのような果実ですが、これは熟れる直前のものです。木に実るザクロは熟すと果実がはじけ、果皮が裂けて果肉が見えるようになります。中には小さな種子を包む半透明で赤紫色の果肉がたくさん入っています。この小さな果肉は一つの果実に多いと800粒も含まれていると言われています。 果実ばかりが注目されますが、ザクロの花も観賞価値があります。花は緋色のようなオレンジ色で一重咲きから八重咲まであります。また、淡い黄色がかった白い花が咲く品種もあります。 ザクロは落葉性小高木に分類されますが、大きなものは5m以上にもなります。反対にヒメザクロや一才ザクロのように、小さなままで開花、結実する品種もあります。 意外と知られていないことですが、ザクロの木には鋭いトゲがあります。枝に触れるときには気を付けるようにしてください。

ガマズミ

手入れのいらない庭木|ガマズミ

  • 樹高:5m程度
  • 花期:3月~5月
  • 収穫期:10月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

ガマズミは秋に実る真赤な果実が宝石のように美しい落葉高木。枝を横に広げる樹形も美しいのでシンボルツリーにおすすめです。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝が込みあってきたら落葉期に剪定します。

ガマズミ

  • ガマズミとは、日本の山野に自生する落葉高木です。ガマズミにはたくさんの種類がありますが、厳密に「ガマズミ」というとこのViburnum dilatatumを指します。春の桜が咲く頃、ガマズミの花は咲き始めます。真白な円形の集合花序を作ります。秋にはその花を真赤に結実させ、小さな赤い実をぎっしりと実らせます。真赤に熟した果実は酸味が強く生食は出来ませんが、アルコールに漬け込んで果実酒にして楽しむことが出来ます。

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おしゃれで手入れのいらない庭木7種

スモークツリー

手入れのいらない庭木|スモークツリー

  • 樹高:3~4m
  • 花期:6月〜7月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら花後に剪定

スモークツリーは名前の通り煙のような花を咲かせる落葉高木。シンボルツリーとしても人気です。自然樹形で整うので特に剪定の手間はかかりません。枝が込みあってきたら花後に剪定します。ウルシ科なので手入れの際は手袋の着用をおすすめします。

スモークツリー

  • スモークツリーは、初夏になると穂状の花序に小さな黄色の花が無数に開花します。雌雄異株で、タネを結ばない不稔花である雌木の軸の部分(花柄)が長く伸びて、羽毛のようなふわふわとした触感と見た目になります。雄木の花柄は雌木に比べて小さいので、煙がくすぶっているようには見えません。切り花や庭木として植栽されているのは雌木です。花柄は長いもので20cm以上にもなります。開花後のスモークツリーの花柄が、煙がたっているかのように見えることが名前の由来です。庭木の他、花柄が付いた枝ものとして初夏に多数流通しています。 スモークツリーは花柄だけでなく、葉も魅力的で、紅葉も美しい樹木。暑さ寒さにも強く、手入れが簡単なこともあり、おしゃれな庭木として人気です。ウルシ科のため、剪定した際の切り口に素手で触れるとかぶれることがあります。ヤニもあるので、作業で触る際には手袋をするようにしましょう。 ▼スモークツリーの関連記事はこちら スモークツリー|初夏に花が咲くおしゃれな庭木 スモークツリー トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「スモークツリー」。初夏に咲く、ふわふわした花が魅力的… 戸松敦子 2022.05.31 庭木・シンボルツリー

ジューンベリー

手入れのいらない庭木|ジューンベリー

  • 樹高:2~10m
  • 花期:3月~4月
  • 収穫期:6月

主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

ジューンベリーは春の小さな桜のような花、初夏の赤い宝石のような果実、秋の紅葉と四季を通して美しい落葉高木。シンボルツリーとしても人気です。枝が暴れてきたら、落葉期に剪定します。

ジューンベリー

  • ジューンベリーは、名前の通り6月に赤い果実をつける落葉小高木。春に咲く白い花、新緑の葉、初夏の小さな宝石のような果実、秋の紅葉と四季折々に楽しむことのできる果樹です。果実はほんのりとした酸味と甘み、芳香があります。耐寒性・耐暑性があり、自家結実性があるので1本で収穫することができます。 ジューンベリーの花は直径1~2㎝程度と小さく、花びらが5枚あり桜のような形状をしています。花の見頃は3月下旬から4月地上旬頃、桜のソメイヨシノが咲き始めるよりも少し早く満開を迎えます。華奢な枝の先に小さな花をたわわに咲かせるのが特徴です。風で散ってしまう花びらの儚さも魅力の一つです。 ジューンベリーの果実の食べ頃は5月後半~6月です。4月に花が終わった後、段々と果実が色づき始め、5月には真赤になります。さらにもう少し辛抱強く待って、黒んずんだ赤になった頃がジューンベリーの果実の食べ頃です。 ジューンベリーはシンボルツリーとしてよく使われる他、街路樹としても植栽されています。白い花とかわいい赤い実、紅葉、樹形が美しいことなど、1年を通して楽しみがたくさんあることが庭木として好まれる理由です。

ジャカランダ

手入れのいらない庭木|ジャカランダ

  • 樹高:3~15m
  • 花期:5月~6月
  • 主な手入れ:枝が暴れてきたら落葉期に剪定

ジャカランダは初夏に青紫色の美しい花を咲かせる落葉高木。大きくなる庭木ですが、樹高3m程度の矮性種もあります。樹形が美しいのでシンボルツリーとしてもおすすめ。樹形が乱れてきたと感じたら、落葉期に剪定を行います。

ジャカランダ

  • ジャカランダはノウゼンカズラ科の落葉高木です。初夏に青紫色の花を咲かせます。葉は鳥の羽のような繊細な形状をしています。ジャカランダは世界3大花木のひとつとされています。世界三大花木とは、鳳凰木(ほうおうぼく)、火炎木(かえんぼく)ともうひとつが紫雲木(しうんぼく)という和名を持つジャカランダです。 ジャカランダは熱帯地方の乾期に花が咲き、花後か花と同時に新芽を出します。暑さには強く寒さには弱い性質を持っています。ある程度の高木にならないと花が咲かないので、日本ではジャカランダの花の鑑賞は難しいとされてきました。最近では日本国内でも温暖な地方では満開のジャカランダを見られます。 原産地は南米ですが、ポルトガルでは大航海時代に南米から入ってきたものが根付いたと言われており、ポルトガル人にとっても特別な花です。日本人が春の桜を心待ちにするように、ポルトガルでは青紫のジャカランダの花が愛されているそうです。 ジャカランダは温暖な気候を好むため、関東以北の露地では越冬が難しいと考えられています。小さなサイズの鉢植えのジャカランダは、観葉植物として親しまれています。小さな鉢植えのジャカランダは花は咲きませんが、明るいグリーンの葉に観賞価値があります。  

ドドナエア

手入れのいらない庭木|ドドナエア

  • 樹高:2~3m
  • 花期:5月~6月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら適宜剪定

ドドナエアはオリーブに似た葉が印象的な常緑低木。2~3mほどまで生長するので目隠しとしても人気です。あまり枝を広げない樹形なので、コンパクトに育てられます。枝が込みあってきたら、適宜剪定をします。

セイヨウニンジンボク

手入れのいらない庭木|セイヨウニンジンボク

  • 樹高:3m程度
  • 花期:7月~9月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら落葉期に剪定

セイヨウニンジンボクは夏に涼し気な薄紫色の花を咲かせる落葉低木。花には芳香があります。葉も樹形も美しいのでシンボルツリーにおすすめです。放っておいても樹形が乱れないので、手間のかからない庭木です。枝が込みあってきたら、落葉期に剪定します。

セイヨウニンジンボク

  • セイヨウニンジンボクは、夏に薄紫色の穂状の花を咲かせるシソ科の落葉低木です。ニンジンボクの名は、葉の形が朝鮮人参に似ていることにちなみます。丈夫な上に夏から秋まで咲き続け、庭の花が少なくなる真夏も涼し気な薄紫色の花が開花します。花や葉には芳香があり、株元に近づくとほんのりと香りが漂います。 古くは婦人病に効果がある薬草として民間療法に利用されてきた歴史があり、薬草園などにも植栽されているのを見かけます。現在は、ハーブティーなどにも利用され、英名の「チェストベリー」「チェストツリー」の名前で流通していることが多いようです。  

クチナシ

手入れのいらない庭木|クチナシ

  • 樹高:1~2m
  • 花期:6月~7月
  • 主な手入れ:オオスカシバの幼虫による食害に注意

クチナシは夏に香りの良い花を咲かせる常緑低木。強健ですが、オオスカシバの幼虫の食害にあいやすいのが難点です。見つけ次第捕殺します。

クチナシ

  • クチナシは常緑低木で、葉は光沢のある長い楕円で濃緑色で葉脈がはっきりとしています。クチナシはの花は6月~7月に白色の花を咲かせます。花弁はフェルトのような優しい風合いをしています。香りが特徴的で甘い香りを周囲に漂わせます。 花の形は八重咲と一重咲きがあり、一重咲きの品種は秋になると橙色の実をつけ、熟しても口を開かない事から「クチナシ」の名が付いたと言われています。 お庭に植えられる方も多いクチナシですがだいたい1m~2mにほどになります。枝が詰まって葉が育つ為、垣根としてに好まれます。また、『山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして(秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない)』という歌が由来の原点ともいわれています。

レモン

手入れのいらない庭木|レモン

  • 樹高: 5m程度
  • 花期: 4月~7月
  • 収穫期:11月~3月
  • 主な手入れ:枝が込みあってきたら適宜剪定

レモンは香り良く酸味のある果実を実らせる常緑高木。春から夏にかけて咲く花にも芳香があります。レモンはあまり樹形が崩れないので手間のかからない庭木です。枝が込みあってきたら適宜剪定します。

レモン(檸檬)

  • レモン(檸檬)は、ミカン科ミカン属の常緑低木です。レモン(檸檬)の木は樹高があまり高くならないので、ベランダでも育てやすい果実の一つです。春から初夏には芳香のある白い可愛らしい花を咲かせます。果実は卵型で酸味があります。果皮にも香りがあります。レモン(檸檬)の果実はグリーンから熟すと明るい黄色に変化します。 病害虫も比較的つきにくいため家庭でも育てやすいです。温暖な気候でよく育ちますが、柑橘類の中では耐寒性は弱い為、鉢植えでの管理のほうが育てやすい場合もあります。 レモン(檸檬)の果実はビタミン、カルシウム、カリウムなど栄養も豊富です。レモン(檸檬)の果実はフレッシュの状態で料理やお茶、お酒などの香り付けとして多く利用されています。さらにレモン(檸檬)は生食の他、ジュースやお酒、コンフィチュール、ドライフルーツとしても楽しめます。レモン(檸檬)の果皮も乾燥させてレモンピールとして焼き菓子やチョコレート等のお菓子に利用されます。

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気になる手入れのいらない庭木は見つかりましたか。手間がかかりすぎてガーデニングがストレスになっては元も子もありません。手入れの手間が少ない庭木を見つけて、ライフスタイルに合ったお庭との付き合い方を見つけてください。

 

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山田智美

植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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