ポピー(ケシ)とは?花の特徴、種類ごとの性質や育て方

金子三保子

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ポピーは春から初夏にかけて、かわいい花を咲かせる草花。ひとくちにポピーと言っても、いろいろな種類があるのをご存知でしょうか。

今回はポピーの種類ごとの特徴と魅力、開花時期、育て方をご紹介します。

目次

ポピー(ケシ)とはどんな花?

ポピーとは?

ポピー(学名Papaver、日本語だとケシ)は、野生種をはじめ、たくさんの園芸種がある草花。

赤、オレンジ、黄色、白……華やかで元気な雰囲気に対して、花びらは薄紙のような繊細さがあり、春から初夏にはメディアでもポピーの花畑が度々紹介されています。園芸植物としてのほか、春の切り花としても親しまれています。

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育ててはいけないポピー(ケシ)

ポピーの中には麻薬の成分になるモルヒネが含まれている理由で、日本の法律では育ててはいけないポピーが、アツミゲシをはじめとして3種類ほどあります。

国内で栽培が許可されているのは、研究の対象として栽培している「東京都薬用植物園」などの限られた場所のみです。

東京都薬用植物園

  • 最寄駅 : 西武拝島線東大和市駅
  • アクセス : 西武拝島線東大和市駅下車徒歩2分。またはJR立川駅北口から西武バス南街方面行で (6-8番 乗場)都立薬用植物園前下車 
  • 住所 : 東京都小平市中島町21−1

漢方医学・民間療法・製薬などに用いられる植物を収集・栽培している植物園です。温室・冷房室・展示室・研修室などの施設があり、薬用植物の正しい知識の普及に努めています。


・入園無料
・物販あり。
ふれあいガーデン草星舎(http://www.fureai-garden.net/)にて
・食事場所について
飲食物の持ち込みOK。飲食は東屋、ベンチのみ。
ゴミ箱なし。飲酒禁止。
・トイレ:屋外1か所、薬事資料館内1か所
・ベビーカーでの利用可能。
・園内禁煙。

 

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園芸種や野草のポピー(ケシ)

アイスランドポピー(シベリアヒナゲシ)

アイスランドポピー

  • 分類:ケシ科ケシ属
  • 学名:Papaver nudicaule
  • 英名:Iceland poppy(アイスランドポピー
  • 和名:シベリアヒナゲシ
  • 花の時期:3月~5月

一般的にポピーといえば、「アイスランドポピー」のことを指すことが多いようです。本来は多年草ですが、高温多湿にとても弱いため、日本では秋まきの一年草として扱われています。

今回ご紹介するポピーの中では開花が一番早く、3月ごろから咲きだします。白、黄色、オレンジ、赤、ピンク、アプリコット色、複色……明るくて軽やかな色が多いので、群植して花畑にすると満開時は圧巻の光景です。

切り花のポピーとして流通しているのは「アイスランドポピー」です。

アイスランドポピー

  • アイスランドポピーは、細い茎の先に、薄紙のような花びらの花を咲かせます。切り花の「ポピー」という名で出回っているものは、このアイスランドポピーです。 アイスランドポピーはケシ科の多年草で、寒冷な気候の地域に分布し、山岳地帯の岩場、砂地の草原などに自生しています。日本には大正時代初期に渡来し、春の花壇を彩る花として親しまれています。本来は多年草ですが、日本の夏の高温多湿にとても弱く枯れてしまうため、秋まきの一年草として扱われています。 アイスランドポピーはシベリアで発見されたことにより、シベリア雛罌粟(シベリアヒナゲシ)と呼ばれていましたが、アイスランドポピーが発見されたシベリアの気候がアイスランドに似ていることから、アイスランドポピーと呼ばれるようになりました。 同じケシ属の近縁種には、ヒナゲシ(シャーレーポピー)やオリエンタルポピーがあります。アイスランドポピーは寒冷地に分布していることから、それらの近縁種より開花する時期が早いのが特徴です。ヒナゲシは茎を分枝させて花を咲かせるのに対して、アイスランドポピーの茎は分枝せず、一本の茎に一輪の花が咲きます。また、ヒナゲシには伸びた茎に葉が付きますが、アイスランドポピーは分枝せずに株元から茎を伸ばすため、茎に葉がありません。 国内にはアイスランドポピーの花畑が観光名所となっているところもあります。カラフルな色のアイスランドポピーが一面に咲いている姿はとても美しく見事な光景で人気です。

シャーレーポピー(ヒナゲシ)

シャーレーポピー

  • 分類:ケシ科ケシ属
  • 学名:Papaver rhoeas
  • 英名:Shirley poppy(シャーレーポピー)
  • 和名:ヒナゲシ、グビジンソウ
  • 花の時期:4月~7月

シャーレーポピーは和名ではヒナゲシ、英名ではシャーレーポピー、フランス名ではコクリコと呼ばれる一年草のポピー。

薄紙のような繊細な花びらで茎が細く、か弱そうですが性質は丈夫。一重咲きのほか、八重咲きもあり、色合いもとても豊富です。最近はグレイッシュな渋い色のポピーも人気があります。品種によっても差がありますが、アイスランドポピーより背丈が高めです。咲き始めから花が散るまでが3日程度のため、切り花としての流通は少なめです。

ひなげし(雛芥子)

  • ひなげし(雛芥子)は5月中旬~下旬見ごろに見頃を迎えるポピーです。和名ではひなげし、英名ではシャーレーポピー、フランス名ではコクリコと呼ばれる一年草のポピーです。ひなげしは薄紙のような繊細な花びらで茎が細く、か弱そうですが性質は丈夫。一重咲きのほか、八重咲きもあり、色合いもとても豊富な草花です。一面に咲き誇るひなげしの花畑を楽しめる公園が、日本全国に何か所もあります。ひなげしの種類は、利尻ヒナゲシという北海道利尻島で自生する丈が低く淡いクリームイエローの花の山野草がありますが、園芸種として種や苗で流通しているのは、シャーレーポピーです。

オリエンタルポピー(オニゲシ)

オリエンタルポピー

  • 分類:ケシ科ケシ属
  • 学名:Papaver orientale
  • 英名:Oriental poppy(オリエンタルポピー)
  • 和名:鬼芥子(オニゲシ)
  • 花の時期:5月~6月

オリエンタルポピーは宿根草のポピー。一年草のポピーに比べて、オリエンタルポピーは大型で、花丈は60cm~1m以上、花のサイズも大きいのが特徴です。

アイスランドポピーやシャーレーポピーのつぼみは、開花前はうなだれるように下向きで開花直前に上を向く性質ですが、オリエンタルポピーのつぼみは、最初から上を向いているのが特徴です。

宿根化すると大株になり花も大輪のため、庭の中で目を引く存在になります。高温多湿を嫌うので、東京のような高温多湿のエリアだと夏を越すのが難しく、どちらかというと寒冷地向きの宿根草です。

オリエンタルポピー

  • オリエンタルポピーは宿根草のポピーです。一年草のポピーに比べて、オリエンタルポピーは大型で花丈は60cm~1m以上、花のサイズも大きいのが特徴です。花のサイズだけでなく、葉っぱや茎も大きく株全体として強い印象があります。また、一年草のポピーのつぼみは、うなだれるように下向きで開花直前に上を向き花が開きますが、オリエンタルポピーのつぼみは、最初から上を向いているのが特徴です。 宿根化すると大株で花も大輪のため、庭の中で目を引く存在になります。

カリフォルニアポピー(花菱草)

カリフォルニアポピー(花菱草)

  • 分類:ケシ科ハナビシソウ属
  • 学名:Eschscholzia californica
  • 英名:California poppy(カリフォルニアポピー)
  • 和名:花菱草(ハナビシソウ)
  • 花の時期:4月~6月

カリフォルニアポピーは、ケシ属ではなくハナビシソウ属の草花です。太陽に反応する性質で、朝に開花して夜は閉じるを繰り返します。種から育てるのも簡単で、春から初夏にかけて一株でたくさんの花が開花します。色は、オレンジ、赤、クリーム色、ピンクなど。一重の他、八重咲きなど、品種も豊富。花も魅力的ですが、シルバーグリーン色の繊細な葉、とんがり帽子のようなつぼみも目を引く存在です。

花びらにつやがあり、晴れて太陽が当たると、キラキラ輝いたように見えます。原産地では多年草ですが、高温多湿を嫌うため、日本では秋まきの一年草として扱われます。梅雨を越すことができれば多年草化することもあります。

種や苗の名前は、カリフォルニアポピー、花菱草のほか、学名のエスコルチアという名前で流通していることもあります。

ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)

  • ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)は、春から初夏にかけて開花するケシ科の一年草です。寒さには強いです高温多湿が苦手。日本では梅雨を越えられないことが多いので一年草とされています。梅雨~夏を越すことができれば、二年草、もしくは多年草となることもあります。花菱草は和名、通称ではカリフォルニアポピーとも呼ばれています。 太陽とともに花が開き、夕方には花が閉じる性質です。つぼみの時点では、花の形からは想像できないとんがり帽子のような形のつぼみをしていて、開花する瞬間にかさが取れて開花します。シルバーグリーンの色合いの繊細な形の葉も素敵な草花です。   ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)のオリジナル品種は発色のよいオレンジ系ですが、最近はオレンジ系各種、アイボリー、オフホワイト、アプリコット、赤、ピンクなど豊富な花色があるとともに、一重の他、八重咲種など、花の咲き方も色々で毎年のように新品種が登場しています。 ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)は、花びらに光沢があり、日光が花びらが当たってキラキラと咲いている姿はとても目を引きます。 ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)はワイルドフラワーのミックスの種などにも入っていることがあり、公園や公共スペースなどの広い空間の花畑に使われることがあります。青い空とオレンジ色のコントラストは美しく、花びらのキラキラした花を群生させるととても見事です。

ブラックポピー(黒花ポピー

ブラックポピー

  • 分類:ケシ科ケシ属
  • 学名:Papaver macrostomum ‘Black Magic’
  • 英名:Black poppy
  • 和名:黒花ポピー
  • 花の時期:3月~5月

ブラックポピーは、最近、流通するようになった黒いポピー。花のサイズ、草丈とも上記にご紹介したポピーの中では、一番小ぶりです。ひとつひとつの花の開花期間は短いですが、次から次へと開花します。

ブルーポピー

ブルーポピー

メコノプシス・ベトニキフォリア

  • 分類:ケシ科メコノプシス属
  • 学名:Meconopsis
  • 英名:Blue Poppy(ブルーポピー
  • 花の時期:6月~7月

とても美しいブルーのポピーは、中国雲南省からヒマラヤが原産のメコノプシス属の草花で種類もたくさんあります。高温を嫌い冷涼な気候を好むため、日本で地植えできるのは主に寒冷地です。

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシ

  • 分類:ケシ科ケシ属 
  • 学名:Papaver dubium
  • 花の時期:4月~5月

1961年に世田谷区で初めて確認された帰化植物、ナガミヒナゲシ。とてもかわいい色と姿で、今では春の風景の中になじんでいますが、在来の植物の生態系に大きな影響を与える植物なので増やしすぎないことが大切です。

今のところ特定外来生物には指定されていませんが、1株でたくさんの花をつけ、一輪の花で1000~2000の種がつくそうで、爆発的に増える可能性を秘めています。そうならないためには、花が終わったらすぐ刈り取ることが肝心です。

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切り花のポピー

切り花のポピー

切り花として流通しているのはアイスランドポピーです。お正月の頃から3月くらいにかけて流通しています。シャーレーポピーは開花から花が散るまで3日程度なのであまり流通していません。

生け方のコツは茎がやわらかくて空洞なので、浅水で生けるのがポイントです。

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ポピーの育て方

ポピーの育て方

購入

一年草扱いのアイスランドポピー、シャーレーポピー、カリフォルニアポピーは種と苗、オリエンタルポピー、ブルーポピーは主に苗で流通しています。

ポピーの種まきのコツと苗の購入のポイント

アイスランドポピー、シャーレーポピー、カリフォルニアポピーの種をまく時期は9月~10月。最近はいつまでも暑い年もあるので、お彼岸過ぎ以降にまくのが発芽や育苗しやすくおすすめです。

ポピーは「直根性」のため、根が傷つくのを嫌います。発芽した芽を移植する手間を考えると、花壇やポット苗に「直まき」するのが簡単です。

アイスランドポピーとシャーレーポピーは、発芽に光を必要とする「光好性種子」のため、土をかぶせる必要はありません。一方、カリフォルニアポピーは、「嫌光性種子」なので、種をまいたら覆土が必要です。

もしも種まきに失敗しても初冬から春にかけて苗がたくさん流通します。苗で購入する場合は、花が咲いていない若い苗を冬から早春までに植え付けた方が春にたくさんの花が楽しめます。

ポピーの植え付けのポイント

先に紹介した通り「直根性」なのでポットから苗をそっと抜いて、根をいじらずそのまま植え付けましょう。植え付けたあとはたっぷりと水やりをするようにしてください。

水やり

どのポピーも乾燥気味の土を好みます。地植えの場合は植え付け直後以外は、雨にまかせて大丈夫です。鉢植えは鉢の表面の土が乾いてから与えるようにしましょう。水のやりすぎは根腐れの原因になります。

毎日の管理

シャーレーポピー 種

シャーレーポピー

種を採る目的以外は、終わった花はこまめに摘み取るのがたくさんの花を咲かせるポイントです。日本では一年草に分類されているカリフォルニアポピーは、梅雨の期間の雨の降り方によっては多年草化することもあります。

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春から初夏までを素敵に演出してくれるポピー。植え付けたあとの育て方は簡単です。庭や花壇に取り入れてみませんか。

 

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金子三保子
金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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