かわいい壺型!ヴィオルナ系クレマチス
金子三保子
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クレマチスは系統によって、花の形、開花時期、剪定方法が違います。加えて、ツル性が多いですが、木立性のものもあったり、落葉性もあれば常緑性のものもあります。同じ種類の花でここまで違いがある植物って、そうそうないような気がします。
今回はたくさんあるクレマチスの中でも「壺型(つぼがた)」と表現されるクレマチスをご紹介します。
独特のかわいい形、実生のものが多いので同じ品種でもちょっとずつ違ったりすること、剪定すれば返り咲くのでワンシーズンで複数回、花が楽しめること・・・魅力がたくさんあることから、ファンも多いクレマチスの系統です。
壺型(つぼがた)クレマチスの花の様子や剪定方法などの扱い方をご紹介します。
目次
クレマチス・ヴィオルナ系、テキセンシス系
壺型やベル型、ベル咲きクレマチスと表現されるヴィオルナ系、チューリップの花を逆さにしたような形のテキセンシス系、いずれも原種系のクレマチスです。ツル性でたくさんの花が咲き、ツルの長さは、品種、育て方にもよりますが、1~3メートルくらいです。
ヴィオルナ系、テキセンシス系クレマチスの開花時期
ヴィオルナ系、テキセンシス系のクレマチスの一番花が開花するのが5月、そこから数回咲き10月くらいまでの開花です。このためこの系統のクレマチスを四季咲きと表現されることもあります。
咲きだすと1カ月近く花が開花しているので、開花期間が長いのも魅力のひとつです。花の後は剪定しておくと、剪定から1~2カ月後に再度開花。1シーズンの開花の回数は、2~3回くらいです。この回数の違いは剪定のタイミングが大きく影響します。
クレマチスの仕立て方
ヴィオルナ系、テキセンシス系のクレマチスは鉢植えでも地植えでも栽培可能です。ツル性なのでトレリスやオベリスク、フェンス、行燈仕立て、などツルを這わせる何かが必要です。
花の付き方と剪定方法
この系統は「新枝咲き」と言って、今年に伸びたツルに花を咲かせます。シーズン後、今年伸びたツルから花が咲くことはありません。
剪定は「強剪定」。花のシーズン中は、地際から2~3節の真ん中で剪定し、秋の最後の開花が終わったら地際でカットします。なぜ節の真ん中で切るのかというと、節で切ってしまうと枝が枯れ込み、芽も枯れてしまう可能性があるからです。
私の場合は、冬前の剪定は地際で切らず、枯れたツルを1節残しておきます。他の植物を植え替えたりするのに、年がら年中掘り起こしたりするため、クレマチスの根を傷つけないようにするためです。春に地面から新しいツルが出てきたら、そのツルはカットしています。
クレマチスのつぼみ
最初は数ミリの緑の小さなつぼみが徐々に膨らみ、次第に写真のように色づいてきます。東京だと一番花は5月中旬くらいです。
つぼみのお尻が割れて開花します。
クレマチス・カイウ
たくさん花を咲かせるには?
株元から出てくるツルの数を絞った方が株のためになり、たくさん花を咲かせられることになります。ツルの数を多くしすぎるとエネルギーが分散してしまうため、厳選した数に絞った方が花付きがよくなります。
年に複数回楽しむためのは剪定のタイミングが大切!
この系統のクレマチスは剪定してから1~2か月後に返り咲く性質です。たくさんの回数を楽しみたい場合は早めの剪定をして、次の開花用のツルを育てていきます。
クレマチスの性質
クレマチスは直根性です。移植を嫌う性質なので、地植えにする場合は定植する場所をよく考えて植えます。もし、3号のポット苗で購入した場合は、いきなり地植えにせず鉢に植え替えて株を大きく育ててから地植えにするようにします。
ツルが折れやすいのでご注意!
とてもツルが折れやすいので、開花中の行燈仕立てになっている大鉢を買った場合、まずは鉢のまま花を楽しんで、花が終わってから剪定の際に地植えすることをおすすめします。
そういう私は開花中に植え替えようとして、何度もせっかく咲いてるツルを追ってしまった経験があります・・・。強剪定タイプなので、花が終われば大胆に切ることができます。それまでゆっくりと楽しみましょう。
実生系のものが多い壺型クレマチス
ヴィオルナ系、テキセンシス系のクレマチスは実生のものが多いので、同じ品種でも個体差があるのも特徴のひとつです。咲き方が「スレンダー」だったり、「ぷっくり」としていたり・・・。色も同じ品種でも微妙に違ったりしますので、お気に入りのものを探すのもこの系統ならではの楽しみです。
切り花にもできます
ヴィオルナ系、テキセンシス系のクレマチスは、最近は切り花としても流通しているので、花屋さんで見かけたことのある方もいらっしゃるかもしれません。切り花の場合は「ベル咲き」と表現されることも多いようですが、壺型、ベル咲き、どちらも同じです。
強剪定の四季咲き性タイプのクレマチスは、多少ツルを追ってしまっても、同じシーズンに返り咲くので、初めてクレマチスを育てる方にはおすすめの系統です。
壺型クレマチスは小輪で主張が強くないので、バラや宿根草など、いろいろな植物と相性がよいですよ。咲き方、色などが豊富なので、お気に入りのクレマチスを見つけてみてはいかがでしょうか。
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