- サンキライは、日本全国の山地に自生するつる性の落葉低木。生薬にされたり、丸い葉で餅やだんごなどを包んだりと、薬用や食用として活用されてきた植物です。 サンキライのつるにはトゲがあり、葉の付け根から巻きひげが出ます。節ごとに、茎がジグザグに折れ曲がりながら、近くのものに絡みついて伸びていきます。猿がトゲだらけのつるに絡まって捕まってしまうことをイメージして、猿捕茨(サルトリイバラ)という別名があります。切り花では、トゲの無い品種が多く流通しています。 4月~5月頃に若葉と同時に淡い黄緑色の花が咲きます。雌雄異株で、両方が近くに無いと結実しません。葉は先がとがったタマゴ形、長さは約5cmほどで、固く丈夫で光沢があります。実は直径1cmくらいの丸い形をしていて、数個がまとまってつきます。赤い実が有名ですが、熟す前の5月~8月頃の実は爽やかな緑色の瑞々しい状態で、切り花として生花店に並びます。10月~11月頃には赤く熟し、ドライフラワーとしてクリスマスやお正月の飾り付けなどに用いられます。枝をくるくると丸めていき、何ヵ所かワイヤーや紐などでとめるだけで簡単にリースが作れます。 サンキライは性質が強く、地植えにすると地下茎で増えて、あちこちから芽を出します。庭植えにする場合は、地下茎で増えても良い場所をしっかりと見極めるようにしましょう。鉢植えで育てても、こぼれ種で違う場所から芽が出ることがあります。トゲがあるので剪定や誘引などをする時は、手袋を着用するなどして、肌を保護してください。 サンキライの和名である「山帰来」の由来は、山から帰って来たという意味であるとか、山で病にかかった人がこの実を食べて元気に帰ってきたからとか、諸説あります。