間室みどりさんに教わる3ポットで作る寄せ植え!「秋から春まで楽しめる組み合わせ」

戸松敦子
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花苗3ポットで作る寄せ植えの組み合わせのコツを紹介します。今回はガーデンセンターさにべるを訪れ、テレビや雑誌などで活躍中の園芸家である間室みどりさんに「秋から春まで楽しめる3ポットで作る寄せ植え」におすすめの組み合わせを教えてもらいました。3ポットで作る寄せ植えは、寄せ植え初心者の方でも気軽に楽しめます。
目次
- 3ポットで作る寄せ植えとは
- 3ポットで作る寄せ植え「間室みどりさんに教わった秋から春まで楽しめる組み合わせ」
- 3ポットで作る寄せ植えを教わった間室みどりさんをご紹介
- 3ポットで作る寄せ植えを気軽に楽しもう!
3ポットで作る寄せ植えとは
寄せ植えとは、ひとつの場所に複数の植物を植えることです。育つ環境が似ている植物を組み合わせてプランターや庭などに植えると、お気に入りの風景をつくり出すことができます。
でも、花や葉の色や形のバランスを見ながら、育つ環境が似ている植物をそろえるのは意外に難しく、慣れるまで少し大変に感じていませんか?
そこでおすすめするのが、3ポットで作る寄せ植えです。文字通り苗を3ポット組み合わせて完成させる寄せ植えなので、気軽に試して好きな組み合わせを見つけられます。
寄せ植えの基本は線と面と点
線は葉が細いグラス類、面は大きくて丸い花や葉っぱ、点は細かい花などで表せます。線を表す植物を1つ、面を表す植物を1つ、点を表す植物を1つの合計3ポットを合わせると、形の変化が出て互いが引き立てられ、自然と美しい寄せ植えになります。さらに、背が高いもの、中くらいのもの、低いものを組み合わせて変化を出すとバランスが良くなります。
このように、花苗3ポットを組み合わせるだけで、十分に寄せ植えを楽しむことができるんです。
3ポットで作る寄せ植え「間室みどりさんに教わった秋から春まで楽しめる組み合わせ」
ガーデンセンターさにべるの苗売り場で、間室みどりさんに「秋から春まで楽しめる3ポットの組み合わせ」5セットを即興で教えてもらいました!5つの組み合わせをテーマに沿ってポイントを紹介していきます。
清楚でナチュラルな森
白のフリル咲きガーデンシクラメン(写真:右前)をメインにしています。寒々しい感じが出ないように気を付けて、白とニュアンスが一緒の植物を合わせました。白いシルバーリーフのオレアリア(写真:真ん中後ろ)にライム色のエリカ(写真:左前)を添えて明るくすっきりさせています。斑が入っていないリーフを合わせることで、白い花の美しさが引き立っています。
ガーデンシクラメン
- ガーデンシクラメンとは名前からもわかるように、シクラメンを品種改良した品種です。シクラメンは冬に室内で楽しむ鉢花の代表ですが、ガーデンシクラメンは、耐寒性があり寒い冬も屋外で楽しむことができます。寄せ植えなどに使う冬のガーデニング植物の定番としてよく用いられます。 寒さに弱いシクラメンのウィークポイントを克服するため、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものがガーデンシクラメンです。冬から春にかけて次々に花を咲かせ、花の少ない時期のお庭を明るく盛り上げてくれます。花の色はシクラメンとほぼ変わらず赤や白、ピンク、紫などがあります。花形もバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみが広がっています。
エリカ
- エリカとは、ツツジ科エリカ属の総称です。常緑性で、700種以上が南アフリカと一部ヨーロッパを中心に自生しています。日本にも鉢花や切り花で数十種類が流通しています。開花期は品種によって異なりますが、秋から春。冬の寒い時期を得意とし、夏の高温多湿が苦手です。ヨーロッパの「ヒース」と呼ばれる、土壌の悪い荒地で自生する強健種です。 日本では、秋から春にかけて、花の少ない季節に花壇を賑わせてくれる貴重な植物です。花色もピンク、白、黄色、赤と豊富で、スズランのような咲き方から、ラッパのように突き出すような咲き方のものまであります。すっと伸びた幹と針葉樹のような葉、そこに群れるようにたわわに咲く花が可愛らしい植物です。
甘いピンクをシンプルに楽しむ
ピンクのフリル咲きガーデンシクラメン2つ(写真:左右後ろ)と銅葉色のアジュガ(写真:真ん中前)を合わせました。シンプルな組み合わせの一例なのですが、甘いイメージがあるピンクの花の真ん中に銅葉色の葉を入れてひきしめ感を出し、甘すぎずシンプルに引き立てています。アジュガは背が高くならないので、手前に持ってきてもじゃまにならずに使いやすいです。
渋くてかわいいアースカラー
ピンクのフォーチュンベゴニア(写真:左前)をメインに使い、フォーチュンベゴニアの葉の茶色がかった部分の色と、他の2つの植物をアースカラーでつなげて、渋さと可愛らしさの両面をもったキュートな組み合わせをつくりました。フォーチュンベゴニアの丸い花と葉(写真:右前)と、ヒューケラの丸い葉にシュッとしたグラス系のウンシニア(写真:真ん中後ろ)をプラスすることで動きを出しました。
フォーチュンベゴニア
- フォーチュンベゴニアは、華やかでつやがある大輪の花が魅力の球根ベゴニアです。春にも出回りますが、夏の高温多湿を嫌うので、温暖地では秋に植えるのがおすすめです。秋の低温・短日期にも花が咲きやすい特徴があり、気温が下がり始める秋から育てることで、秋から冬まで存分にその美しさを楽しむことができます。 フォーチュンベゴニアの花は、気温が高い時期は少し小さく咲き、開花期間も短めなのですが、気温が下がる秋に花は大きくなり、花色もより美しく、花持ちも良くなります。秋が深まるにつれてこんもりと生長し、どんどん花芽をつけてたくさんの花を咲かせます。温暖地で9月に植え付けた株は12月には3倍程度に生長します。 フォーチュンベゴニアは、1ポットの中に八重咲きの雄花と一重咲きの雌花が咲き、1ポットで2種類の花形が楽しめることが魅力です。シンプルで可愛い一重のピコティ(縁取り)咲きの虹色フォーチュンベゴニアは、雄花は大輪で花びらの縁取りが美しい一重咲きで、雌花も一重咲きです。 フォーチュンベゴニアはどのような花とも相性が良く、寄せ植えのメインとなります。花色のバリエーションも咲き方も豊富なので様々なイメージを楽しむことができます。 軽い霜程度には耐えますが株が凍ると枯れてしまいます。球根を凍らないように管理をすると、春には芽が出て初夏に花が咲きます。
ヒューケラ(ツボサンゴ)
- ヒューケラは常緑多年草で、カラーリーフプランツとして寄せ植えや花壇に用いられる近年人気の高い植物です。 草丈20~50cm程度で葉が重なるように密に茂り、葉色のバリエーションが幅広いのが人気の理由です。 ヒューケラの葉は、直径3~10cmほどで薄く丸みを帯びたフォルムで、形は品種によってさまざまです。葉色は赤、シルバー、オレンジ、緑、黄緑、黄、紫、黒や斑入りのものなど変化に富みます。 花は原種のツボサンゴ、園芸品種ともすっと立ち上がった花茎から釣鐘型の小花を群れるように咲かせます。ヒューケラは花もちも良く約1か月近く咲き続け、切り花としても楽しめます。 ヒューケラは耐陰性が強く、半日陰から木洩れ日が当たる程度の日陰まで、元気に育ちます。葉を横に広げてこんもりと茂るので、「色の塊」のような茂みになり、庭の景色を作るのに役立ちます。耐寒性があり常緑なので、冬の間も庭に彩を与えてくれます。
アンティーク&パステル
アンティークカラーのストック(写真:右後ろ)に、パステルカラーのキンギョソウ(写真:左後ろ)と白い小花のスーパーアリッサム(写真:真ん中前)を合わせて可愛らしい組み合わせをつくりました。背が高い植物2つと、手前に広がる植物を組み合わせた一例でもあります。アンティークカラーを使う時に、さらに渋い色を合わせると全体が暗くなってしまうので、パステルカラーを合わせて明るさを出しました。
キンギョソウ(金魚草)
- キンギョソウ(金魚草)は旧分類ではゴマノハグサ科でしたが、オオバコ科に分類されるようになりました。キンギョソウ(金魚草)は地中海原産の宿根草ですが、夏の暑さに弱いため日本では半耐寒性の一年草として扱います。草丈は20cm~1m程まで品種によって異なり、花穂を大きく伸ばして金魚に似た色鮮やかな花を咲かせることから名前がつきました。 キンギョソウ(金魚草)は古くからヨーロッパで品種改良が進み、最近ではペンステモン咲きや八重咲きの品種も人気があります。キンギョソウ(金魚草)の花色は白、黄、桃、赤、紅紫、橙、複色など豊富にあります。キンギョソウ(金魚草)は花丈のバリエーションも豊富です。また、花の色だけでなく、最近ではダークカラーの葉のキンギョソウ(金魚草)もできて、カラーリーフとして楽しめるキンギョソウ(金魚草)も登場しています。 切り花用の高性種や、後方に配置すれば奥行き感のある花壇を演出できる中高性種、草丈20cmほどで寄せ植えや花壇の手前に向く矮性種(わいせいしゅ)など用途に応じて使い分けます。
アリッサム(スイートアリッサム)
- アリッサムは地中海沿岸原産の多年草(一年草)です。「スイートアリッサム」の名前でも親しまれています。小花がたくさん咲き、花束のようにこんもりと生い茂る姿が何とも愛らしい植物です。 アリッサムは横に広がる性質を持つので、グランドカバーの他、寄せ植えの引き立て役や花壇に植える花として人気があります。高温多湿には弱い植物ですが、乾燥に強く丈夫であるため、園芸初心者には最適の草花です。また、比較的多く出回り、安価で手に入れやすく、生育が良いことも人気の理由の一つです。 アリッサムはカスミソウのように控えめで愛らしい花で、ピンク、白、紫、オレンジと様々な色があり、自分の好みや庭、プランターの雰囲気に合わせて選ぶことができます。最近では日本の夏にも耐えられる「スーパーアリッサム」という園芸種も出回っています。 アリッサムは本来は多年草ですが、湿気に弱いため、日本では一年草扱いをされていることが多いようです。うまく環境にあえば、多年草化することもあります。
クリスマスカラー
赤のガーデンシクラメン(写真:真ん中前)をメインに使い、シクラメンプラチナリーフ(写真:右後ろ)とシルバーリーフのオレアリア(写真:左後ろ)を合わせて雪景色を思わせるようなクリスマスのイメージをつくりました。シクラメンプラチナリーフは、ほんのりピンクのさくら色の花が咲きます。赤いシクラメンは色の主張が強いので、ほんのりピンクのさくら色の花と、シルバーリーフを合わせることで上品にまとまりました。
\3ポットの素敵な組み合わせを教えてくれた間室みどりさんを紹介します!/