アンスリウムとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- アンスリウム
- 学名
Anthurium
- 英名
- Anthurium
- 科名
- サトイモ科
- 属名
- アンスリウム属
- 原産地
- 熱帯アメリカ~西インド諸島
アンスリウムの特徴
アンスリウムはトロピカルな雰囲気を醸し出す観葉植物です。
熱帯に生息するサトイモ科の植物であり、赤やピンク色のハート型お皿のような仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。
これは花ではなく、ここから細い尾のように出てきた黄色い突起が花になります。
ギリシャ語の「anthos(花)」と「oura(尾)」から花の名前がつけられているそうです。
また、アンスリウムは仏炎苞を含めた花が非常に魅力的ですが、成長期に栄養不足や日光不足になると花を咲かせなくなってしまいます。
仏炎苞はホコリが溜まると汚れが目立つため、定期的に掃除をしてください。また、色が薄くなってきた仏炎苞は剪定してしまうことをおすすめします。
アンスリウムの詳細情報
園芸分類 | 観葉植物 |
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草丈・樹高 | 30cm~60cm程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 赤、白、ピンク、緑など |
開花時期 | 5月~10月頃 |
アンスリウムの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
アンスリウムの栽培環境
日当たり・置き場所
日光
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。
【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光が当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。
【置き場所】
高温多湿に強く、耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。
温度
高温には強い植物ですが、低温には弱いので、10℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいからは室内に取り込んで下さい。
用土
アンスリウムは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。
自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。
アンスリウムの育て方のポイント
水やり
アンスリウムは寒さに弱いので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。
【気温が15℃以下のとき】
アンスリウムは気温が10℃を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、表面の土が乾燥してから2~3日経ってから水やりをしてください。
アンスリウムを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
肥料
成長期である春~秋にしっかりと肥料を与える事で、来年の花付きが良くなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
病害虫
【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。
【アブラムシ】アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、
早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがアンスリウムの中に侵入し、病気を発症させます。
また、発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。
【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。
【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、子株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。
【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにを置いている場合は注意が必要です。
【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。
アンスリウムの詳しい育て方
選び方
アンスリウムを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々モンステラが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。
病害虫以外では葉が大きく、茎がしっかりしているものを選ぶと良いです。
種まき
アンスリウムの種を入手したらピートモスや種まき用の土を使って種をまきます。
種まきをする時期は4月~6月の暖かい時期がおすすめです。常に土の表面が湿ってるようにして半日陰の風通しの良い場所に置いて下さい。
植え付け
植え付けは5月~8月の暖かい時期に行ってください。株分けは湿度の高い6月頃がおすすめです。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。
剪定・切り戻し
アンスリウムは環境に適応すると一気に成長することがあるようです。特に春~秋は成長期にあたるので、成長が著しいです。
古くなってきた葉や邪魔な葉は思い切って剪定してしまうことをおすすめします。切れ味のいいハサミやナイフを使って剪定してください。
サトイモ科の樹液には人体にあまり良くない成分が含まれており、触れてしまうと体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。
そのため、グローブやゴム手袋などをして触れないようにしてください。また、触れてしまった場合は流水でよく流してください。
剪定した葉は花瓶などに生けたりするとインテリアとしても抜群の存在感を出してくれるのではないでしょうか。
植え替え・鉢替え
アンスリウムは比較的生長が早く、買ってきたばかりのアンスリウムは鉢いっぱいに根が張っている可能性があります。
そのため、買ってきたら最初に植え替えをするのがオススメです。
また、1~2年に1度植え替えをした方が花付きも良くなり、健康な株になります。
まず初めに、土を用意します。
アンスリウムは熱帯植物で、高温多湿を好みますが、水はけの悪い保水性の高い土を使ってしまうと根腐れやコバエが発生する原因にもなります。
そのため水はけと通気性の良い土を使い、水やりを小まめに行った方がアンスリウムを健康的に生長させることが出来ます。
今回は観葉植物用の土2、鹿沼土1、赤玉土1を混ぜ合わせたものを使います。
まず、ベースとなる観葉植物の土を用意します。ベースの土ですので量をきっちり測る必要はありません。
次に観葉植物用の土の半分の量の鹿沼土を入れます。
最後に鹿沼土と同じ量の赤玉土を入れます。
あとはよく混ぜ合わせれば完成です!
土が準備できたらアンスリウムを鉢から取り出します。
手で古い土を取り除いていきます。このとき全部を取り除く必要はありません。
ある程度取り除いたら、鉢を準備します。
植え替えの時は今までの鉢よりも一回り大きい鉢を使うことをおすすめします。
一回り以上大きい鉢に入れてしまうと、根が土の水を吸収しきることができずいつまでも土が湿ったままになってしまいます。
同じ大きさの鉢を使いたい場合は根を半分の量にカットし、葉の枚数も減らしてください。
まず初めに、鉢に鉢底石を入れます。
鉢底石は通気性と排水性を良くする役割があります。鉢底石が入っていないと土が乾きにくくなり、コバエの発生や根腐れの原因になります。
次に土を少量入れます。
アンスリウムをバランスよく配置し、周りに土を入れていきます。
最後に水をたっぷりやれば完成です!
株分けを行う場合は、植え替え時に行うことをおすすめします。
花
春から秋頃にかけて開花します。
収穫
開花後に結実することがあります。そのまま放置しておくと実を収穫することができます。
夏越し
屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に一度のペースで行うと夏バテを防止できます。
冬越し
気温が5℃以下になったら生長が止まるので、水やりを2週間に1度に減らします。
気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
アンスリウムは株分けで増やすことができます。
まず、アンスリウムを鉢から出します。
子株を指でつまみ、優しく株分けしていきます。
ハサミを使うよりも手で株分けした方が根が傷つきづらいです。
株分けをしたら植え込んでいきます。
植え替えのときに使用した土(観葉植物用の土2、鹿沼土1、赤玉土1を混合させたもの)を使って植え込みます。
はじめに、鉢穴に鉢底ネットを被せます。
鉢底ネットは鉢底石や土の流出を防ぐだけでなく、ナメクジやダンゴムシといった害虫が鉢の中に侵入するのを防ぎます。
次に鉢底石を入れます。
鉢底石は通気性と排水性を良くする役割があります。鉢底石が入っていないと土が乾きにくくなり、コバエの発生や根腐れの原因になります。
土を少量入れます。
アンスリウムをバランスよく配置し、周りに土を入れていきます。
最後に水をたっぷりやれば完成です!