バジルの害虫とは?枯れる原因、予防や対処法。虫食いバジルは食べられる?
山田智美
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育てたバジルに虫がついたら?虫食いバジルは食べていいの?バジルにつきやすい害虫の種類と特性、対処法、予防方法、元気のないバジルの復活方法など。上手な育て方を紹介します。
目次
バジルとは?基本情報
- 学名:Ocimum basilicum
- 科名・属名:シソ科メボウキ属
- 分類:一年草
バジルの特徴
バジルは香りが良く、料理に多用されることで有名なハーブです。ツヤのあるグリーンの大きな葉で、夏から秋にはシソに似た花を咲かせます。寒さに弱いので日本では一年草として扱われます。
種からでも苗からでも育てられ、それほど手入れもいらないことから育てやすいハーブとして人気です。
バジルにつく害虫の種類
ベニフキノメイガ
ベニフキノメイガは蛾の幼虫です。ベニフキノメイガの幼虫は春から秋にかけて3~4回発生すると言われています。バジルの他、レモンバーム、ミントなどのシソ科の葉が好きで、葉を食い荒らし、ひどくなると株自体を食べつくしてしまうこともあります。
ベニフキノメイガの食害にあっている箇所はクモの糸のようなものが付着し、葉が巻き込むようになっているのでわかります。
初期に気づけば被害が広がることはありません。見つけ次第捕殺し、被害にあっている部分を切除してください。
コナジラミ類
コナジラミ類は白や黄色の体長3mmに満たないくらいの小さな昆虫です。
コナジラミ類は成虫、幼虫ともに葉茎から栄養分を吸汁します。特に葉茎の先端の柔らかい部分を好みます。コナジラミ類が排泄するベタベタとした液体は、すす病など他の病気が発生する原因にもなります。
ハダニ
ハダニはクモの仲間で、肉眼では確認が難しいくらい小さな虫です。ハダニは葉裏に生息して、葉の栄養を吸汁します。被害にあった箇所は色が抜けたようになるのでわかります。
ハダニは高温乾燥を好むので夏の乾燥期に発生しやすくなります。ハダニの発生を防ぐためにはこまめな葉水が効果的です。葉の裏まで葉水をかけるようにしましょう。
ハモグリバエ
ハモグリバエはとても小さなハエの仲間です。さらに小さな幼虫が葉の中に入り込んで食害します。葉に白い線で描いたような模様があったら、それはハモグリバエの幼虫の被害でしょう。
食害にあうと最終的には株自体が枯れてしまいます。見つけたら葉ごと切除してください。
ナメクジ
ナメクジは陸生貝類で、カタツムリの仲間になります。ナメクジは夜行性なので、昼間は暗く湿った場所に潜んでいて夜になると葉を食べて回ります。
ナメクジの駆除は雨上がりの朝や、まだ薄暗い早朝が効果的です。株元や葉の裏、鉢の裏に潜んでいることがあります。また、ナメクジは浅い土の中に隠れているので、株周りの土を少し掘り起こすと発見できます。
バッタ
バッタは羽がある昆虫。バジルにつくのは主にオンブバッタという体長3~5cm程度のグリーンのバッタです。バッタは葉を食害し、穴を空けます。放っておくと穴だらけにされてしまうので見つけ次第駆除しましょう。
バジルが枯れる原因
病害虫の被害ではなくバジルが枯れてきたというケースの参考にしてください。
バジルが枯れる原因|冬に
冬になってバジルが枯れてしまうのは必然です。バジルは日本では非耐寒性一年草として扱われています。冬の寒さに耐えることができずに枯れていきます。秋が深まった頃には元気がなくなり、葉を落とし始めます。これは育て方に問題があったわけではなく自然なことです。
バジルが枯れる原因|鉢のサイズ
バジルは生育旺盛なハーブです。鉢が小さいと根詰まりして生長が悪くなります。バジルの茎の下の方の葉が黄色くなって枯れてきていませんか。根詰まりの可能性があります。大きな鉢に植え替えましょう。
バジルを植えつける際は夏の間の生長を見越して、少し大きな鉢に植えつけることをお勧めします。
バジルが枯れる原因|根腐れ
葉が黒ずんで不自然な枯れ方をしてきたら根腐れが考えられます。根腐れは水の与えすぎが原因となって起こります。
早期であれば、根の腐った部分を取り除くことで復活させられることもあります。土から出し、根の先端の黒ずんだ部分をハサミでカットしましょう。清潔な土に植え替えて様子を見るようにしてください。
バジルが虫食いにあったら?対処法
対処法|切除と駆除
バジルが虫の食害にあったらまず、その部分を切除しましょう。せっかく育てたのにもったいないと感じるかもしれませんが、被害を拡大させないための方法です。後ろ髪を引かれても、気持ちを強く持ってハサミを入れてください。
他の株や植物に被害が広がっていないかを確認しましょう。犯人を発見できたら速やかに駆除しましょう。鉢植えであれば、他の植物が被害にあわないよう離れた場所に移動させましょう。
対処法|水に浸ける
荒療法ですが株を丸ごと水に浸けて害虫を水没させるという方法もあります。小さな鉢植えに有効です。
バジルが鉢ごと先端まで浸かるような大きなバケツを用意して5分以上水に浸します。潜んでいた害虫が窒息して浮き上がってきたら捕殺します。葉裏や陰に潜んでいるような害虫に有効です。
ただしあまり長く水に沈めておくバジルにも負担がかかるので、5~10分くらいで水から出すようにしてください。
バジルの害虫を予防!虫よけ対策
虫よけ対策|木酢液
市販の木酢液を散布する方法です。木酢液とは簡単に言うと、炭を作る過程で生じた煙を液体にしたもの。独特の燻製臭があります。虫が嫌がるという特性から害虫忌避剤として人気があります。ただし、木酢液は忌避剤であり殺虫効果はないので、発生する前の予防として使用しましょう。また、すべての害虫に効果があるというわけではありません。
木酢液は希釈して使用しましょう。最近では希釈済みの木酢液も市販されています。使用前に注意書きや使用方法を確認してください。
虫よけ対策|ニームスプレー
ニームとはインドセンダンの木のこと。ニームから抽出したニームオイルは天然の害虫忌避剤として人気があります。ニームオイルを希釈したものがニームスプレーです。ニームスプレーは木酢液と同じく、定期的に散布を続けることで虫を忌避することができると言われています。ニームスプレーもまた、忌避剤であり殺虫効果はないので、発生する前の予防として使用しましょう。また、すべての害虫に効果があるというわけではありません。
使いやすいように希釈されたニームスプレーも市販されています。使用前に注意書きや使用方法を確認してください。
バジルを復活させるには?
完全に枯死してしまったバジルは復活させられませんが、ケースによっては打つ手もあります。対策の参考にしてください。
水枯れから復活させる方法
バジルは水が好きです。乾燥が続くと葉が萎れて、枯れたように見えることがあります。表土が白く乾燥し、バジルの葉が力なくだらりと下がっているような時は、たっぷりと水やりを行いましょう。鉢植えであれば、大きなバケツに土が浸るくらいの水を入れて30分ほど浸けておく方法もあります。
虫食いバジルは食べられる?
害虫の被害にあったバジルは残念ながら食用にはできません。衛生面で心配があります。虫食いにあったバジルは速やかに処分し、きれいな葉を摘み取るようにしましょう。
お庭や鉢植えから摘んできたバジルは使用する前に1~2分程度水に浸けておくと安心です。万が一虫が潜んでいたとしても窒息して浮いてくるのでわかります。
バジルは生育旺盛で育てやすいハーブの一つ。夏の間中、香りの良い葉を収穫できます。バジルを病害虫の被害から守り、上手に育ててたくさん収穫してください。
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