- タニウツギは、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木。タニウツギ属は、中国や朝鮮半島にも分布していますが、12種のうち10種が日本に自生しています。北海道から本州の日本海側や、瀬戸内海側の山地で多く見られる木です。タニウツギという名前は、山の中の谷や渓流沿いで枝を下垂させるように伸ばして咲く姿に由来します。 タニウツギは、5月~6月にピンク色の花を数個ずつまとめて咲かせます。花は2~4cm程のろうと状で、基部は細く、先が広がって5裂しています。花色と咲き方が美しいことから、観賞用に栽培され、斑入りなどの園芸種も作出されています。葉は、先の尖った卵型で、触ると柔らかく、葉脈がはっきりと見えるのが特徴です。枝を横に広げるような樹形も美しく、花がない時期でも楽しめる庭木です。 タニウツギ属の仲間には、タニウツギやヤブウツギのように咲き始めから花色がピンク色の種類と、ハコネウツギやニシキウツギのように咲き始めの花は白く、徐々にピンク色に変化していく種類があります。