木蓮(モクレン)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- 木蓮(モクレン)
- 学名
Magnolia liliiflora
- 英名
- Lily magnolia、Mulan magnolia
- 和名
- 木蓮、木蘭
- 別名・流通名
- 紫木蓮(シモクレン)
- 科名
- モクレン科
- 属名
- モクレン属
- 原産地
- アジア、北米一帯
木蓮(モクレン)の特徴
モクレン(木蓮)は早春に鮮やかな紫やピンクの花を咲かせるモクレン科の落葉樹です。その花が蓮を連想させることから「木蓮」と書かれるようになりました。
一般的にモクレン(木蓮)というと、紫色の木蓮(モクレン)をさすことが多く、樹高が10~20mになる白いモクレン(木蓮)はハクモクレンと呼ばれています。花びらの枚数はモクレン(木蓮)は6枚、ハクモクレンは9枚の違いがあります。
開花中に出てくる葉は、花の終わりごろには花を隠してしまうくらいになります。樹丈は5m前後位で横に広がりやすい樹形です。
モクレン(木蓮)は生長が早いので、植え付けをしてから数年で4~5m位まで生長します。暑さ、寒さに強いので育てやすく、園芸種も多数あります。
木蓮(モクレン)は、マグノリアという名前で流通していることがあります。マグノリアとは、モクレン類の学名で、シモクレン、ハクモクレン、コブシ、シデコブシ、キモクレン、タイサンボクなどを含んだ総称です。
木蓮(モクレン)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
---|---|
草丈・樹高 | ~5m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | ピンク、紫、紅紫 |
開花時期 | 3月~4月 |
木蓮(モクレン)の花言葉
マグノリアの種類
- シデコブシは、岐阜、愛知、三重のごく限られた低地や低湿地に自生する日本の固有種の植物です。現在は開発などで数が減少し、レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)で準絶滅危惧(NT)に指定されています。 園芸種も数多くあり、シデコブシの名の他、ヒメコブシという名で流通しています。コブシより樹高が小ぶりなので、庭園や公園樹の他、個人宅の庭木としてよく利用されています。 シデコブシ(ヒメコブシ)は、モクレン類の中では開花が早く、3月~4月に白やピンクの美しい花が開花し、花にはほのかな香りがあります。コブシの花弁数は6枚であるのに対して、シデコブシ(ヒメコブシ)は花弁の枚数が多く、園芸種は八重咲き種もあります。切り花としても親しまれ、つぼみや花つきの枝ものが冬に流通しています。
- サラサモクレンは、ハクモクレンとモクレンの交雑種で、両者の中間的な花の形や色をしています。園芸品種の他、自然交雑種もあります。花の形はハクモクレンに似た大輪の花を咲かせます。同じサラサモクレンでも花色に幅があり、淡いピンクから濃いめのピンクまで品種によって違いがあります。 ハクモクレン、モクレン、サラサモクレンの開花時期は3月~4月で、3つの花の開花時期は少しずつずれます。ほとんどの年は、ハクモクレン→サラサモクレン→モクレンの順に開花します。 サラサモクレンは生長すると樹高が7~10m程度の高木となり、雄大に広がった枝にたくさんの大輪の花を咲かせるので、開花時はとても華やかです。 ハクモクレン、サラサモクレン、モクレンと分類されて呼ばれる場合と、これら3つの学名であるマグノリアと呼ばれることもあります。
- ホオノキ(朴の木)は、北海道から九州の山林に自生するモクレン科の落葉高木でマグノリアの一種です。樹高が30m以上になるため、庭木としての利用より公園樹などとして植栽されています。初夏に直径15cm~20cmの大輪の白い花を咲かせ、開花時はあたりに甘い香りが漂います。 ホオノキ(朴の木)は、大輪の花よりもさらに葉が大きく、大きなものは50cmにも及びます。大きな葉は、古くから食べ物を包んだり、食器の代わりとして利用されてきました。 ホオノキ(朴の木)の葉には殺菌作用や防カビ効果があり、包むと良い香りも移ります。農作業の合間に箸を使わずに食べられるお昼ご飯として利用されたのが発祥とされ、現在でも朴葉寿司(ほおばずし)、朴葉飯、朴葉餅、朴葉焼き、朴葉味噌などの郷土料理として利用されています。 秋に黄葉した後に落葉します。木の周りに落ちる大きな落ち葉も見ごたえがあります。落葉中に見ることのできる冬芽も大きく存在感があります。
木蓮(モクレン)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 |
木蓮(モクレン)の栽培環境
日当たり・置き場所
木蓮(モクレン)は、日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりは花付きに影響します。
用土
肥沃な土を好みますが、よほどのやせた土地でなければ問題なく育ちます。
木蓮(モクレン)の育て方のポイント
水やり
植え付け後、根付いてからの水やりは基本的には降雨に任せて問題ありません。
肥料
自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても毎年開花します。
与える場合は、寒肥(1月~2月)と花後に緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を株元に与えましょう。
病害虫
カミキリムシに注意が必要です。幹に小さな穴を見つけたらカミキリムシの食害が始まっている可能性があるので、対策を取りましょう。
木蓮(モクレン)の詳しい育て方
選び方
株元や幹が太く、枝ぶりも良い苗木を選びましょう。木蓮(モクレン)は、園芸品種が数多くあります。それぞれ色に違いがあり、花びらの外側、内側の色が違うものが多いので好みの色合いの品種を選びましょう。
サラサモクレンのように、木蓮(モクレン)とハクモクレンを交配してできたものもあります。品種によって樹高に違いがあるため、確認してから購入しましょう。
植え付け
木蓮(モクレン)の植え付けは、厳寒期を除いた落葉中に行います。枝が広がるスペースを考慮して植え付け場所を決めましょう。
根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。
植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。
剪定・切り戻し
自然樹形が美しい木のため、必ずしも剪定が必要ではありませんが、混みあった枝や徒長枝、枯れ枝があるようなら剪定しましょう。剪定は、花後または落葉中が適時です。
花
木蓮(モクレン)は、春に芳香のある花を咲かせます。
冬越し
特に必要な冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
実生か接木で増やすことができます。実生の場合は、開花までに長い時間がかかります。