ベランダや玄関先でも育てられる!数種類のハーブを組み合わせたワンランクアップの寄せ植え作り
戸松敦子
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ハーブは料理、お茶、クラフト、アロマ、ハーブバスなどに利用されますが、ハーブをお庭やベランダで育てて、使いたい時にすぐに摘んで様々なことに楽しめたらいいですよね。
今回は、ベランダや玄関先などにも置きやすい「ハーブの寄せ植え」をご紹介します。
目次
- 数種類のハーブを楽しむ!ハーブの寄せ植え
- ハーブの寄せ植えにおすすめの苗
- ハーブの寄せ植えの作り方
- ハーブの寄せ植えの管理方法
- ハーブの寄せ植えを作った植物のその後
- 日々の暮らしで楽しむハーブの寄せ植え
数種類のハーブを楽しむ!ハーブの寄せ植え
今回の寄せ植えのテーマは「数種類のハーブを楽しめる寄せ植え」。
さあ、どんな種類のハーブを使って寄せ植えを作りましょう?
実際に使いたいハーブだけを集めて植えるのも良いのですが、背の高いもの低いもの、上に伸びるもの這うように伸びるもの、色や質感の違いのバランスを考えて選ぶと、実用性プラス見た目も重視したハーブの寄せ植えを作ることができます。
小さなスペースしかない場所でも、寄せ植えにすれば数種類のハーブを育てることができます。ハーブを暮らしの中に取り入れる第一歩として、ハーブの寄せ植えを作ってみましょう。
ハーブの寄せ植えにおすすめの苗
寄せ植えを作る時には、ハーブを活用する目的だけでなく高低差や質感や形の違い、色のコントラストを付けるなど、寄せ植えのちょっとしたテクニックを使うとワンランクアップしたものが作れます。
苗を選ぶ時に、苗をじっくり見て、どうしてその苗を使う必要があるのか?その苗の役割は何か?をひとつひとつ考えてみましょう。
苗としっかり向き合って選ぶと、寄せ植えを育てる時も愛着がわいてかわいさも倍増しますよ。
ハーブを食用として用いる際は、無農薬栽培の苗を使うと安心ですね。また、ハーブは妊娠中、授乳中、乳幼児、持病などのある方は使用に注意が必要な場合があります。主治医に相談してから使用しましょう。
それでは、今回の寄せ植えに使った苗を、選んだ理由も含めてご紹介していきます。
イングリッシュラベンダー ~シソ科 耐寒性常緑低木~
この苗を選んだ理由
ラベンダーの中でも、花の美しさと香りの良さを兼ね備えているイングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)を選びました。
寄せ植えの一番後ろに、「背の高い背景になるもの」としてもぴったりです。
・使い方
ハーブティーや摘みたてを花束アレンジなどに使えます。風通しのよい場所に吊り下げておくと簡単にドライになります。
ラベンダーは非常に種類が多く、高い香りを楽しむのに向く種、丈夫で花壇での鑑賞に向く種など様々で、耐寒性や耐暑性も異なります。料理やハーブティーには、イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)を主に利用します。
・育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。高温多湿が苦手なので、夏は風通しよく管理しましょう。水や肥料のやりすぎに注意し、花後は早めに花茎を切り、込み入った部分をすいて風通しをよくするのも効果的です。挿し木でふやせます。
今回は四季咲きのイングリッシュラベンダーを使いました。花期は5~9月頃です。
▼育て方はこちら
モヒートミント ~シソ科 耐寒性多年草~
この苗を選んだ理由
すっきりした味のモヒートやハーブティーを飲みたい!とイメージしてモヒートミントを選びました。すくっと上に伸びて立つ姿から、ラベンダーの手前に植えてちょこちょこ収穫してもすぐにまた元気に伸びることが想像できます。
ミントも種類が豊富です。それぞれ草姿や色も異なりますし、含まれる成分も種によって違い、香りも異なります。使う用途や寄せ植えのバランスを見て、お好みのミントを選んだら楽しいですね。
・使い方
モヒート、ハーブティー、料理、ポプリ、ハーブバスなどに使えます。
・育て方のコツ
日なたから半日陰、水はけのよい用土を好みます。収穫をかねて切り戻しをしながら育てます。切った茎を水にさしておくと根が出て簡単にふやせます。8~9月に白い花が咲きます。
ミントは植えると地下茎でどんどん広がります。広がらせたくない場合は、鉢に植えた状態で植えると広がりにくいのでおすすめです。
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バジル ダークオパール ~シソ科 非耐寒性一年草~
この苗を選んだ理由
モヒートミントと同じように、収穫しても再びぐんぐん上に伸びるタイプの苗をもう一つ取り入れたいと思い、料理に使いやすいバジルをセレクト。
その際、寄せ植えのアクセントとなるように、緑色ではなく、赤紫色の葉のダークオパールを選びました。
バジルも種類が豊富で花と葉の香りが異なるので、使う用途や寄せ植えのバランスを見て、お好みのバジルを選んでみてくださいね。
・使い方
緑色のバジルと同じように使えます。サラダなどの料理に使うと美しい赤紫色をいかせます。ビネガーやオイル、リキュールの色付け、香り付けにも使うことができます。
・育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。先端の芽を摘み取ってわき芽を伸ばす「摘芯」を繰り返すと、枝数が増えて収量が増します。挿し木でも簡単にふやすことができます。7~9月頃にピンク色のかわいい花が咲きます。花が咲くと風味が落ちるので、花を使わない場合は花穂は早めに切り取りましょう。
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パセリ ~セリ科 半耐寒性二年草~
この苗を選んだ理由
背の高いハーブの手前に、それほど背が高くならずにふんわりと育つ苗を植えたいと思い、料理やスムージーにも使いやすいパセリを選びました。
パセリには今回使った葉が縮れるタイプ(モスカールドパセリ)と、葉が平たいタイプ(イタリアンパセリ)がありますが、ふんわりした草姿を今回の組み合わせの中でいかせると思い、葉が縮れているタイプを選びました。
・使い方
料理に使えます。茎はブーケガルニに最適です。
・育て方のコツ
日なたから半日陰、水はけのよい用土を好みます。夏の高温と乾燥で葉色が悪くなります。夏の直射日光は避けて、適度に日が当たる風通しのよい場所で管理しましょう。
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タイム ゴールデンクイーン ~シソ科 耐寒性常緑低木~
この苗を選んだ理由
それほど背が高くならずにふんわりと育つ苗のもう一つを選ぶ時に、ハーブティーや料理に使いやすいタイムを考えました。その際、葉の縁に黄金色の斑が入っていて、寄せ植えの中で明るく映えるゴールデンクイーンを選びました。
タイムも種類が多く、直立するタイプと這うように広がるほふくタイプ(クリーピングタイプ)に分かれます。料理によく使われるのは立ち性のコモンタイムです。目的によって品種を選びましょう。
・使い方
やさしいレモンの香りをいかしてハーブティーやお菓子、料理などに使います。
・育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。生育が旺盛で栽培は容易です。高温多湿に弱いので、まめに切り戻しをしたり、込み合った茎葉をすくなどして風通しをよくしましょう。挿し木、株分けでふやせます。5月下旬~8月下旬に花穂を伸ばし茎の先に淡いピンクの花を咲かせます。
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ワイルドストロベリー ~バラ科 耐寒性多年草~
この苗を選んだ理由
イチゴ独特のかわいい葉っぱの形や、かわいい花、実を手前のフォーカルポイントに使いたい!と考えました。
・使い方
果実はお菓子のトッピングやジャムに、葉はハーブティーに使えます。
・育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。高温多湿にやや弱く、猛暑時は実付きが悪くなったり葉が落ちたりします。風通しの良い場所を選んで育てましょう。株元から横に伸びるランナーでふやすことができます。ふやす目的がない時は、株の勢いが分散してしまわないようにランナーは切り取ります。4~6月頃に小さな白い花が咲き、5~7月頃に小さなかわいい実がつきます。
▼育て方はこちら
ハーブの寄せ植えの作り方
それでは、寄せ植えを作っていきましょう。
準備するもの
・ハーブ(9cmポット苗6ポット)
・鉢(今回は内径25㎝、高さ30㎝ほどのサイズ)
・ミントをはびこらせないように植え替える鉢
(9cmポットよりひと回り大きいくらいのスリット鉢)
・肥料入り培養土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ
・はさみ
・ジョーロ など
寄せ植えの下準備
寄せ植えを作る前に、まず、モヒートミントをビニールポットよりひと回り大きい鉢に植え替えます。
今回は、プラスチック製のスリット鉢を準備しました。
株元の黄色い葉やごみを取り除いてから植え替えましょう。土をたっぷり入れてあげます。
どうしてモヒートミントだけ植え替えるのか?
それは、ミントは地下茎でどんどん増えていろんなところから顔を出し、他のハーブよりも強くはびこってしまうからです。寄せ植えを作る時には、ミントは鉢のまま植えた方が寄せ植え全体のバランスを美しく管理することができます。
モヒートミント以外の苗も、枯れた葉や茎、株元の黄色い葉やごみを取り除いておきましょう。
作り方
では、寄せ植えを作ります。
コンテナの底に鉢底石を器の1/5程度まで入れます。
その上に、肥料入り培養土を器の半分よりやや上くらいまで入れます。
苗をポットのまま鉢の中に置いて、寄せ植えの出来上がりをイメージします。
この写真は、完成後に真上から撮影したものです。完成予想イメージどおりにできました。
背の高いラベンダーとバジルを寄せ植えの背景的存在として後ろ側に植え、モヒートミントを真ん中に、タイムとパセリを両サイドに、ワイルドストロベリーを一番手前に植えます。
配置が決まったら、後ろ側に植えるハーブから植えていきます。
根が張りすぎている場合は、根の底をハサミで十字に切って、根を軽くほぐします。
このようにすることで、根が活性化されて生長がよくなります。(真夏や真冬には、根をいじりすぎると逆に植物にダメージをあたえてしまうのでやめましょう。)
草丈が高くなり、背景となるラベンダーをいちばん後ろに植えます。
ラベンダーの手前に、モヒートミントを鉢ごと植えます。
次に、バジルの苗の株元をきれいにして、ラベンダーの左隣やや手前に植えていきます。
苗が美しく見える向きを考えながら植えます。
次にパセリの苗を右側に植えていきます。
さらに、タイムの苗を左側に植えます。
最後に、ワイルドストロベリーの苗を手前に植えます。
苗と苗の隙間に、鉢の外側1周土を入れていきます。指で土をつっつきながらしっかりと入れましょう。真ん中の苗と苗の間にも土を入れます。
水やりをする時に水が流れ出ないようにするため、ウォータースペースをとります。土は、鉢のふちから2㎝ほど下げたところまでにおさめましょう。
ピックをさして完成です。鉢の底から流れ出るくらいたっぷりのお水を株元からあげます。
ハーブの寄せ植えの管理方法
置く場所
外の日当たりと風通しのよい場所に置きます。
パセリなどは夏の高温と乾燥で葉色が悪くなりことがあります。真夏はギラギラの直射日光があたる場所は避け、適度に日が当たる風通しのよい場で管理することを心がげましょう。
肥料
元肥入りの土を使っていますので、春と秋の成長期に施します。
花がらとり
ラベンダーは花後早めに花茎を切って風通しをよくしましょう。バジルなどは花を咲かせると風味が落ちるので花を使わない場合は早めに花を摘み取りましょう。
切り戻し
育って姿が乱れた場合は茎を短くし、再び美しく楽しむことができます。
水やり
土が乾いたら株元からたっぷりお水をあげます。
ハーブの寄せ植えをつくった植物のその後
バジル
バジルは非耐寒性の一年草です。寒くなったら枯れてしまうので、枯れてしまったら抜き取りましょう。
パセリ
パセリは2年草の半耐寒性植物です。冬の霜にあたって枯れてしまわなければ翌年も収穫できます。
イングリッシュラベンダー、モヒートミント、タイム、ワイルドストロベリー
この4種のハーブは耐寒性があります。真冬は生長がゆっくりで春~秋よりは元気がなくなりますが、冬を超えるとまた勢いよく育ちます。
日々の暮らしで楽しむハーブの寄せ植え
今日では、「ハーブ」という言葉は、「暮らしに役立つ香りのある植物」を総称する言葉として使われています。私たちはハーブたちを見て、香って、触って、食することで、心と体を思い切りリフレッシュすることができます。
ハーブ類は見た目がそれほど華やかではありませんが、一年中どんな時もそばにいてほしい植物だと思います。そんなハーブを数種類集めて寄せ植えを作っておくと、水やりの際に日々清々しい香りを感じ、使いたい時には摘み取ってすぐに楽しめます。
ぜひ、ハーブの寄せ植えを作ってハーブと暮らす日々をお楽しみください。
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