タイムとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- タイム
- 学名
Thymus
- 英名
- Thyme
- 和名
- 立麝香草(タチジャコウソウ)
- 科名
- シソ科
- 属名
- ジャコウソウ属
- 原産地
- ヨーロッパ、北アフリカ、アジア
タイムの特徴
タイムは、春~初夏に小さな花を咲かせるシソ科の耐寒性常緑低木(ハーブ)です。種類が多く、大きく分けると、立ち上がり上に伸びる立性のもの(コモンタイム)と這うように生育する匍匐性のもの(クリーピングタイム)に分かれます。
一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのこと。肉などの臭み消し、「ブーケガルニ」としてシチューやポトフなどの煮込み料理の風味付け、ハーブティー、防虫対策、サシェなどに使われている最も一般的なタイムです。野菜売り場のハーブのコーナーで売られているタイムもコモンタイムです。最近はコモンタイムから選抜されてできた品種がたくさんあります。
クリーピングタイムは、食用より観賞用に使われます。這うように生長する匍匐性のタイムで、草丈は5~10cmくらい。小さな花が集まって1つの丸い花になっていて、その花がカーペットのように咲き広がる姿は圧巻です。地面を覆うように横にどんどん広がって育つので、グランドカバーとして使うと雑草対策にも役立ちます。花壇の縁取りに植えると土の流出を防ぐことができます。寄せ植えやハンギングバスケットにもよく使われます。蒸れに少し弱い点がありますが、痩せた土地やロックガーデンでもよく育つ丈夫なタイムです。しっかり根付いていれば多少踏んでしまっても問題なく、草丈を低く抑えたい時は、時々かるく踏んであげると上にあまり伸びません。踏むと良い香りが漂います。
レイタータイムという、グランドカバー用に改良された匍匐性のタイムもあります。生長が速く、雑草対策におすすめです。他にも、葉の縁に美しいシルバーの斑が入るシルバータイム、レモンの香りがするレモンタイム、縁に黄金色の斑が入るゴールデンタイム、白の斑入りで気温が低くなるとピンクがかった葉色になるフォックスリータイムなど種類が豊富です。
料理やお茶など、食材として利用するためにタイムが必要な場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。
タイムは品種によって生長の仕方が違います。植える環境に合わせて品種を選びましょう。
立性・・・立ち上がるように生長します。地植えにすると30cm以上の高さになります。コモンタイムは立性です。
匍匐性・・・這うようにして生長します。代表的な品種はクリーピングタイムです。這うように生長するので、丈は10cmくらいにしかなりません。匍匐性のタイムは、花壇の縁取りやグランドカバーにもなります。
タイムの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
---|---|
草丈・樹高 | 5~30cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
花色 | ピンク、白、薄紫 |
開花時期 | 4月~6月 |
タイムの種類
コモンタイム
一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのこと。料理やお茶、サシェなどに使うことができます。立性です。
シルバータイム
葉の縁にシルバーの斑が入る品種。立性で、花壇の縁取りや料理、ハーブティーなどにも使われます。
クリーピングタイム
匍匐性で地面を覆うように横にどんどん広がって育ちます。食用より観賞用として使われることが多いタイム。
フォックスリータイム
葉に白の斑が入る匍匐性のタイム。気温が低い季節はピンクがかった葉色に変化します。
レモンタイム
レモンの香りがするタイムで、料理やハーブティー、ハーバルバスなど香りづけに使われます。
レモンタイムには立性と匍匐性の両方のタイプがあり、匍匐性タイプはグランドカバーや観賞用におすすめです。
レイタータイム
グランドカバー用に改良された匍匐性のタイム。花はピンク色です。
生長が速く、踏みしめにも強い性質です。通路沿いや石、レンガや枕木の隙間に植えたり、芝生ような使い方もできます。生長が速いタイプなので、あまり増やしたくない方にはおすすめできませんが、雑草対策として広がってほしい方にはおすすめのタイムです。
ゴールデンタイム
葉の縁に黄金色の斑が入る匍匐性のタイム。
観賞用として花壇の縁取りや寄せ植えなどによく使われます。
タイムの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
開花 |
タイムの栽培環境
日当たり・置き場所
タイムは、日当りと風通しの良い場所で育てましょう。
温度
タイムは耐寒性があるため、関東以南の地域では防寒対策はほとんど必要ありません。強い霜に当たったり、降雪する寒い地域では地上部が枯れますが、根は生きていて春になるとまた芽を出します。
用土
多湿を嫌うので水はけの良い土が適しています。
鉢植えの場合は、ハーブ用または草花用の培養土を使いましょう。
酸性土壌を嫌うので、土の酸度が酸性に傾いている場合は、事前に苦土石灰をまくなどして土壌の調整を行いましょう。
タイムの育て方のポイント
水やり
鉢植えの場合、土が乾いたらたっぷりと水やりします。湿気が苦手なので、やや乾燥気味に育てましょう。冬場は水やりの回数を減らします。
地植えの場合、根付いてからの水やりは基本的に不要で、雨に任せて問題ありません。
肥料
鉢植えの場合、植え付けるときに元肥を混ぜ込み、必要があれば春と秋に適量追肥します。
地植えの場合は、特に肥料は必要としません。
肥料が多すぎると香りが薄れたり、根腐れすることもあるので注意しましょう。
病害虫
目立った病害虫の害はありません。
タイムの詳しい育て方
選び方
タイムは、主に苗で購入します。蒸れて下葉が傷んでいるものは避けましょう。
品種が数百品種あります。食用か観賞用か、立性か匍匐性か、用途に合わせた品種を選びましょう。
種まき
細かい種なので、土はあまりかぶせず、押さえるようにして種をまきます。
植え付け
植え付け適期は、春か秋です。
仕立て方
基本的に花後と冬前に切り戻します。
株元が蒸れて状態が悪くなった時にも、思い切って切り戻すと再び元気を取り戻します。梅雨や夏の高温期に風通し良く管理すると、蒸れずに美しく育ちます。
タイムは剪定せずに管理していくと、株元が次第に木化し、株元が葉のない見栄えが悪い状態になることがあります。株の姿が乱れたら、適度に切り戻すと美しい姿を保ちます。
剪定・切り戻し
花の後に、株元でバッサリと切り戻します。また、株元が蒸れて株の様子が汚くなったら思い切って切り戻します。その他、冬前に地際で切り戻し剪定をします。
植え替え・鉢替え
植え替えの適期は春か秋です。
タイムは生育旺盛なので、根詰まりしないように植え替えを行いましょう。一回り大きな鉢に植え替えるか、大きさを維持したい場合は、株分けを行います。古い土を落として新しい土に植え替えましょう。
花
品種によって異なりますが、春~初夏頃に小さな花を咲かせます。花色はピンク、白、薄紫などがあります。
高温多湿の蒸れに弱く根腐れしやすいため、花後は早めに切り戻しましょう。
収穫
葉がある間は常に収穫ができます。花が咲くと葉の香りが弱くなるので、咲く前に収穫します。
クリーピングタイムを食用として使うことは可能ですが、料理によく使われるコモンタイムなどと比べると香りが弱く、地面を這うように育ち、草丈も低いためあまり食用には向いていません。
夏越し
高温多湿に弱いので、梅雨時期や夏は、風通しの良い場所で管理しましょう。
冬越し
タイムは耐寒性があるので、関東以西の地域では防寒対策はほとんど必要ありません。寒さが厳しいと地上部が枯れますが、根は生きているので春になるとまた芽吹きます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分け、挿し木で増やすことができます。
種まきで増やすこともできますが、個体差があるため、品種にこだわって確実に増やすには株分けと挿し木がおすすめです。