トケイソウとは?育て方、花言葉、花の特徴、パッションフルーツとの違い
山田智美
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トケイソウについて、育て方や花言葉、花の特徴、パッションフルーツとの違い、などを紹介します。さらに、実がなる種類やトケイソウにできる実は食べられるのか、和名と英名の由来、誤解されやすいクレマチスとの違い、冬越し方法まで。トケイソウについて詳しくお話します。
目次
- トケイソウとは?基本情報
- トケイソウの花言葉
- トケイソウの名前の由来
- トケイソウの花咲く季節と特徴
- トケイソウとパッションフルーツの違いは?
- 食べられるトケイソウの仲間
- トケイソウの育て方
- トケイソウの冬越し方法
トケイソウとは?基本情報
- 植物名:トケイソウ(時計草)
- 学名:Passiflora caerulea
- 英名:Passion flower
- 科名・属名:トケイソウ科トケイソウ属
- 分類:常緑つる性木本
トケイソウの特徴
トケイソウは南米原産のつる植物。南国を思わせるような大きな花と独特なフォルムが特徴で、観賞用として人気があります。
暑い地域原産の植物ですが、耐寒性の強い品種も多く、関東以西では露地で越冬可能です。ツヤのある濃いグリーンの葉は大きく、よく茂るのでフェンスに絡ませて目隠しやグリーンカーテンに利用されます。
トケイソウの花は一日花で、朝開花して日暮れとともにしぼんでしまいます。暑い季節が大好きなので、夏の間はたくさんの花を咲かせます。
トケイソウとクレマチスの違い
トケイソウとクレマチスはまったく別の植物。トケイソウはトケイソウ科トケイソウ属、クレマチスはキンポウゲ科センニンソウ属です。
どちらもつる植物であること、花が咲く時期や花の大きさ、フォルムが似ているからでしょうか。混同されることが多いようです。
トケイソウの花言葉
トケイソウの花言葉を紹介します。
トケイソウの花言葉は、「聖なる愛」「信仰」
キリストへの信仰との結びつきを感じさせるような花言葉ばかりです。
トケイソウの名前の由来
トケイソウの和名の由来
- 和名:時計草(トケイソウ)
トケイソウの花のフォルムを時計の文字盤に見立てたというのが和名の由来です。確かに円形に広がる糸のような副花冠や、飛び出したようなしべ類は時計の針と文字盤のようです。
トケイソウの英名の由来
- 英名:Passion flower
トケイソウの英名はPassion flower(パッションフラワー)、情熱ではなく、受難の花という意味です。
英名の由来はトケイソウの花の特徴がキリストの受難を象徴するからだといわれています。
例えば、先端が3つに分岐しためしべはキリストを貼り付けにした釘、花の内側に広がる糸のような副花冠は茨の冠、10数枚の花びらは弟子たち、つるはキリストを打った鞭などとなぞらえられています。
トケイソウの花咲く季節と特徴
トケイソウの花の季節と見頃
トケイソウの花が咲くのは5月~10月。初夏から初秋までです。暑い季節が大好きで、夏の間は次々と花を咲かせます。
特にトケイソウの花が見頃を迎えるのは7月~8月です。トケイソウの花は朝開花して夕方にはしぼんでしまう一日花ですが、花付きが良く、夏の間は毎日のように花を楽しめます。
トケイソウの花の特徴
トケイソウの花の色は白から薄紫、花の直径は7~10cmもある大きな花です。
花の中心にあるめしべは先端が3つに分岐し、その周りに5つあるおしべも先端が平たいユニークなフォルムをしています。花びらの内側に広がる細かい糸のような副花冠もこの花の大きな特徴です。
トケイソウとパッションフルーツの違いは?
トケイソウとパッションフルーツの違いは、「パッションフルーツは、食べられる実がなるトケイソウの仲間」です。
植物学的には、トケイソウ科トケイソウ属の別品種だと言うとわかりやすいかもしれません。
トケイソウの仲間には、トケイソウ(Passiflora caerulea)のように花を観賞する品種と果実を食用とする品種があります。
トケイソウの実は食べられる?
花を観賞するトケイソウ(Passiflora caerulea)や、ベニバナトケイソウ(Passiflora coccinea)は、あまり果実ができません。できたとしてもおいしくないので食べられません。
食べられるのは、クダモノトケイソウやオオミノトケイソウ、ミズレモンの果実です。
果実の収穫を目的として育てるなら、観賞用ではなく果実を楽しめる品種を選ぶようにしましょう。
食べられるトケイソウの仲間
果実を食用とするのはクダモノトケイソウという品種で、世界中の温暖な地域で栽培されています。他にもオオミノトケイソウやミズレモンなど、数種が果実を食用とする品種です。
クダモノトケイソウ(パッションフルーツ)
- 学名:Passiflora edulis
クダモノトケイソウはブラジル原産の常緑つる性低木で、果実はパッションフルーツの名で流通しています。果実を食用とするために、世界中で広く栽培されています。果実は6~7cmの卵形です。生食で楽しむほか、ジュースやジャムなどに加工します。
オオミノトケイソウ
- 学名: Passiflora quadrangalaris
オオミノトケイソウは長さ20~30cmの大きな果実を実らせます。果汁が多く、香りが良いのが特徴です。
ミズレモン
- 学名:Passiflora laurifolia
ミズレモンの英名はwater lemon(ウォーターレモン)。レモンのような酸味はなく、甘味と香りの良さが特徴です。果実は熟すと明るい黄色になります。
トケイソウの育て方
トケイソウを上手に育てるには、まず原産地を知るのが一番です。トケイソウの原産地は南米。南米原産のトケイソウは暑い夏は得意でも寒いのが苦手です。暑い夏が生長期で冬はお休みします。
置き場所・用土
日当たりの良い場所で管理します。品種にもよりますが、耐寒性の強いものは関東以西では地植えで越冬可能です。地植えする際は南向きの日当たりの良い場所に植えるとよいでしょう。
鉢植えのトケイソウは日当たりの良い場所に置きます。用土は市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
水やり
表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。冬は控えめに、表土が乾いて白っぽくなってから与えるようにします。
肥料
春から秋の生長している時期に緩効性肥料を施します。
剪定と誘引
春から秋の生長期はつるがよく伸びるので、気がついたらこまめに誘引を行います。放っておくと風に吹かれるままに広がっていくので気をつけましょう。伸びすぎた枝は適宜剪定します。
冬は不要な枝を取り除き、全体のバランスを整えるように剪定します。
増やし方
トケイソウは挿し木で容易に増やせます。何と言っても地面に垂れた枝から根が出るくらい丈夫な植物。
5月~7月の生長期に10cmほどに切った枝の下の方の葉を取り、しっかりと吸水させた後に、赤玉土小粒とバーミキュライトに挿します。発根するまでは水を切らさないように管理します。先端から新芽が出てきたら発根した合図。培養土に植え付けて育てましょう。
病害虫と対処法
風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。混みあった枝は適宜剪定を行ってください。
トケイソウの冬越し方法
地植えのトケイソウは、霜が降りる地域では霜除けを行うようにしましょう。
鉢植えのトケイソウは日当たりの良い窓際で管理します。冬の間も水やりを忘れないようにしましょう。
注意点は冬の水やりは控えめにすること。表土が乾いて白っぽくなったら与える程度で十分です。
トケイソウは大きな花が印象的な、夏に盛りを迎えるつる植物。品種によっては露地でも越冬可能です。最近はグリーンカーテンとしても人気があります。白や紫の花は夏に涼しげな雰囲気を演出してくれます。
印象的なトケイソウの花を育てて眺めて、もっとトケイソウを身近に感じませんか。
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