ミニトマト|プランターでの育て方~たくさん収穫するためのコツ
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「ミニトマト」は家庭菜園の人気野菜ナンバーワン。プランターでも育てられ、初めて育てる方にも、毎年育てている方にも外せない野菜です。定番の野菜だけれど実際に育ててみると、とても奥が深い「ミニトマト」の育て方を紹介します。採りたてフレッシュ!自家製ミニトマトを育てて、おいしく食べてみませんか?
目次
- ミニトマト|プランターでも育てられる?
- ミニトマトのプランターでの育て方|植え付け
- ミニトマトの仕立て方と摘芯
- ミニトマトの日頃のお手入れ
- ミニトマトの病害虫
- ミニトマトの収穫
- ミニトマト収穫後の抜き取りについて
ミニトマト|プランターでも育てられる?
夏野菜の代表のような存在のミニトマトは、ナス科の一年草扱いの野菜。原産地では多年草ですが、日本のような温帯で育てると一年草として栽培されます。
現在では、品種が改良され、青臭さもなく、まるでフルーツのような甘いミニトマトや黄色やオレンジのミニトマトなど、種類がとても豊富な野菜のひとつ。クエン酸、リコピン、グルタミン酸など栄養も豊富で、健康や美容にも効果があることも人気の理由です。
プランターでたくさん収穫するために知っておくとよいポイントを詳しくご紹介します。
ミニトマトのプランターでの育て方|植え付け
たくさんのミニトマトを収穫するために、植え付けのポイントをご紹介します。
ミニトマトのプランターの置き場所
室外機のそばにプランターを置くのはNG
ベランダでミニトマトを栽培する際に、そのベランダが南向きか北向きかということも重要なポイントですが、一番大切なことは室外機の位置です。
ミニトマトは風通しの良い環境を好みますが、不自然な強い風、しかも熱風は禁物です。ただでさえ、プランターという小さな器でミニトマトを育てるため、土の乾燥が激しく、ミニトマトが弱りやすい環境なので、できるだけ室外機の風に当たらない環境でミニトマトを育てるようにしましょう。
ミニトマト栽培の準備
ベランダ菜園を始める方が用意する材料、選ぶポイントを紹介します。
プランター
ミニトマトの根は、横に張る根と深く伸びる根があります。高さ、幅、奥行き共に30cm以上のある程度土が多く入るものを用意しましょう。
植物も人間と同じで、器が大きければ実る大きさや量も多くなります。とはいっても、ご自宅のベランダの広さに合う、無理のないプランターを選びましょう。
プランターの素材は、軽くて割れにくく保水性のある「プラスチック」、色、デザインが豊富で保水性のある「陶器」、通気性があり自然な風合いの「テラコッタ」、ナチュラルな質感で通気性の良い「木製」の他に、「不織布」といって使用しないときは折りたため、通気性が良く、持ち運びも便利なプランターもあります。
培養土
一般的には野菜用の元肥入りの培養土を用意します。ベランダまで運ぶことを考えると、軽い土がおすすめです(燃えるゴミに出せる培養土もあります)。トマト・ミニトマト栽培専用の土には、袋ごと栽培できるタイプもあるので購入する商品を最小限に抑えたい場合は、そちらを用意しても良いですね。
鉢底石
プランター内の土の排水性を良くするため鉢底石を用意します。鉢底石といっても種類はさまざまで、大粒の「パーライト」や「日向石」、「軽石」などがあります。最近ではネットに入った鉢底石もあり、再利用の際に土と鉢底石を分けるときに便利です。
支柱(75cm位〜1本、150cm位〜3本)と麻ひも
ミニトマトの苗が小さいときは、75cm位の支柱を1本用意します。小さめの支柱は、ミニトマトの苗を植え付けた後、強風でミニトマトの茎が折れたりしないように、苗から少し離れたところに立てて麻ひもで固定します。ミニトマトが大きくなったら生長に合わせて150(120~180cmの間)cm位の大きめの支柱に替えてミニトマトの枝を支えます。激しく雨が降る梅雨前までには、支柱を3本ほど用意して櫓(やぐら)のように立てて上部を麻ひもで固定し、ミニトマトの枝を支柱に誘引しましょう。
園芸用ハサミ
ミニトマトは切り口から病原菌が入りやすいので、基本的に芽かきなどの作業は、晴れた日を選んで手で折取るので、通常ハサミを使用することはあまりありませんが、家庭菜園で使用するハサミは園芸用のものが使いやすいので用意しておくとよいでしょう。
折取れないような太いミニトマトの枝を切る際は、園芸用ハサミをアルコール除菌スプレーなどで必ず消毒してから使用しましょう。
ミニトマトの植え付け時期
関東などの中間地でのミニトマトの植え付け時期は、日中の気温が上がる4~5月のゴールデンウィークの前後が適しています。この時期までに苗を用意し、植え付けていきましょう。
ミニトマトの苗の選び方
葉の緑が濃く、厚みがある。
元気そうな濃い緑の葉のミニトマトをしっかり目で確かめましょう。 しかし、ホームセンターや園芸店で葉をやみくもに触るのはNG。お店への配慮のあるマナーを心がけましょう。
子葉が付いている。
独特なミニトマトのギザギザとした葉に比べて、細身の子葉です。
蕾(つぼみ)か花が付いている。
ミニトマトだけでなくトマト全般にとって、蕾や花が咲かないまま生長する場合があります。これは「つるボケ」といって肥料分が多すぎるために蕾や花を作ろうとせず、葉や茎だけを生長させてしまう現象です。そのため、できるだけ蕾や花がついている苗を選びましょう。
病害虫が付いていない。
葉の表だけでなく、裏面もチェックしながら虫がついていないか、病気になっていないか確認しましょう。
苗の先端に勢いがある。
新芽に勢いがあるミニトマトは、今後の生育の勢いもあります。元気な苗を選んでください。
ミニトマトの苗の植え付けの手順
1. ミニトマトの苗に水分を与える。
バケツに水を用意して苗にしっかり水を吸収させてください。
2. プランターに苗と同じくらいの穴を開け、ミニトマトの苗を軽く手で押さえ根鉢を崩さないように植え付け、苗の周りを少し凹まして、苗にしっかり水が浸透するようにしましょう。
このとき注意することは、ミニトマトは実の出来るところがいつも同じ方向になるということです。花が向いている方を手前にして収穫しやすい場所に植え付けましょう。
3. 小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。
ミニトマトが強風で茎が折れたり倒れたりしないように麻ひもで誘引します。苗を痛めないように、支柱のところで結びましょう。あまりきつく縛ることのないように八の字にして緩めに括り付けます。
4. 最後に水を与えます。
植えたばかりのミニトマトの苗は土に活着するまでに少し時間がかかります。根が乾燥してしまわないためにも、植え付けから1週間位は毎日水を与えます。
日中は暖かくても、日が暮れると気温は下がります。まだ苗が小さいうちは、寒冷紗の中に入れて育てると害虫対策だけでなく、寒さ対策にもなります。
弱っているミニトマトの苗の対処方法
◆節がしまっていなくて、茎が細く、ヒョロヒョロと間延びしている。
原因:日ざしが足りなかったかもしれません。
対策:しっかり苗に日を当てましょう。
◆蕾または花がついていない。
原因:まだ苗が小さすぎるか、肥料分が多すぎてつるボケしている。
対策:花芽がつくまで肥料を与えずに育てましょう。
◆病害虫が付いている。
原因:風通しの悪いところ、密植状態で育てられた、もともと弱い苗だったことが考えられます。
対策:早速捕殺しましょう。まだ、初期の段階なので集中して取り除けば間に合います。
◆苗の先端に勢いがない。
原因:水が足りない状態だったのかもしれません。
対策:水をしっかり吸わせてあげましょう。これでもち直さない場合は、苗自体が弱っていると考えられます。
本当に元気のなくなってしまったミニトマトの苗
上の画像でミニトマトの大きな葉が土についてしまっていますが、このミニトマトは苗が弱ってしまったため、茎の部分をかなり土の中に斜めに埋めて、茎からも根をたくさん出させるように植え付けたものです。ぐったりしていた苗も、数日で上の葉が画像のようにピンとしてきました。
水をあげても元気がなくなってしまったミニトマトの苗の場合は斜めに、そして深めに植え付けてみてください。
ミニトマトの仕立て方と摘芯
ミニトマトはそのまま放置して育てると、葉と茎の間から次から次へとわき芽が出てきます。枝と葉が混み入り過ぎて蒸れないように、しっかり実に栄養を行き渡らせるためにもミニトマトを「仕立て」ていきます。その仕立てるときに目安となるのが「わき芽」です。
ミニトマトのわき芽とは
上の画像のように、葉と茎の間から出てくる芽の部分を「わき芽」といいます。
このわき芽を全て放置してしまうと、主枝の栄養分も奪ってしまい、充実した実が収穫できません。不要なわき芽を取り除き、甘いミニトマトに育てましょう。
ミニトマトのわき芽かきの注意点
わき芽かきをする時は、どうしても株を傷をつけてしまいます。特にミニトマトは、傷口から病原菌が入りやすくなるので、次の点に注意しましょう。
・指でかきとるか、消毒したハサミを使用する。
・わき芽をとった後の切り口が乾きやすいように、出来るだけ晴天の日に行う。
1週間のうちに2~3回は注意してミニトマトを観察すると、わき芽が小さいうちに取り除くことができます。
もしも、わき芽が大きくなりすぎたら…
大きく育ち過ぎたわき芽は無理に切り取らずに、仕立てる本数を増やしてもOK。
切り取ったわき芽が捨てるにはもったいないほど立派な場合は、そのまま土にさして水を与えると、根付いて新たに苗として生長するのでお試しください。
ミニトマトをたくさん完熟収穫するための仕立て方
ミニトマトの栽培期間に、たくさん完熟収穫できる2本仕立ての方法を紹介します(品種によって推奨する仕立て方は異なります)。
2本仕立て
主枝に咲く一番花のすぐ下のわき芽を伸ばして2本仕立てにします。それ以外のわき芽は摘み取りましょう。放っておくとドンドンわき芽が出てきます。1週間に2~3回はわき芽が出ていないか確認してください。
※大きくなりすぎたわき芽は無理に切り取らず、仕立ての本数を1本増やしてもかまいません。
支柱
2本に仕立てたら、次は苗を支柱で支えましょう。
主茎や側枝に沿わせて、支柱を土にさして苗を支えていきます。苗を支柱に誘引するときは、節の下に麻ひもを固定します。交差させることでズレずに固定することができます。枝を傷つけないように緩く結び、支柱側で結びましょう。
ミニトマトの摘芯
ベランダでのミニトマトの栽培は畑栽培と違い、土の量も高さの制限も出てきます。そのため、主枝が支柱の高さまで到達したら「摘芯」といって、主枝の先端を切ります。こうすることで、一定の時期に収穫を終了させ、秋冬栽培の野菜のための場所を空けることにもつながります。
通常の摘芯の時期は植え付けてから2か月後以降の、ミニトマトの苗の主枝が支柱のてっぺんに到達する頃です。
こちらは特大のプランターで、特大の支柱をたててミニトマトを育てているので、摘芯は3か月経過した8月になりました。
ミニトマトの摘芯
果房(かぼう)からみて2枚の葉を残し、その上の枝を摘芯します。
ミニトマトやトマトは汚れたハサミで切ってしまうと、病気に感染しやすくなるので、必ずアルコール除菌などした清潔なハサミでカットしましょう。
摘芯しなくてもOK?
ミニトマトの栽培は本当に奥が深く、考え方によって摘芯しなくても問題なく育てることができます。
◆ヘビ栽培
ミニトマトを摘芯せずに、そのまま主枝を伸ばしていく方法もあります。支柱のてっぺんまで到達した主枝を下にずりおろしながら栽培する方法です。ずり下すことで、根元にとぐろを巻いたような茎ができるため、ヘビ栽培というそうです。
◆Uターン整枝栽培
摘芯せずに上に伸びた枝を、支柱のてっぺんまで到達したら、折り返して地面に向けて栽培します。ミニトマトの枝を折り返す専用のハンガーフックは、ネットでも購入することができます。
◆放任栽培(ソバージュ栽培)
自然な状態で栽培するため、わき芽をかくことも、仕立てることも、摘芯することもしない栽培方法です。支柱も使わず、地這い状態で育てることもできます。最近ではソバージュ栽培専用の品種もできましたので、仕立てるのが面倒な方にはおすすめです。
心(芯)止まり
茎となるべき新しい生長点が生育せずに、生長が止まってしまうことを心(芯)止まりといいます。
なかでもミニトマトやトマトには、花房が数段ほど着くと生長点がなくなる心(芯)止まり形質をもっている品種があります。育てているミニトマトやトマトが、心(芯)止まりの品種かどうかで、摘芯の方法も異なるので必ず確かめましょう。
ちなみに、現在販売されているほとんどのミニトマトやトマトの苗は、心(芯)止まりの品種の可能性は低いので、通常通り1本仕立てや2本仕立ての対応で問題ないと思います。
ミニトマトの日頃のお手入れ
ミニトマトはどんなことに気を付けながら育てていけばよいのでしょうか?ミニトマトが元気に生育するための日頃のお手入れについて説明します。
ミニトマトの病害虫チェック
実は、植物が弱ってしまうと害虫がつきやすくなるという傾向があります。ミニトマトの新芽の先にアブラムシはいませんか?ミニトマトの実のまわりにタバコガの幼虫が食べた小さな穴は開いていませんか?日頃からミニトマトの苗をよく見て確認しましょう。
病害虫の予防として、ニーム・木酢液などの希釈液をミニトマトの苗にスプレーしましょう。スプレーすることで害虫を防ぐだけでなく、葉に栄養も与えることができるのでしっかりお手入れしてあげましょう。スプレー後の希釈液が余ったら、土にそのまま与えても肥料代わりとなります。
ミニトマトの追肥
作物に対して肥料が多すぎると「つるボケ」といって、葉ばかり茂って実がつかなくなります。ミニトマトの実がピンポン玉くらいになった時からスタートし、その後は2週間おきに追肥をしましょう。
肥料を施す位置は、葉が広がった先よりも少し先の方に施します(作物の根の広がりは、葉の広がりと同じくらいといわれているため)。葉の先を目安に土に肥料を施しますが、実がついた後も与えすぎには注意しましょう。
ミニトマトの水やり
ミニトマトは横にも縦にも根を十分に這わせるので、あまり頻繁に水を与えると深くまで根が生長しません。いい根を作るためにも、水やりは土が乾燥してから。水を与えるときは、しっかり鉢底から水が出るくらいまで、水と一緒に空気も根に届けるようなイメージで水をあげてください。
また、ミニトマトやトマトは水を少なめにした方が甘くなるといわれています。萎れない程度の控えめな水やりを心がけましょう。
ミニトマトは、あまり雨が当たってしまうと実が割れてしまったり、病気になりやすい傾向があります。梅雨のシーズンは軒下に移動するなどして、できるだけ雨が当たらないようにしてあげましょう。
畑でミニトマトを栽培する際は、病気の原因となる雨による泥はねや、真夏の土の乾燥を防ぐためにマルチや藁(わら)を敷きます。春夏のプランター栽培では、バーク堆肥などを敷いて病気や乾燥を防ぎましょう。
ミニトマトの病害虫
日頃のお手入れで病害虫に侵されていないか確認しながら育てますが、病害虫に侵された場合どのようなことをすればよいのでしょうか?
ミニトマトの被害状況
オオタバコガ、タバコガに食害されたミニトマト
一番ミニトマトが注意しなければならない害虫はオオタバコガ、タバコガなどです。ミニトマトのヘタの近くに穴が1~2個でき、周りにフンがついていませんか?丸く空いた小さな穴はオオタバコガ、タバコガの目印です。
オオタバコガ、タバコガの生態
オオタバコガと近縁種のタバコガは、成虫になると翅(はね)の色から見分けることができますが、幼虫の時は個体差があるため、オオタバコガまたはタバコガなのかを見分けることは難しいようです。
名前の通り成虫になると、タバコガよりもオオタバコガの方が体長は大きいですが、食害を受ける幼虫時の大きさや色にこれといって差はあまりないようです。
オオタバコガ | タバコガ | |
幼虫時の大きさ(体長) | 35~40mm | 35~40mm |
幼虫体色 | 淡緑色、緑褐色、黄褐色 | 淡緑色、緑褐色、黄褐色 |
成虫の大きさ(体長) | 15~20mm | 15mm前後 |
成虫体色 | 緑灰色~黄褐色 | 黄褐色 |
翅(はね)開長 | 35~40mm | 30mm前後 |
若齢幼虫は新芽やつぼみを食害しますが、成長すると果実に穴を開け食害します。
次々と食害を続け、実から実を渡り歩くため、たった1匹のオオタバコガやタバコガがいるだけで、せっかく実ったトマト・ミニトマトがたくさん被害を受けます。
オオタバコガやタバコガは、寄生したトマト・ミニトマトなどの作物の新芽や花蕾(からい)に1粒づつ産卵していきます。雌1匹あたり、オオタバコガでは1000~2000個、タバコガでは500~600個ほどの卵を産むことも可能ともいわれており、とても繁殖力の強い害虫です。
幼虫は土の中で蛹(さなぎ)になり越冬し、翌年の6月以降に蛾となり、寄生する植物に卵を産み付け繁殖していきます。
オオタバコガ、タバコガの発生時期
オオタバコガやタバコガは、6月に土中から出て成虫である「蛾」の状態になり、寄生する植物に卵を産み付け繁殖し、越冬の状態に入る時期の10月ごろまで、幼虫が食害を続けて成長をします。
日頃のお手入れの中で、新芽や花蕾(からい)の部分に卵が産みつけられていないか、トマト・ミニトマトの果実のヘタの周りに5mm位の穴が開いていないかよく観察しましょう。
オオタバコガ、タバコガの駆除
◆果実ごと摘果
オオタバコガとタバコガは、トマト・ミニトマトなどの実の内部を食害するため、小さな5mmほどの穴を見つけたら、実ごと摘果しましょう。
小さい穴が1つなら、まだ果実の中にオオタバコガ、タバコガがいるかもしれません。
小さい穴が2つなら、もう別の果実を食害しているに違いありません。早急に穴が空いた果実がないか、確認しましょう。
◆薬剤
オオタバコガとタバコガの幼虫時に薬剤で駆除しようとしても、既に果実の実の中に入り込んでいることが多いため、薬剤を直接幼虫にかけることができません。そのため、新芽や花蕾(からい)を食害する若齢時の幼虫の頃にしか効き目がありません。薬剤での駆除は6月中に行いましょう。
ミニトマトの収穫
皆さんお待ちかねのミニトマトの収穫です。完熟した一番甘いときに収穫したいですね。
ミニトマトの収穫適期
ヘタの周りまで真っ赤で、ふれると簡単に枝からとれるような完熟ミニトマトを収穫してください。完熟したミニトマトはとても甘みが強く、いつも食べているミニトマトとの違いを感じることができます。
ミニトマトを甘くするコツ
品種にもよりますが、昔の青臭いミニトマトと比べて、現在のミニトマトはとても甘みを感じます。ミニトマトが大好きな筆者としては、甘いミニトマトも、酸っぱいミニトマトもどちらも好きですが(笑)せっかく作るなら甘いミニトマトを目指して育ててみましょう。
水分量を減らす
トマトやミニトマトを育てる上で、水分を抑えるという栽培方法が、甘いトマトを作るために有効であるということを耳にしたことはありませんか?
ミニトマトの根は水分が多めでも、乾燥気味でも、どちらにも適応する優れた作物ですが、トマトを甘くするためには、少し水分を控え気味に育てたほうが甘みを増すようです。
ミニトマトは、プランターなら土の表面が乾燥してから水を与えても間に合います。しかも、すこし苗がしんなりしてから水を与えても復活してくれます。
その証拠に、大きくなりすぎたわき芽をそのまま土にさしても、そこから根付いてくれるほど、とても生命力の強い作物だからです。しかし、水分が少な過ぎると根から栄養分を吸収できず、尻腐れのような生理現象が現れるので、何事もほどほどが大切です。
光合成を高める
ミニトマトを甘くするために、もう一つ大事なことは葉による光合成です。水を控えているのに、ミニトマトが甘くない場合、葉の状態を観察してみてください。育てているミニトマトの葉は元気ですか?
※光合成とは、植物の葉が太陽の光でデンプンなどの養分を作ること。
もし、葉が少なくなってミニトマトの株が元気がなければ、今まで取り除いていたわき芽を取り除かずに、そのまま生やしてみてください。葉を増やすことにより光合成の量が増し、草勢も上がります(黄葉や病葉は取り除きましょう)。
あとは追肥(2週間に1度)を欠かさず行い、ミニトマトを元気に育てていきましょう!
ちなみに、こちらはタバコガなどの食害ではなく、ミニトマトが支柱などに当たって皮に傷がついたものですのですのでご安心を。
ミニトマト収穫後の抜き取りについて
ミニトマトを育てていて意外に迷ってしまうのが、抜き取りの時期です。
ミニトマトの抜き取る時期は自己判断
ミニトマトはアメリカ大陸原産の植物で、生育適温が20~25℃なので、苗さえ元気であれば秋以降も生育を続けるので、育てているミニトマトの生育状態をみながら、苗の抜き取り時期を判断しましょう。
◆どう判断していいのか分からない方へ
梅雨明け以降のミニトマトはハダニの被害をとても受けやすいため、8月以降病害虫に侵されて元気がなくなってしまったミニトマトは、秋冬栽培の準備のためにも抜き取ります。
反対に、まだまだ収穫できそうな元気に生育しているミニトマトは、もう少し栽培を続けてみて下さい。
ミニトマトの抜き取り作業
抜き取ることが決まったら、大きく生長したミニトマトを適当な大きさに分けて切っていきます。
これで抜き取り完了ですが、ゴミ袋に入れて破棄する前に必ず見てほしい箇所があります。
抜き取ったミニトマトの根の観察
抜き取ったミニトマトの苗の根をよく見てみると、上の画像のように太い根と細い根があります。どちらの根も表面に凸凹のないきれいな根をしていますね。
このように根の表面がきれいであれば、抜き取るだけで問題ありません。
ネコブセンチュウの被害
上の画像をご覧ください。根の部分に大小のこぶのようなものが出来ています。
このような根はミニトマトやキュウリ、ナスなどのナス科に発生しやすい「ネコブセンチュウ」かもしれません。
◆ネコブセンチュウとは?
土の中に生息する1mm以下のセンチュウで、植物の根の養分を吸います。その被害部分が大小のこぶのような形になります。センチュウに侵された根は、充分な水分や養分を吸収することができず最後には枯れてしまいます。
センチュウの大きさが1mm以下のため、肉眼で早期に発見することは難しいので、このように作物を抜き取るタイミングにセンチュウの存在を確認する必要があります。
ネコブセンチュウの場合の土の消毒
抜き取ったミニトマトがネコブセンチュウだった方は、生育期間中も何だか調子が悪いと感じていませんでしたか?その原因は、ネコブセンチュウの仕業だったかもしれませんね。
1. 被害を受けた根の除去
土ふるいでネコブセンチュウの根を全て取り除きましょう。
2. 太陽熱で消毒
被害を受けた土を透明ビニール袋に入れ、水分を十分に含ませ封をします。直射日光に2~3日ずつ両面に日を当てます。
秋冬野菜の準備
ミニトマトの抜き取りが完了したら、秋冬野菜に向けて準備を開始しましょう。本格的な土壌改良は、来年の春夏野菜の植え付ける前にするので、今回は軽く整えるような作業になります。
抜き取った後の土の再生
1. プランターの土にバーク堆肥や腐葉土などの堆肥を入れ混ぜ合わせる。
2. 有機石灰を入れる。
※有機石灰をおすすめする理由:有機石灰とは、牡蠣殻などの貝殻化石を原料とする石灰肥料のことです。使用されるものによってアルカリ分が異なります。消石灰や苦土石灰よりもアルカリ分が少なく、効果も穏やかなため速効性はありませんが、有機石灰を土に混入した後すぐに種まき、定植ができるため石灰を使い慣れていない初心者の方にはおすすめの石灰です。また、有機石灰は、土が酸性に傾くと、土中に溶けて中和しますが、中性であればそれ以上溶けることはありませんので、入れすぎの場合も安心して栽培を続けられます。
3. 元肥投入
これで準備は終了です。安心して秋冬野菜を植え付けられますね。
ミニトマトの栽培は楽しかったですか?
甘いミニトマトでしたか?それとも酸っぱかったですか?
ミニトマトの品種の選び方、仕立て方、育て方など自分なりに試行錯誤を重ねて、毎年チャレンジしてみてくださいね。
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