フェンネルとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- フェンネル
- 学名
Foeniculum vulgare
- 英名
- Fennel
- 科名
- セリ科
- 属名
- ウイキョウ属
- 原産地
- 地中海沿岸
フェンネルの特徴
フェンネルは、草丈が1m以上になる大型の多年草で、別名をウイキョウといいます。葉、花、茎、種をハーブとして古くから世界各地で栽培・利用されてきました。
日本には平安時代に中国から伝わったといわれています。葉は糸状でアスパラガスの葉のように細かく分かれ、折ると香りが立ち、魚料理などに利用されます。茎は直立して分枝し、頂部にはせり科独特の傘を開いたような小さな黄色い花を初夏に多数咲かせます。
長さ8mmほどの長い楕円形の果実を完熟手前で収穫したものは料理だけでなく消化促進のための生薬にも使われます。フェンネルシード(種)は実際は果実で、種はさらに中に入っています。
フェンネルの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
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草丈・樹高 | 1~2m程度 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 6月~8月 |
フェンネルの種類
スイートフェンネル
フェンネルの基本種。葉の香りが強く、香り付けや薬用などに幅広く使われます。
フローレンスフェンネル
株元が丸く肥大する特徴があり、その部分を食用とするため野菜として栽培されます。イタリアではフィノッキオと呼ばれ古くから親しまれています。
ブロンズフェンネル
葉が美しいブロンズ色になり、食用の他、庭のアクセントとして観賞用にも適しています。
フェンネルの花言葉
ディルとフェンネルの違い
見た目がとても似たハーブ、ディルとフェンネル。見た目の違いは、葉はディルの方が密集度が高いです。植物的には同じセリ科ですが、ディルはイノンド属、フェンネルはウイキョウ属です。
また、ディルは一年草、フェンネルは多年草です。ディルとフェンネルを近くで育てると交雑しやすいので近くで育てない方が無難です。
フェンネルシードの食べ方
フェンネルシードは、甘い香りとともにほろ苦さと独特の風味があり、カレーの香辛料などによく用いられます。フェンネルシードを砂糖でコーティングした「ソーンフ」という、インド料理などの口直しに使う食べ物もあります。
肉を焼く時の香り付けや、ポトフやミネストローネなどのスープのスパイスとして、また、パン、ケーキ、クッキーなどに混ぜても美味しくいただけます。
フェンネルの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
フェンネルの栽培環境
日当たり・置き場所
フェンネルは、日当たりと水はけの良い場所を好みます。
用土
水はけが良く、肥沃な土を好みます。市販のハーブ用の土を利用してもよいでしょう。
フェンネルの育て方のポイント
水やり
やや乾燥気味を好むので過湿に注意しましょう。地植えのフェンネルは、根付いてからは水やりの必要はありません。
鉢植えのフェンネルは、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水やりをします。冬場は生長が止まりますが、鉢植えのフェンネルは水やりを忘れないようにしましょう。
肥料
地植えの場合は、肥料はそれほど必要としません。植え付ける際に元肥を混ぜ込む程度で十分育ちます。
鉢植えのフェンネルは、春と秋に緩効性肥料を施しましょう。
病害虫
キアゲハの幼虫などの青虫類やカメムシがつきます。こまめに観察して防除し、幼虫を見つけ次第対処しましょう。
フェンネルの詳しい育て方
選び方
フェンネルは移植を嫌うので、土に種を直まきするのが理想的です。ポット苗はできるだけ根が伸びきっていない幼苗を選びましょう。
種まき
フェンネルは直根性のため、セルトレイなど小さなものではなく、9cmのポリポットに播きます。
1ポットにつき4~5粒の種をまき、乾燥しないように濡らした新聞などをかぶせておくとよいでしょう。本葉が3枚くらいになったら間引きをしましょう。こぼれ種でも発芽するほど丈夫です。
植え付け
地植えの場合、事前に植える場所を耕して元肥や腐葉土などを混ぜ込んでおきましょう。株間50cmで植え付けます。直根性で根が傷みやすいので、ポット苗は根鉢を崩さないように注意しましょう。
同じセリ科のディルなどの近くに植えると交雑してしまうので注意します。
鉢植えの場合は、二回り以上大きな鉢に植え付けます。市販のハーブ用の土を使ってもよいでしょう。
植え替え・鉢替え
フェンネルは移植を嫌うので、できるだけ植え替えをしないようにしましょう。
花
初夏に、茎の頂部にセリ科独特の傘を開いたような小さな黄色い花が多数咲きます。
収穫
葉を食用にするときは、柔らかいうちに収穫します。
種は、未熟なものは生で食用にできます。
種をとる場合は、花後、実が熟してきたら株元部分から茎を切り取って風通しの良い所につるして乾燥させます。種がぱらぱらと落ちるので受けるために下に紙や布を敷いておいてもよいですし、紙袋などで花部分を覆ったまま乾燥させるのもよいでしょう。
夏越し
特別な夏越しの必要はありません
冬越し
特別な冬越しの必要はありません。
冬は生長が止まりますが、春になると株元から新芽が出てきます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種で増やします。