【ミモザの鉢植えの育て方】小さく育てる方法、冬越し、剪定のコツまで
山田智美
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ミモザの鉢植えの育て方を紹介します。小さく育てる方法、冬越し、剪定のコツ、ひょろひょろの原因と対策、枯れてしまう原因、種類や花の特徴など。かわいいミモザを鉢植えで上手に育てましょう。
目次
- ミモザとは|基本情報や種類
- ミモザの鉢植え|剪定や冬越し、育て方のコツ
- ミモザの鉢植え|小さく育てる方法
- ミモザの鉢植え|ひょろひょろになる原因と対策
- ミモザの鉢植え|枯れる原因は?
- ミモザの鉢植え|室内で育てられる?
ミモザとは|基本情報や種類
ミモザ基本情報
- 植物名:ギンヨウアカシア、フサアカシアなど
- 学名:Acacia baileyana(ギンヨウアカシア)、Acacia dealbata(フサアカシア)
- 科名・属名:マメ科アカシア属
- 分類:常緑高木
- 花期:3月~4月
ミモザとは、春に明るい黄色の小さな花を房状に咲かせるマメ科アカシア属の花木の総称。ギンヨウアカシアやフサアカシア、パールアカシア、サンカクバアカシアなどが含まれます。
ミモザ(mimosa)というのは、マメ科オジギソウ属の学名であるため混同されやすいのですが、オジギソウ属は黄色い花を咲かせるミモザとは別種です。
ミモザはオーストラリアやタスマニア原産の常緑高木で、花には芳香があり、庭木、切り花、香料として利用されます。
ヨーロッパでは、春の訪れを知らせてくれる花として人気があります。イタリアでは3月8日の国際女性デーを「ミモザの日」とし、女性にミモザの花を贈る習慣があります。これは最近日本でも定着しつつある素敵なイベントです。他にもフランスでは毎年春に行われるミモザ祭りというイベントがあります。
ミモザの種類
フサアカシア
- 学名:Acacia dealbata
フサアカシアは、羽のようなフォルムの葉を持つミモザです。20~30の小さな黄色の花を房状に咲かせます。狭義のミモザとはフサアカシアのことを指すそうです。原産地では樹高6~30mまで大きくなります。
ギンヨウアカシア
- 学名:Acacia baileyana
ギンヨウアカシアは、羽のようなフォルムの葉を持つミモザです。フサアカシアとの違いは、2回羽状複葉であること。葉の色は銀色がかったくすんだグリーンをしています。和名は、この葉の色に由来します。原産地では樹高5~8mまで大きくなります。
パールアカシア(シンジュバアカシア)
- 学名:Acacia podalyriifolia
パールアカシアは、丸みを帯びた銀葉が美しいミモザです。シンジュバアカシアとも呼ばれます。樹高は3~5m程度と比較的小ぶりです。
サンカクバアカシア
- 学名:Acacia cultriformis
サンカクバアカシアは、先のとがった銀葉のミモザです。和名の由来は、葉のフォルムによります。幹や枝は華奢で、樹高2~4mと、あまり大きくならない育てやすいミモザです。
ミモザの花の特徴
ミモザの花は、ふわふわとした黄色い小花が房状に集合して咲き、特有の柔らかな雰囲気の花を形成しています。
一つ一つの小花をよく見ると、花びらは4~5枚でとても小さく、それよりも長いおしべが50本以上放射状に突き出しています。つまりミモザの花の最大の特徴は、あのふわふわとした黄色い花は花びらではなく、放射状に突き出したおしべであるということです。花に触れると花粉が付きやすい理由もこのためです。
ミモザの鉢植え|剪定や冬越し、育て方のコツ
ミモザの鉢植え|剪定方法
剪定時期
ミモザの鉢植えの剪定適期は、4月~6月上旬です。
ミモザは3月~4月に花を咲かせ、初夏には翌年の花芽の準備に入ります。あまり遅くなると来春の花芽を切ってしまう心配があります。花が終わったら早めに剪定しましょう。
夏と冬の剪定は負担をかけてしまうので避けてください。
秋に不要な枝や枯れた枝を整理する程度の剪定は問題ありません。
芯止めで樹高を抑えて主幹を太くする
芯止めとは、ミモザの主幹の先端をカットして、高さを抑える剪定方法です。芯止めを行うことで、上に伸びるのを抑え、横に広がる枝数を増やすことができます。樹高を抑えて花数を楽しむために必要な剪定です。
切り戻しで枝数を増やす
ミモザの主幹から伸びている枝を途中でカットして枝数を増やす剪定方法です。枝の途中で切り戻すことで、そこからまた枝分かれするので枝数を増やすことができ、花をたくさん楽しめるようになります。
注意したいのは切りすぎないこと。葉が出ていないところまで切り戻してしまうと、新しい枝が伸びてきません。
透かし剪定で健康な枝を残す
ミモザの枝を整理し、風通し良く管理する剪定方法です。奥の方の混み合った枝や不要な枝、色が悪くなっているような枝を取り除き、風通しを良くしましょう。ミモザは、風通しが悪いとカイガラムシが発生しやすくなります。
▼ミモザの剪定について詳しくはこちら
ミモザの鉢植え|冬越し
ミモザは耐寒性の強い常緑樹なので、特に冬越しの必要はありません。寒冷地や霜が多いような地域は、鉢植えを軒下に移動させると安心です。
寒い時期には多少葉を落としたり、葉の色が変わったりしますが、春にまた元気な葉を出します。
ミモザの鉢植え|植え替え
ミモザの鉢植えは2~3年に1度は植え替えが必要です。放っておくと数年で鉢の中で根がいっぱいになってしまいます。1回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
注意したいのは、根をいじらないように植え替えること。ミモザは根をいじられるのが嫌いです。根が傷つくと枯れてしまう原因になります。
ミモザの鉢植え|育て方のコツ
ミモザの育て方のコツは、水はけと風通しに気をつけることです。ミモザは乾燥気味を好むので、水やり過多にならないように注意しましょう。
また、風通しが悪いとカイガラムシが発生しやすくなります。適宜透かし剪定をするなど、風通し良く管理しましょう。日が当たりにくい裏側や奥の方の枝もこまめに観察して、カイガラムシを見つけたら歯ブラシなどでこすり落とすようにしましょう。
植え替えの際に根を傷つけないように注意するのも大切なコツです。
ミモザの鉢植え|小さく育てる方法
ミモザの鉢植えを小さく育てて、管理する方法を紹介します。
小さく育てる品種選び
ミモザの鉢植えを小さく育てるなら、あまり大きくならない品種を選ぶようにしましょう。パールアカシアやサンカクバアカシアは樹高が低く、大きくなりにくい品種です。
小さく育てる剪定
ミモザを小さく育てるには、樹高を抑える芯止め剪定が有効です。好みの樹高で主幹の先端をカットします。高さを抑えた分、下の枝が伸びるので、枝数の多い樹形になり、花をたくさん楽しめるようになります。
ミモザの鉢植え|ひょろひょろになる原因と対策
ミモザは、ある程度生長しないと主幹も太くなりません。苗木で植え付けてから主幹がしっかりとするまでに数年はかかります。
ある程度の樹高まで大きくなったら、芯止めで高さを抑え、暴れるように伸びてきた枝も切り戻ししながら、主幹の生長を促すようにします。
また、パールアカシアやサンカクバアカシアは、本来主幹が細く華奢な樹形であることを理解しておきましょう。
ミモザの鉢植えがひょろひょろと頼りない間は、添木などで支えるようにしましょう。
ミモザの鉢植え|枯れる原因は?
剪定時期
ミモザの剪定は時期を誤ると木に負担をかけ、枯れる原因となってしまうこともあります。特に夏と冬はミモザにとって過ごしづらい時期。この時期に剪定を行うと負荷がかかって枯れてしまう心配があります。
強剪定
強剪定でミモザが枯れてしまうこともあります。また、ある程度太くなったミモザの主幹を切ったり、枝を葉のないところまで切り戻したりすると、枯れてしまうことがあります。負担のかからない剪定を行うように心がけましょう。
病害虫
ミモザはカイガラムシの被害にあいやすいという特徴があります。
日当たりや風通しが悪いと、カイガラムシが発生しやすくなります。日当たりと風通しの良い場所で管理し、混み合った枝は適宜整理するようにしましょう。
カイガラムシは、主幹の裏側や枝の下側など、日が当たりにくい場所についていることがあります。水やりや手入れの際にこまめに確認しましょう。
カイガラムシを発見したら、歯ブラシや割りばしのようなものでこそぎ落としてください。一度地面に落ちたカイガラムシは、二度と上がってくることはありません。
ミモザの鉢植え|室内で育てられる?
ミモザは日光と風を必要とする植物。残念ながら室内では育てられません。日照不足で枯れてしまいます。お庭やバルコニーでのびのびと育てるようにしましょう。
ミモザは大きくなるので庭植えでないと育てにくいと思っていませんか。鉢植えでもきちんと管理すれば問題なく育てられます。春にたくさん花が咲いたら、枝を切って室内に飾ったり、ドライフラワーにする楽しみもできます。ミモザを鉢植えで上手に育てて、花のある暮らしを楽しんでみませんか。
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