エディブルガーデン12か月|8月の作業
古幡真恵
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illustration:小野寺 葉月
エディブルガーデンとは?
野菜や果樹、ハーブなど食べられる植物を取り入れ、育てて収穫を楽しむことができる庭や菜園のことを意味します。
今年から家庭菜園を始めようとしているみなさんと一緒に楽しいエディブルガーデン作りを始めましょう。
さあ、エディブルガーデン12か月の始まりです!
目次
二十四節気〜8月は立秋・処暑
〜立秋〜
暦の上では秋の始まり。
まだまだ暑い日が続いているので気が早いようにも思いますが、そろそろ秋冬野菜の計画を立てる頃です。
〜処暑〜
暑さが止むという時候です。収穫もそろそろ一段落。春夏野菜のお片付けを始め秋冬栽培に向けて一歩踏み出しましょう。
7月のおさらい
・きゅりは早採りがおすすめ
・オバケきゅうりも美味しく食べましょう!
・ナスの更新剪定の方法
・ナスの更新剪定をしない場合はどんな時?
・完熟ミニトマトの見分け方とミニトマトの美味しい保存方法
家庭菜園〜8月の作業
8月末までに春夏野菜のお片付けする?しない?
ひとつでも実がなっていると、抜いてしまうなんて何だかもったいない…。反対に、もうこの苗は終わりだと思っていても、これから生長しだすこともある…。抜き取っていい苗か、このまま育てていく苗なのか迷ってしまいますね。
それでは、野菜ごとに苗を抜き取る時期について考えてみましょう。
キュウリは思い切って抜き取り!
illustration:小野寺 葉月
キュウリの苗はかなり疲れていませんか?思い切って苗を抜き取りましょう。
ミニトマトの抜き取る時期は、自己判断!
ハダニに侵され、葉が白く色が抜けてしまったミニトマトの苗
ミニトマトはアメリカ大陸原産で生育適温が20~25℃のため、苗さえ元気であればまだまだ生育を続けます。育てているミニトマトの苗の様子を見ながら、苗の抜き取りを行いましょう。
例えば、梅雨明けはミニトマトがハダニの被害に合いやすい時期です。トマトの苗が全体的にハダニに侵されてしまったら、あきらめて秋冬野菜に切り替えた方がいいかもしれません。
ナスの収穫は秋まで!
更新剪定したナスは、引き続き収穫して下さい。
7月下旬ごろ更新剪定したナスは弱剪定の場合は8月中旬頃から、強剪定の場合は8月下旬頃から収穫ができるような枝に生長します。引き続きナスの収穫をお楽しみください。
抜き取った苗の根をしっかり観察!
健康な根
さて、抜き取る苗が決まったら、さっそく抜き取っていきましょう。抜き取った苗の根をよく見てみると太い根と細い根があります。どちらの根も表面に凸凹のない、きれいな根をしています。
ネコブセンチュウに侵された根
根の部分に大小のこぶのようなものが出来ています。これは、ミニトマトやキュウリ、ナスなどのナス科に発生しやすいネコブセンチュウかもしれません。
ネコブセンチュウとは
illustration:小野寺 葉月
土の中に生息する1mm以下のセンチュウで、植物の根の養分を吸います。その被害部分が大小のこぶのような形になります。センチュウに侵された根は、充分な水分や養分を吸収することができず最後には枯れてしまいます。
もしかして、生育中も野菜の状態が悪かったのではないでしょうか。センチュウの大きさが1mm以下のため、肉眼で早期に発見することは難しいので、このように作物を抜き取るタイミングにしっかりとセンチュウの存在を確認する必要があります。
ここで注意!間違えないで、マメ科の根のコブは根粒菌!!
枝豆の根の根粒菌
枝豆の根の部分でこぶのようになっている個所はネコブセンチュウではありません。マメ科特有の根粒菌というものです。
根粒菌とは
この粒の中には根粒菌という微生物が存在しています。この根粒菌の働きは、大気中の窒素からマメ科の作物の中に植物の三大栄養素の一つである「窒素」を取り入れる働きをするものです。
つまり、根粒菌はマメ科の作物へいい影響を与えるものです。ネコブセンチュウとは全く異なりますので、注意しましょう。
ネコブセンチュウ対策
illustration:小野寺 葉月
①ネコブセンチュウの除去。
レーキや土ふるいで、被害を受けた苗の根を全て取り除きましょう。
②太陽熱で消毒。
被害を受けた土を透明ビニール袋に入れ、水分を含ませ、封をします。直射日光に2~3日ずつ両面に日を当てます。
大きな畑でのネコブセンチュウ対応
プランターの土やお庭の小さな家庭菜園の部分なら少量ですので、上記のような太陽光の消毒でネコブセンチュウの対応はできますが、大きな畑で発生した場合は、この方法でのネコブセンチュウの根絶は極めて難しいです。できるだけ丁寧に根を取り除く対応を心がけましょう。
どうしてもネコブセンチュウの被害がひどい個所は、根をできるだけ取り除いた後、土に水分を含ませた上に、透明のビニールシートをかけ、2~3日太陽光で消毒します。天地をひっくり返して再度消毒してみましょう。
▼その他のネコブセンチュウ対策はコチラ
秋冬野菜の植え付け前の作業
春夏野菜を抜き取った後は、土を耕して秋冬野菜の植え付けの準備をしましょう。
畑
1. 土を耕す
この時、ネキリムシ・ヨトウムシなどの幼虫が土の中に隠れていないか、しっかりチェックしながら耕していきましょう。
また、雨や人が踏み固めた地面を、よく根が張りやすいように、ふっくらとほぐしましょう。
2. 石灰を入れる
この時期使用する石灰は有機石灰をおすすめします。
〜有機石灰使用のメリット〜
有機石灰とは、牡蠣殻などの貝殻化石を原料とする石灰肥料のことです(使用されるものによってアルカリ分が異なります)。
有機石灰は消石灰や苦土石灰よりもアルカリ分が少なく、効果も穏やかなため速効性はありませんが、有機石灰を撒いた後すぐに種まき・定植ができるため石灰を使い慣れていない家庭菜園初心者さんにはおすすめの石灰です。
また、有機石灰は土が酸性に傾くと土中に溶けて中和しますが、中性であればそれ以上溶けることはありませんので入れすぎの場合も安心して栽培を続けられます。
3. 元肥投入
秋冬野菜は、追肥よりも初期成育に欠かせない元肥がとても重要です。忘れずに元肥を投入しましょう。
4. 畝立
畝を作るときは作業がスムーズにいくように畝の幅を指先から肘の長さ50cm位に、畝と畝の通路は足のサイズ30cm位を目安に作りましょう。高畝は排水性のアップさせ、低い畝は水持ちアップさせることができます。
illustration:小野寺 葉月
プランター
1. プランター内の土をほぐす
2. 有機石灰を入れる
3. 元肥投入
\秋冬野菜は何を育てますか?/
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