キンモクセイの増やしかたと鉢植えでの管理について
小野寺葉月
このライターの記事一覧
植物の変化で季節を実感できることがありますよね。桜が咲くと春だなあ。ひまわりが咲いてるのを見ると夏って感じ。あ、キンモクセイの香り!秋だねえ。そんな風に香りで季節を教えてくれるのがキンモクセイですよね。今回はそんなキンモクセイを増やす方法についてご紹介します。植物を増やす方法についてや、鉢植えで育てたい場合などもご紹介します。
目次
キンモクセイとは
キンモクセイとはモクセイ科の常緑小高木です。原産地は中国で、日本に持ち込まれたのは江戸時代。9月に咲く香りのいいキンモクセイは雌雄異株なので、一本では結実しません。この時日本に持ち込まれたのが雌株のみで、以後日本には雄株がほとんど持ち込まれていないため、日本には雌株ばかりなので実生で増えることがありません。
日本にあるキンモクセイはすべて挿し木で繁殖されれたクローンだいう説もあります。
植物を増やす方法は何がある?
さて、そんなキンモクセイですが、おうちで増やすことができます。そもそも植物を増やす方法にはいくつかあります。
挿し木
挿し木は切った枝先を苗のように植え付ける方法です。アジサイなどもこれでできます。
接ぎ木
接ぎ木はサボテンやバラなどでよく使われる増やし方です。台座となる木に、増やしたい種類の枝を接ぎ、育てます。
取り木
取り木は、枝の中腹の樹皮を削り、ミズゴケなどでカバーして発根させ、発根した部分の下をカットして、上部分を新しい株として植え付ける方法です。
茎伏せ
モンステラなど気根が出る観葉植物に向いている方法。茎の気根が出てる部分をカットして土に置き、発根するのを待つ方法です。
株分け
株が大きくなってきたときに、土から掘り出して株を分割する方法です。宿根草や観葉植物に向いている増やし方です。
実生
種ができたらそれを蒔いて発芽させる方法です。たくさんできるので、失敗させたくない場合はそれがおすすめです。
植物の種類によって向いている方法が異なります。キンモクセイに向いているのは挿し木と取り木です。
キンモクセイを増やすのに適した時期
キンモクセイを増やす適期は5月~7月です。その年に伸びた新梢を使って挿し木をします。5月~7月が適期なのには理由が2つあります。1つは土が乾きにくく、乾燥しにくいので失敗しにくいこと。また、その期間は平均気温が15度以上で生長しやすい温度なので、キンモクセイにかかる負担が少ないことから失敗しにくいのです。
キンモクセイを挿し木する方法
キンモクセイを挿し木する場合は、枯れてしまう可能性を考えて一本ではなく、複数行うといいでしょう。
キンモクセイの挿し木手順
1.新梢を根元からカットする。
2.カットした新梢(以下枝)を水につけておく。
3.2時間後、枝の断面に発根促進剤を塗る。
4.用意しておいた苗床に枝を埋めていきます。
この時使う土は、庭の土や畑の土ではなく、新しい清潔な土にしましょう。挿し木用の土があればそれを使っても大丈夫ですし、赤玉土の目が細かい土があればそれをおすすめします。
5.苗床を乾燥させないようにこまめに水をやります。ビニール袋をかぶせるなどするのも効果的です。梅雨時期は雨が跳ね上がると病気になることもあるので、少し地上から高い位置に置いて管理するのもいいでしょう。
6.梅雨時期、夏の時期、秋、冬とそのまま生育させます。根っこが生えてるか確認したくなりますがここはガマン。新芽が出てきたら無事に生長している証拠です。庭に植え付けをするのは次の年の春先がおすすめです。3月から4月にかけてが最も根つきやすいでしょう。
キンモクセイを鉢植えで育てたいとき
キンモクセイを育てたい!でも庭はない・・・そんな時は鉢植えですよね。でも鉢植えでキンモクセイって育てられるの?そう思う方は結構多いのです。鉢植えで育てる方法を調べてみました。
苗の選び方
鉢植えで育てる場合、背の高すぎる苗はやめましょう。キンモクセイの鉢植えはだいたい120cmぐらいまでのものを選びましょう。キンモクセイは花がとてもきれいで好きな方も多い樹種ですが、キンモクセイが若いうちは花がつかないことが多いので、ある程度幹の太さがしっかりしているものを選びましょう。幹の直径が1.5cm以上のものだと、花の開花が見込めそうです。
土の種類
鉢底石を引いたら、赤玉土7対腐葉土3で土を作ります。そこに植え付けをしましょう。
植え付け
植え付けの適期は3~4月。苗を買ってきたら鉢に植え替え。
水やり
鉢の土が乾いたら、あげるようにしましょう。鉢皿を使う場合は水が溜まったままにならないようにしましょう。
植え替え
キンモクセイは植え替えを嫌います。基本的に庭に植え付けたときは移植を避けたほうがいいでしょう。しかし、どうしても移動しないといけないときや、鉢植えの場合1~2年に一度は植え替えて、大きな鉢に変える必要があります。根を傷つけないように慎重に作業を進めるようにしましょう。
キンモクセイがうまく根付いたらプレゼントにしてもいいですね。根付いてから花が咲くまでは5年ほどかかりますので、気長に育ててね、と説明が必要ですね。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「キンモクセイの増やしかたと鉢植えでの管理について」の記事をみんなにも教えてあげよう♪