ゴーヤの育て方|畑で栽培した記録(収穫まで約60日)
とまつあつこ
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ゴーヤを畑で育てた様子(元肥と畑の土の準備、植え付け、支柱立て、摘芯、誘引、追肥、収穫など)をレポートします!ゴーヤは独特な苦味があるウリ科の野菜。栄養豊富で沖縄では古くから親しまれてきました。雌花と雄花の違いについてや、栄養についてもお話しします。
撮影協力/アグリス成城
目次
ゴーヤとは・栄養
ゴーヤは、未熟果を食用にする野菜。果実は円柱形で両端がとがり、皮に無数のこぶ(いぼ)があります。皮の緑色が薄く、こぶ(いぼ)が大きいものほど苦味が少ないと言われます。
食べると特有の苦味があり、カリウム、ビタミンC、食物繊維、βカロテンなどが多く含まれ、日本では古くから沖縄地方を中心に食されてきました。今では全国的に有名になり、ゴーヤチャンプルは夏バテ解消のメニューとして広く知られています。「にがうり」「つるれいし」「れいし」など、地域によって様々な呼ばれ方をしています。
ゴーヤの育て方|畑で栽培した記録(収穫まで約60日)
元肥と畑の土の準備
ゴーヤを植え付ける前に、土を耕す作業が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに植え付けができます。
耕した際にでこぼこになった土は、レーキなどで平らに整えます。畑作業する時に通り道になる場所を掘って畝を作り、再び軽く整地しましょう。
私が借りている菜園では、スタッフの方が年に一度、土のメンテナンスを行ってくれるので、自分で石灰や堆肥の混ぜ込みはせず、菜園指定の有機元肥を混ぜ込んですぐに植え付けることができます。そのあたりは貸菜園によって規則が異なるので、石灰などを混ぜ込む場合は事前に管理者に確認しましょう。
植えつけ・支柱立て
5月21日
ゴーヤを植えるスペースに支柱を立てた後、苗を植え付けます。写真に写っているオレンジ色のポット苗がゴーヤです。今回は、こぶ(いぼ)が恐竜の背中のようなトゲトゲになるザウルスゴーヤを使います。
支柱は合掌式で立てました。合掌式とは、支柱を斜めに交差させて土にさし、横に1本渡して固定する立て方です。支柱にネットをかけて紐で結んでいます。小さな畑なので、片面にゴーヤ、片面にキュウリを育てていきます。
移植ごてでポットより少し大きい穴を掘り、苗をポットからはずして根を崩さずに植え付けます。株元にたっぷり水やりをしましょう。畑の土が乾ききっている場合は、植え付ける前に堀った穴に水をたっぷりまき、植えてからさらに水やりをします。
摘芯
5月21日
ゴーヤの摘芯適期は様々です。本葉5~6枚のころ親づるを摘芯して、子づるをどんどん伸ばしていく方法もあれば、親づると子づる2本を伸ばして3本仕立てにし、栄養を3本に集中させるという方法もあります。旺盛に伸びていくので、実際放任状態でも育ちます。
ゴーヤの植え付け適期は、関東では5月の連休明けくらい。今回は少しだけ植え付け時期が遅れてしまいました。そのため、苗が既に生長していて、植え付けと同時に摘芯することに。写真の青い線を引いた場所で親づるをカットしました。
誘引
6月21日
摘芯した後に出てきた子づるを麻ひもで縛って誘引すると、1か月後にはこのように茂りました。
追肥
6月28日
さらに1週間後には勢いを増して上に伸びています。子づるの中には、土の上を這うように伸びて隣の野菜に巻き付いてしまうものもあるので、いらなければその子づるは切ってしまいます。その分、他のつるに栄養がまわるので、子づるを切ることは全く問題ありません。
6月28日
つるが勢いよく上の方まで伸びてきたので、1回目の追肥をします。固形の有機肥料を10粒ほど、株周りの土に軽く埋めました。
花と実
6月28日
ゴーヤの花が咲き、花の後ろには赤ちゃんサイズのゴーヤがついています。毎年育てても、この姿を発見するととてもワクワクします。
6月28日
週に1回畑に行くので、1週間すると先週は無かった実が育っているのを見つけて嬉しくなります。
7月6日
さらに1週間後、合掌式のてっぺんを越えてつるが伸びています。その後は下向きに誘引したり、不要な部分をカットして育てましょう。カットするとまた脇芽が出て、全体的に葉が密に茂りボリュームアップします。
7月19日
植え付けから約60日くらいの様子です。葉が大きく育って茂り、葉の後ろに隠れてゴーヤの実がたくさんなっています。
7月27日
合掌式の半面でゴーヤ1株、半面でキュウリ1株を育てたのですが、両方毎週たくさん採れて嬉しい悲鳴をあげています。(笑)
ちなみに、写真左から3本目の小さな黄色い花が付いているキュウリが普通サイズで、その他はみんな育ちすぎのビックサイズです。ということなので、ゴーヤもけっこうな大きいサイズに育っていることがおわかりいただけると思います。今年は大成功でした!
上手く育てるとこれから9月まで収穫できます。来月は2回目の追肥をして、水やりを続けて収穫を楽しみたいと思います。
ゴーヤの雌花と雄花の違い
ゴーヤの黄色い花に、雌花と雄花があるのを知っていますか?雌花と雄花の見分け方をお話しします。
雌花
雌花の後ろ側には、ゴーヤの赤ちゃんのような実がついています。
雄花
ゴーヤの雄花にはゴーヤの赤ちゃんはついておらず、細い茎をすっと立ち上げて咲いています。
ゴーヤを育てよう♪
ゴーヤを育てると、どんな風に育つのか知ることができてとても面白いです。写真は、雌花が咲く前の蕾です。蕾の下には赤ちゃんゴーヤが見えます。こんな可愛い姿を見るととても癒されますよ。
ゴーヤはつるを伸ばしてよくからみつくので、写真のように隣の野菜の葉や茎に巻き付いてしまうことがあります。ピーマンの葉と手をつないでいるようで微笑ましいですが、あっという間に生長を妨げるほどからみつくのでつるを切って引き離しましょう。(笑)
ゴーヤのつるは空に向かって伸び伸びと生長します。丈夫で育てやすいので家庭菜園やグリーンカーテンとして人気がありますよね。機会があったらぜひゴーヤを育ててみてくださいね。
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