ほおずき(鬼灯)の季節や特徴|魔除けの縁起物?植えてはいけない理由とは?
更新
公開

ほおずき(鬼灯)について、季節や特徴、魔除けや縁起物、庭に植えてはいけないといわれる理由や言い伝え、遊び方などを紹介します。
目次
- ほおずき(鬼灯)とは?基本情報
- ほおずき(鬼灯)の花や実の季節
- ほおずき(鬼灯)の種類|食用ほおずきとは?
- 魔除けになる? 縁起物のほおずき(鬼灯)
- ほおずき(鬼灯)を庭に植えてはいけない理由とは?
- ほおずき(鬼灯)の遊び方
- ほおずき(鬼灯)の育て方
ほおずき(鬼灯)とは?基本情報
- 学名:Physalis alkekengi var. franchetii
- 科名、属名:ナス科ホオズキ属
- 分類:多年草
ほおずき(鬼灯)の特徴
ほおずき(鬼灯)とは、オレンジ色の果実が印象的なナス科ホオズキ属の多年草。鮮やかなオレンジ色の果実を提灯に見立て、お盆に飾ることでも有名です。
古くに中国から薬草として渡来したと考えられていますが、現在では観賞用として鉢植えや切り花で流通しています。
草丈50~90cm程、地下茎で増えるので群生している姿を見かけます。冬には地上部は枯れてなくなります。
ほおずき(鬼灯)の名前の由来
ほおずき(鬼灯)の名前の由来は、オレンジ色の果実が提灯のように見えることから「鬼灯」という漢字が当てられたと言われています。
他にもカメムシ(旧名ホオ)が好むからという説や、果実を鳴らして遊ぶ際に頬に(口に)含むからだという説もあります。さらに昔はほおずき(鬼灯)の果実を八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の赤い目に見立てて、「アカカガチ」や「カガチ」とも呼ばれたそうです。
ほおずき(鬼灯)の花言葉
ほおずき(鬼灯)の花言葉は「自然美」「心の平安」です。
果実の独特のフォルムは自然が作り出す美しさそのものですから、特徴をよくとらえた花言葉です。
ほおずき(鬼灯)の花や実の季節
ほおずき(鬼灯)の花咲く季節
ほおずき(鬼灯)の花が咲くのは6月頃。葉の脇から花径1.5cmほどのクリーム色の花を咲かせます。花は小さくて目立たないので、気づかれないことが多いようです。
ほおずき(鬼灯)の実のなる季節
ほおずき(鬼灯)の果実が実るのは7月~8月。初夏に咲いた小さな花が夏に果実になります。正確には提灯のように見えるオレンジ色の部分はガクが大きくなったもので、果実はなかに1つ入っているミニトマトのような実です。始めは緑色、熟すに従い、オレンジ色が濃くなっていきます。
ほおずき(鬼灯)の種類|食用ほおずきとは?
- 学名:Physalis pruinosa
- 科名、属名:ナス科ホオズキ属
- 分類:多年草
食用ほおずきの特徴
食用ほおずきは名前の通り、食べることを目的として栽培される種類。日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、諸外国ではフルーツとして親しまれています。樹木に実るものではないので正確な分類は野菜ですが、香りが良く甘味があり、生食できるので、イチゴやメロンのようにフルーツに分類されています。
日本でも栽培されていて、たまに小売店で見かけることがあります。まだ流通量は少ないようですが、是非とも食べてみたい果物です。
観賞用として流通しているほおずき(鬼灯)は毒性があるので食用にはできません。食べないようにしましょう。
※木本に実る果実を果物、草本に実る果実を野菜と分類します。
食用ほおずきを育てて食べてみた感想
実際に食用ほおずきを育てて食べてみた感想がレポートされています。果実が実っている様子から、断面図、味や香りも紹介されているので詳しくわかります。
▼食用ほおずき|夏から秋に収穫する野菜(果物)
魔除けになる? 縁起物のほおずき(鬼灯)
ほおずき(鬼灯)は縁起物!ほおずき市とは
ほおずき(鬼灯)は薬用になることから、無病息災を願う縁起の良い植物と考えられ、お寺の縁日で販売されるようになったのがほおずき市の始まりです。
ほおずき市とは、関東各地のお寺で7月に開催される「四万六千日(しまんろくせんにち)」という縁日に立つ市のこと。なかでも浅草の浅草寺のほおずき市は規模が大きく、人出も多いことで有名です。「四万六千日(しまんろくせんにち)」というのは、この日に参拝すると46000日分相当の功徳を得られるとされている日です。
一年でもっとも功徳が得られる縁日の市で、縁起の良いほおずき(鬼灯)を買って帰るという風習が、ほおずき市として定着しました。ほおずき市は、今でも夏の風物詩として親しまれています。
ほおずき(鬼灯)は魔除け?
Adobe stock
ほおずき(鬼灯)は、お盆に帰ってくるご先祖様の足元を照らす提灯、あるいは家の場所を知らせる灯りといわれています。また、玄関に飾って魔除けとしたり、薬効にあやかって病除けとする風習もあるそうです。
ほおずき(鬼灯)の言い伝え|庭に植えてはいけない理由とは?
ほおずき(鬼灯)を庭に植えてはいけない理由は、各地に伝わる「ほおずき(鬼灯)は病人の唸り声を聞きたがる」という言い伝えに由来しています。ある地域では、「ほおずき(鬼灯)を庭に植えると死人が出る、病人が出る」と言い伝えがあります。反対に「ほおずき(鬼灯)を庭に植えると家が富む」という地域もあります。おもしろいのは、前者の言い伝えでは「勝手に生えてきたものは言い伝えの対象にならない」のだそうです。
ほおずき(鬼灯)の言い伝え
薬草として、「ほおずき(鬼灯)を丸のみすると病気にならない」、「食べると腰痛が治る」や、「食べると流産する」、反対に「食べると安産になる」という言い伝えもあります。
他にも「夜にほおずき(鬼灯)を鳴らすとヘビがくる」というものもありました。なんでもカエルの声と間違えて寄ってくるのだとか。そこは聞き分けてほしいものです。
現在、観賞用として流通しているほおずき(鬼灯)は、毒性があるので食用にはできません。食べないようにしましょう。
ほおずき(鬼灯)の遊び方
ほおずき(鬼灯)笛
ほおずき(鬼灯)の遊び方として有名なのは、笛です。果実をくるくると回しながらガクから外し、なかの果肉を取り除いて、果皮だけにしたものを口のなかに含んで鳴らすという遊びです。
果実を指でもんで、なかの果肉を取り除くのが難儀で、うまく出てこずに果皮が破れてしまいます。果皮が破れると音は鳴りません。うまくいくとぎゅっぎゅっとカエルの鳴き声のような音が鳴ります。
透かしほおずき(鬼灯)の作り方
外側のガクを葉脈だけにして楽しむ、透かしほおずき(鬼灯)をご存知ですか。自宅で簡単に作れるのでチャレンジしてみてください。
▼作り方はこちら
ほおずき(鬼灯)の育て方
場所・用土
ほ日当たり、水はけの良い場所を好みます。鉢植えは市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
水やり
表土が乾いたらたっぷりと水やりします。鉢植えは、鉢底の穴から水が流れ出てくるくらいを目安にしましょう。
肥料
6月~8月に緩効性肥料を与えます。
病害虫と対処法
カメムシが付きやすいので、見つけ次第捕殺しましょう。
冬の管理
冬は地上部が枯れたようになって越冬します。枯れてしまったわけではないので、そのままにしておきましょう。鉢植えは冬の間も時々水やりを行うようにしてください。
ほおずき(鬼灯)は古事記にその名前が登場するくらい、古くから親しまれてきた植物です。提灯のようにも見えるオレンジ色の果実は、どこかミステリアスで私たちの気を引きます。改めて、魅力を見直してみませんか。
▼編集部のおすすめ