オクラとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • オクラという呼び方は、日本だけではありません。世界共通でオクラ「okra」と呼ばれている、ちょっと珍しい野菜です。 そんなオクラですが、スーパーで購入した後、冷蔵庫に保存して何日か経つと黒くなってしまっているなんてことはないですか? オクラは鮮度が命。そんなオクラを育てて、収穫したての新鮮な状態で、上手に下処理、賢く保存する方法をご紹介します。
植物名
オクラ
学名

Abelmoschus esculentus

英名
Okra
和名
おくら
科名
アオイ科
属名
トロロアオイ属
原産地
東北アフリカ

オクラの特徴

オクラはアフリカ北東部が原産のアオイ科の植物で、世界各地共通でオクラ「okra」と呼ばれている野菜です。原産地では多年草として生育できますが、四季がある日本では冬越しが厳しいため一年草扱いとなります。

オクラの花は中心部が濃い紫色になっていて、外側のクリーム色の花びらとのコントラストは、野菜とは思えないほど美しい花です。アオイ科の植物ということもあり、同じ科のハイビスカスやムクゲ、フヨウに似た美しさです。

このように、花を目立たせることで虫を呼び寄せ、花粉を運んでもらうためですが、こんなに美しくて綺麗な花なのに花の命は短く、たった一日で落ちてしまいます。なんとも潔いお花ですね。

オクラの詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 1~1.5m
耐寒性 弱い
耐暑性 やや強い
耐陰性 やや弱い
花色 白、中央部分が濃い紫
開花時期 7月~9月

栄養豊富なオクラ

オクラを刻んだときのネバネバはガラクタン、アラバン、ペクチンといった食物繊維、他にもビタミン、ミネラルも豊富です。βカロチンも含まれており、緑黄色野菜の仲間です。サラダや和え物など和洋様々な料理に使えます。

花オクラ

オクラとは別の種類ですが、トロロアオイといって花の部分を食べるオクラもあります。中国原産の花で、薄い黄色もしくは、濃いクリーム色のような花色で、直径20~30cm程の大きな花を咲かせます。

オクラと同じように1日花といって花の命は1日です。そのため、トロロアオイは朝収穫しても、午後にはしぼんでしまう繊細なお花です。

オクラの下処理、保存方法

食べごろの時期のオクラを収穫したら、美味しく調理してお召し上がりください。

生食

オクラを食べるときに気になるのは、実の表面にある産毛です。生食する際は、この産毛の部分を軽く取り除きましょう。

  1.  まな板の上にオクラをのせ、塩を少々ふりかけます。
  2.  オクラを手で転がすように板ずりをします。
  3.  軽く水で流し、水気をキッチンペーパーなどで取ります。
  4.  刻んで生食でお召し上がりください。

下茹

  1.  まな板の上にオクラをのせ、塩を少々ふりかける。
  2.  オクラを手で転がすように板ずりをします。
  3.  鍋にお湯を沸し、さっと茹でます。
  4.  氷水などで粗熱をとってから、刻んでお召し上がりください。

冷蔵保存

オクラは、低温障害を受けやすい野菜です。そのため、ひと手間加えて冷蔵庫で保存しましょう。

  1.  水で湿らせたキッチンペーパーや新聞紙などを用意します。
  2.  1でオクラを包み、ポリ袋かラップにくるみ、冷蔵庫の野菜室で保存します。冬期間ならば冷暗所で保存できます。
  3.  オクラの冷蔵での保存の日数は3~4日です。それ以上保存したい場合は、冷凍保存をおすすめします。

冷凍保存

生食処理、もしくは下茹処理した後冷凍保存します。

  1.  生食処理、もしくは下茹処理後、金属製のバットに入れ冷凍庫で凍らせます。
  2.  凍ったら、密封袋などに入れて保存します。

どちらの方法にしても、カットしてから冷凍保存する場合は、小分けにしてラップなどにくるんで保存しましょう。

 

オクラの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

オクラの栽培環境

日当たり・置き場所

オクラは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

オクラの生育適温は20~30℃です。

用土

プランター栽培のオクラは、野菜用の培養土で育てましょう。

オクラは酸性土壌が苦手です。畑栽培のオクラは、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。

オクラの育て方のポイント

水やり

土が乾いたら水を与えましょう。 夏場は乾きやすいので様子を見て、朝、夕の2回与えてもよいでしょう。特にオクラの実がついてきたころからは、しっかり水を与えましょう。

肥料

実がついたら2~3週間に1回肥料を与えます。

病害虫

【害虫】
アブラムシは葉や、実につきます。無農薬で育てる場合、必ずといってもいいほどオクラにアブラムシは発生するものです。
ハダニは乾燥で付きやすくなりますので、こまめに葉水を与えるなどしましょう。
【病気】
疫病は野菜全般にかかる病気です。 葉や実に病斑が現れ、葉先から枯れたりしていきます。 春、梅雨の過湿期、夏の高温期などがかかりやすいです。 梅雨時期は雨が当たらないようにしてあげるなどの工夫を。 疫病の箇所が見つかったら、すぐに除去しましょう。
うどんこ病は植物の葉などに粉をまぶしたように白くなります。 5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。風通しが悪いとうどんこ病の菌が発生しやすくなります。うどんこ病が見つかったら、すぐに除去しましょう。
立ち枯れ病は、土壌のカビが原因になります。名前の通り立ったまま枯れていきます。 症状は茎の根元や葉が茶色くなって枯れていきます。オクラは多湿が苦手なので乾燥気味に育てますが、梅雨時期などの湿度が高い時期は要注意です。
灰色かび病は葉や新芽、花などにカビが発生します。 こちらも湿度が高い時期に発生します。葉や新芽などに水がしみたような跡が発生し、褐色になりカビが発生し枯れる原因になります。広がる前に除去し対処しましょう。

オクラの詳しい育て方

選び方

苗での購入の場合は葉が3、4枚で濃い緑色のしっかりとした苗で、病害虫に侵されていない、健康で元気な苗を選びましょう。

種まき

オクラの発芽地温は25~30℃と高いので、充分に地温も上がる5月以降に種をまきましょう。株間30cmの点まきで、1か所に3~4粒まきましょう。 発芽までは乾燥させないようにたっぷりと水をやりましょう。オクラは硬実種子のため、発芽しない場合は1日水につけてから種をまいてみましょう。

植え付け

オクラの根は直根性で移植を嫌います。移植する場合にはポット苗の小さいうちにしましょう。

間引き

本葉が1~2枚の時に3本立ち、本葉が4枚の時に1本立ちにしましょう。(畑で育てている方は元気に育っているようなら、2本立ちでも構いません) 

オクラは、アオイ科の植物です。同じアオイ科の植物に、ハイビスカスやムクゲ、フヨウの花があります。ハイビスカスの花を想像してみてください。大輪の花が印象的な、夏の花ですね。オクラの花もハイビスカスの花と同様、中心部が濃い紫色で、外側が温かみのある白色の花びらが美しいコントラストで、野菜とは思えないほど美しい花です。育ててみて分かる美しさの発見です。

収穫

開花してから約1週間~10日で収穫できます。だいたい7cm~10cmくらいになったときが収穫時期です。収穫しないでそのままにしておくと、ぐんぐん生長してしまい、とても固くなります。 若いうちに、さやの付け根からハサミでカットして収穫しましょう。 収穫後は、摘葉といって葉が混み入っている場合は、収穫した実から下の葉はかき取り、風通し良く管理しましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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