ミモザの剪定方法と時期。毎年花を楽しめて枯れない剪定
山田智美
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ミモザの剪定方法を紹介します。時期や理由、方法、コツ、枯れてしまう理由など。ミモザの剪定方法を理解して、毎年たくさんの花を楽しみませんか。
目次
ミモザとは?基本情報
- 植物名:ギンヨウアカシア、フサアカシア
- 学名:Acacia baileyana(ギンヨウアカシア)、Acacia dealbata(フサアカシア)
- 科名・属名:マメ科アカシア属
- 分類:常緑高木
ミモザの特徴
ミモザとは春に明るい黄色の小さな花を房状に咲かせるマメ科アカシア属の花木の総称です。日本で庭木として好まれて植えられているのは、主にギンヨウアカシアかフサアカシア。まれにシンジュバアカシアやサンカクバアカシアも見かけます。
明るい黄色のふわふわとした花と、少しくすんだフロストグリーンの葉のコントラストが美しい庭木です。
ミモザの花咲く季節
ミモザの花が咲くのは3月~4月。ソメイヨシノより一足早く咲き始めます。枝の先にふわふわの黄色い花を咲かせます。花の重さで枝をたわませているように見えるくらい、枝いっぱいに花をつけた姿は見惚れるほどの美しさ。近くを通るとほのかに甘く優しい香りが漂ってくるのもミモザの魅力です。
ミモザの名前
ミモザ(mimosa)というのは本来はオジギソウの学名(Mimosa pudica)。過去の様々な誤解や行き違いの結果、黄色の房状の花を咲かせるアカシア属の仲間がミモザと呼ばれるようになりました。
学名で植物の話をする機会は少ないと思いますが、ちょっと頭の片隅に残しておくと何かの役に立つかもしれません。
ミモザの剪定時期
ミモザの剪定は4月~6月上旬に行います。また、不要な枝を整理する整枝は秋にも行えます。それぞれの理由を説明します。
花後(4月~6月上旬)の剪定
ミモザは3月~4月に花を咲かせ、初夏には翌年の花芽の準備に入ります。早いものでは6月頃から小さな花芽が上がっているのを見かけます。
このため、6月に入ってから剪定をすると花芽を切ってしまい、翌年花が咲かないということになりかねません。ミモザの剪定は、花が終ってから6月上旬には済ませるようにしましょう。
秋の剪定
夏の間に疲れて勢いがなくなった枝や、病害虫の被害にあった枝を整枝します。この時期の剪定は花芽を落とさないように整える程度にしましょう。
ミモザの剪定とは?剪定理由
ミモザはどうしても剪定が必要な庭木です。ミモザの剪定の理由をお話します。理由がわかれば必要な剪定もわかるはず。ミモザの木を長く楽しむために読んでみてください。
毎年花を楽しむための剪定
ミモザは、その年の春の開花が終るとすぐに翌年の花芽の準備に入る植物。剪定時期が遅くなると翌年の花芽を切り落としてしまうことになりかねません。また、花後に剪定を行うことで枝数を増やし、より多くの花を楽しめるようになります。
樹高を管理し、主幹を育てるための剪定
ミモザは放っておくと5m以上に生長します。大きくなりすぎると手入れも大変になる上、お庭の中でちょっと困った存在にもなりかねません。樹高の管理をする必要があります。さらに高さを抑えることで、上に伸びるのを止めて主幹を太く安定させることにもなります。
樹形を整える剪定
ミモザは枝を横に広げ、その先にたくさんの花を咲かせる樹形が美しい庭木。そうは言っても、お庭の中で他の植物の生長を妨げるようになっては困りものです。整枝をして、育てやすいサイズに整えるようにしましょう。
病害虫の予防
ミモザを育てていて、一番困るのはカイガラムシです。ミモザはカイガラムシの被害にあいやすいのが難点。カイガラムシは日当たりと風通しが悪いと発生しやすい特徴があります。適宜整枝をして風通し良く管理する必要があります。
ミモザの剪定方法
ミモザに必要な剪定の方法を3種紹介します。
ミモザの芯止め
ミモザの芯止めとは、樹高を抑えるための剪定です。芯止めを行うことで、樹高がそれ以上の高さになるのを抑えることができます。また、安定した主幹を育てるためにも必要な作業です。トップ止めとも言います。
ミモザがある程度生長したら、主幹の一番上を切り落とします。切る位置は勢いのある枝の少し上。脇の枝が生長し、こんもりときれいな樹形に育ちます。
ミモザの切り戻し
ミモザの切り戻しとは、枝数を増やしてボリュームのある姿にするための剪定です。切り戻しをすると、その先が枝分かれして生長していきます。ミモザは枝の先に花を咲かせる庭木。枝数を増やせばそれだけたくさんの花がたくさん花が咲くということです。
切る位置は花が咲いた位置よりも少し主幹に近いあたりの葉の上です。枝ぶりを少しコンパクトに仕立てたいのであれば、理想の位置まで切り戻してもよいでしょう。
注意すべきは、必ず葉が出ているところで切ること。葉がないところまで切り戻してしまうと、新しい枝が出てこなくなる心配があります。
花後の剪定の際に切り戻しを行えば、翌年には枝が増えて花をたくさん楽しめるようになります。
ミモザの透かし剪定
ミモザの透かし剪定とは、混みあってきた枝を整理し、風通しを良くするための剪定です。奥の方の葉が出ていない枝や、元気がなくなってしまった枝、徒長している枝、他の勢いの良い枝の邪魔をしている枝など、不要な枝を整理します。
透かし剪定の際は枝の付け根から切り取るようにしましょう。透かし剪定は花後の剪定時期と、秋に様子を見て行います。
ミモザは風通しと日当たりが悪いとカイガラムシの被害にあいやすい庭木。透かし剪定を行って、健やかなミモザを育てましょう。
ミモザの剪定|枯れる理由は?
剪定時期
ミモザの剪定は時期を誤ると木に負担をかけ、枯れる原因となってしまうこともあります。特に夏と冬はミモザにとって過ごしづらい時期。この時期に剪定を行うと負荷がかかってしまいます。夏と冬の剪定は避けるようにしましょう。
ミモザの剪定に適した時期は、花後(4月~6月上旬)と秋です。秋は暴れている枝や不要な枝を整理する程度にしましょう。
強剪定
強剪定でミモザが枯れてしまうこともあります。ある程度太くなったミモザの主幹を切ったり、枝を葉のないところまで切り戻したりすると、枯れてしまうことがあります。木に負担のかからない剪定を行うように心がけましょう。
ミモザの花を楽しめて枯れない剪定のコツ
剪定時期に気をつける
花後(4月~6月上旬)に剪定することで、翌年もたくさんの花を楽しむことができます。この時、切り戻しをして枝数を増やすことを忘れないようにしましょう。
加えて夏と冬は木に負担がかかるので、枯らさないためにも剪定作業は避けてください。
強剪定にならないようにする
強剪定にならないように切り戻し位置に注意してください。必ず、葉が出ているところの葉の上の位置で切ること。葉がないところで切ってしまうと、枝の勢いがなくなって枯れてしまうことがあります。
お庭のシンボルツリーとしても人気のミモザ。ふわふわとした優しい印象の黄色い花は春の訪れを教えてくれます。ミモザを上手に剪定して、毎年たくさんの花を楽しんでください。
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