山茶花(サザンカ)の剪定方法と害虫「チャドクガ」について
小野寺葉月
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剪定するべき枝とその名前
まず外側から、と行きたいところですが、剪定に慣れてない場合は内側や幹周辺から生えている不要な枝から落としていきましょう。剪定時期や剪定方法は樹の種類によって異なりますが、剪定するべき枝はほとんど同じです。
剪定するべき枝のことを「不要枝(ふようし)」「忌み枝(いみえだ)」などといいます。新芽がついているものもあるので気を付けて切っていきます。
画像左上から、反時計周り順で説明します。
①懐(ふところ)枝
幹付近から伸びた枝。日が当たりにくく、空気もこもりがちなため、害虫の温床になりやすい。
②徒長枝
枝から真上に伸びすぎてしまった枝。雨風などで折れやすいことと、害虫の温床になりやすい。
③かんぬき枝
主幹をかんぬきのように横に貫いて左右対称に生えている枝。全体の樹形のバランスを見ながら、左右どちらかを剪定する。
④交差枝
他の枝と交差してしまっているもの。樹形を考慮して、不要な枝を剪定することが必要。
⑤からみ枝
その名のとおり、枝が絡み合ってしまっているもの。
⑥下がり枝
垂れ枝ともいい、横に伸びた枝から下に向かって伸びている枝。
⑦胴吹き枝
幹吹きともいい、幹の根元付近から上に伸びた枝。樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまうため、早めの選定が必要です。
⑧ヤゴ・ひこばえ
樹木の根元から生えてくる枝。樹形の見栄えが悪くなるとともに、胴ふき枝同様、樹木の上部分に栄養がいかなくなってしまう。また、躓きやすくなる。
⑨立ち枝
通常横に広がるはずの枝がまっすぐ伸びてしまったもの。樹形に悪影響があります。
⑩車枝
枝の一部分から多数の枝が出ているもので、車輪状に枝が伸びているもの。
⑪平行枝
複数の枝が平行に伸びてしまっている枝。そのままにしておくと下の方の枝の日当たりが悪くなってしまう。
⑫腹切枝
幹と交差する太い枝のことを言います。
⑬逆さ枝
幹に向いて生えてしまっているもの。
以上の不要枝を落とすだけでも、すっきりすることがあります。
剪定のいろいろ
透かし剪定
不要枝を落としても、まだ込み入っている枝スペースがある場合は、全体が均一になるように透かし選定をしていきます。
伸びすぎたり混みすぎたりしている枝を適度に透かす剪定方法です。枝の密度を適度にすることで、日当たりや風通しが改善できます。風通しを良くすることで病害虫の予防にもります。樹形を良くすることが出来ます。大きくなり過ぎた樹木を小さくすることを目的とした強剪定と、枝先の不要な枝をおとす弱剪定があります。
剪定に必要な道具
剪定バサミ
花卉の茎から直径1.5㎝くらいまでの枝なら剪定が可能。手になじみが良いもので、軽めのものを選ぶようにしましょう。通常サイズより1回り小さい女性用のものや、左利き用のハサミもあります。
植木バサミ
刃先がとがっており、刃部分も細いため、剪定バサミより細かい作業に適しています。込み入った枝の剪定などに。直径1cmの枝までが限度です。無理に太い枝を切ろうとすると刃がこぼれやすくなるので気をつけましょう。
刈り込みバサミ
生垣やトピアリーなどの広い面積を刈り込むのに適しています。柄は真中程を持つようにします。
高枝切りバサミ
高いところの枝を切るためのハサミです。慣れない場合はグリップを握って使用するタイプが使いやすいです。
高枝ノコギリ
高枝切りバサミのハサミ部分がノコギリになっているタイプです。ハサミタイプよりも太い枝の時に使用します。その際は、枝が自分の方へ落ちてこないよう、注意しながら進めます。
脚立
あると何かと便利な脚立。使用する場合は切りたい枝の真下に置くのではなく、少し手前に引いた位置に置くこと。切りたい部分を斜めに見上げるようにして使います。
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いかがでしたか?
山茶花(サザンカ)を毎年きれいに咲かせるためには毎年の花後剪定が大切です。剪定は植物を楽しむために必要な知識です。剪定をするようになると、植物のことをおのずと観察するようになるので、きっとたくさんの発見があると思います。植物ともっと仲良くなって素敵なボタニカルライフを!
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