春に植える花・良い苗の選び方・植え方のコツ|プロトリーフ二子玉川本店 垂井愛さん
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2月~3月は、春の苗がたくさん出回る季節。まだ少し寒い日もありますが、本格的な春がやってくる前に苗を植えてしっかり根付かせておくと、暖かくなった頃に見事な花を楽しめます。
旬の草花やおしゃれな品種を取りそろえている、東京・二子玉川の人気ガーデンセンター「プロトリーフ二子玉川本店」を訪れ、寄せ植えのスペシャリスト垂井愛さんに、春の苗選びのポイントや植えるときの注意点など、気になることをたっぷり聞いて来ました!
撮影協力/プロトリーフ二子玉川本店
目次
3月に植えるおすすめの草花
編集部:
「春の庭はじめ」という感じで、そろそろ春の苗を植えたくなって園芸店に行かれる方も多いですよね。暑くなる前の3月~5月頃まで楽しめる、おすすめの草花を教えてもらえると嬉しいです。
垂井さん:
そうですね。既に春の苗がたくさん入荷していて、苗売り場が華やかになっていますよ。おすすめしたい苗をたくさん用意しておきました。多すぎますか?(笑)
編集部:
ありがとうございます! せっかくなので、全部皆さんに紹介したいです。
垂井さん:
それでは、花壇や寄せ植えに使う「メイン」になるような花と、どちらかというと「脇役」で寄せ植えのアクセントになる小花などに分けて紹介していきますね。
ちなみに、今回紹介する植物は、基本的にすべて日なたを好む性質です。育てやすくて可愛いので、寄せ植えを作るときにもよく使うものばかりです。
※「直根性」と記載されているものは、植え付けの際に根を傷付けないようにしてください。後に出てくる「苗を植えるときの注意点やコツ」で詳しくお話しします。
メインの花
オステオスペルマム 半耐寒性多年草

咲き方や色のバリエーションが豊富で、春と秋の二度のシーズンに開花するのも嬉しい魅力です。強い霜に当たらなければ翌年も楽しめます。
ルピナス 耐寒性多年草 直根性

空に向かって長い花穂を伸ばしてカラフルな花を咲かせる姿が美しいです。夏越しが難しく、一年草扱いされることが多いです。
マーガレット 半耐寒性多年草

一重咲き、八重咲き、ポンポン咲きなど色々な咲き方があり、人気の花です。
高温多湿が苦手で、かつ、強い霜に当たると枯れてしまうので、夏と冬を上手に超えられるようにケアすると長い期間花を楽しめます。
フレンチラベンダー 耐寒性多年草

ふわふわしたウサギの耳のようにも見える花穂が可愛いラベンダーです。ラベンダーの中では暑さに強いですが、蒸れに弱いので風通し良く育てましょう。
ローダンセマム 耐寒性多年草

シルバーがかった美しい茎葉と可愛い花が特徴的です。夏越しが上手くできると翌年も花を楽しめます。
西洋オダマキ 耐寒性宿根草

花色が様々あり、咲き方も一重咲きから八重咲きなどバリエーションが豊富です。
日当たりを好みますが、強すぎる日差しだと葉焼けを起こすので、夏は半日陰くらいの風通しが良い場所で育てましょう。
ラナンキュラス 球根植物

早春から春にかけてふんわりと可愛い花を咲かせる球根植物です。多彩な色が楽しめます。根は崩さずに植えましょう。
翌年も花を咲かせたいときは、花後、球根を掘り上げて管理するといいですね。
アネモネ 球根植物

ラナンキュラスと同じく、早春から春にかけて華やかな花を咲かせる球根植物です。花色が豊富で、半八重や八重など咲き方のバリエーションも多いです。
根は大きく崩さずに植えます。夏の間は球根を掘り上げて涼しいところで保管しましょう。
パンジー 一年草

秋から春まで花期が長いので、まだまだ5月頃まで楽しめます。フリフリタイプが一番人気です。
小花・カラーリーフ
ネモフィラ 一年草 直根性

こんなに爽やかなブルーの花色はなかなか無いので、根強い人気のネモフィラです。
ワスレナグサ 一年草 直根性

爽やかなブルーと言えば、ワスレナグサも人気があります。
夏の暑さが苦手なため、日本では一年草扱いされていますが、最近は暑さに強い品種が登場し、夏越しがうまくできれば翌年も楽しめたり、一般的なワスレナグサよりも一回り花のサイズが大きかったり、花色が変化する品種も出てきています。
スカビオサ 一年草・多年草

フォルムが愛らしく、風にゆれる姿も美しいところが魅力です。これはピンク色で、定番の薄紫色も人気があります。
種類によって一年草・多年草がありますが、夏の高温多湿に弱いため、日本では一年草扱いされていることが多いです。
イベリス 耐寒性一年草・多年草

白い可憐な小花が可愛くて人気があり、グランドカバーとしても重宝します。
一年草と多年草がありますが、多年草の品種は夏も強いので翌年も楽しめます。
宿根ネメシア 半耐寒性多年草

花色が豊富で、可愛い小花を次々と咲かせます。四季咲き性ですが暑さと強い霜に弱いので、夏と冬を上手に越せると一年中楽しめます。
キンギョソウ 耐寒性一年草・多年草 直根性

金魚に似た華やかな花が特徴です。本来は多年草ですが、夏の暑さに弱いため一年草扱いされていることが多いです。夏越ししやすいように品種改良されたものや、四季咲きタイプも出てきています。
リナリア 耐寒性一年草

キンギョソウに似ていますが、草姿が繊細で小さな花を咲かせます。
コツラ 耐寒性一年草

ホタルが舞い飛ぶような、黄色の小さい花が可愛いです。
夏の暑さに弱いため一年草扱いされていますが、この季節にしか楽しめない何とも可愛い花姿からファンが多いです。
ライスフラワー 半耐寒性常緑低木

米粒のような蕾が可愛いオーストラリア原産のオージープランツ。切り花やドライフラワーにもよく使われます。
寒さや暑さにあまり強くない性質で、高温多湿が苦手なので鉢植えで育てるのがおすすめです。夏は雨や強い直射日光が当たらない軒下に移動させたり、冬は室内に取り込むなどケアすると長く楽しめます。
スイートアリッサム 耐寒性一年草 直根性

小さな小花が密に咲いてこんもりと生い茂ります。花色が豊富で、一株に複数の花色が咲くポットも出回っています。
夏の暑さに弱いため、一年草扱いをされることが多いですが、近年は「スーパーアリッサム」という日本の夏にも耐えられる品種も登場しています。
宿根アリッサム 耐寒性多年草 直根性

シルバーがかったリーフと、立ち上がって咲く黄色い小花が魅力です。名前にはスイートアリッサムと同じ「アリッサム」がついて同じアブラナ科ですが、属が異なり性質や草姿も違います。
夏の暑さに耐えますが、蒸れに弱いので乾燥気味に育てるとよいです。
タイム 耐寒性常緑低木(ハーブ)

カラーリーフとして使ったり花を楽しむ観賞用と、料理に使う食用のタイムがあります。立性と匍匐性があるので用途によって品種を選びましょう。今はまだ寒さで紅葉しています。
高温多湿に弱いので、夏は風通しの良い場所で育てると良いです。
ラミウム 耐寒性多年草

銀灰色の葉が美しいカラーリーフです。タイムと同じく寒さで紅葉していますが、暖かくなるともっとシルバーリーフが多くなっていき、色の移り変わりも楽しめます。
真夏の直射日光では葉焼けをおこすことがあり、高温多湿にも弱いので、真夏は半日陰程度の風通しが良い場所で育てましょう。
良い苗の選び方

編集部:
良い苗と悪い苗の見分け方を教えてください。
垂井さん:
はい。いくつかチェックするポイントをお話ししますね。
①ひょろひょろと徒長している苗は悪い苗です。
②株元の葉が黄色くなっていたり、枯れている苗はおすすめしません。
③根がしっかり張っていて、ぐらつきのない苗が良いです。
④花が咲ききってしまっている苗より、蕾が多いものを選びましょう。
⑤葉が青々とイキイキしている苗がおすすめです。
⑥虫がついていたり、病気になっていないかチェックしましょう。
苗を植えるときの注意点やコツ
編集部:
植え付けるときに注意することや対処法を教えてください。
根を崩した方が良い?崩さない方が良い?

垂井さん:
植物によって少し注意することがあるのでお話ししますね。
①基本的に、植え替えするときには少し根を崩してあげるとその後の生長が良くなります。

②ただ、根があまり張っていない苗や球根植物は、根を崩しすぎるとその後の生育が悪くなるので注意しましょう。
③また、「直根性」といって、根が枝分かれすることなく、太い根がまっすぐ下に伸びていく性質の植物があります。直根性の植物は、太い根を傷めてしまうと根付きが悪くなるので、植え替えの際は土を崩さずに植え付けます。
株間はどれくらい?
垂井さん:
小さなポット苗は、暖かくなってくると大きく生長します。「上に伸びる」「横に伸びる」「垂れ下がる性質」など、それぞれの苗の生長をイメージして株間をとったり、植える場所を選びましょう。
温度について

垂井さん:
これからは暖かい日が増えていきますが、朝晩は冷えたり寒の戻りなど温度差があります。売り場の苗は温室育ちで早く花を咲かせている場合もあるので、買ってきたばかりの苗は暖かい日に植えたり徐々に寒さに慣れさせると安心です。
特にこれから出回るバジルは実は寒さに弱いので、3月~4月の寒の戻りの寒さで葉が黒くなり、枯れてしまうこともあります。4月中旬くらいまでは、寒い日は室内に取り込むなどしてあげましょう。
病害虫の対策

垂井さん:
急に暖かくなるとアブラムシなどが発生しやすくなるので、常に観察して見つけ次第捕殺して増やさないようにします。発生させたくない方は、植え付け時にオルトランなどの薬剤を土に混ぜておくといいかもしれません。
その他にも自然成分由来の殺虫剤など色々あるので、小さなお子さんやペットがいるご家庭など、使用される用途によって選ぶといいですね。
水やりについてはどうですか?
垂井さん:
植え付け後は、たっぷり水やりします。
日々の水やりは、これから暖かくなってきて、かつ、風が強い日は土の乾きが早いので、冬よりは水やりする日が増えてくると思います。ただ、朝晩冷え込むこともあったり、雨が降ることもあるので、日々土が乾いているかよく見て、午前中の暖かい時間帯に水やりしましょう。
土・肥料・活力剤について

編集部:
どんな土に植えたら育ちやすいですか?
垂井さん:
基本的に、水はけが悪いと土が乾かず、根の張りが悪くなって失敗しやすくなります。排水性と保水性のバランスが取れた土が良いですね。
花を植えるときには花用、観葉植物を植えるときには観葉植物用の土を使うと、土や肥料の配合バランスが最適化されているので使いやすくておすすめです。
編集部:
お気に入りの肥料や活力剤はありますか?
垂井さん:
いつも寄せ植えを作るときは、草花用の培養土を使って植え付けて、水をあげるときに活力剤を混ぜています。活力剤は、肥料とは違って微量要素やビタミンが入っているので、植え付け直後の根を傷めたときや、急な寒さや夏バテなどで、花の調子が悪いときに使うと回復を助けられるのでとても重宝しています。
肥料は、植え付け1か月後くらいから緩効性の肥料を株元に置いてあげると手間がかからず長く効くのでおすすめです。
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垂井愛さん、ありがとうございました。
雪が降った2日後に取材に伺ったのですが、一面雪で覆われていた苗売り場はスタッフさんたちの見事な手際で原状回復されていて、春の花がイキイキと並んでいたことに感動しました。
取材の様子はLOVEGREENのInstagramでもご覧いただけます。
皆さま、「春の庭はじめ」に植える花を選びに園芸店に行ってみてくださいね。きっとワクワクが止まらないと思います。
~垂井愛さんのご紹介~

プロトリーフ二子玉川本店勤務。ハンギングバスケットマスター。
カラーコーディネーターの資格を持ち、色の美しさを最大限に引き出す寄せ植え作りを提唱。店舗での接客やワークショップを通じ、年間で数多くの寄せ植えをプロデュース。植物の生命力と色彩が調和する、心豊かな暮らしを提案している。
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