知っておきたい「多肉植物」の害虫って?予防と対策
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
なんだか大事に育てていた多肉植物の元気がない…、見覚えのない点々がついている、そんな時は害虫の被害にあっているかもしれません。
野菜や花に比べると深刻な害虫被害は少ないものの、多肉植物も害虫の被害にあいます。どんな虫・症状なのでしょうか。予防と対策をご紹介します。
目次
カイガラムシ
カイガラムシは湿潤な環境が苦手で乾燥している環境を好み、同じく湿潤な環境が苦手な多肉植物、サボテンは狙われやすく厄介な害虫です。
見ての通り、動く様子もなさそうな姿ですが、ちゃんとした昆虫です。分類学上はカメムシの親戚でこれまでに国内で約400種が発見されており、大きさや形なども様々です。
カイガラがあるのと、ないのもいます。様々な植物に発生し、吸汁(きゅうじゅう)します。植物によって、種類は異なりますが、どれも吸汁による加害です。
カイガラムシの食害はすす病菌が付着したり、様々な病気の原因にもなります。
カイガラムシ
1mm~3mmくらいの丸いものだったり、縦長のものもいます。動かないで、殻のような見た目です。殻はワックス状で硬くなり、薬剤による駆除が難しくなります。
コナカイガラムシ
体長は2mm~3mmくらいのサイズ。綿に包まれたようなフワフワとした見た目をしています。葉と葉の隙間や葉の裏に発生し、乾燥した条件を好みます。柔らかい新芽や成長点は要注意です。
予防するには?
・風通しがよい場所で管理します。
・乾燥を好むため、乾燥しすぎにも要注意です。
予防法
数が少ない場合は消毒用アルコールをつけたピンセットや筆で除去します。範囲が広い、数が多い場合はブラシを使ってかき取ります。
ブラシを使う場合は取り除いたカイガラムシが飛び散らないように気を付けながら行いましょう。払ったカイガラムシが他の株に付かないよう気をつけましょう。
ピンセットやブラシが入らない場所には爪楊枝など細長いもので掻き出すことをおすすめします。
取り除いてから、薬剤を散布してもよいでしょう。薬剤はいろいろありますので、詳しい使用法などは各商品の使用
ハダニ
カイガラムシと同じくハダニも多肉植物を食害します。ハダニはクモの仲間で非常に小さく0.5mm程度のサイズで、黄緑や暗赤色の姿をしています。
吸汁し生育を阻害します。葉や茎などの柔らかい部分が被害にあいやすいです。被害にあった部分は緑色が抜けて白っぽくなったり、黄色っぽくなったりします。
ハダニは非常に小さいため気づきにくく、被害が大きくなってから気づくことが多いです。また、薬剤耐性がつきやすく、薬剤を散布するときは一度で全滅させる必要があります。
予防するには?
・乾燥を好むため、乾燥しすぎにも要注意です。
・周囲に雑草などが生い茂っていると、そこからハダニが発生します。草刈りをしっかり行いましょう。
・潅水してある程度の湿度を保つのもひとつの手段です。
対処法
ハダニは水に弱いだけでなく、流されやすいので勢いよく水をかけるだけでもある程度駆除することができます。
取り除いてから、殺ダニ剤などの薬剤を散布してもよいでしょう。薬剤はいろいろありますので、詳しい使用法などは各商品の使用
アブラムシ
アブラムシは、主にに植物の新芽やつぼみに群生して、植物の汁を吸い、生育を阻害します。さらに、スス病などのウィルス病を媒介し、植物にダメージを与えます。
大量のアブラムシに侵された植物は放置しておくとやがて枯れてしまします。
アブラムシは非常に数が多く、見た目も様々です。羽の生えているタイプは飛翔することができ、自ら植物に付着することが出来ます。
また、アブラムシは増殖スピードが速く、早急に対処する必要があります。
予防するには?
・通気性を良くしましょう。
・窒素分の多い肥料を与えすぎないようにしましょう。
対処法
アブラムシはカイガラムシなどと違って流水などで落ちるので、念入りに水をかけましょう。その後薬剤をまんべんなく散布し、徹底的に駆除します。
セロハンテープなどにくっ付けて捕殺するのも手です。
ナメクジ
主に夜間に出てきます。上を這われると跡になり株の美観が損なわれる原因にもなります。這った跡があったら、ナメクジがどこかに潜んでいます。ナメクジは大食漢で、短時間で大きな被害をなってしまいます。見つけ次第捕殺しましょう。
予防するには?
・湿度を好みます。雨の日や梅雨時期は夜チェックをしましょう。
・鉢底もこまめにチェックしてください。
・市販の忌避剤や誘引剤を使ってみて下さい。
対処法
ナメクジの捕殺方法はいろいろあります。ビールはナメクジを誘引する効果がありますが、ビールだけだと飲み逃げされる可能性があるので、ビールの中に殺虫剤を混ぜておくと効果的です。
ネジラミ
ネジラミは乾燥している土の根につきやすいです。白い粒状のもので根が覆われている吸汁性の害虫で、生育を阻害します。
根につくため外から分かりにくく、成長期にも関わらず成長がストップしていたり、枯れこんだりしてくるようだったら一度苗を抜いてネジラミが湧いてないかチェックしましょう。
また、ネジラミは繁殖力が強く、すぐに増えてしまうので放置しないように注意しましょう。ネジラミが湧いた鉢の近くにある鉢にも移っている場合があるため、一緒にチェックすることをオススメします。
予防するには?
・乾燥を好みます。乾燥のしすぎにも要注意です。
・潅水してある程度の湿度を保つのもひとつの手段です。
対処法
根をよく水で洗ってから薬剤を溶かした水に漬けてから新しい清潔な土に植え替えましょう。
被害にあっても諦めない
もし大事な多肉植物が害虫の被害にあっても、きちんと対応すればまた元気な株に戻ることもあります。腐ってしまった部分がある場合は取り除きましょう。
カットし取り除く場合は使用するナイフやハサミはしっかりと消毒をしてから使い、使用後も消毒してから保管しましょう。
害虫を予防しよう
害虫が好む環境を作らないように気を付けたいポイントです。
・乾燥に気を付けましょう。湿度も大事です。
・風通しのよい環境で管理しましょう。
・閉め切った空間の場合はサーキュレーターを使うなどの工夫をしましょう。
・昼間は鉢底もチェックしましょう。
・こまめに植物を観察しましょう。
・見つけたら即捕殺!または除去してください。
いかがでしたでしょうか。害虫は湧かないに越したことはありませんが、万が一湧いてしまった場合は早めに対処しましょう!
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「知っておきたい「多肉植物」の害虫って?予防と対策」の記事をみんなにも教えてあげよう♪