春の青い花、おすすめ草花12選!

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金子三保子

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実際の季節よりひと足早く、年末から続々と春から初夏にかけて咲く草花の苗の流通が始まっています。

今回は、春から初夏にかけて咲く花の中で青い花が咲く一年草、多年草(宿根草)、ハーブの種類別に、生長の様子と育て方のポイントをご紹介します。

目次

一年草

忘れな草

青い花 ワスレナグサ

小さな水色の花!

学名 Myosotis
科・属 ムラサキ科ワスレナグサ属
開花期 3月~5月くらい
環境 日当たりがよく、乾燥気味の土

忘れな草は一度植えると、こぼれ種でも育つほど性質は強健です。最近は品種もいろいろあり、一般的な水色の他、白やピンクもあります。米粒サイズの小さな青い花が無数に咲いている姿は見事です。忘れな草は原産地では多年草扱いされていますが、暑さや湿気に弱いので夏の厳しい日本では一年草扱いになります。矮性種(丈が低い性質)から丈が長めの品種まであり、丈が長めの花は花市場に生花としても若干入荷しています。

ちなみに私が育てているのは、比較的丈が長めの品種です。花壇に数株植えたところ、今ではあちこちに種がこぼれて花壇、通路、他の花の鉢の上・・・など、びっくりするところからも発芽しています。

育て方のポイント!

忘れな草の苗は、2月くらいから出回り始めます。ポット苗の時点で、たくさん花が咲いてしまっているものは定植しても根付きにくいので、できるだけ若い株を早めに植え付けた方がたくさんの花を楽しめます。

青い花 ワスレナグサ

写真は数年前の我が家の通路です。この年は忘れな草のこぼれ種がたくさん発芽した年でした。同じ場所でも年によって自然に発芽する数は変ります。思いがけず出来た水色の道。色合わせをきっちりと考えて、それが見事に咲いた時は嬉しいですが、こういう思いもよらない色合いが見られるのも園芸の楽しみのひとつ。自然からの贈り物です。

ネモフィラ

青い花 ネモフィラ

学名 Nemophila
和名 ルリカラクサ
科・属

ハゼリソウ科・ネモフィラ属

*ムラサキ科で分類されることもあります

開花期 3月~5月
環境 日当たりが良く、乾燥気味の土

ネモフィラはほふく性(這い性)なので、横に這うように広がって生長していきます。グランドカバーや花壇の前面、鉢植えの場合はコンテナの脇に植えたり、垂れるように咲くのでハンギングにも向いています。青い色も濃すぎず、薄すぎず、きれいな青で、他の植物ともあわせやすいです。うまく根付けば這うようにして横に広がり、1株でたくさんの花を見ることができます。

育て方のポイント!

ネモフィラは日当たりが良い所に植えます。過湿を嫌うので乾燥気味に育てましょう。肥料はやりすぎると株が乱れやすくなるので少なめで管理します。とても強い花なので地植えの場合は植えっぱなしで大丈夫な植物です。苗で購入する時は、花がたくさん咲いているものより丈がぎゅっとしまった若い株(花よりつぼみが多いもの)を選びましょう。

ポット苗の時点でたくさん花が咲いてしまっているものは定植しても根付きにくいので、できるだけ若い株を早めに植え付けるとたくさんの花を咲かせることができます。

1.ネモフィラは直根性

ネモフィラの根は直根性なので移植を嫌います。植え替える時はポット苗からそっと苗を抜いて、根を傷めずにそのまま植えるようにしましょう。

2、花がらをまめに摘みましょう!

花がらとは終わった花のこと。花がらをそのままにしておくと、植物としては花を咲かすことより次の世代を残すことが重要ミッションのため、種をつけることにエネルギーが回ります。それを避けるため、花がらをどんどん摘んで次の花を咲かせていきます。

こちらはちょっとレア品種。霜降りのブルーのネモフィラです。

こちらはちょっとレア品種。霜降りの青のネモフィラです。

ルピナス・ピクシィデライト

青い花 ルピナス

学名 Lupinus
科・属 マメ科 ルピナス属
開花期 4月~6月
環境 日当たりが良く、乾燥気味の土

ピクシーデライトはたくさんあるルピナスの品種の中でも丈の低い品種です。ちょうどパンジー、ビオラと同じ時期の開花です。花丈は30センチ~40センチくらいで色は青の他、ピンク、白があります。穂状の花は下から順々に咲いていきます。花もかわいいのですが、葉っぱの形も色もおすすめです。若緑色がちょうど若葉~青葉の季節と合う色なのです。花からはほんのりとよい香りもします。

育て方のポイント!

1.ルピナスは直根性

ルピナスの根は直根性なので移植を嫌います。植え替える時は、ポット苗からそっと苗を抜いて根を傷めずにそのまま植えるようにしましょう。

2.過湿を嫌うので乾燥気味に

じめじめした土を嫌います。水やりは乾いたらたっぷりとあげて乾燥気味に育てましょう。終わった花、花がらは根元からカットしていくと、たくさんの花を咲かせます。花は切り花にもできます。(最近は生花として花市場でも流通しています)

花がらを摘んだ方が、たくさんの花を咲かせることが出来ますが、種が採りたい場合は終わった花をそのままにしておくと下の写真のような種のさやができます。

ルピナスの種

ルピナスの種

矢車菊(ヤグルマギク)

青い花 ヤグルマギク

学名 Centaurea cyanus
科・属 キク科 ヤグルマギク属
開花期 4月~7月
環境 日当たりが良く、乾燥気味の土

ヤグルマギクは花びらに特徴があります。花びらの形は矢車に似ていて放射状に広がっています。花の色は青の他、白、ピンク、紫、複色などがあります。ヤグルマギクは矮性から高性まで種類によって様々な丈がありますが、丈の高い品種は1m位まで生長します。

ヤグルマギクは、切り花、ガーデニングや公園等の花壇や花畑で植えられている草花です。花は乾燥させればドライフラワーにもなるので、生花としてもドライフラワーとしても楽しむことができる植物です。

育て方のポイント!

1.ヤグルマギクは直根性

ヤグルマギクの根は直根性なので移植を嫌います。植え替える時は、ポット苗からそっと苗を抜いて、根を傷めずにそのまま植えるようにしましょう。

2.過湿を嫌うので乾燥気味に

じめじめした土を嫌います。水やりは乾いたらたっぷりとあげて乾燥気味に育てましょう。終わった花はカットしていくと、たくさんの花を咲かせます。花は切り花やドライフラワーにもできます。(生花として花市場でも流通しています)

矢車菊?矢車草?

この花のことを「矢車草」と表現されている方も多いかもしれません。私自身も子供のころから「矢車草」と呼んでいましたが、まったく同じ名前の「矢車草」という名前を持つユキノシタ科の山野草があることから、最近は「矢車菊」と表記される方向となっています。

とは言え、花屋さんでも「矢車草」として販売していることも多いのが実情です。花の名前はややこしいですね。ちなみにこのヤグルマギクは植物分類としてはキク科です。もうひとつの別名として英名で「コーンフラワー」とも言います。

ニゲラ

ニゲラ 青い花

学名 Nigella
科・属 キンポウゲ科クロタネソウ
開花期 4月~7月上旬
環境 日当たりがよく、乾燥気味の土

ニゲラは花も葉も独特なフォルムで、小さめの花ながらその雰囲気はとても存在感がある草花です。繊細そうな姿をしていますが性質は強く、環境が合えばこぼれ種でも増えます。花びらに見える部分はガク片で、本来の花びらは退化して目立たない形状です。ニゲラという名はラテン語の「Niger ・黒い」からきています。和名のクロタネソウは、花後に風船のような種のさやの中に黒い種が出来ることからこの名前がつきました。

青い花以外にも、ピンク、白など数色あり、品種も年々新品種が登場しています。

育て方のポイント!

1.ニゲラは直根性

ルピナスの根は直根性なので移植を嫌います。植え替える時は、ポット苗からそっと苗を抜いて根を傷めずにそのまま植えるようにしましょう。

2.過湿を嫌うので乾燥気味に

じめじめした土を嫌います。水やりは乾いたらたっぷりとあげて乾燥気味に育てましょう。終わった花、花がらは摘み取るとたくさんの花を咲かせます。花は切り花にもできます。(最近は生花として花市場でも流通しています)

シノグロッサム

学名 Cynoglossum amabile
科・属 ムラサキ科オオルリソウ属
開花期 4月中旬~7月中旬
環境 日当たりがよく、乾燥気味の土

シノグロッサムは、和名ではシナワスレナグサ、英名ではChinese forget-me-notとも言われています。ムラサキ科の一年草で、忘れな草より少し後に開花します。花丈は30㎝~50㎝くらいのものが多いです。

シノグロッサムは水色の他、白、ピンクなどもあります。水色のシノグロッサムは、とても透明感のある水色です。海外では多年草として分類されることもありますが、忘れな草と同じく、高温多湿が嫌いな植物なので、日本では一年草扱いです。

シノグロッサムと忘れな草の見た目の違いは、忘れな草より少し花が大きいのと、花の色が単色(忘れな草は中心が黄色)、葉っぱの色は忘れな草が若緑色なのに対して、シノグロッサムはシルバーグリーン色です。

育て方のポイント!

花がらをまめに摘みましょう!

花がらとは終わった花のこと。花がらをそのままにしておくと、植物としては花を咲かすことより次の世代を残すことが重要ミッションのため、種をつけることにエネルギーが回ります。それを避けるため、花がらをどんどん摘んで次の花を咲かせていきます。

スイートピー・アズレウス

学名 Lathyrus odoratus
科・属 マメ科レンリソウ属
開花期 4月~6月頃
環境 日当たりと風通しのよい場所

スイートピー・アズレウスは、とてもきれいな青い花が咲くスイートピーです。つる性で2m以上の丈に生長するので、トレリスやフェンスなどに誘因しながら育てるととても見栄えがします。

育て方のポイント!

1.茎が7~8節伸びたら摘芯(つるをカット)をしましょう。

伸びている茎を切ることに抵抗を覚えるかもしれませんが、摘芯をすると剪定したところから、わき芽が伸びるため、結果的に花数の多い株になります。

2、花がらをまめに摘みましょう!

花がらとは終わった花のこと。花がらをそのままにしておくと、植物としては花を咲かすことより次の世代を残すことが重要ミッションのため、種をつけることにエネルギーが回ります。それを避けるため、花がらをどんどん摘んで次の花を咲かせていきます。

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多年草(宿根草)

丁字草

青い花 チョウジソウ

学名  Amsonia elliptica
科・属 キョウチクトウ科チョウジソウ属
開花期 5月~6月
環境 日当たり~半日陰で肥沃な土

丁字草は淡い青の星型の花の宿根草。東京だと5月の上旬ごろが開花時期です。開花期間は短いのですが素敵な花で、植えっぱなしで大丈夫です。(株が大きくなったら株分けします)切り花としても短期間出回っています。理想的な環境は、半日陰で肥沃な土が好みですが、日当たりのよい所でも問題なく育っています。ただ、夏場は日差しがさえぎられるような環境の方がおすすめです。花期は短めですが、星型の透明感のある花は、とても美しいです。

育て方のポイント

花が終わったら花がらを取り去ります。晩秋に葉が黄色になってきたら、株元で花茎を切り戻します。春になると、株元から新しい芽が出て、その茎が伸びて茎先に花が開花します。

ベロニカ・オックスフォードブルー

青い花 ベロニカ・オックスフォードブルー

学名 Veronica prostrata
科・属 オオバコ科ベロニカ属
開花期 3月~5月
環境 日当たり~半日蔭

春に小指の爪サイズの青い花が、地面一面に開花します。ベロニカでもまっすぐ高く伸びる高性種ではなく、オックスフォードブルーは、矮性でほふく性(這い性)のタイプで、地面を這うように生長します。グランドカバーにとてもおすすめの植物です。我が家でも花壇に植えたところ、どんどん増えて、今ではどれが元の株がわからないほど。

 

青い花 ベロニカオックスフォードブルー

地面一面の青はとても見事です。

育て方のポイント!

地植えだと、一度植えたら特に何もしなくても植えっぱなしで勝手に育ちます。花が咲いた後に刈り込むと、もう一度開花することもあります。秋は葉が渋い赤(銅葉)に色づきます。冬前になったら刈り込みます。

ベロニカ・オックスフォードブルーは、半日陰くらいまでなら栽培可能ですが、日当たりがよい方が花付きが良くなります。

アンチューサ

学名 Anchusa
科・属 ムラサキ科アンチューサ属
開花期 4月~7月中旬くらい
環境 日当たりがよく、乾燥気味の土

アンチューサは品種がいくつもあり、品種によって丈が低めのものから高いものまで色々とあります。

アンチューサの開花は春から梅雨入り前くらいまでです。

アンチューサの花の色は、品種によって水色から濃いめの青まであります。花の咲き方が、写真のように茎が立ち上ってきて、固まって咲きます。葉っぱは、ちょっとざらついた触感です。アンチューサは、品種によって花色、花丈がかなり違うので、地植えにする際は花丈を調べてから植栽する場所を決めることをおすすめします。

育て方のポイント!

1.暑さや蒸れに弱いので、日本だと梅雨や猛暑に耐えられるかが、翌年も開花するかのポイントです。

2.一通り花が終わったら株元で切り戻しをしましょう。

ブルンネラ

学名 Brunnera
科・属 ムラサキ科 ブルンネラ属
開花期 4月~5月くらい
環境 半日陰、水はけの良い土

ブルンネラは、ムラサキ科で4月~5月に開花の多年草です。花自体は忘れな草と似ていますが、ブルンネラの葉っぱは忘れな草の葉っぱとはまったく違う形をしています。草丈は品種にもよりますが、30~40cm。植える場所は、半日陰が好みなのでシェードガーデンにおすすめです。

ブルンネラの品種はいくつかあって、水色の他、白い花の品種もあります。斑入り葉など、花のない時期も美しい宿根草です。

育て方のポイント

高温多湿に弱いので、蒸らさないように注意します。東京のような酷暑が苦手なので、真夏に直射日光が強すぎない場所に植え付けましょう。

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ハーブ

ボリジ

青い花 ボリジ

学名 Borago officinalis
ムラサキ科
開花期 4月~7月
環境 環境日当たりが良く、乾燥気味の土

星形の青い花のボリジ。花はかわいらしいですが性質は強健。一年草のハーブとして分類されています。一度植えて環境に合うとこぼれ種でも発芽します。ボリジは茎が太い割には空洞で弱いので、伸びてきたら支柱などで補強してやります。茎や葉っぱが産毛のようなトゲトゲがあるので、触るとちょっと痛いです。

 

ボリジ 青い花

育て方のポイント!

苗を購入する場合は、茎が伸びていない下葉のみの若い株を、できれば3月くらいまでに定植するとよいです。

ボリジは、地植えにすると1メートルくらいの高さに育つ場合もあります。湿気に弱いので、蒸れると突如、株がダメになることがあるので、乾燥気味に育てることがポイントです。

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ボリジ 青い花

 

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金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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