菖蒲(ショウブ)とは?育て方、菖蒲(ショウブ)とあやめ、かきつばたの違いや見分け方まで
山田智美
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菖蒲とはどんな花かご存知ですか?菖蒲とあやめ、かきつばた(杜若)の違いや見分け方はわかりますか?菖蒲の基本的な育て方、端午の節句と葉菖蒲の関係など、菖蒲についての気になる情報を詳しくご紹介します。
目次
- 菖蒲(ショウブ)とは?基本情報
- 菖蒲(ショウブ)の花の咲く季節
- 菖蒲(ショウブ)、あやめ、かきつばた(杜若)の違いと見分け方を紹介
- 菖蒲湯に入れる菖蒲(ショウブ)の葉とは?花菖蒲との違い
- 菖蒲(ショウブ)の育て方
- 菖蒲(ショウブ)の植え替え
- 菖蒲(ショウブ)がかかりやすい病害虫と対処法
- 菖蒲(ショウブ)の季節を楽しみましょう
菖蒲(ショウブ)とは?基本情報
- 植物名:花菖蒲(ハナショウブ)
- 学名:Iris ensata
- 科名:アヤメ科
- 属名:アヤメ属
- 分類:多年草
菖蒲(ショウブ)の特徴
菖蒲とは、ノハナショウブから改良されて作られた園芸品種です。「菖蒲」と呼ばれ愛されていますが、正しくは「花菖蒲(ハナショウブ)」という植物名です。
江戸時代中期には菖蒲の品種改良が始まっていたというくらい、菖蒲は古くから日本で愛されてきました。
菖蒲の花の咲き方は特徴的で、外花被と呼ばれる外側の花びらが大きな三英咲き、外花被も内花被も大きな六英咲きとがあります。
菖蒲は湿地や草原を好み、葉は平たく細く剣のようなフォルムで、地下には根茎を持ちます。
▼菖蒲についてさらに詳しくはこちら
菖蒲(ショウブ)の花の咲く季節
菖蒲の花が咲くのは初夏、梅雨に入る前の5月上旬から中旬です。年々気温の上昇と共に菖蒲の開花も早まってきています。菖蒲の花は開花期が短いので、見逃さないようにしたいものです。
菖蒲(ショウブ)の花の色
菖蒲は花色が豊富で鮮やかであるというのも人気の理由の一つとされています。菖蒲の花色は、紫、藤色、ピンク、白、黄色などがあります。
さらには絞りが入ったものや覆輪などバリエーションも豊富です。
菖蒲(ショウブ)は夏の季語
菖蒲は仲夏の季語ともされています。仲夏とは陰暦の5月のことを指します。
菖蒲(ショウブ)、あやめ、かきつばた(杜若)の違いと見分け方を紹介
菖蒲、あやめ、かきつばた(杜若)の違いをご存知でしょうか。
「いずれあやめかかきつばた(杜若)」という慣用句もあるくらい、あやめもかきつばた(杜若)も甲乙つけがたいくらい美しい花です。
菖蒲、あやめ、かきつばた(杜若)のそれぞれの特徴と見分け方を紹介します。
花が咲いていないときに見分けるのは難しいのですが、開花中なら簡単に見分けることができます。ゆっくりとそれぞれの花を観察してみましょう。
菖蒲(ショウブ)の特徴と見分け方
- 草丈:50~100㎝
- 花:菖蒲は花びらの付け根に黄色の筋があります。
- 葉:葉は細く、葉脈がくっきりとしています。
- 見分け方:菖蒲の見分け方は、この花びらの黄色い筋で判断します。
あやめの特徴と見分け方
- 草丈:30~60㎝
- 花:あやめの花は、花びらの付け根に網目上の模様があります。
- 葉:葉は細く葉脈は目立ちません。
- 見分け方:あやめは菖蒲、かきつばた(杜若)に比べて全体的に小ぶりです。あやめの見分け方は、花の付け根の網目模様です。さらに菖蒲とかきつばた(杜若)は湿地を好みますが、あやめは明るい草原を好みます。
かきつばた(杜若)の特徴と見分け方
- 草丈:50~70㎝
- 花:かきつばた(杜若)は、花びらの付け根に白い筋があります。
- 葉:葉の幅は2~3㎝と広く、葉脈は目立ちません。
- 見分け方:かきつばた(杜若)は、花びらの付け根にある白い筋で見分けます。
菖蒲湯に入れる菖蒲(ショウブ)の葉とは?花菖蒲との違い
端午の節句の頃に入るとよいと言われている菖蒲湯。お風呂に菖蒲の葉を入れて楽しむものです。この菖蒲湯に使用する菖蒲の葉は、実はお花の菖蒲とは違う植物だってご存知でしたか。
菖蒲湯に入れる菖蒲の葉は、ショウブ科ショウブ属のショウブ(Acorus calamus)という植物です。
端午の節句が近づくと花屋やスーパーの店頭で葉菖蒲という名前で販売されるようになります。気を付けて見てみてください。
この、菖蒲湯に入れるショウブ科ショウブ属のショウブと混同しないように、花が咲く菖蒲は「花菖蒲(ハナショウブ)」と呼ばれます。
菖蒲(ショウブ)の育て方
菖蒲を実際に育ててみませんか。菖蒲の簡単な育て方をご紹介します。
植え付け場所、用土
菖蒲は湿地を好みます。菖蒲園で見るような水の中に植え付ける必要はありません。極端に乾燥しやすい場所を避ければ、庭植えで楽しむことが出来ます。
鉢植えの菖蒲は市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
植え付け時期
春から初夏、あるいは秋の暖かい時期に植え付けます。
水やり
菖蒲は開花期になるとたくさんの水分を必要とします。花芽が確認できるようになったら、乾燥させないようにこまめに水やりを行います。
鉢植えの菖蒲は鉢ごと大きな桶やバケツに浸けてしまうのもいいでしょう。その代わり水が腐らないようにこまめ取り換えるか、ホースなどを使って流水で溢れさせるように取り換えます。
肥料
花後にお礼肥として緩効性肥料を与えます。春は花芽が出てくる前に、開花のための栄養として緩効性肥料を与えましょう。
増やし方
菖蒲は株分けで増やせます。
菖蒲(ショウブ)の花を楽しむコツ
菖蒲の花は2回咲きます。咲き終わった花の下から新しい花が出てきて開花します。菖蒲の花が終わってもすぐに花茎を切らずに花がらを摘み取るだけにしておきましょう。もう1回花を楽しむコツです。
菖蒲(ショウブ)の植え替え
菖蒲の植え替えは、開花中、あるいは秋の暖かい時期に行います。
菖蒲は数年同じ場所に植えたままにしておくと、連作障害といって株が弱ってしまう植物です。庭植えの菖蒲は2~3年に1度は掘り上げて植え替えるようにしましょう。
同じ場所に植え付けたい場合は、土壌改良剤などを使用するのもよいでしょう。鉢植えの菖蒲は1~2年に1度は植え替えるようにしましょう。
この時に株分けも同時に行います。
菖蒲(ショウブ)がかかりやすい病害虫と対処法
菖蒲はとても育てやすい植物で、目立った病気の被害はありません。
害虫は5月~6月くらいにヨトウムシとメイガの被害にあうことがあります。メイガの幼虫はこまめに様子を見て、見つけ次第捕殺します。
ヨトウムシは日中は土の中で眠っていて、夜になると活動を始めます。気が付いたら薬剤を散布してください。
▼ヨトウムシについて詳しくはこちら
菖蒲(ショウブ)の季節を楽しみましょう
気温が上がり始めた初夏に咲く、涼やかな菖蒲の花。初夏の陽射しの下でも、梅雨の霧雨の中でも、優美な姿で私たちの目を楽しませてくれます。
菖蒲は自宅でも簡単に育てられます。菖蒲の花がたくさん咲いたら、花瓶に生けて飾るのも楽しみの一つです。菖蒲の花をもっと身近に楽しんでみませんか。
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