葉脈標本の簡単な作り方|レースのようなスケルトンリーフを作ってみよう
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レースのような葉脈が美しい葉脈標本を、安全で簡単に作る方法を紹介します。葉脈標本は、スケルトンリーフという呼び名でも愛される、自然が作り出した繊細なレースのような美しいアートです。
目次
葉脈標本とは
葉脈標本とは、葉肉を取り覗いて葉脈だけにしたもののこと。スケルトンリーフという呼び名でも愛されています。
落ち葉の中や、水たまりなどのぬかるみで葉脈だけがむき出しになった葉を見たことはありませんか。あれは、時間の経過で葉肉が溶け落ちて、自然にできた葉脈標本です。葉脈だけになった葉は、繊細なレースのような美しさを見せてくれます。また、葉の中にはこんなにたくさんの葉脈があったこともわかります。植物の見たこともない一面を覗いてみませんか。
葉脈標本の作り方
薬剤や洗浄剤を使わない、安全でとっても簡単な葉脈標本の作り方をご紹介します。
葉脈標本の材料
・葉脈標本にしたい葉っぱたち(今回使用したのはアイビー、クチナシ、ヒイラギモクセイの3種類です)
・ゴム手袋(手が荒れるので、必ず着用しましょう)
・歯ブラシ(葉肉をこそげ落とすのに使用します。柔らかいものと硬いものと2種くらいあると便利です)
・鍋(※アルミ以外。アルミ鍋は化学反応を起こす危険があるので避けてください)
・重曹 大さじ3
・水 400cc
葉脈標本の作り方
最初に、葉を煮て柔らかくするための液体を作ります。
鍋に水400ccを入れて火を着け、沸騰したら重曹を入れます。重曹を入れると勢いよく泡立ちます。
泡立っているところに、葉っぱを入れて煮ていきます。火が強すぎるとあっという間に水分が蒸発してしまうので、中火くらいで管理しましょう。
お鍋の中の葉っぱが黒ずんできたら、取り出して流水でよく洗います。この時、勢いよく流水を当てると、葉が破れてしまう心配があるので、優しく洗うようにしましょう。
歯ブラシを使って、葉の表裏を軽く叩いていきます。この作業で葉肉が柔らかくなり、はがれやすくなります。その後、内側から外側に向けて優しくこすっていきます。力を入れ過ぎると葉脈が破れてしまうので気をつけましょう。撫でるように、内側から外側に歯ブラシを動かします。せっかちな人もこの時だけは我慢です。かわいい葉脈を手に入れるために、根気よく頑張りましょう。
葉脈標本の出来上がり
葉肉が取れて葉脈だけになったら葉脈標本の出来上がりです!
葉脈標本は乾くと丸まってくるので、本などで重石をして一晩寝かせます。タオルで挟んでアイロンをかけてもいいです。葉脈標本が丸まらないように乾かします。
きれいな葉脈標本が出来上がったら、そのままの色の変化を楽しんでもいいですし、お好みで漂白剤に浸けて真っ白にしてもきれいです。漂白した葉脈標本はよく洗って、アクリル絵の具なので好みの色に着色することもできます。
他にも、レジンで固めてアクセサリーにしたり、ラミネーターなどでパウチしてしおりにしたり、フォトフレームに入れて標本にしたりと、葉脈標本の楽しみ方はいろいろです。
葉脈標本におすすめの葉と作り方のコツ
おすすめの葉
葉脈標本作りにおすすめの葉は、厚みと固さがあって、簡単にはちぎれないような種類です。
- キンモクセイ
- ギンモクセイ
- ヒイラギモクセイ
- ヒイラギ
- ツバキ
- サザンカ
- ナンテン
- クチナシ
葉に厚みと固さのある常緑樹の葉が向いています。反対に、サクラやハナミズキ、クレマチス、スミレ、イチゴなど、葉が柔らかいものは、葉脈が崩れてしまうので、うまく仕上がりません。
上手に作るコツ
1. 水と重曹の量は必ず計量してください。少しの分量の違いで、うまく葉肉が溶けなかったり、破れてしまったりするので、注意しましょう。
2. 葉っぱの種類によって煮込む時間が違います。今回使用した葉っぱたちの煮込み時間目安をご紹介します。 クチナシ 10分、アイビー 40分、ヒイラギモクセイ 120分でした。
3. 葉肉を取るコツは、歯ブラシで優しく叩いて、葉肉を柔らかくしてからこすることです。種類にもよりますが、葉の裏側を優しく叩くことで、葉肉がはがれやすくなります。
黒くなった鍋の掃除方法
真黒になった鍋は、酢を入れて煮ることで、きれいになります。重曹はアルカリ性、酢は酸性なので、中和させて汚れを取る方法です。鍋に湯を沸かし、沸騰したら酢を入れてください。煮立ったら、火を止めて冷まし、スポンジで洗い流しましょう。
ほおずきの葉脈標本!透かしほおずきの作り方
透かしほおずきは、ほおずきのガクの葉脈だけを残したものです。葉で作る葉脈標本よりも、さらに簡単に作ることができます。透かしほおずき作りにもチャレンジしてみませんか。
お家にあるもので簡単に作れる葉脈標本。身近な植物で遊んでみませんか。葉脈標本のレースのような繊細な美しさを堪能してください。
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