乾燥に強くてかっこいい!オーナメンタルグラスのお庭作り
山田智美
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気温が上がってくると気になるのがお庭の乾燥です。他にもお庭の乾燥しがちなスペースを持て余しているなど、乾燥に悩む方は多いのではないでしょうか。乾燥を味方に付けてみませんか?
オーナメンタルグラスと呼ばれる植物には乾燥に強い種類が多いんです。印象的なオーナメンタルグラスを生かして、乾燥に強くてかっこいいお庭を作りましょう。
目次
- オーナメンタルグラスとは
- オーナメンタルグラス|カレックス類
- オーナメンタルグラス|イネ科の仲間
- その他のオーナメンタルグラスたち
- グラス類と相性のいいオーナメンタルプランツ
- オーナメンタルグラスで乾燥したかっこいいお庭づくり!
オーナメンタルグラスとは
オーナメンタルプランツという言葉がだいぶ浸透して使われるようになってきたように思います。葉の色や形状が特徴的で、庭の中でオーナメントのように存在感を放つ植物のことを言います。
オーナメンタルグラスとは、オーナメンタルプランツと同じように印象的な草類を指します。それそのものが単体でも存在感を放つような印象的な植物たち。
実はこのには、乾燥にオーナメンタルグラス強い、あるいは乾燥が大好きな植物が多いんです。この乾燥に強くてかっこいいオーナメンタルグラス類を紹介します。
オーナメンタルグラス|カレックス類
オーナメンタルグラスの中でも育てやすく人気も高いカレックス類をご紹介します。低い場所を埋めるように大きくなってくれるので、低い位置で存在感を放ちます。
カレックス・エバーゴールド
- 科名:カヤツリグサ科
- 学名:Carex oshimensis ‘Evergold’
- 分類:多年草
- 特徴:葉が細く、白斑の面積が大きいので明るさを出したいときに便利です。地面に葉を垂らして大きく広がるのでグラウンドカバーに使えるオーナメンタルグラスです。
- 育て方:非常に強健で、手間のかからない植物です。日向から半日陰まで元気に生長してくれます。
カレックス・バリエガータ
- 科名:カヤツリグサ科
- 学名:Carex morrowii ‘Variegata’
- 分類:多年草
- 特徴:斑入りの葉が明るいカレックス。色の濃い植物などの間に入れると明るさが出るオーナメンタルグラスです。非常に強健です。
- 育て方:ほとんど手はかかりません。日向から明るい日陰まで元気に生長してくれます。
カレックス・ブキャナニー
- 科名:カヤツリグサ科
- 学名:Carex buchanani
- 分類:多年草
- 特徴:茶色い細い葉を持つカレックスです。根元から立ち上がった葉は地面に垂れ、葉の先がカールする独特のフォルムを持つオーナメンタルグラス。
- 育て方:ほとんど手はかかりません。乾燥した場所も多少湿った場所も大丈夫です。日向から明るい日陰まで元気に生長してくれます。
イネ科の仲間たち
日本の気候に馴染み易く、育てやすいイネ科のオーナメンタルグラス類です。乾燥に強く育てやすいのが魅力です。
フェザーグラス
- 科名:イネ科
- 学名:Nassella tenuissima
- 分類:多年草
- 特徴:白くふわりと広がる穂が美しいオーナメンタルグラスです。大きく密集度の高い穂を広げますが、なぜか甘ったるい可愛らしさよりもかっこよさが強調されます。
- 育て方:乾燥に強く、日当たりが良い場所でよく育ちます。手間のかからない植物です。
パニカムの仲間
- 科名:イネ科
- 学名:panicum
- 分類:多年草
- 特徴:パニカムの仲間は非常に品種がたくさんあります。草丈も1m近くまで大きくなるので、お庭のなかで存在感を放つオーナメンタルグラスです。近くに葉が大きくしっかりした植物を合わせると、そのシャープな涼やかさがより強調されます。色も明るいグリーンから、青味がかったグリーン、赤味の強いものなど多数あります。
- 育て方:乾燥に強く、日当たりが良ければすーっと真直ぐに伸びてくれます。ほとんど手間はかかりません。
カリヤスモドキ
- 科名:イネ科
- 学名:Miscanthus oligostachyus
- 分類:多年草
- 特徴:明るいグリーンのフウチソウのような形状の葉を持ちます。細く軽やかな葉が風に揺れる姿が美しいオーナメンタルグラスです。
- 育て方:日向から半日陰まで、乾燥した土壌から多少湿った場所まで元気でいてくれる手間のかからない植物です。株で大きくなります。
パンパスグラス
- 科名:イネ科
- 学名:Cortaderia selloana
- 分類:多年草
- 特徴:パンパスグラスは、大きさもフォルムも非常に印象的なオーナメンタ印象的なです。日本のススキのような軽やかさはなく、力強く真直ぐに伸びた茎の先に魔女の箒のようなふさふさの穂を咲かせます。草丈も3mくらいまで生長する品種から、1m程度の小型種もあります。
- 育て方:日当たり良く乾燥した場所で元気に生長します。草丈も高く、穂も大きく生長しますからお庭のフォーカルポイントとなるような場所にも向いています。
ペニセツムの仲間
- 科名:イネ科
- 学名:Pennisetum
- 分類:多年草
- 特徴:ペニセツムはたくさんの品種があります。葉や茎が華奢なものから、しっかりと上に向かって真っすぐに伸びるもの、頭を垂れるように垂れるもの、明るいグリーン、銀色の穂を持つもの、ボルドーカラーの種類など、様々です。どの種類も猫じゃらしのような穂を咲かせるのが特徴のオーナメンタルグラスです。ニューサイランなど、大きく背の高いものの手前に入れると軽やかさが出ます。
- 育て方:日当たりのよい場所を好みます。半日陰でもいいです。ぐずぐずに湿っているような場所は好みません。とても強健で手間のかからない植物です。
その他のオーナメンタルグラスたち
他にも乾燥に強くて印象的なフォルムのオーナメンタルグラスはたくさんあります。かっこいいオーナメンタルグラスたちを一気にご紹介します。
ニューサイラン
- 科名:リュウゼツラン科
- 学名:Phormium tenax
- 分類:多年草
- 特徴:先の尖った堅い葉をすっと植えに伸ばします。線の細いものが多いグラスガーデンの中で引き締め役になってくれます。明るいグリーン、斑入り、銅葉など色のバリエーションも豊富なので使い勝手のいいオーナメンタルグラスです。
- 育て方:ほとんど手間がかかりません。冬には葉が無くなりますが(地域によっては葉を残して越冬します)、枯れた葉を整理することで春にまた新しい葉が出てきます。
コルジリネ
- 科名:リュウゼツラン科
- 学名:Cordyline
- 分類:常緑低木
- 特徴:先の尖った葉を放射状に伸ばします。数年かけて株が大きくなります。放射状に葉を広げるので広く場所を取って植え付けます。硬さのあるテクスチャーが全体の景色を引き締めてくれるオーナメンタルグラスです。グリーンの他に赤銅色の品種もあるので、細いは明るいグリーンばかりになってしまったような場所に植えるとコントラストが楽しめます。
- 育て方:数年かけて株で大きくなります。放射状に葉を広げるので、植えるときには場所を広めに取りましょう。日当たり良く乾燥気味を好みます。葉の先が黒ずんできたらカットします。
ヤブラン
- 科名:ユリ科
- 学名:Liliope platyphylla
- 分類:常緑多年草
- 特徴:日向でも日陰でも乾燥していても湿っていても、ぐんぐん生長してくれる丈夫なオーナメンタルグラスです。日本に昔から自生しているので、和風庭園のイメージが強いかもしれませんが、固定観念を捨てて見てあげてください。こんなに使いやすくて便利な植物はなかなかありません。夏には薄紫の小さな花が咲き、その後に青光りする黒い実を付けます。深いグリーンの草の中からちらりと見える実は、宝石のような美しいさです。
- 育て方:ほとんど手間のかからない植物です。放っておいても育ちます。手入が要らないのであまり意識がいかないような場所に植えてもいいでしょう。地下茎で増えますが、勢いはさほどではありません。
グラス類と相性のいいオーナメンタルプランツ
オーナメンタルグラスを使ってお庭を作る際に一緒に植えると相互に引き立つ、相性の良い植物達をご紹介します。オーナメンタルプランツとも呼ばれ、庭の中で独特の存在感を放ってくれる植物です。
クロホウシ
- 科名:ベンケイソウ科
- 学名:Aeonium arboreum
- 分類:常緑多肉植物
- 特徴:肉厚でしっかりとした葉をもつ多肉植物。葉が黒いのが名前の所以です。つるつるとした人工物のようなテクスチャーが特徴的です。グラス類のなかで、色でもテクスチャーでも空間を引き締める役割を担ってくれるオーナメンタルプランツです。
- 育て方:強健です。日当たり良く乾燥した場所でよく育ちます。日照が足りないと徒長(茎が間延びすること)してしまうので、お日様にしっかりと当てるようにしてください。
ユーフォルビア・アミグダロイデス
- 科名:トウダイグサ科
- 学名:Euphorbia amygdaloides
- 分類:多年草
- 特徴:深い紫色のような赤銅色のような葉と茎に対して明るい黄味の強いグリーンのコントラストが見事なユーフォルビア。単品でも絵になるオーナメンタルプランツです。グラス類と合わせると色でもテクスチャーでも周囲の景色に変化を与えてくれます。
- 育て方:日当たり良く乾燥した場所が好きです。蒸れを嫌いますので、夏の水やりに気をつけてください。
ロシアンセージ
- 科名:シソ科
- 学名:Perovskia atriplicifolia
- 分類:多年草
- 特徴:蒸れに弱いので風通しよく管理してあげてください。暑い夏に青紫の可憐で小さな花を咲かせてくれます。どうしても硬いテクスチャーの植物が多くなりがちなグラスガーデンのなかで、ふわりと柔らかい雰囲気を出してくれます。
- 育て方:日当たりと乾燥が好きです。蒸れが苦手なので、風通しよく管理しましょう。
オーナメンタルグラスで乾燥したかっこいいお庭づくり!
オーナメンタルグラスってかっこいいんですよ。すっと伸びた直線的な葉や、無駄をとことん省いたようなフォルムは、媚びない強さのようなものを感じます。
かっこよくするなって言われても無理です。かっこよくしかなりません。だったらもう、乾燥気味のスペースは、オーナメンタルグラスでクールなお庭に変身させてみませんか。
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