サルスベリ|花や実の特徴と時期、名前の由来、剪定のコツについて
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サルスベリについて、花や実の特徴と時期、花色の種類、名前の由来、別名や英名、剪定のコツを紹介します。
目次
サルスベリの特徴
- 学名:Lagerstroemia indica
- 科名:ミソハギ科
- 属名:サルスベリ属
- 分類:落葉高木
サルスベリの特徴
サルスベリは、色鮮やかで少し変わった花を咲かせる落葉高木です。自然樹形でも形が整いやすく手入れが楽なので、庭木の他に公園や街路樹などでも人気があります。枝を大きく横に広げて、その先にたわわに花を咲かせるので花にも樹形にもボリュームがあり、遠くからでも目を惹きます。
矮性種もある
サルスベリは放っておけば10mを超すほど大きくなる落葉高木ですが、大きくならない種類もあります。
矮性サルスベリや一才サルスベリと呼ばれる種類は、生長しても樹高1~2m程度とコンパクトなので鉢植えでも管理できます。サルスベリ・スーパーソニックなどが有名です。他にもサルスベリ・ペパーミント・レースは、ピンクの花びらの縁に、白い斑が入る華やかな品種。サルスベリ・バリエガタは、斑入り葉の珍しい品種です。
サルスベリの花色の種類
- 赤
- 濃いピンク
- 淡いピンク
- 紫
- 淡い紫
- 白
- 複色
サルスベリの花や実の特徴と時期
サルスベリの花の時期
サルスベリの花が咲く時期は、6月~10月です。非常に開花期間が長い花で、初夏から初秋まで咲き続けます。花が終わりを迎える晩夏から初秋には、縮れたようなフォルムの花びらが、花吹雪のように舞いながら散っていく美しい光景を見ることができます。
サルスベリの花の特徴
サルスベリは、円錐花序(えんすいかじょ)という小さな花の集合体を、枝の先に房のように咲かせます。
花一つ一つをよく観察すると、縮れたようにくしゃくしゃっとした花びらが6枚付いて、さらに花びらの付け根は糸状になっています。この花の中心からしべが飛び出すようについている、独特のフォルムをしています。
サルスベリの実の時期と特徴
サルスベリの実ができる時期は、10月~11月です。10月に確認できる実はまだ青く、つぼみかと見紛うほどです。熟すに連れて焦げ茶色に変化していきます。11月頃に完熟すると、ほぼ黒というくらいの茶色に変わり、実の先端が裂けて、中から小さな種が出てきます。種は羽のような形状をしていて、風で飛んでいきます。
種を飛ばし終わった実の殻は、チューリップのようなフォルムでかわいらしいので、ドライフラワーやリースの材料にして楽しむことができます。
サルスベリの名前の由来
サルスベリという名前の由来
サルスベリという名前の由来は、木登りが上手なサルが登っても滑り落ちてしまうほど、木肌がツルツルとしていることに由来しているといいます。確かに幹は滑らかですが、サルも滑る程かどうかはちょっと疑問が残ります。
百日紅という名前の由来
百日紅(ひゃくじつこう)という名前は、花の開花期が長いことに因みます。初夏から秋まで咲き続けるので、確かに有に100日は咲いています。100日紅い花を咲かせ続けるから百日紅、わかりやすく美しい名前です。
今では、百日紅と書いて、サルスベリと読むのが一般的になっています。
クスグリノキとは?
サルスベリには、クスグリノキという別名があります。中国にも「痒痒樹」や「怕痒樹」といった別名があります。由来は、木肌を掻くと、くすぐったそうに葉や花が揺れるからだそうです。サルスベリの木を見かけたら、ぜひくすぐって、真偽のほどを確かめてみてください。
サルスベリの英語の名前は?
サルスベリの英語の名前は Crape myrtle(クレープマートル)です。
マートルは、和名をギンバイカという光沢のある葉が特徴的な常緑樹で、ハーブの1種としても有名です。常緑でもなければハーブでもないサルスベリになぜマートルの名が付いたのかは不明ですが、響きが可愛らしい英名です。
サルスベリの育て方と剪定のコツ
植え付け場所、用土
日当たりが良い方が花付きがよくなります。日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。土壌は特に選びません。植え付け時に元肥をすき込むようにしましょう。生長すると横に枝を広げながら大きくなります。ある程度のスペースを確保することも大切です。
鉢植えも日当たりの良い場所で管理ます。鉢植えは市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
水やり
庭植えの水やりは、乾燥が続いた時以外は特に必要ありません。
鉢植えは、表土が白っぽく乾燥したら、鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと与えます。
肥料
鉢植えは花付きをよくするために、2月~3月頃緩効性肥料を適宜与えます。
サルスベリの剪定のコツ
サルスベリの剪定は、落葉期の3月くらいまでに終わらせるようにしましょう。その年の春に伸びた枝に花を咲かせるので、春を過ぎてからの剪定は、花芽を落とすことになります。風通しが悪くなると、病害虫発生の原因になるので、生育期でも、混みあった枝を整理する程度の剪定は適宜行ってください。
8月の上旬から中旬くらいまでに、咲き終わった花の枝の下2~3節目で剪定をすると、1か月後くらいに再度花を楽しむことができます。この剪定をすると、枝数が増えるので花、数も多くなります。ただし、この剪定ができるのは、夏早くから開花し始める品種のみで、遅咲き種はできません。
街路樹など、限られた時期にしか作業ができない場合は強い剪定が一般的ですが、自然樹形も魅力と味わいがあるので、それほど強い剪定をする必要はありません。剪定の仕方によって、落葉期の枝ぶりや、花の大きさなどが変わってきます。様子を見ながら、好みの樹形に仕立てていきましょう。
病害虫とその対処法
比較的病害虫の被害が少ない庭木ですが、風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。見つけ次第歯ブラシなどでこそぎ落とします。
また、長雨が続くとうどんこ病にかかりやすくなります。葉を確認し、白く粉が吹いたようになっていたら、葉や枝を取り除き、周囲に広がらないようにしましょう。ひどい場合には薬剤を散布してください。
うどんこ病の発生を防ぐ為にも、日頃から不要な枝を整理し、風通し良く管理するように心がけましょう。
挿し木で増やす方法
春に伸びた枝を6月~8月頃に15~20cm程度で切り取ります。上の方の5~6枚の葉を残し、下の方の葉は取り除きます。枝を赤玉土に挿し、直射日光を避けた半日陰程度の場所で管理します。1~2か月で新芽が確認できたら鉢に植え替えましょう。
夏の暑さにも負けずに、美しい花を100日以上も咲かせる、優秀なサルスベリの魅力を見直してみませんか。
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